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人狼物語 三日月国


267 冬暁、待宵の月を結ぶ RSS
(2024/07/02(Tue) 0:00:00 に更新。 )

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プロローグ

【人】  



   始まりは冬、温もりを求める季節

  
(0) master 2024/06/08(Sat) 12:37:50
到着: 幸阪結月

到着: 宮崎暁

【人】 宮崎暁



 [ 積み上げた物が壊れされ
   それでも諦められなくて
   また積上げては、壊され。

   いつしか大切に積み上げるほどに
   壊れた時の痛みが大きくなると知って。

   積み上げることさえもやめてしまう。

   ああ何の話かって?

   両親の仕事柄、転校ばっかりで
   子供の僕は全然友達が作れないんだって
   ただそれだけのことだ。         ]


(1) 西 2024/06/08(Sat) 23:07:18

【人】 宮崎暁



 [ 友達と言っても程度があるだろう。
   浅いぐらいの友達もいれば親友もいる。

   僕はその浅瀬で貝のように漂うだけの存在。
   浅く付き合うことはあってもそれ以上はない。

   砂の城は天災の波に飲まれて消えていく。
   何も無くなった浜辺には僕が独りいるだけ。

   長くて二年も続かない人との関わりは
   僕の性格に希薄という後遺症を遺した。    ]


(2) 西 2024/06/08(Sat) 23:10:29

【人】 宮崎暁



 [ 自惚れるつもりはないけど、

   僕のことが嫌いだという人は少ないと思う。
   でもその分、僕を特別と思う人も少ないはずだ。

   アルバムを見て僕を思い出す人はいても
   僕に連絡をしてくれるような人はいない。

   それが僕という人間を決定づけて
   転勤族で友達を作ることを諦めた子供の
   象徴になっているのだと自分でも分かっていた。 ]


(3) 西 2024/06/08(Sat) 23:11:07

【人】 宮崎暁



 [ こんなんだから青い春が降りてきたこともないし、
   甘酸っぱい思い出も出来たことなんてなかった。

   でもそんな僕にも春はやってきた。
   初めてできた彼女は同じ学校に通う女の子。   ]


   おはよ!幸阪!


 [ 毎朝、僕は彼女の顔を見るだけで元気になれる。

   僕に見えていない何かが見えているみたいな
   そんな不思議なオーラを持つ、
   冬の空に咲く一輪の花のような、素敵な女の子だ。]


(4) 西 2024/06/08(Sat) 23:13:06

【人】 宮崎暁




   僕が転校するまでの間
   僕の思い出になって欲しい。


              君にしか…頼めないんだ。

(5) 西 2024/06/08(Sat) 23:14:13

【人】 宮崎暁



 [ 皆が帰って静まり返った真冬。

   誰の邪魔も入らないその場所で
   僕が言い放った最低な告白。

   幸阪結月と僕の肌寒い青い春は
   僕の傲慢から全てが始まったんだ。    ]


(6) 西 2024/06/08(Sat) 23:15:26

【人】 宮崎暁



   そう、これは────


      僕と幸阪結月が、お別れするまでの物語


(7) 西 2024/06/08(Sat) 23:16:53

【独】 宮崎暁




     僕は本当に恋していたんだと


           思い知らされるまでの物語



(-0) 西 2024/06/08(Sat) 23:20:36

【人】 幸阪結月



[ 私でなければならない理由なんてどこにもない。

     ―――――世界って、そんなものでしょ? ]

 
(8) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:23:06

【人】 幸阪結月



[ 別に友達を作れなかったわけじゃない。
  親友、と呼べるほどの子かどうかは分からないけど
  私には複数友達がいて。5人グループに入ってた。


  
………5人、ペアを組もうとすれば一人あぶれる数。


  
いつだって私が選ばれなかった。

  ごめんね、って申し訳なさそうに言われて
  仕方ないな、って他の場所へ行く。

  何度も続けば気づいてしまったんだ。
  私の居場所はここにはないし、
  別に居ることを望まれてるわけでもないんだって。
  
  私はそこに居るのをやめた。
  私がいなくても彼女たちの世界は変わらない。

  実際、何にも変わらなかった。
  どうして、って聞かれてもなんとなく、と
  濁し続けて数日もすれば繋がりは切れた。]


 
(9) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:24:07

【人】 幸阪結月



[ だから、今日までずっと適当に相づちを打って
  適当に周りに合わせて。

  ここに居るのは私じゃなくてもいい
  私の代わりがいるなら立ち去ってしまおう。

  いつも、頭の片隅にあるのは後ろ向きな思考。 ]

 
(10) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:24:26

【人】 幸阪結月



[ いつしか、気付いてしまう。

  私じゃなければならない理由なんて
  何処にもないんなら。

  この世界に生きている意味だってないんだし。 ]


 
(11) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:24:56

【人】 幸阪結月



 
いつ、死のうかな。

  どうせ死んだって半年もすれば忘れ去られる。
  誰にも迷惑は掛からない。

  でも、そうだな。
  死ぬんなら思い出作りのひとつでもしてから。

  誰か一人くらい、深く付き合ってみても。]


 
(12) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:25:18

【人】 幸阪結月



[ 私が死んだら世界が変わってしまう他人。

          そんな人、いたらいいのにな。 ]

 
(13) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:25:40

【人】 幸阪結月


[ そんな私の我儘な願いを
  叶えてくれそうな人がいるんだから
  世界は思ったよりは広いのかもしれないね。 ]


    おはよ、今日も元気そう。
    あ、今日抜き打ちテストあるらしいよ。


[ 偶々他クラスの子から聞いた情報を教えてあげた。
  私と彼、一見仲良しに見えてるのかな。

  恋人同士の私達。
  私はみんなが知らない彼の一面を知ってる。 ]
 
(14) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:26:07

【人】 幸阪結月


[ テスト期間の放課後、みんな帰って
  冷え切った空間に私だけの空間。

  暇つぶしのようにバスケットゴールへ
  何度もボールをシュートしては
  取ってを繰り返してた日。

  人の気配がしたから、
  ボールを持ったまま私は君の方を振り返って ]


   何か、忘れものでもした?


[ 別に聞いた内容は普通だったと思う。
  告白の類は今まで断ってきたから
  わざわざフラれると知ってくる人もいないだろう。

  そう思いこんで、いたんだけどね。 ]
 
(15) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:27:42

【人】 幸阪結月



[ 君にしか頼めないんじゃない。
  君が都合がいいと思ったから。

         ―――――そう、受け取ったから。]

 
(16) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:28:12

【人】 幸阪結月




   ―――――いいよ。付き合おっか。>>5


 
(17) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:28:27

【人】 幸阪結月



[ どうせ終わると分かっている関係。
  いつもなら断ってた。

  でも、思い出作りのための付き合いなら
  私にだってメリットはあったから。 ]

 
(18) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:28:40

【人】 幸阪結月



[ 承諾してから、ゴールに向かって投げたボールは
  僅かに逸れて、地面に転がっていく。

  寒い日に始まった関係。
  私の気まぐれに背を押されて全てが始まった。 ]

 
(19) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:28:59

【人】 幸阪結月



   そう、これは────


      私と宮崎暁が、お別れするまでの物語

 
(20) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:30:18

【人】 幸阪結月



   
終わりを最初に綴った、物語。*


 
(21) alice0327 2024/06/09(Sun) 0:30:33

【人】 宮崎暁



 [ 次の転校はいつになるだろう。
   それは僕にも分からない。
   両親でさえ分からないのに、分かるはずない。

   いつか爆発する爆弾を抱えたまま歩む青春は
   ある時は無機質で、ある時は刺激的で、

   だけどそんな酔狂な遊びに身を投じるなんて
   並大抵の精神じゃ出来っこない。

   いてもいなくても変わらない
   僕の人生ゲームでの役割は続いていく。    ]


(22) 西 2024/06/09(Sun) 3:05:39

【人】 宮崎暁



 [ 僕は幸阪との関係を隠したりはしない。
   僕たちの関係に周囲が何か言う時は
   そのほとんどが僕のことだ。

   「宮崎ほんと彼女のこと好きだよね。」って。
   それを否定しない僕も僕なんだろうけど。   ]


   そりゃいつだって元気だよ。
   幸阪に朝から会えたんだし。

   げっっ…
なんも準備してない…。


 [ 抜き打ちテストなんて初めて聞いたと
   この後点数が悲惨になる予感に肩を落とす。>>14

   だけど直ぐに立ち直ると
   幸阪の隣に立って彼女の手を捕まえて
   人目時にせずそのまま手を繋いでみせた。    ]


(23) 西 2024/06/09(Sun) 3:08:01

【人】 宮崎暁



 [ いつか、さよならを言い合う時
   不幸だと何かを責め立てたりしないように
   それが思い出として残せるように

   彼女ならそれが出来ると思ったんだ。

   だから僕は、彼女を、利用してしまっている。

   僕と一緒で、寂しい目をしている彼女が…
   こうして手を繋いでいないと消えてしまいそうで
   そんな彼女の儚さが、僕の目を引いたんだ。   ]


(24) 西 2024/06/09(Sun) 3:09:00

【人】 宮崎暁



 [ 僕は絶対に周りには隠さない。

   いつか僕の居なくなった世界で
   幸阪の名前に傷がつかないように

   転校が決まっていた僕に都合よく遊ばれた
   可哀想な女の子じゃなくて
   僕の転校に仕方なく巻き込まれただけだって。

   こんなこと彼女には、絶対言えないけど。    ]*



(25) 西 2024/06/09(Sun) 3:10:04