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人狼物語 三日月国


150 【R18G】偽曲『主よ、人の望みの喜びよ』【身内】

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ナオアキは、
 
(a35) 2022/06/07(Tue) 20:29:35

【人】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

あなたは死ななければならない
「   」  
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 喉を通った空気は、音にならなかった。
 痛みの大小だけで言うなら、深和に与えられたものの方が痛烈だった、が。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 脊椎──奈尾が最初に人を殺した時にも狙った部位。
 殺し切れなくても、損傷させれば動けなくなる。
 だから奈尾はそこを殴打した。それが己に返ってきた。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 「     」
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 世界が白くなって、音も遠ざかったというのに、奈尾の意識はまだそこにある。
 彼はまだ人間の形を保っている。保っていた。
 脳から決まった道を通る電気信号を送って活動する、脊椎動物だ。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
 ナイフを落として、深和に覆い被さるように倒れ込んで、
 それでもまだ動く。生きようとしている。
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
谺イ縺励>縺ョ繝ィ
あなたは死ななければならないあなたは死ななければならないあなたは死ななければならない
(25) 2022/06/07(Tue) 20:30:19
ナオアキは、なんでだとか、どうしてだとかは言わない。理由は知れているので。
(a36) 2022/06/07(Tue) 20:30:50

ナオアキは、うねり、湧き立ち、形を変え、人間の枠から出ようとしている。
(a37) 2022/06/07(Tue) 20:30:59

【独】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

/*
 言い残したことないかのお気遣いもらったけど、この後もぬけの殻になった会議室にはずーるずーるして行くつもりなので、大丈夫ですありがとう。会議室で喧しくします。

 あとは伊縫ちゃん以外には無害な存在になります。伊縫ちゃんは? さぁ……見つけたらお手々もらう……手斧ほしいな……会議室に回収してあったりしない? するかも。するな(するかも
(-43) 2022/06/07(Tue) 20:42:27

【独】 氷肌玉骨を手に ナオアキ

/* >>25「谺イ縺励>縺ョ繝ィ」 ほしいのよ
(-44) 2022/06/07(Tue) 20:43:43

【墓】 妄執 ユウキ

>>22 三十三

「…………ぅ゛え」

死んでいたはずで。
その言葉を耳にして再び頭の中で色んな音が響き続ける。腹の奥が酷く痛むような感覚がした。
吐き気が込み上げてくる喉を無理やり手で押さえ、落ち着くのを待ってから。

「俺は死にましたよ」

「おなか、こんなぐちゃぐちゃになって。生きていられる筈がありません。
 触ってみますか?何も反応がないんです。ハンバーグを作っている途中のこねた挽肉に手を入れた感じみたい」

異常は、まるで正常であるかのような挙動のまま貴方にわらう。
吐き気と血を口からこぼしながら返事をして、貴方から視線と体の向きを外した。

白衣を脱いで、貴方がいる方へと投げつける。
そのまま、酸の海に沈む青年の元へ。

(+10) 2022/06/07(Tue) 21:10:31

【墓】 妄執 ユウキ

>>22 三十三

「貴方の言う通りです」

「生きているなら治療しないと。
 篝屋さんは生きている。生きている音を拾いました」

「生者の分際で、動かないなんてゆるせない。ぁは、そうですよ。停滞なんて、許せない。進まなきゃ、前に。まえに、すすまないと、ねぇ?」

強い酸が足裏を焼く。じゅ、と靴の底を蝕んでいく。

「……ぇへ、うふふ。で、なんだっけ。

 あー……詳しい話をするのは後ほど。運ぶの、手伝って貰えませんか?
 ひとまずこの……これ、強酸でしょうか。此処から引き上げますから。その後、二人で運びましょう。
 その白衣は何か長めの棒が2本もあれば担架に出来ましたけど、無さそうかな。手や体を酸で焼きたくないとか、何か適当に使ってください」

まるで生きていた時のように、饒舌に喋っている。
けれどその青年は足を焼かれたり、篝屋青年を目にするたびに「ゆるせないなあ」「なんで?どうして?」とけらけら子供のように笑い声をあげている。

この青年は確かに、壊れてしまった後だった。
(+11) 2022/06/07(Tue) 21:11:47

【神】 無明長夜 ヌイバリ

>>G19

「わっ、とと……
まあ、その通り。俺も抵抗したからかなり痛手は負ってると思うんだけど……」

時折足を縺れさせながら、その時は手を貸してもらって。
あなたの背中を追いかける。
恐怖から逃げる。

相手はたった一人だというのに、皆で立ち向かっているのはまるで恐怖の大魔王だ。
抵抗した時、頭の中に刷り込ませた想いは彼にどのような作用をもたらしたのだろう。
想像するのも今は憚られたので、それ以上は口を噤んだ。
もしかしたら、今のこの状況を作り出したのは自分ではないのか、という気持ちもまた。


広い空間に作られたバリケードの中で、ぺたりと床に座り込む。
毛布のおかげで床の冷たさは感じられない。だが、独りになるということに心細さを感じなかったというと嘘になる。

「……ん、待ってるよ。
皆が来た時ちゃんとここに安全な場所があるよって言えるように、寝ずに待ってる。
あの人が来たらも〜〜〜〜……全速力で逃げるから!」


だから、待ってるから。
「愛施も、ちゃんと帰って来いよ」
ケガしてもいいけど、よくないから。
早く帰って来いよ。
どこか後ろめたさが邪魔をして、面と向かっては言えなかった。

(G20) 2022/06/07(Tue) 21:50:37

【秘】 無明長夜 ヌイバリ → 棕櫚の主日 コゴマ

/*
というわけでごきげんよう、早寝早起き
焔狼
お嬢様ですわ。
昨日めちゃくちゃ最高の蘇生をいただき絶対絶対生き抜くぞ🎶というきもちでいっぱいだったのですが、私……
システム的に明日で死を迎えますの……
(ロール的にどう扱うかは正直まだ未定です)
それだけ先にお知らせしたくてえ……
ごめんなさい…………
(-45) 2022/06/07(Tue) 21:55:26

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+11 結木さん
「いえ、……遠慮、しておきます。
 じゃあ、やっぱり……結木さんは、死んでしまっているんですね……」

どういう原理なのかは分からないが、今は置いておくことにする。あまりに非現実的な光景に脳がマヒしそうだ。
これも、実験の影響なのだろうか。本当に、傍迷惑な事をしてくれたものである。
無駄だとしても、そのうち傷口をふさいでおいた方がいいのだろうか。

「……」

白衣をキャッチして、貴方の靴が溶ける音に眉をひそめる。
そんな強い液体の中に、どうして先輩がいるのだろうか。

(26) 2022/06/07(Tue) 22:07:11

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+11 結木さん
「……杖は持ってるんですけど。
 1本だけなので、担架にはなりそうにないですね」

キャッチした白衣を手に緩く巻いて、自分も強酸の海に足を踏み入れる。
写真撮影に影響のある手が無事であれば、他はいい。
今は、先輩を治療しなければ。

「勿論です。
 先輩には、生きていてもらわないといけませんから」
「一緒に無事に帰るんです。絶対に」

そう約束したのだ。
だから、一緒に引き上げますよ。と言って。
貴方と2人で先輩を引き上げてしまうだろうか。
そのまま安全な場所まで運んでいくつもりだ。とはいえ手当の道具を持ってこないといけないから、酸の広がっていない廊下辺りか この近くの部屋になるだろう。

しかし 貴方が先輩とどんな会話をしたかなんて知る由もないけれど。危害を加えない関係であるなら良かった、と思うのだ。
(27) 2022/06/07(Tue) 22:12:47

【人】 ハリの豺狼 カナイ


「────あ、」

だめだ・・・


揺れる意識の中、眩む視界の中。
蠢くそれを見て、思考はただそれだけが鮮明だった。
牽制程度にしかならないかもしれないとは思っていたけれど、
その変容は、その執念は、想定をゆうに超えていた。

これは、自分でなければできない事だ。

あなたが真に恐ろしいものに成り果ててしまう前に。

あなたがこれ以上の罪を重ねる前に。

自分がこれ以上失わない為に。

信じた人を、助けてくれた人を、傍に居るものを。

僅かでも平穏な時を過ごした、安心できる場所を守る為に。


──ここで終わりにしなければ。
(28) 2022/06/07(Tue) 22:40:38

【人】 西へ行く カナイ


それからはあっという間だった。

「この──ッ、 その人から離れろ!!!」


殆ど思考を挟む間も無く、猛犬が喰らい付くように。

深和に覆い被さる異形を尋常ではない力で引き剥がし、
そのままの勢いで殆ど床に叩き付けるように引き倒した。
もはや肉薄する事も反撃を受ける事も厭わず、
ただその動きを止める為に押し倒すように抑え込む。

──果たして。
この場所は以前に刃の雨がぶち撒けられた地点の近くだろうか。
そうであるならその破片が。
そうでないなら、また一つ、すぐ近くの窓が爆ぜ散って。
あと一回。

床に散乱した破片が、ぴしり、めきめきと耳障りな音を立てた。

その直後、その全てが瞬時に成長し────

「────う"、あ っ" 」

無機質に冷たく、鋭く、透明な無数の杭となって、
異形と化しつつある奈尾を自分諸共にずたずたに刺し貫いた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから一拍遅れて熱く鉄臭い塊が喉の奥から込み上げ、
鉄臭さが口の中いっぱいに広がって溢れ出す。
想像を絶する痛みが身体の中を、神経を、脳髄を灼いた。
お仕舞い。
(29) 2022/06/07(Tue) 22:43:28

【人】 西へ行く カナイ


たとえるなら、そう、針の筵。

──無間地獄の刀山剣樹・・・・・・・・・


ねえ、奈尾さん。

自分勝手に、身勝手に、自らの欲求で。

どんな理由があったとしても、確かに人に害を為した。

どこまでも罪深いおれ達に似合いの地獄だと思いませんか。

あなたが悪人かどうかだとか、
どうしてそのような事をするのだとか。
そんな事は論じるにはもう今更な事だ。

どのような理由があれ、あなたは罪を犯した。
どのような理由があれ、自分は罪を犯した。
その罪深さを突きつけられる時が今だった。
おそらくこれはたったそれだけの事だから。
(30) 2022/06/07(Tue) 22:43:53
カナイは、それでもまだ生きていて、奈尾を抑え付けようとする。
(a38) 2022/06/07(Tue) 22:45:01

カナイは、当たり前に、死にたくなんかなかったけれど。
(a39) 2022/06/07(Tue) 22:45:09

カナイは、逃げ場は無くとも、足を止めたくはなかったけれど。
(a40) 2022/06/07(Tue) 22:45:15

カナイは、生きてと、そう望んだ少女を裏切ってしまうのは、嫌で仕方なかったけれど。
(a41) 2022/06/07(Tue) 22:45:22

カナイは、死ぬ覚悟は、もうできた。
(a42) 2022/06/07(Tue) 22:45:28

カナイは、それでも、伝えなければならない事があるから。
(a43) 2022/06/07(Tue) 22:45:34

カナイは、この地獄の中で、もう少しだけ生きている。
(a44) 2022/06/07(Tue) 22:45:40

【人】 トラジコメディ フカワ


──聞き覚えのある絶叫と、破裂音。

「いっ、」

緊張の糸がぷつんと切れて、
アンテナを取り落とし、尻餅をついて。
目の前から倒れ込む異形を認識しては、
心の底から錯乱して、観劇から現実へと引き戻された。

『やった?やってないまだやってない、やらなきゃ
 とりかえし、つかなくなるとるかえすつくように』


嗚咽なのか悲鳴なのかわからない音が喉から漏れ続ける。
わなわなと頭に手を当てて、何事か叫ぼうと思った時には、
(31) 2022/06/07(Tue) 22:48:11

【独】 神の居ぬ間に弓を引こう マユミ

/*
『はぁーーーーーーー……』
『西に行くからって黄昏にならなくともいいでしょうに』
『大バカヤロー、なのです』
『あの世で会ったら20回くらいデコピンするのです』
『少なくとも僕は地獄行きなのです』
『叶様も地獄に行くならまた会えるのです』
『それはそれとしてぷんぷんなのです』
(-46) 2022/06/07(Tue) 22:52:20

【墓】 妄執 ユウキ

>>26 >>27 三十三

「そう。ぁは、ふふ。三十三さんは、篝屋さんが大切なんですねー……」

笑った形のまま、そう返した。笑ってはいるけれど、その実貴方達二人の仲にまるで興味など無いと言うように。そんな、ちょうど己の体のような温度の声色で。

危害は加えない。貴方にも、貴方の先輩にも。
ただ前に進む手助けをするだけだ。
それは善意からなどではない。そんなもの、とうに昔の何処かに置き忘れてしまった。

今青年を動かすのは、ただ一つだけの強い意思のみ。

…………
……

廊下は厄介なものと鉢合わせする可能性がある。
恐らくはすぐ近くの部屋に運んだことだろう。

「治療、どこから手をつけたらいいのやら。ひとまずは止血?少なくとも、血管が傷ついた場所や剥き出しの部分は布を巻くくらいしておかないと。
布……あぁ、伊縫さん……。

 生きているのなら、生きてもらわないと困ります。そうじゃなきゃおれはゆるせませんから」
(+12) 2022/06/07(Tue) 22:57:42

【人】 トラジコメディ フカワ


『叶さん───!!』


それは他愛無い、
無意識のうちの脳の呟きに変換される。

透明な針の山が異形ごと貴方を貫いたのを見れば、
自分の胸まで何かに刺し貫かれたような痛みの錯覚を。

(───どうして?何故?なんで?)

疑問ばかりが頭で膨らんでいくものの、
それは── きっと、全てが終わっても分からないものだ。
仰向けから身を捩らせて、肘を突き、
手を伸ばしてもがいてはみるけれど、
決してどうにもできない目の前の光景を、
(32) 2022/06/07(Tue) 22:59:20

【置】 トラジコメディ フカワ

 
自分がそうなるものとばかり思っていたのが、癪だった。
(L7) 2022/06/07(Tue) 22:59:48
公開: 2022/06/07(Tue) 23:00:00
ナオアキは、他人にとって、理解できない理由なぞどうでもいいことを知っている。
(a45) 2022/06/07(Tue) 23:23:22

ナオアキは、罪の意識は、この期に及んで伊縫に外付けされたものだけだ。
(a46) 2022/06/07(Tue) 23:23:33

ナオアキは、己に地獄は似合いだと思わない。ただ、
(a47) 2022/06/07(Tue) 23:23:44

ナオアキは、己は地獄以外へ至るわけもないと思っている。
(a48) 2022/06/07(Tue) 23:23:47

ナオアキは、頭が痛くなくなった。
(a49) 2022/06/07(Tue) 23:24:01

ナオアキは、動かない。
(a50) 2022/06/07(Tue) 23:24:04

氷肌玉骨を手に ナオアキは、メモを貼った。
(a51) 2022/06/07(Tue) 23:31:20

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+12
「ここに来る前からの、知り合いですから」

ただ、それだけを。
だから、貴方のその声色が気になる事はなかった。
どう思われていても、貴方がすることも 自分がするべきことも、変わらない。

前に進むために手を貸してくれるのなら、その手を借りるだけだ。
生きなければならない。生きたい。生かしたい。
こんなところで死んでたまるか。

「麻酔があればよかったんですけど……そうもいきませんから。
 起きた時の痛みは、我慢してもらうしかないですね……」
「布……貴方の荷物にあった、職員の制服も使えますかね。首回り以外は汚れていなかったと思いますし。
 それに伊縫さんもきっとまだ持っているでしょうから。僕が会議室に取りに行ってきますよ」

他に必要なものはありますか、と尋ねながら。
汚れや血を洗うための水もストックから持ってくるべきかと頭を回す。

「……僕だって。
 生きているなら、生きてもらいたいです。生きていたいです。
 そうでなければ、ここに放り込まれた誰もが 報われない」

決して強い人間じゃないけれど、決意だけは。
(33) 2022/06/07(Tue) 23:57:10

【墓】 妄執 ユウキ

>>33 三十三

生への執着を知る。
生かすための決意を聞く。
生きるための覚悟を見る。

「…………」

ずっと、考えていた。
人を人たらしめるものは何なのかと。
進化を続ける理由は何だろうと。


目を細め、貴方の姿を焼き付けるように視線を注いだ。

「制服。そんなのもあったなぁ。そこまで時間が経っていないのに、ああ、ああ、なんだか遠く。ふふ、ふふー。
あの人は、あの時から、あの時に?ふふ。

 ええと……はい、ええ、人前に出る際に酷い怪我を隠したい時とか、きっと役に立つかと。
よかった、無駄ではなかったんだなぁ。


生前なら内に留めておけただろう余計な思考も垂れ流しながら、貴方にお願いを託す。

「……誰もが。血で手が汚れている人でも?」

貴方が一度部屋を出る直前辺りだろうか。
こてんと首を傾けながら、無邪気にそう言葉を投げかけただろう。
(+13) 2022/06/08(Wed) 0:15:11

【人】 西へ行く カナイ


斯くして人と異形の間と化した者はその動きを止めた。

臆病者はそれを見て取って暫くの後、
漸く殆ど硬直したように掴み掛かったままの手を脱力させ、

────ぱきり、


罅の入るような微かな音がして、
その後に透明な凶器が一斉に砕け、
両者は束の間この現に創られた地獄から解放された。

「い"、ぁ う"ぇ ぇっ、」

砕けた拍子に破片が再び肉や臓腑や神経を傷付けて、
倒れ込んだ事によってそれがまた深くへ潜り込んで、
言葉にならない悲鳴を上げ、血反吐を吐いて嘔吐いた。
これも、あの人にした事が自分に返って来ただけの事。

怖い。
怖い。
怖い。
死ぬのは怖い。
逃げたい。
けれど死からなんて、逃れられるわけがない。
(34) 2022/06/08(Wed) 0:20:03

【人】 西へ行く カナイ


「──、……深和さん…」

焦点が定まらなくて、前がよく見えない。
血がどんどん流れ出ていって、寒気がする。
全身から力が抜けていって、指先一本動かすのも億劫だ。
ああ、怖くて仕方がない。


「ぶじ、ですか そこにいますか……?」

それでも余計な思考を追い出して、
理性を掻き集めて、唯一正常な思考に意識を集中する。
まだ、伝えなければならない事がある。
(35) 2022/06/08(Wed) 0:20:50

【人】 西へ行く カナイ


「…仮眠室、に、……弓日向さんが、います」

迎えに行く・・・・・と行って会議室を後にしたけれど、
その後にこうして駆け付けた叶は少女を伴っていなかった。
そのわけを、自らの罪を、話しておかなければならなかった。
あなた達に無用な不安を与えてしまわないように。

「奈尾さんと、…おなじ、ようになってて」

「どうすることも でき、なくて おれが、やりました」

「……あの子が使ってた端末、
 あの部屋に おきっぱなしに、しちゃって」

抱えていた願望、そして呪詛。
叶わなかった望み。

それを与り知らない所で他者に知られるのは嫌だろうから、
大半のテキストファイルにはロックを掛けたけれど。

それでも、唯一の遺品と呼べるものだから。
生きて行く人に託したかった。
(36) 2022/06/08(Wed) 0:22:00

【人】 西へ行く カナイ


「…あはは……」

「頼まれたこと 全然、できなかっ た」

無事で、と言われたのにこのざまだ。
頼んだと言われたのに、迎えに行った少女の事も救えなかった。
生きてという最後の望みさえ叶えられなかった。

当たり前に頼まれた事を、
当たり前にやってのける事すらできなかった。
ああやっぱり、自分はどうしようもなく不甲斐ない人間だ。

「おこられ、るか なあ……」

それなら、怒られても、仕方ないかな。
(37) 2022/06/08(Wed) 0:23:14
カナイは、罪の重さは自身が計るものではなくて。
(a52) 2022/06/08(Wed) 0:28:47

カナイは、与えられる罰も自身が決めるものではないと思っている。
(a53) 2022/06/08(Wed) 0:28:58

カナイは、それは、罪悪感の有無に関わらず。
(a54) 2022/06/08(Wed) 0:29:19

カナイは、だからこれは、なるべくしてそうなっただけの事。
(a55) 2022/06/08(Wed) 0:30:29

【独】 神の居ぬ間に弓を引こう マユミ

/*
『そりゃ勿論ぷんぷんなのです。
 あたりめーなのです。
 コーラを飲んだらゲップが以下略なのです』

『でも、まあ、』
(-47) 2022/06/08(Wed) 0:36:27

【独】 神の居ぬ間に弓を引こう マユミ

/*
『かっこよかったのです。
 よく頑張ったのです。
 いいこいいこするのです。
 それから――ありがとう、なのです』

『おやすみ、なのです』
(-48) 2022/06/08(Wed) 0:38:10

【人】 トラジコメディ フカワ


「叶、さん……」

頭痛と吐き気が身体を苛みつつも、
どうにか貴方を救う手立てを考え続けて。
しかしぽろぽろと涙が流れ落ちるばかりで、
それ以外には何も出てこない。

手遅れだということを認めたくないのに、
悪癖となった諦観が身を包んで離してはくれない。

「なんで……オレで、よかったの、に……
 全部……持って行かないでくれよ……!
 ひ、二人の……二人で抱えるもの、だったでしょうが」

這う這うで近づいて行って、
投げ出された掌を両の手で握ると、
急速に失われていく体温が痛いほどに伝わってきた。
(38) 2022/06/08(Wed) 0:44:30

【人】 トラジコメディ フカワ


「オレは……貴方がいたから、
 立ち向かう勇気を貰えたんです。

 オレが頑張らなければ、
 いつか叶さんがそうなってしまうと、
 ───貴方が貴方を害してしまうことを、知っていた」

それを止めたかったのに。
あるいは、どうしても助からないというのなら、
オレも共に、そこへ連れて行ってほしかった。

何もかもが上手くいかないのは、
己がやはり弱者に過ぎないからなのか、
それとも、罪に対する罰がこの形になったのか。

「貴方の、せいで───
 貴方のせいで、無事になっちゃいました。
 
 許さないです。これから、ずっと」

至らなかった自分と、勝手な貴方を。
許したところで、貴方が助かるわけじゃない。
(39) 2022/06/08(Wed) 0:57:19

【人】 トラジコメディ フカワ


「どうして全部事後報告なんですか……貴方って」

思わず、溜息のようなそれが出た。
そういえば近頃は心中で呟くばかりで、
直接愚痴を吐いたりするようなことを忘れていた。

血の混じった裾で目元を拭えば、
頭がどんどん冷めていく。
リアリティに欠けた感覚が、胸の内を満たしていく。

「そうと知っていたら、
 貴方の力を借りようだなんて思わなかった。

 無理させようとか、そんなの御免ですし、
 ねえ、もっと別の方法を考えられたんです。
 オレ達はマジで、どうして……こうなるんですかね」

言った所で全部無駄なことはわかっている。
そもそも他に方法があったかさえ定かじゃない。

けど今は、ありったけの恨み言を言わなきゃ気が済まない。
(40) 2022/06/08(Wed) 1:05:30

【人】 未だピンボケ ライカ

>>+13 結木さん
「じゃあ、先輩に渡した方が良いですね。
 ただでさえ、すぐに眠ってしまうんですから。無防備な背中は隠れた方がいいでしょう」

願いを素直に聞いて、頷いて。
続いた問いには、少しだけ考えるような素振り。

「……少なくとも、ここにいた人達にはそうあってほしいですよ。例え手が汚れていたとしても。
 手を直接汚した人だけが悪人ではないでしょう」

自分だって。救いの手を伸ばす前に、記録することを優先する人間だ。
それが原因で、救えた命を取りこぼしたことも 非難されたこともある。
だから、社会的な悪を断じる権利もないし。そもそも、決めつけることも決めつけられることも好きではないのだ。
自分がそう思って、行動に変えるだけ。

殆どの行いは、自分のためだ。

そう答えると、急ぎ足で会議室へと向かい 必要な物を取りに行くことだろう。
(41) 2022/06/08(Wed) 1:07:09

【人】 トラジコメディ フカワ


「……頼まれて、あげますよ。
 他でもなく、誰にも頼らなかった貴方が、
 初めて俺に対してくれた、“頼み”ですからね」

本当に、どこまでもどうしようもない似た者同士だ。

「オレだって」

「オレだって、何もできなかったんです。
 だからオレも貴方の頼みを叶えてあげられなかったら、
 ちゃんと怒ってください。じゃないと不公平です」

置かれた環境からしてどうしようもなく絶望的で、
自分の力にしか頼れなくて、何かが狂ってしまった。
そうでもしなきゃ、生きていけなかっただけの。

身に過ぎた物を持たされてしまっただけの、人間だ。
(42) 2022/06/08(Wed) 1:19:08