【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里前髪で片目を隠した ちょっと厨二病っぽい先輩……。 [ 汐里はその言葉を深く心に刻み込んだ。 絵理香ちゃんとその先輩がどんな関係か。 彼女の内心を正確に読み取る事は 私にはできないし。 実際はどうあれ、グループを組んでもいいと 思わせる何かがあった時点で、 私にとっては要注意人物。 祝福しなくちゃいけないって。 わかっているはずなのにね。 ] (184) 2020/11/22(Sun) 22:23:44 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里マフラーの色? そうだね。 絵理香ちゃんは華やかで明るいから 赤とか強い色でも全然見劣りしないよね。 これなんか、どうかな? 生地も滑らかで暖かそうだし。 [ 馴染みの店に着けば、彼女の意見も参考にしながら 似合いそうな品を手に取って。 絵理香ちゃんが選んでくれた服? もちろんノータイムで即購入だよ。 その後はお茶のカップを片手に たわいもない話題に花を咲かせて。 貴女にとっては日常の、 私にとっては夢のような時間が過ぎて行く。 ] (185) 2020/11/22(Sun) 22:24:54 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ 明日の準備もあるし、そう長くは引き止められない。 そろそろ解散かなって頃合いに、 差し出された小さな紙袋。 断りを入て開けてみれば、センスのいいリップクリーム その優しい匂いがふんわりと香った。 ] 私に? いいの? …… ありがとう。 [ 何だか胸がいっぱいになってしまって。 あまり上手く言葉を紡げなかった。 リップクリームを、ぎゅっと胸元で抱きしめて。 ] (186) 2020/11/22(Sun) 22:26:23 |
【人】 叶わぬ想い 日下部 汐里[ それから絵理香ちゃんの背中が 見えなくなるまで見送って。 私も一人帰路に着く。 ─── だめ。忘れてはいけない。 これは報われない恋だ。 それでも、明日からの林間学校。 どんな未来が待っているかはわからないけれど。 それでも近い未来ならわかる。 今夜の私は、 絵理香ちゃんとお揃いのリップを ドキドキしながら唇に塗って。 その香りに包まれながら、 彼女が選んでくれたふわふわのルームウェアを 抱きしめて眠るのだろう。 その先に続く道なんて、 どこにもないと知りながら。 ]** (188) 2020/11/22(Sun) 22:27:50 |
(a41) 2020/11/22(Sun) 22:30:19 |