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【人】 月影 帳[ 自分には特別な力があるんだ、って もしそんなことを身近な人に言われたら。 普通ならどんな反応をするだろう。 そんなわけない、って笑うか なにかの冗談だって流されるか。 きっと普通なら、信じてもらえない。 でも、僕は違った。 ] (3) 2023/07/17(Mon) 2:15:23 |
【人】 月影 帳[ 僕にはW探し物Wの場所が分かる力がある。 それは形あるものでも、ないものでも。 僕が初めてその力を使ったのは 君と初めて出会ったあの日、だったな。 ]** (4) 2023/07/17(Mon) 2:15:52 |
【人】 星川 緋彩[ 私には特別な力がある。 それを言っても信じてくれた人はいなかったの それが普通で、当たり前 普通の世界に普通じゃないものがある それが、私の普通なの。 ] (7) 2023/07/17(Mon) 8:02:16 |
【人】 緋彩[ 嘘つき って言われた。私が起こせる特別は、ちっとも特別じゃない。 凄い事じゃないの。 ちょっと風がふく位”普通”にある事なの。] ……正義のヒーローの“魔法使い”の道は険しいのね [それはテレビか、動画か、何かで見た物語。 魔法使いの少女が戦って皆のヒーローになるお話。 私は一瞬で夢中になった。 キラキラして、可愛くて、 私もそうなりたいと思ったの。 ] (9) 2023/07/17(Mon) 8:02:59 |
【人】 緋彩[ただ、その能力はささやかなもの。 私も気付いたのは小学生になって暫くしてからなの。 自分で切った指を治癒してわかるってささやかな出来事。 なんで自分に魔法が使えるのか それは全く分からなかったわ。 憧れた物語では、主人公は家族に隠して活躍していたわ。 だから私もその力を黙って、練習したの。 それで自分の力はたいして特別じゃないってわかったけどね 夢を持つのは自由なのよ。] (11) 2023/07/17(Mon) 8:03:18 |
【人】 緋彩[その日はお兄ちゃんから家の鍵を預かっていたの。 パパとママはお仕事で帰るのは夜。 お兄ちゃんはお友達と遊んで帰るからだって。 歩いていて見つけたのは張り紙で見た事がある猫。 ヒーローは小さな困りごとも見逃さないものなのよ。 嘘つきじゃないって証明したくて一生懸命だったの。] 待って、待って、猫ちゃん! (12) 2023/07/17(Mon) 8:03:27 |
【人】 緋彩[立ち入り禁止の看板なんて猫には関係ない。 私は勿論追いかけるの。 入れないよう仕切ってるロープなんて 魔法の力で高くじゃーんぷ! すれば問題ないの。 気付いたら見覚えない高台にいて 走り回ったのと、魔法を使った反動で眠くなって 猫を見つける前に木に寄りかかって目を閉じちゃったの お兄ちゃんが私と家の鍵の行方を探すような時間に 知らない間になっちゃっていたの。]** (13) 2023/07/17(Mon) 8:05:25 |
【人】 帳[ 噓つき って言われると思っていた。僕自身も半信半疑だった。 僕には探し物の場所が分かる 特別な力があるって教えてくれた 僕のおじいちゃんもきっとそれが分かっていたから 誰にも言っちゃいけないよ、って。 小さい僕に言って聞かせたんだと思う。 僕のもつ特別な力なんて 偶然で片付けられるくらい、凄いことじゃない。 どうせ特別な力があるのなら 風が吹いたり傷を治せたり。 もっとわかりやすい魔法みたいな力が良かった。 ] (15) 2023/07/17(Mon) 20:20:35 |
【人】 帳……つまんない。 [ 誰にも言えない、言えたって信じてもらえない。 つまらないな、って思ってしまうのも 仕方のないことだった。 ] (16) 2023/07/17(Mon) 20:21:10 |
【人】 帳[ たとえばそう、同じように特別な力がある人に。 これって探し物、なのかな。 でも、人は物とは違う。 それに、見つからなかったとき傷つくのは自分だ。 結局怖くて、人相手には力を使ってこなかった。 ] (18) 2023/07/17(Mon) 20:23:05 |
【人】 帳[ その日は、外で友達と遊んでいた。 夜になる前には帰っておいで、って お母さんには言われていたし、 夜が危ないのも知ってたから 暗くなる前には帰るつもりだった。 ] ……妹がいない? [ 帰ろうって思って公園を後にしようとしたら 聞こえてきた会話。 近くを探してもいない、どうしよう、って そんな焦った声が聞こえてくる。 先に家に帰ってるとかそう言う事でもないらしい。 ] (19) 2023/07/17(Mon) 20:24:40 |
【人】 帳あの、その子ってどんな見た目ですか? [ 初めて、この力が役に立つのかもって思った。 感謝されるのかも、って。 後から思い返してみれば浅ましい。 ヒーローからは程遠い理由で、 僕は妹を探してるお兄さんに声をかけた。 ] (20) 2023/07/17(Mon) 20:25:28 |
【人】 帳僕も、手伝います。 [ あくまで、普通に手伝うふりをして 探し人の特徴と、名前を聞いた。 ちょっと渋られたくらいじゃ引かなかった。 すんなり教えてもらえたかな。 教えてもらえたなら。 ] (21) 2023/07/17(Mon) 20:27:13 |
【人】 帳―――こっち? [ 感じるままに、歩いていると 元の場所からは 結構遠いところまで来ていた。 本当にこんな場所まで、 女の子が一人できたのかな。 場所が場所なだけに、僕が僕自身の力を信じ切れずに 立ち入り禁止の看板の前で暫く立ち尽くす。 ] (23) 2023/07/17(Mon) 20:28:08 |
【人】 帳[ 立ち入り禁止のロープをどうにか乗り越えると その先の高台へと歩いていった。 辺りはもうすっかり暗い。 早く帰らないといけない時間。 猫の声が聞こえた気がして ふっと辺りを見回すと、木の根元に誰かいた。 ] (25) 2023/07/17(Mon) 20:30:39 |
【人】 帳―――――……大丈夫? [ 君はまだ、眠っていたかな。 それとも、起きていた? 眠っていたなら、軽くゆすって起こしてから。 僕は、君に向かって手を差し出しながら こう聞くんだ。 ]** (26) 2023/07/17(Mon) 20:31:18 |
【人】 緋彩ん〜……? うん。 [寝ぼけながらも大丈夫、の言葉に反射的にうん、と返す。 外で寝てたからあまり疲れはとれてないみたい。 ぼーとしてる寝ぼけた頭で無意識にその手を取ったの。] うん、私は… 星川緋彩 [この人知り合いだったかな? お兄ちゃんのお友達とかだったっけ? 寝ぼけた頭がまだ回ってなくてぼけーと返答したの。] (31) 2023/07/17(Mon) 21:07:23 |
【人】 緋彩お兄さんは……っくしゅ [くしゃみをして思わずごめんねって謝る。 そうしてやっと意識がはっきりしてきたの。] ───── あ ああああああああああああああああ!! え、今何時? どうしよう! 寝ちゃってた! え、あれ、私そうだ。猫追いかけて…… [そう、私は普通なら入り込まないような そんな場所に来ていたわ。] (32) 2023/07/17(Mon) 21:07:37 |
【人】 緋彩ってあれ? どうしてお兄さんはこんな場所にいるの? 私の事知ってるの? [私の方に覚えがなくて、首を傾げて貴方をじっと見た。 手は無意識にぎゅうっと、頼るように握ったまま。]** (33) 2023/07/17(Mon) 21:07:48 |
【人】 帳[ 焦って走り出していくお兄さんを 呼び止めることはしなかった。 一人の方が、好都合だったし。 明らかに普通に探してるように見えない 適当に歩いてるようにしか見えない僕を お兄さんに見られるのは良くないと思って。 ] (34) 2023/07/18(Tue) 0:21:25 |
【人】 帳[ お兄さんの心配なんてどこ吹く風、 君は、それはそれはぐっすりと眠っていた。 規則正しい寝息だったから 倒れたとかそんなんじゃなさそう、って ちょっと安心したんだ。 ] (35) 2023/07/18(Tue) 0:21:43 |
【人】 帳[ まだ少し寝ぼけてる様子の君は 差し出した手を取ってくれて。 握った手は自分より小さくて、温もりが伝わってくる。 手は握ったまま、目線を合わせようと屈む。 ] (38) 2023/07/18(Tue) 0:23:11 |
【人】 帳そっか、やっと見つけた。 [ 聞いていた特徴のままだったから 間違ってるとはあまり思っていなかったけれど。 本当に自分の力で探し出せたことに 僕は舞い上がってしまっていた。 だから、自分のことを聞かれて 自己紹介、しようと思ったんだけど。 くしゃみをした君は 急に慌てだして。その様子がおかしくて 思わず吹き出してしまったんだ。 ] (39) 2023/07/18(Tue) 0:23:40 |
【人】 帳っふふ…もしかして、やっと起きた? 今は……何時、だろうね。 多分、お父さんお母さんに怒られるくらいには 遅い時間だと思うよ。 [ 時計なんて持ってきてなかったから。 そんな曖昧な答えを返す。 猫、と言われれば そういえば声はしたな、と思ったけれど。 こう暗くては何処にいるかはわからなくて。 ] (40) 2023/07/18(Tue) 0:24:31 |
【人】 帳[ 特別な力がある、って そのまま言うことはできなかったけど。 こんなこと言ったことは今までなかった。 頼られてるみたいで嬉しかった僕は初めて、 力のことを仄めかしてしまったんだ。 ] 帰ろっか。 君のこと、お兄さんがすごく心配してたよ。 [ そう言って立ち上がると。 君の手を引いて、 家まで送っていこうとするんだ。 ]** (42) 2023/07/18(Tue) 0:26:23 |
【人】 緋彩あ、あのね 見つけてくれてありがとう [にっこり笑って手を握ったの。 こんな場所まで探しに来てくれた。 その事が嬉しかったの。] うん、帰らないとね。 お兄ちゃんにもごめんなさいしなきゃ…… うぅ…怒られる… [私もつられるように立ち上がったわ 手は引かれるまま 家はこっちって、素直に送られる事になったの。] (46) 2023/07/18(Tue) 5:59:26 |
【人】 帳[ 顔を赤くしたと思えば、 怒られるってつぶやいて落ち込んだ様子の 君を見て、 可愛いな、 なんて吞気に思ってしまっていた。 まあ、怒られるのは他人事ではないんだけどね。 友達なのかって言葉には少し詰まった。 だって、僕はその場に居合わせただけだし。 結局、本当のことと嘘を織り交ぜて ] (48) 2023/07/19(Wed) 1:03:50 |
【人】 帳友達…の友達、みたいな感じ、かな。 困ってるみたいだったから。 それだけだよ。 [ 可愛い女の子の前で格好つけたくて 何でもないような顔をして言う。 本当はそんなかっこいい理由じゃないのにね。 ] (49) 2023/07/19(Wed) 1:04:19 |
【人】 帳……どういたしまして。 [ 改めて言われるとなんか気恥ずかしくなって ふっと目を逸らす。 多分恥ずかしいだけじゃなくて。 君の笑顔が眩しくて直視できなかったんだ。 それに、嬉しかった。 自分の力だって役に立つんだ 必要だって言ってもらえてるみたいで。 ] (50) 2023/07/19(Wed) 1:10:32 |
【人】 帳そうだね、でもお兄さんは 怒るより先に安心するんじゃないかな。 君に何もなくてよかった、って。 [ この時間になっても帰ってないなんて お咎めなしとはいかないだろうから 怒られないと思うよ、 なんて気休めは言えなかったけど。 家の方向を教えてもらいながら 僕たちは家に無事に帰ることになるんだ。 ] (51) 2023/07/19(Wed) 1:11:06 |
【人】 帳 *** [ 最初の出会いから少し経って。 再開したのは小学校の中、だったかな。 放課後、帽子が風で飛ばされて。 校庭の隅に植えてある木に引っかかってしまって 途方に暮れていた。 登って取ればいいんだけど。 ずっと前からある木、だとかで 木登り禁止、って言われてる木だった。 先生を呼ぶ間に またどこかに飛んでいったりしたら困るし どうしよう、って僕は木の下で悩んでたんだ。 ] (53) 2023/07/19(Wed) 1:14:16 |
【人】 緋彩[家の前にはお兄ちゃんがいて 心配したってぎゅーっとしてもらって 月影君に本当にありがとうってお礼を言ってたわ。 帰ってきたパパとママにはやっぱり怒られたの。 お昼寝しちゃってたって言えば呆れられて 次から気を付けるようにいーっぱいお説教されたわ。 結果は散々なのに不思議とそう落ち込んでなかったの また月影君に会えないかな。 反省もしてるけど、 そんな事ばっかり考えたのよ。] (58) 2023/07/19(Wed) 6:47:31 |
【人】 緋彩月影君、月影君つーきかげくんっ [てててと小走りで駆け寄るの。 隣に立ったらにっこり笑顔を向けるの。] この前はありがとう。 今度は私が助ける番よっ! 見ててね [意識を集中する。 特に体が光ったりとかそういうのは何もないわ。 地味なのよね。] (60) 2023/07/19(Wed) 6:48:11 |
【人】 緋彩 それっ! [木の上にあった帽子にピンポイントで風を起こす。 ふわり、と浮遊したそれは木から飛んで そのままふわりと落下したの。 それをキャッチ出来たのは私よ。 ]** ……とーっても地味なんだけどね 今のが私の魔法 (61) 2023/07/19(Wed) 6:48:27 |
【人】 帳[ 僕はヒーローなんて大層なものになれない。 なれないってわかってるのに。 そんなことないんじゃないかって 勘違いをしてしまったんだ。 それに気づいてしまったのはもっと後の話。 ] (62) 2023/07/20(Thu) 0:49:17 |
【人】 帳[ 逸らした視線の先に移動してくるのを見て 少しびっくりして、困ったように笑う。 見られちゃったかな、頬が赤くなってるのとか。 目が少し泳いでるのとか。 出来たら格好つけたかったんだけど。 ] (63) 2023/07/20(Thu) 0:50:42 |
【人】 帳[ いいお兄さんだね、とか相づちを打ちながら 家までたどり着いたら お兄さんにはお礼を言ってもらえた。 見つかってよかったです、っていい子みたいな 返事をしながら、内心嬉しかった。 役に立てたんだって舞い上がってた。 じゃあ、僕も帰らなきゃって そのあとは走って家まで帰ったんだけど。 遅すぎる、って怒られたのは僕も同じ。 そういう事は自分たちだけで解決しようとしない事 って釘を刺されてしまったんだ。 舞い上がってた僕は その忠告を聞き流してしまったんだけど、ね。 ] (64) 2023/07/20(Thu) 0:51:26 |
【人】 帳 *** [ 同じ学校にいるって 最初は思っていなかったんだ。 だから。君の声が聞こえたときはびっくりした。 ] え、ひいろ……ちゃん? 助ける、って、どういう…… (65) 2023/07/20(Thu) 0:51:50 |
【人】 帳[ 木に登るつもりなら止めようかなって ちらりと思ってたことはすぐに消えた。 そういう様子じゃなかったから。 何か集中している様子の彼女を見ていたら 帽子を狙いすましたように風が吹いた。 いや、風が吹いたんじゃなくて、これは……。 落ちてくる帽子を見事にキャッチした 彼女を見ていると、答え合わせみたいに 今の現象が何だったのか教えてくれた。 ] (66) 2023/07/20(Thu) 0:52:16 |
【人】 帳[ 打ち明けた言葉への反応がどうであれ お礼を言い忘れてたことに気づくと。 ] ありがとう、帽子を取ってくれて。 ヒーロー みたいだね。[ 君から帽子を受け取ると、笑顔でお礼を言ったんだ。 この日、僕にとっての ヒーロー は、君になった。 ]** (67) 2023/07/20(Thu) 0:59:13 |
【人】 緋彩[私はヒーローになりたい。 魔法なんて特別を持ってるから絶対出来るんだって この時の私は子供だから 疑いもせずそう信じていたのよ。 自分の力が大したことないって知っているのに きっと理解は出来ていなかったの。 それがわかるのはもっと後の話。] (68) 2023/07/20(Thu) 7:16:30 |
【人】 緋彩あ、あのね、急な話なんだけどね ね、ねぇ……月影君 私と……お友達になってくれないかしら? [おずおずと、勇気を出して言葉にしてみるの。 本当はね、正義のヒーローの仲間とか憧れるけど 急に言っても困るだろうしそれはあくまで憧れ。 私の魔法を褒めてくれたこの人と繋がりが欲しい。 ただその一心だったの。]** (73) 2023/07/20(Thu) 7:24:35 |
【人】 帳 *** [ 忘れるわけなかった。 あんな特別な出会い方をしたんだから。 それに、会いたいと思ってたのは 僕だって同じだった。 ] ヒーロちゃん…… [ 言いにくい、って思ってたわけじゃないけど 本人が気に入ってるみたいだったし そういえばお兄さんもそう呼んでたっけ、って 思い出したから、なぞるように繰り返して。 ] (74) 2023/07/21(Fri) 2:16:58 |
【人】 帳そうだよ? 僕が困ってるところに現れて助けてくれたんだから。 もうヒーロちゃんはヒーローだよ! [ にこにこしながら言い切った。 だって、帽子を取ってくれたとき 格好いいなって思ったし、 困ってるところを魔法で助けてくれるなんて すごいことでしょう? ] (75) 2023/07/21(Fri) 2:21:40 |
【人】 帳ねぇ、月影くんじゃなくて、さ。 とばり 、でいいよ。その方が今よりもっと友達って感じするでしょ? [ 帽子を受け取った後に耳に届いた言葉に 間を開けずに即答するくらいに 僕は嬉しかった。 僕だって君と友達になりたいって そう思ってたんだから。 ] (77) 2023/07/21(Fri) 2:23:01 |
【人】 帳ね、早速遊びに行かない? [ そう言って、君の手を引いて 近くの公園にでも、行こうと。 遊びに行きたいって言ったんだ。 遊ぶことはこの日を境に増えていって。 少しずつ、季節は巡っていく。 ]** (78) 2023/07/21(Fri) 2:24:07 |
【人】 緋彩そんなに褒めてもらえるとね 嬉しいのよ、すごく すっごーく 嬉しいの。でもちょっと…… 照れるわ。 [顔を赤くして、頬に手を添えてちょっと俯いたの。 慣れてないのよ。 信じてもらう事がそもそも初めてだもの。] (80) 2023/07/21(Fri) 6:50:40 |
【人】 緋彩本当!? わぁ、それは嬉しいわ!! とばり君? とばり君、とばりくん…… いい響きね。 とばり君っ! 今日から私達お友達ねっ [お名前を呼ぶのが気に入って、何度も何度も口にするの。 用事はないんだけど、呼びたいのよ。] (81) 2023/07/21(Fri) 6:51:35 |
【人】 緋彩 *** [それから私たちは仲良しになったと私は思ってるわ。 折り紙の鶴を折って、魔法でちょっとだけ ふわりと飛んでもらってどう? とか 褒めてもらいたくて見せびらかした事もあったわ 魔法を見せるのは一日一回まで。 それ以上をもし願われるなら難しいって濁したの。 でも使った後は疲れていたの 誤魔化しはきかなかったと思うの。 とばり君が将来お店持つならどんな感じがいいかなって そんなお話もしたわ。 魔法も何も関係なく普通に遊んだり 学校のお勉強教えて貰ったり 一緒にいる内に とばり君の存在が大きくなっていったの。] (83) 2023/07/21(Fri) 6:52:30 |
【人】 緋彩 *** ねえねえとばり君 探し物の依頼をしたいの! [ある日遊んでいる時そんな提案をしたのよ。 単にとばり君の魔法を傍で見たいなって思ったから。] これから宝物を隠すから見つけてほしいの ……そういうの、いいかしら? [失くしたから困ってるじゃなくて自作自演宣言。 そういうのに力使うのはどう思うかしらって 心配げに私は相手を見たの。]** (84) 2023/07/21(Fri) 6:52:36 |
【人】 帳[ 照れるって言って俯く君を見て そうだね、なんて呑気な言葉に隠して 可愛いな 、って思ってたのは内緒。だって、それこそ恥ずかしくて言えない。 ] (85) 2023/07/22(Sat) 1:59:33 |
【人】 帳そ、んなに何回も呼ばれると…… ううん、なんでもない。 [ なんとなく落ち着かなくて 露骨に顔を背けてしまったけど でも、嫌なわけじゃなかったし。 緩んだ顔を見られたくなかっただけ。 ] じゃあ、いこっか、ヒーロちゃん。 [ 元気のいい返事だったのに 思ったより早く疲れた君の隠し事、 この時すぐに気づけるほどは鋭くなかったから その日は、体育があったって言葉に納得して また次の日遊べばいいから、と 家まで送ったんだ。 ] (86) 2023/07/22(Sat) 2:01:33 |
【人】 帳*** [ それから僕たちは一緒に過ごすことが多くなった。 仲良くなった……と僕は思ってるよ。 折り鶴がふわりと飛ぶ所を見ればすごいって 目を輝かせて見入ったし、 あれ動かせたりするの?とか言って ぬいぐるみを指さしたこともあったっけ。 魔法を見せてもらって もう一回見てみたいな、 なんて言ったことも勿論あったよ。 だって魔法だよ?何度だって見たいに決まってる。 でも、難しいって濁されたら 無理強いなんて出来なかったから。 じゃあ、明日見せて欲しい、って。 最初のうちはそう言ってたんだ。 ] (87) 2023/07/22(Sat) 2:01:54 |
【人】 帳[ たまたま魔法を使わずに遊んだ日。 そんな日はいつもより長く遊べた気がして それに気づいてからは、 自分から魔法を見せてっていう事を減らした。 魔法、って疲れるのかな。 わからなかったけど、君と長く遊べる方が 魔法を見るより僕にとっては大事だったから。 ] (88) 2023/07/22(Sat) 2:02:13 |
【人】 帳[ お店の話になった時は ] お店を持つならさ、 たとえば、夜だけ開店してるとか 昼間は違うお店になってるとか そんなお店だったらかっこいいなって。 ヒーロちゃんはどんなお店がいいと思う? [ なんて、聞いたりもしたな。 君なら真剣に考えてくれそうだなって思ったから。 それに、僕たちは一緒なんだって 疑いもしてなかったからね。 ] (89) 2023/07/22(Sat) 2:02:55 |
【人】 帳[ 屋内でも屋外でも。 僕たちは沢山遊んだと思うし 僕の方が年上だったから、 頼まれたなら学校の勉強を教えることだってした。 どれほど役に立ててたのかは分からないけど。 長く過ごせば過ごすほど。 君のことが大切だって想いは強くなっていく。 ] (90) 2023/07/22(Sat) 2:03:16 |
【人】 帳 *** 探し物の、依頼? [ ある日遊んでいた時にされた提案に 何かなくしたのかな?って 最初は首をかしげてた。 ] ……つまり、宝探しみたいなこと? うん、いいよ。 でも……その探すものが何なのか ヒントがないと、難しいかな…… (91) 2023/07/22(Sat) 2:03:49 |
【人】 帳ヒーロちゃんを探したときはね 見た目とか名前とか教えてもらったんだけど… あ、お宝探し、なら 名前まで言うのはびみょー、なのかな…? どんな色なのかとか、教えてもらえる? (92) 2023/07/22(Sat) 2:04:04 |
【人】 帳[ 君がいない所で何度か力の使い方を 練習してたことがあって。 その時に分かったのは 探すものがそもそも何か分からないと 探しようがないってこと。 つまり普通の人が探し物をするときと一緒。 でも、探す物のイメージさえわかれば なんとなくその気配を感じ取れるような。 きっと説明してって言われたら困るような 僕のもつ力はそんなものだった。 ] あと、 魔法っぽくない、かもしれないけど… それでも、大丈夫、なら…… [ だから、君のお願いへの返事は 少し心配そうになってしまったかな。 ]** (93) 2023/07/22(Sat) 2:04:34 |
【人】 緋彩[お店の話は勿論真剣に>>89 楽しいって感情を隠さず言葉を返すのよ。] わぁっ! 素敵ね、ロマンチック! 夜だけってお星さま見える時だけなのよね。大人みたい。 昼間は違うのも よをしのぶかりのすがた みたいで素敵ね え、そうね…… 私ならお昼はカフェをやりたいわっ お茶とケーキとか出てきて、可愛いエプロンつけて いらっしゃいませって言ってみたいわ。 [魔法使いの女の子が昼間は喫茶店で働く そういうのも見た事あるからそれに憧れてたの。 夜に違う顔をするお店って秘密基地みたいで 楽しそうってわくわくしたの。 一緒にそれが出来るんだって、疑わなかったわ。] (97) 2023/07/22(Sat) 8:57:33 |
【人】 緋彩うーん。じゃあうちにある一点ものなら特徴あるし それの他にもおまけを入れればビックリになるかしら あのね、金色の丸い……冠みたいなもの 星がね、象られいている綺麗なのだけど あ、私の好きに使っていいのだから大丈夫よ。 ずーっと前からおうちにあるんだけどね 傷一つついてないとっておきの謎の物よ! [それが何かって子供の私はそこまで疑問に思ってないの。 ただ丈夫だなーって思うくらい。 正体を知ることは自分から願わない限りきっとない。 それは今は大事な事じゃないからおいておくわ。 それより私は他にどんな宝物を入れるか考えていたの。] (100) 2023/07/22(Sat) 8:59:18 |
【人】 緋彩[おうちに帰ってからの私は大忙し。 おもちゃにしていた金の冠を出して大き目の箱に詰める。 他には何を入れれば宝物っぽいかしら。 うんうん悩んで、昔拾った私の目の色に似た石や 大事にしている小さなアシカanimalのぬいぐるみを入れてみた。 私の宝物を探してもらう。それにわくわくしていたの。] あとは……そうだ、お手紙書こうかしら [日頃のお礼をお手紙で伝えるのは 十分サプライズのプレゼントになるわよね。 そうと決まれば、とレターセットを取り出すの。] (102) 2023/07/22(Sat) 9:00:07 |
【人】 緋彩えーと、とばり君…… とばりってどういう字だったかしら…… [スマホはまだ持たせて貰えてないから辞典を開いて探すの。 あら、二つ字があるわ。確か上の方だった気がするわ。 お勉強教わった時に字を見た覚えがあるもの。 へー、部屋のしきりにする布って意味なのね。 例文:夜の帳がおりる…綺麗な言い回しね。 私はその文字に カラーペン で印をつけたの。目印って。] (103) 2023/07/22(Sat) 9:00:41 |
【人】 緋彩これでよしっと。 [お手紙にシールで封をして 濡れないようにビニールの袋に入れて 大事に箱の中にしまってそれを閉じたの。 それから向かったのは私たちが出会った場所。 眠っちゃっていた木の下に頑張って…… 大きめの箱になっちゃたからそりゃあもうわりと頑張って 穴を掘って埋めたの。 何かあるってわかり切った隠し方だけどもういいわって 最後は葉っぱをのせてごまかしたの。 明日が楽しみで仕方なかった。 明日で何もかも変わってしまうなんて知らなかったから。] (104) 2023/07/22(Sat) 9:01:28 |
【人】 緋彩 *** 帳君帳君とばり君っ [その日は放課後が待ち遠しくて仕方なかったわ。 放課後になれば待ち合わせをしていた場所に。 帳君が来れば なんでだか私の心臓がどきって大きな音を立てたの。] あのねあのね、宝物隠してきたから。 早速探してみようっ [わくわくと、ドキドキ。 必要そうなら箱の特徴とかも伝えるわ。 自分が書いたお手紙をふと思い出す。] (105) 2023/07/22(Sat) 9:02:07 |
【人】 緋彩[ぽぽぽぽ、と顔が一気に赤くなったの。 帳君には唐突に思えたでしょうね。] い、い、行こうかー。うん。 [帳君がどっちを指さすかろくに見ないまま 見切りで歩き出そうとするの。 ど、ど、どうしよう? 書いた言葉に今頃焦るの。 パパやママやお兄ちゃんへのそれと同じじゃない。 それに気付いたのが今頃で お手紙見せるかどうかパニックになったの 明らかに挙動不審のまま動き出すのよ。 何を言われても何でもない、大丈夫を口にして 自分の目の前で一杯で 前をろくに見ないまま歩いてしまう その結果は予知できないまま。]** (106) 2023/07/22(Sat) 9:02:22 |
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