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【置】 サルコシパラ「ウユニさん。 私は貴女に謝らなければなりません。 きっとこれを読んでいるということは 僕が今、貴女を哀しませているということ。 何も言い訳はできません。」 (L0) 2022/08/27(Sat) 8:14:24 公開: 2022/08/27(Sat) 8:30:00 |
【置】 サルコシパラ「貴女から病気の事を聞かされた時から 私はずっとこの道を考えていました。 決して貴女がこれを望まないことも 全てをわかった上で、僕は貴女の命を 未来に繋ぐことを選ぶことにしたのです。」 (L1) 2022/08/27(Sat) 8:15:20 公開: 2022/08/27(Sat) 8:30:00 |
【置】 サルコシパラ「だから叶うならどうか… 今は生き延びてください。 そうして好きなだけ寄り道をして 好きなだけ生き抜いてみてください。 また数十年後、貴女に会えることを楽しみに 私は蒼空で貴女を見守っています。」 (L3) 2022/08/27(Sat) 8:20:06 公開: 2022/08/27(Sat) 8:30:00 |
【人】 ウユニ 家族に見捨てられた私を、優しく迎え入れて 普通なら到底受け入れられない病を受け入れて 私の事を、愛してくれる人と、過ごしていた。 綺麗だ、と言ってくれたことも 私の贈り物に喜んでくれたことも 思い出をなぞるように湖で遊んだことも 愛を誓いあったことさえも。 すべて、ゆめだったの。 (1) 2022/08/27(Sat) 17:53:59 |
【人】 ウユニ―――――また、哀しい夢を見ていた気がする。 呼ばれて、ふと、現へ意識が引き戻された。 心配そうにこちらを見つめている子に 私は優しく笑いかけて。 (6) 2022/08/27(Sat) 18:03:01 |
【人】 ウユニ「なんでもないの。 ……ごめんね、ヴィオラ。 起こしてしまったかしら。」 まだ、陽が高くない時間、 幼子が起きるには随分早かったから、 まだ寝ていていいのよ、と頭をなでた。 (7) 2022/08/27(Sat) 18:03:56 |
【人】 ウユニ『ううん。 もう、ねむくなくなっちゃった。 おかあさんは……? ねてるときのおかあさん、 ずっと、くるしそうだった。 だいじょうぶ……?』 (8) 2022/08/27(Sat) 18:04:23 |
【人】 ウユニ眉下げて、此方を見つめる目元は 愛しいあの人に、似ている。 この子は……、ヴィオラは、 最愛の人の忘れ形見。 だから似ていて当然なのに、 数年見続けてもまだ、はっとしてしまう。 今でも、この子の存在は夢じゃないのか、と ヴィオラを見ては 驚いてしまうことがあるくらいだから 身籠っていると分かった当時は、 本当に驚愕したし 暫くは信じられなかった。 (9) 2022/08/27(Sat) 18:05:10 |
【人】 ウユニ でも、我が子の存在を知れば 死ぬわけにも、この身を蔑ろにするわけにも いかなくなってしまって。 裁縫で生計を立てる術はあったから。 誰にも頼ることなく、私は子どもを産んだ。 (10) 2022/08/27(Sat) 18:05:41 |
【人】 ウユニなおも心配そうなヴィオラの気をそらすように 朝食を作って、食べさせて。 視力を失った左目を隠すように眼帯をして、 机に置いてあった仮面を一度、撫でた。 ヴィオラが生まれてからは、付けていない仮面。 それは埃一つ被らず綺麗なまま、置いてあった。 身支度を済ませれば、 ヴィオラの手を引いて、家を出る。 (17) 2022/08/27(Sat) 18:12:49 |
【人】 ウユニ目指すのは、あの日以来訪れていなかった丘。 行けば、あまりにつらい出来事を 思い出してしまいそうだったから、避けていた。 久々に来た場所は、 花が増えていること以外は 何も変わっていなかった。 吹き抜ける風の心地よさも、景色も。 (18) 2022/08/27(Sat) 18:17:56 |
【人】 ウユニ最後は語り掛けるように呟くと、 蒼空を見上げて、 天国にいる貴方へ笑いかける。 つられた様にヴィオラも 天を見上げて、笑って。 つながれた小さな手の温もりを感じながら、 私は密かに誓った。 (20) 2022/08/27(Sat) 18:19:35 |
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