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【人】 西園寺 飛鳥もし明日、江戸川さんよりいい人が 見つかって、ここに来なくなれば、 清々した!と思うんじゃないんだ? [あ、そっか、寂しい?もちろん寂しいよね?と にこぉっと唇は弧を描き、うんうんと頷けば 「だから、寂しくないようにまた来る」と 伝えて、ぐいっとお茶を最後まで飲み干した。 飲み口についたグロスを軽く拭って。 聞き分けろ、なんてW大人の意見Wには 「聞き分けは悪い方なの」とさらりとかわし] (7) 2021/05/20(Thu) 0:27:22 |
【人】 西園寺 飛鳥そーゆー顔も好き [渋い表情に笑顔を向けて、店をあとにする。 強硬手段に出られないわけじゃない。 だけど、迷惑をかけたいわけじゃない。 その前にどうかこっちを向いてほしい。 わたしの方を見てほしい。 あの日はちゃんと合った、通じ合った。 だから電流が走って、私は恋に落ちた。 ここに通うようになってからも、 目が合うことはあるのだけれど、 あの時のように真っ直ぐじゃない。 どこかできっと、一線引かれていて 引いた線の上に透明の分厚い板が置かれてる。 届かない。触れらない。きっと、今以上 距離を詰めることを彼は怖がってる。] (8) 2021/05/20(Thu) 0:27:40 |
【人】 西園寺 飛鳥[───その理由が、わからない。 私が彼より若いから?まだ大学生だから? だけど成人はしているし。 家だって知ってるくせに。 見た目が嫌?もっと可愛らしい、女の子らしい シフォンやフリルを使ったような服を 着るほうが気に入ってもらえる? ───ううん、そんな事したくない。 わたしはありのままの私を、知ってほしい。 見つめてほしい。それで、好きになってほしい。 それは、わがままなのかな。 そんなことを考えながら、次の週。 わたしはまた、彼の元を訪れる。] コーヒー、持ってきたよ、江戸川さん [そう言ってにっこり微笑みながら、 家の蔵と似た匂いのする店の中へと足を 踏み入れるのだ。] (9) 2021/05/20(Thu) 0:27:59 |
【人】 西園寺 飛鳥これ、ドリップにしてもらった。 飲みやすいかなって思って。 [そう言って、父の行きつけの喫茶店で 準備してもらった紙袋を手渡す。 ちなみに、お茶菓子は用意していない。 また美味しいお菓子、準備してくれてるかなって そんなささやかな期待を込めて。 それからもうひとつ。 カバンの中に忍ばせた、隣町の美術館で 開かれている展示会のチケット。 興味を持ってくれたらいいな、そうしたら、 デートに応じてくれるかな、と ちらちらそちらを窺いながら。 隙を見て切り出す算段で。]* (10) 2021/05/20(Thu) 0:28:21 |
【人】 西園寺 飛鳥[きっと、うまく伝わってない。 江戸川さんは怖がりだから。 私のことが嫌いなら、お茶菓子なんて用意しない だろうし、お茶なんて出してくれるわけない。 悪態をつきながらも毎週毎週迎え入れてくれるのは 女として、じゃなかったとしても。 妹のよう、だったとしても 少なからず好意を抱いてくれているからだと 私は思っているのに。 ならば、それをどうすればW異性Wとして 見てもらえるようになるのか。恋人の候補として 彼の人生の一部になることを許されるのか 毎晩のように悩むのだ。 友人に相談したとて、有益な情報や案は 今のところ出てこない。 強硬手段、も友人の軽口ではあったのだけれど できればそれはとりたくはなかった。] (29) 2021/05/21(Fri) 21:01:01 |
【人】 西園寺 飛鳥[心が欲しい。彼の。 好きになってほしい。 熱のこもった視線で見つめてほしい。 別の誰かに私が行こうとしたら 引き止めて、抱きしめてほしい。 人生全てをくださいと口に出しているわけでは ないのだから、そこのところちょっとだけ くれたりしないかなって。 控えめでしょって思うのだけれど、まあ もちろん現実はそううまくはいかないのだ。 今日こそ、振り向いてもらえますようにと 願掛けしながら開く扉。] (30) 2021/05/21(Fri) 21:01:20 |
【人】 西園寺 飛鳥[持ってきたコーヒーを手渡すと、緩んだ頬に、 きゅん、と心根が掴まれるよう。 愛おしさが溢れて、自然と表情は綻んだ。] 今日も冷やかしって思ってる? 律儀な冷やかし客だなーって? [と首を傾げて見せながら、いつもの席につけば、 小皿に乗った可愛らしいカップケーキが テーブルをすべって出てきただろうか。 そうしたら、わたしはそれを見つめて、 ぱちくりと目を瞬かせてから、 江戸川さんの方を見上げるだろう。] (31) 2021/05/21(Fri) 21:01:36 |
【人】 西園寺 飛鳥───すっごいかわいいんだけど! え!なにこれ!写真撮っていい? [とあからさまに一つ声のトーンが上がる。 はしゃいでスマホを取り出せば、 回答よりも先に一枚パシャリと納めた。 それから、にへ、とした笑みを向けて ちょいちょい、と手招き。 こちらにきてくれないなら仕方ない。 立ち上がってそちらに歩いて行き、 左手の手指で器用にスマートフォンを持って くいっと彼の腕を引きながら軽く背伸びすれば 長押しで連写。そうすれば、1枚くらいは ブレていないツーショットを 納めることができただろうか。 その距離にすぐに頬は緩んで。] (32) 2021/05/21(Fri) 21:01:51 |
【人】 西園寺 飛鳥隙だらけですよ、お兄さん そういうとこも好きだけど [と、悪戯の成功した子供みたいな笑みを浮かべて そそくさと席へと戻ろうか。 先程の写真は消せと言われても絶対に消さないし、 むしろ「ロック画面にしよ」と鼻歌混じりに スマホを操作し始めるだろう。 ちなみになぜ急に写真なのかと問われれば、 「今めっちゃ好きだなって思って、この瞬間を 撮りたいって思ったから!」と肩をすくめる。] えーでもほんとかわいくて、 なんか食べるのもったいないな [そうはしゃぎなから。 コーヒーのいい香りを鼻腔に吸い込み、 ティータイム…もといコーヒータイムをはじめよう。] (33) 2021/05/21(Fri) 21:02:22 |
【人】 西園寺 飛鳥[相変わらずつれない江戸川さんに、 今日はとっておきのお誘いがある。 カバンの中に忍ばせた、2枚のチケット。] あ、そうだ [と前置きしてそれを取り出せば、 す、と2枚、差し出して。 そうしたら、びっくりしたように問いかけが されるから、目を柔く細めて。] 綺麗なものは好きだから。 香水も、結構好きだし。 […で。] (34) 2021/05/21(Fri) 21:02:37 |
【人】 西園寺 飛鳥わたしとデート、しませんか? [そう言って、差し出したチケットを引き寄せ、 その影からちらりと顔を覗かせて、 そちらをじいっと見つめよう。 唇を噛み締めながらこちらを見ているのが わかれば、眉尻をそっと下げて。] (35) 2021/05/21(Fri) 21:02:52 |
【人】 西園寺 飛鳥…そんなに気負わなくても。 [唇をとがらせて、少しばかり 困ったように笑ってみせる。 それでも彼が手に取ってくれないなら、 ふぅ、とひとつ息を吐いて、チケットを 一度膝の上に下げるだろう。] ───展示に興味がないわけでは ないよね、そのリアクション的に。 つまり、今引っかかってるのは、 私とお出かけするってとこだよね。 [唇を結んで、ゆらゆら、今度はこちらが迷う番。 私も2人じゃまずいなにかがあるのか。 それとも、この隔たりを超えることになる、と 彼は思っているのか。 あくまで冷やかし客と店主の位置付けを 崩したくない、のだろうか。 ふぅ、と息を吐いて、また、眉尻を下げて笑って] (36) 2021/05/21(Fri) 21:03:07 |
【人】 西園寺 飛鳥───あげる。 [膝の上に置いたチケットをテーブルに そっとのせて、そちらへスライド。 パッと手を離して、コーヒーカップをとり、 一口飲んだ。さっきより少し苦いかも。] 江戸川さんの好きな人と行って。 もちろん、わたしでもいいけど。 お誘いはいつでも待ってるから。 [と肩をすくめてもう一口。 ゆらゆら、揺れる水面に視線を落として] (37) 2021/05/21(Fri) 21:03:23 |
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