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人狼物語 三日月国


40 【完全RP】湯煙に隠れる吐息【R18】

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【独】 美雲居 月子




抱きしめてほしい、と口をついて
出そうになる言葉を結んだ唇で、
なんとか止めた。



 
(-357) 2020/08/19(Wed) 21:43:35

【人】 美雲居 月子



[ その背中に、伸ばした手のひら。
それは、触れることはないけれど。]



   ───然様なら


[ 小さく、別れの言葉を告げて。
今度こそ、その背中を見送るだろう。]*
 
(156) 2020/08/19(Wed) 21:43:54

【人】 美雲居 月子

  ───ロビーにて


[ ああ、いい人だなと思った。
こんな場所で、一晩共寝しただけの、
名前も明かさない女に。

この先のわたしが、どうなろうと
この人にはなんの関係もないのに。
あんな一言、小さな我儘に
向けてくれた優しさはこのメモにも、
その言葉にも、表れていたから。

頭に乗った手のひらが優しく撫でる。
くすぐったくて。なんだか、変な感じで、
困ったように目を眇めて眉尻を下げるが、
払い退けたりはせず、じっとしていた。]

 
(157) 2020/08/19(Wed) 21:44:33

【人】 美雲居 月子



[ そうして差し出したビニール袋を
彼は受け取ってくれる。
中身を確認して、困ったようにぼやくから]


   8個くらい、すぐやろ
   いけるいける、食べよし


[ とからから笑った。]

 
(158) 2020/08/19(Wed) 21:44:51

【人】 美雲居 月子


[ にっこり微笑んだ彼に尋ねられる。
目を開いて、それから、
思案するようにゆっくりと逸らして
人差し指で下唇をとん、とん、とん、と
三回叩きながら唸る。
彼の方を見遣る。すう、と目を細めて。]



    美雲居、やていうたやろ?


[ そう、また名字だけを伝えた。
あのとき…曖昧に迷ったときとは違う。
確かな、意思を持って。]


    ほな、敦久さん、おおきに。


[ 小さく一礼して、踵を返す。
フロントへと向かい、
チェックアウトを済ませた。

ホテル前に待機している
タクシーへと向かう。
その黒い車体に吸い込まれた
女の表情はきっと、穏やかだった。]*
 
(159) 2020/08/19(Wed) 21:45:26

【人】 美雲居 月子

  ───それからの話


[ 京都の自宅に帰る道中、
なにを考えていたのかは覚えていない。

ただ、やることだけは決まっていたから。

ただいま、と家の扉をあけて、
脱いだ草履をそろえて靴箱に仕舞う。

そのままなんの迷いもなく行ったのは
祖父のいる書斎だった。

膝をついて、ノックを2つ。]



   失礼します、月子です


[ そういうと、「入れ」と聞こえた。
ゆっくりと引き戸を開き、畳の縁を
踏まないように中へ足を進める。]

 
(160) 2020/08/19(Wed) 22:21:49

【人】 美雲居 月子



[ 銀縁の眼鏡をずらしてこちらを見る
祖父に、正座をしたまま深く頭を下げた。]



   おじいさまに、お伝えしたいことが
   ありましたので、きました。
   今お時間よろしいですか。


[ 「ああ、なんや」と祖父が眼鏡を外す。
こくりと唾を飲んで、喉を潤した。]


   うち、結婚は嫌です。
   そやから、しません。


[ はっきりと、言い切った。
顔を上げて、寸分たりとも逸らさない。
視線は真っ直ぐに祖父の眼を射抜いて。]

 
(161) 2020/08/19(Wed) 22:22:22

【人】 美雲居 月子



[ まあ、それからはお察しの通り。
祖父は大激怒し、大揉めに揉めて、
飛んできた祖母や母には
宥められてしまったけれど、
兄だけは、味方になってくれた。

20も歳上の人。それもまだ一度も
会ったことのない人。
そんなひとといきなり結婚なんて
できるはずがない、と。
そもそも妹をわたしたくはない、
という台詞には笑ってしまったけれど。

最後には祖父も疲れ果てたように
もうええわ、とこちらを遇らった。
もちろんそんな1日で決着のつく
話ではなかったのだけれど。]

 
(162) 2020/08/19(Wed) 22:22:53

【人】 美雲居 月子



[ だが、事態は思わぬ方向に行く。
祖父が親友に連絡した。
孫同士の結婚の話だが、と
切り出すと向こうはキョトンとして。
そういえばそうだった、とからから
笑ってみせたのだ。

それにはさすがの祖父も呆れ返ったらしい。
さて、そしてその等の孫本人はというと、
45になり、現在すでにお付き合いして
いるひとがいるのだという。
だから、20も下の人と本当に結婚させる
つもりだったのかと祖父とその親友は
怒られたらしい、とまで祖母に聞いた。

───正直、これまでの諦めた人生、
捨てた青春の日々はなんだったのだ、と
それはそれは暴れてしまいたくなったが。
それでも、手に入れた自由は
大きかったから、それでいい気もした。

最後に、選び取ったのは自分。
間違いなく、そう言える人生になったから。

数ヶ月後、知らないアドレスから、
一通のメールが届くだろう。]
 
(163) 2020/08/19(Wed) 22:24:03

【秘】 美雲居 月子 → 木原 敦久



敦久様


ご無沙汰しております。
いろいろあって、今わたしは、
関東の方にあるお宿で仲居をしています。

何時ぞやのお礼に、割引も
さしてもらいますので、
お時間のある時にでも寄してくださいね。
お待ちしております。


美雲居月子

 
(-364) 2020/08/19(Wed) 22:25:19

【人】 美雲居 月子



[ そんな内容で、旅館の場所が
記されているだけのメール。
届いていなければ、それまで。
ただ、背中を押してくれたその人に
伝えておきたかっただけなのだ。
わたしが選んだ未来を。

今日もまた、誰かを迎え入れる。
柔らかく微笑み、三つ指をついて。

ああ、そうだ。
あの旅館にもう一度行く予定は
今のところないのだけれど。
うさぎの温泉饅頭だけは、
今度こそ口に入れたくて。

そのうち、熱海には行きたいと思っている。]**

 
(164) 2020/08/19(Wed) 22:26:06

【独】 美雲居 月子

/*
そんなかんじでわたしは〆かな、と…
もともとは結婚して、そのままそれなりに幸せになって、それなりの人生を歩んでいくんだろうなーくらいの気持ちだったんですが、いろんなひとと関わらせて頂く中で、気持ちもかわっていったかなと…ありがたいかぎりです…(合掌)
わりと各所に投げっぱなしにしてしまってるんですけど申し訳なく…不都合あれば改変していただいて大丈夫です
(-365) 2020/08/19(Wed) 22:29:33

【独】 美雲居 月子

/*
むらたてさま延長ありがとうございます!
そしてわたしはそろそろ寝ますね……
あと1日あるからなんとかなる…はず…
おやすみなさい……
(-366) 2020/08/19(Wed) 22:31:12

【独】 美雲居 月子

/*
>>168
しんどいよう
(-379) 2020/08/20(Thu) 6:55:01

【独】 美雲居 月子

/*
だってしょうがないじゃんただの旅館の娘だよ責任取れないよ

>>-381
びぇぇ
(-382) 2020/08/20(Thu) 7:11:27

【独】 美雲居 月子

/*
ちあきちゃん健気かわいい…
応援…
(-383) 2020/08/20(Thu) 7:12:43

【独】 美雲居 月子

 ───閑話休題・とあるアラフォーの話


[ 嘘をついた。

見栄を張った。

忘れたことなどなかった。

幸せになってほしいと思った。

だから、嘘をついた。

自分では、きっとできないから。]

 
(-387) 2020/08/20(Thu) 8:43:22

【独】 美雲居 月子


[ 祖父から電話がかかってきたのは、
出張から帰ってきた翌日の昼頃だった。]


 「おう、雅文、お前あれや、
  美雲居って覚えとるか?」


[ そんな切り出しだった。
きた、とうとうこの時が、そう身構えた。
だけど、それを心待ちにしていたように
思われたくなくて、小さな見栄を張った。]


  ん?美雲居…?誰やったっけ…


[ 「ああそうや」と思い出したように
続けようと口を開いた瞬間、
それよりも早く、電話口の祖父は]

  
(-388) 2020/08/20(Thu) 8:44:25

【独】 美雲居 月子


  「あれや、20年下の、嫁さん
   もらういう話や、陽子さんの孫。」

   ああー……


[ 知ってる。覚えてる。
月子、という名前の女の子。
親子ほども離れた歳の、許婚。
彼女は会ったことがないと思っているだろう。
だが、それは勘違いだ。偽名を使って、
こっそり美雲居の旅館に泊まったことがある。
物凄い美人ではなかったけれど、物腰の柔らかい
綺麗なひとだとおもった。]


   「でなぁ、あいつに孫が25になるまでは
    待ってくれと言われとったんや。
    そやけど、俺は忘れとってな。
    さっき電話がかかってきて、
    なにをいうてるんやお前がいうたんやろと
    呆れられて怒られてなぁ、終いに
    もうはよう会わしてくれ、敵わんと
    泣き言みたいなこというんや。
    なんやどういうことやと話を
    よう聞いたら、なぁ…まあ…」


[ 黙って、頷いていた。]
(-389) 2020/08/20(Thu) 8:45:47

【独】 美雲居 月子


[ ───濁された内容に、察しはつく。

一度唇を結んで、目頭をおさえた。
ふう、と深く息を吐く。その理由は、
誰にも話す気はない。]



   ───あんなぁ、ほんまに
   そんな親子ほども歳の離れた子ぉと
   結婚させる気やったん?
   冗談やと思うてたわ。

   孫は駒とちゃうねんで。
   俺もう45やし、もうすぐ6や。
   アラフォーいうねん、世間では。
   付き合うてる人もいてるし、
   結婚かてその人と考えてる。
   いまさら20も下の子言われても困るわ。
   
   美雲居のおっちゃんにもいうとき。
   あほなこと言うてたら孫に嫌われるで。
   


[ そう、捲し立てて、唸る祖父に、
もうええな?仕事中やから、切るで、と
前置きをしてから電話を切った。]
 
(-390) 2020/08/20(Thu) 8:46:21

【独】 美雲居 月子


[ そのまま、スマホを持った手を
だらん、と落として空を仰ぐ。
───といっても見えるのはオフィスの
白い天井だけなのだけれど。]


  「部長、今大丈夫っすか」


[ なにかに浸る間もなく、いつからいたのか
角の観葉植物の影から現れた部下は、
たしか彼女と同じくらいの歳だった。

もたれていた壁から体を起こし、
息を吐いてから片眉を上げてそちらを見る。
「なんだ?」と聞くと、なにやら
資料を片手に近づいてきた。]


  「ここなんすけど、なんか、
   クライアントの要望を妥協しつつ
   全部通すなら、こっちにしたほうが
   いいんじゃないかなって思うんす」


[ とぺらぺら捲って見せられるもの。
ああ、なるほどなとうなずいて見る。]
 
(-391) 2020/08/20(Thu) 8:46:51

【独】 美雲居 月子


[ 大丈夫、きっと、こいつくらいの
年齢の子と結婚したところで、
うまくコミニュケーションもとれなくて
なにかしら困ったことばかり
起きる結婚生活だったに違いない。

だから、間違ってない。
きっと、俺のためにも。]


  「ところで部長付き合ってる人いたんすか」


   え?


[ 仕事の話を終えれば突然切り出されて
きょとんとそちらを見てしまう。
だが、会話を聞いていたのだろうと
合点すれば困ったように笑って。]
 
(-392) 2020/08/20(Thu) 8:47:09

【独】 美雲居 月子




   ───いないよ


[ と小さく答えた。
「そっすか」と深く聞かずに流してくれる
こいつのこう言うところが気に入っている。
深入りしない。空気を読んで、相手の
懐に上手く入る天才だと思う。
きっと、自分にはできない芸当だ。]


  「ちなみに、45だとアラフォーじゃなくて
   アラフィフじゃねーっすか?
   四捨五入、だし」


[ ───こういう、ところも含めて。]
 
(-393) 2020/08/20(Thu) 8:47:25

【独】 美雲居 月子




   うるさいな、そこら辺繊細なんだよ


[ そう笑えば、部下もまた、笑った。

それから、数ヶ月経ったある日。
気まぐれで訪れた旅館で、
たまたま彼女のことを見かける。

はじめは驚いたものの、
彼女はもちろんこちらに気づくはずもなく。

ああきっと、自由を手に入れたのだと
そう思うとこちらまで嬉しくなった。]



   仲居さん


[ 部屋の案内をしてくれた彼女が、
出ていこうとしたそのとき、つい呼び止める。
「はい?」と人好きのする笑みを向けてくれた
その人に、一瞬迷って、それから ]
 
(-394) 2020/08/20(Thu) 8:47:45

【独】 美雲居 月子




   今、幸せですか?


[ と問いかけると、はじめは
驚いたように目を瞬かせていたものの、
すぐにふ、と緩んで。]



   「はい、幸せです」


[ とまっすぐ返ってきた言葉に、
自分の選択の正しさをまた実感するのだ。
そうですか、と返して、彼女を見送る。

これが恋心だったのかと問われれば、
自分にはわからないと答えるだろう。
だが、好意は確かに持っていた。
ただ、彼女にしあわせになってほしいとも
心から願う、だけだ。]*

 
(-395) 2020/08/20(Thu) 8:48:04

【独】 美雲居 月子

/*
嫁に行っててもたぶんそれなりに幸せになれたと思うよ、のおはなしで壁
(-398) 2020/08/20(Thu) 8:51:58

【独】 美雲居 月子

/*
反応速すぎん?
(-399) 2020/08/20(Thu) 8:53:23

【独】 美雲居 月子

/*
わかってたけどしんどいですね
(-402) 2020/08/20(Thu) 9:08:18

【独】 美雲居 月子

/*
>>-400
やさしい…月子あんまりお友達多くないから…女の子ともお話ししてお友達になりたかったでござる…
(-403) 2020/08/20(Thu) 9:09:45

【独】 美雲居 月子

/*
>>-405
そりゃしんどいでしょうよ!!!
舞戸さんが御曹司じゃなかったら拐ってって言ったと思うし、もやもやして結局言えなかった気持ちもつたえたとおもうし!!!でも無理だったもの、、、御曹司だもの、、、会社と従業員のこと考えたら突っ走れないもの、、、うぐ
(-416) 2020/08/20(Thu) 11:21:31