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【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダルちゃり、と金属のぶつかる音と共に。 最後の新入り従業員はやってくる。 数名の賓客と一部のスタッフの前に悠然と歩み出た。 カジノで戦うディーラーの制服でもなく。 関係者として暗躍したペストマスクに漆黒の燕尾服でもなく。 自分の上に立つ人間たちに付き従う『従業員の制服』と目元だけを隠す簡素な仮面を身に纏い、女は静かにやって来る。 ただ、もう逃げられないとばかりに存在する厳つい首輪が女の喉元に巻きついていた。 「──改めまして、サダルです。 この客船に乗せていただくにあたり必要な『研修』は既に受けております。 ですが皆様が必要だと判断したのならどのようなものでも喜んで行わせていただきます。 私は皆様の従順な下僕です。 皆様の命令こそが私の幸福。それら全て皆様の愛なれば。私は喜んで従い、奉仕し、皆様に誠心誠意尽くしましょう」 服従の意を見せるように頭を垂れる。 こんな行為は慣れている。 なるべく壊されないようにしたいのなら、素直に従っていたほうがいい。 ぺらぺらと上辺だけの薄い忠誠を吐き出し、女は閉じた瞼の裏側でぎらぎらと反抗的な炎を湛えていた。 ▼ (0) 2021/07/09(Fri) 22:23:39 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル顔を上げろ、と指示を受ける。 女が飼い犬のような態度を被って大人しく従い顔を上げると、他のスタッフからの平手打ちが飛んだ。 頬がじんじんと熱を伴う痛みを発しているが、反比例するように心は冷え切っていく。 乗船客の失踪に関する噂を流したと聞いた。 何故そのような事をしたのか。 泡を飛ばして捲し立てるスタッフにひたすら頭を下げながら、詳細を有耶無耶にして謝罪を繰り返す。 何度も打たれた。でもそれが今更何だと言うのだろう。こんな仕打ち、昔から受け続けている。 女はスタッフの気の済むまで説教を受け続けた後、賓客に連れられて姿を消した。『再教育』を受ける事になったらしい。 "嫉妬"の女は最後まで、自分を見下す人間たちのいないところで嗤い続けていた。 (1) 2021/07/09(Fri) 22:23:51 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダルカーテンは全て閉め切られ陽の光が欠片も与えられない船内のどこか。 陰鬱とした暗い部屋の中で、むせ返るほどの煙草の煙と性臭にまみれながらあえかな声をあげて体を揺らす女が一人。 「……っ、……ん、ぅう、あ……はぁ……っ」 相手の事など考えない、己のみ快楽を貪るような動きを見せる男の上に"従業員"に堕ちた女は跨り喘ぐ。その間にも両隣に並んだ者の男根を時に頬張り、時に手で擦り、ひたすらに奉仕をし続けた。 「……ッ、い゛、ぁ、あ゛ぁあ……!!!」 休む事など許されない。 尽くす手を緩めれば頬や尻を打たれ、意識を飛ばせば煙草を体に押しつけられる。 女の体は傷だらけだった。顔と手を除いたありとあらゆる場所に火傷や切り傷が覆い被さっている。全てカジノのディーラーとして働く前、自身の親に金を貸した人間たちによって飼われていた頃付けられた痛みだ。 似たり寄ったりの傷なのだから、今更増えたところで何とも思わない。灰皿代わりにされた背中にまた一つ皮膚が隆起した歪な火傷の跡が残るのを、女は冷めた心で受け止めていた。 「……わ、たしっ、は、皆さんに……、ぅ、尽くす、雌犬……です、……もう、裏切るような、真似は……しま、せ……ひっ!ぁ、あっあっあっ……ぁあ……ッ!」 卑しい言葉を吐き出す事を何度も強要された。 女は大人しくそれに従い、幾度となく降伏の姿勢を取らされながら最奥を穿たれ、服の下に押さえつけていた豊かな乳房をこれでもかと弾ませながら悦楽の果てへと追い詰められる。 何度果てても終わらない。女の喉が掠れようと、涙が枯れ果てようと、『再教育』はひたすらに行われ続けた。 ▼ (10) 2021/07/10(Sat) 3:26:36 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル体は無理矢理にでも高められ、魘されるほどの熱と刺激が脳を侵していたとしても。 意識を保ち続ける限り、女はずっと牙を隠して笑っていた。 ──失うものなんて無い。 プライドも恥も、全てとっくの昔に私自身が食ってやった。どれだけ犯し尽くしたところで、私は君たちに折れるつもりなど毛頭ない。 私を折りたいのなら、私を泣かせた"暴食"のような並外れたショウくらいでなければ認められない。 だからきっと、暫くは大丈夫だ。 後はこの肉体や精神が壊れないよう、従順なフリして耐えるだけ。 私が私の"賭け"に勝つその時まで。 耐えられずに私が心身壊れてしまったら私の負けだ。 ルーレットのボールは回り始める。 結果は、如何に。 (11) 2021/07/10(Sat) 3:28:00 |
【独】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダルアタイもサダルでえっちなロールしたかったから我慢できずにやったけど陰鬱空気でエピ後書き込みにくくなってたらいやだなと思ったものの 中和方法が独り言によるトンチキ感想大会くらいしか浮かばないのですがどうしたらいい???どうもしません。 まあエピローグ入ったら独り言はなるべくしない主義なのでこれくらいにしとくんですけども…… (-2) 2021/07/10(Sat) 3:31:14 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル仮面をつけられても澄まし顔で日常生活に戻ってきた元ディーラー、現一般従業員。 「ここ、水面下で行われているものに目を瞑れば待遇はわりといいんだよね……複雑」 もにゃもにゃしながら昼食を適当に注文した。イングリッシュマフィンfoodが出てきた。 (16) 2021/07/10(Sat) 11:28:03 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>20 ダビー 目の前に置かれた器を見たのも束の間、すぐにその先の人物を追いかけるように視線を流した。 「……。こんにちはダビー。私は元気だよ。そっちも"相変わらず元気そうで"何より」 平然と答える。ひとまず座りなよと促した。本当に元気そうで何よりじゃないか。ねえ。 (21) 2021/07/10(Sat) 16:32:54 |
サダルは、ボル族と初対面した。これが噂の……。 (a20) 2021/07/10(Sat) 16:33:48 |
サダルは、ボルシチはともかくボルジュウは初めてなので二人分小皿に取り分けた。 (a21) 2021/07/10(Sat) 16:36:45 |
サダルは、片方のボルジュウをダビーに押し付けた。君も食べたいなら食べなよ。 (a22) 2021/07/10(Sat) 16:38:10 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>22 ダビー 「別に含みがあってもなくても君の様子など私の知った事ではないから好きにしなよ」 続くようにボルジュウを一口いただく。流石はボル族の最上位(※諸説あり)、とても美味しい。表情は崩さなかったが内心満足した。 投げかけられた問いには、今よりも更に声を小さく抑えて答える。 「……目的はいくつかあるけど。 一つ、単に私がこの船の上層部とかが気に食わなかったから。失踪に関する話を流出させ、私を見下ろす奴らを困らせて不快にさせてやろうと思って。……ここは記憶を改竄できる処置を施せるしいくらでも揉み消せるだろうから、意味は薄いけど。 二つ。君の言った通り、私の賭けの為に必要だったからああいう事をした。ここに堕ちてくる必要があったんだ。 あの宣戦布告は、初めから"エンヴィー"として生き残れるかどうかで勝負をしたんじゃない。勿論、勝っていたら今まで通りエンヴィーとしての活動に励んでいたけどね。 でも、本当の目的はその先あった」 (23) 2021/07/10(Sat) 17:05:33 |
サダルは、どこかの時間帯で合挽き肉のハンバーグを食べた。 (a28) 2021/07/10(Sat) 21:45:49 |
サダルは、もう境界線が薄れてしまった。どんな物も、食べることができるようになってしまった。 (a29) 2021/07/10(Sat) 21:47:17 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>ラサルハグ ホワイトな労働をしつつ、その合間の休憩時間。 女はかつて共犯者だった相手の前にふらりと姿を現す。 「……ス、……ラサルハグ。今時間いいかな。少し話したいことがあって」 本性をあちこちに晒して開き直ったのか、涼やかな笑みを被らずけろりとした様子で声をかける。 (26) 2021/07/10(Sat) 23:29:29 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>27 ラサルハグ 口調に気付き、少し思案する。 「……どうだろう。私は"共犯者"の時の話をしにきた。些細な質問だから、このまま話しても構わないけど……君に不都合があるのなら場所を変えようと思う」 全てを投げ捨てる勢いで駆け抜け、その結果一般従業員へと落ちた女にとって最早怖いものなど殆ど無い。開き直ってすらいた。 (28) 2021/07/11(Sun) 0:13:13 |
【独】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダルここで唐突ですがお酒強いかランダムに任せようのお時間です 79 ([[/fo rtune]]で振って数字大きいほど強い) (-24) 2021/07/11(Sun) 0:27:10 |
【独】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル「(可愛いからいいんじゃないかな!気持ちよく勝ったのに潰れて身包み剥がされるよりはマシでしょう?大人しく麦茶飲んでなよムルイジ)」 (-57) 2021/07/11(Sun) 3:43:58 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>29 ラサルハグ 「……それじゃあこのまま話そうか」 切り替わった口調にほんの少し肩の力が抜けた。サダル、ひいては『エンヴィー』にとってなんだかんだ『スロウス』の方が馴染み深いものとなっていたらしい。 「……君が共犯者を降りる直前。私たち三人で『報酬』の話をしたことを覚えているかな。 グラトニーは物理的な報酬、私は気に食わない奴の転落を見ること、そして君は……無いけど、強いて言うなら私たち共犯者の勝利って答えていたね。 その勝利という報酬は、君の仕事の期日が過ぎてからも有効だったのかな。期日が過ぎてしまえば、私たちが勝とうが負けようがもうどうでもいいと切り捨ててしまうことも出来そうだと思うけど……」 (35) 2021/07/11(Sun) 4:10:45 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>31 ダビー ほんの一瞬、眉がぴくりと動いた。 「別に君のためにやった訳ではないけれど……どういたしまして。 でもこれはあまりにも悪手だ。後でどんな目に遭わされるか分かったものじゃない。明日いきなり私が船から姿を消しているなんてこともあり得るだろうね。 二つ目は……二つ目、は…………」 スプーンを動かしていた手が止まる。 濁り切った瞳が静かに伏せられた。 「…………分からない。勝算は0じゃない……、……と……思う……」 分かりやすく言葉尻が萎む。よく浮かべていたポーカーフェイスでも本性がバレてから見せ始めた開き直った態度でもなく、素直に不安を顔に滲ませている。 (36) 2021/07/11(Sun) 4:32:44 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>37 ラサルハグ 相槌を繰り返しながら耳を傾け、思考を巡らせて── 「つまり、私たちが勝っても負けても関係なかった。……そういうことかな」 ──その報酬の価値が無いものだと、"嫉妬"はそう判断した。 はは、と自然と笑みが溢れる。自分の思っていた以上に乾いたものだった。 「……売り渡されたって言う事はさ、君は……処分とやらもされなくて済むって事かな」 (38) 2021/07/11(Sun) 11:12:04 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>40 ダビー 「確かにそう。地に落ちた敗者に権利はないから、互いを助けられるわけでもない。互いが出来るだけ長く無事であることをそれこそ天に祈るしかないだろうね」 あっけらかんと答える。全てを諦めたつもりではないが、それでも駄目な時は駄目なのだと理解していた。 「外的要因。…………それは……」 提案に口籠もる。普段であれば一も二もなく頷いて行っていただろう。女は平気で人を裏切り、利用し、踏み躙るような人間だ。実際、目の前の男に対してもそうした。しかし── 「この賭けに関しては……イカサマ……したくない、から………… あの人が自分の意思で選ばなければ、意味無いよ……」 (41) 2021/07/11(Sun) 12:42:30 |
【秘】 飼い狗 ムルイジ → 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル「よォ」 ――こんなところで、奇遇じゃねェか。 信じられないことに両手同士を鎖で繋がれた状態で、 あなたの入れられた部屋に『男が訪ねてくる』。 幾分薄汚れた顔で、その薄汚れの顔にした張本人に、 軽薄な笑みを浮かべながら、無思慮に、無遠慮に。 今度は鍵の掛かってない部屋に侵入して、笑う。 「随分とまァ、大きく張ったじゃねェか。 ……お陰で、こんなところで逢えることになって、 心から嬉しいぜオレは。 どうだよ、気分サイコーだろ。 独り占めするには、勿体ないくらいによ」 皮肉気に言うが、幾分相手への当て擦りは少ない。 同じ立場になった以上、どうしようもない現実が、 否応なしに互いの周囲を取り囲んでいるから。 (-74) 2021/07/11(Sun) 13:48:16 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>43 ダビー 緑色を見つめる緑色が鋭くなった。 「……煩い。余裕そうに揶揄うとか腹立つな。つい最近私に騙されてたって言うのに」 隠しもせず舌打ちし、苛立たしげにボルジュウを啜る。ああくそ、気に食わないけどスープは美味い。 こくんと一口飲み込んだところで、女は少し考えるように沈黙を置いた後おずおずと口を開く。 「……ダビー。君はさ、大事なこと……掴めそう?」 抑揚のない静かな声で問いかける。真摯な色を滲ませて。 (44) 2021/07/11(Sun) 13:59:04 |
【秘】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル → 飼い狗 ムルイジ来た。 「……、やあ」 ほんの僅かに反応が遅れたものの澄ました顔で言葉を返す。あれだけ汚してやったのに、この船で会った頃と変わりない調子で。 やっぱりこの男は心が折れてなんかいなかった。 ダブルアップの件は、私の負けだ。 「……まあね。欲しいものを手に入れるにはあれくらい賭けなきゃいけなかったから。反吐が出るくらい"サイコー"だった。 …………それで、何しに来たの。って言っても。私と君がやる事なんて、決まっているだろうけどさ」 凪いだ水面のような、静かな調子で言葉を紡ぐ。 かつて見せた剥き出しの怒りや嫉妬も見当たらない。 ……今のところは。 (-75) 2021/07/11(Sun) 14:08:31 |
【秘】 飼い狗 ムルイジ → 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル部屋のあちこちに、これ見よがしにカメラがある。 ここも自分の部屋と同じように、プライバシーなどない。 環境としちゃ、どっちもどっちだなと口の端を持ち上げた。 「そうかよ。そりゃ重畳。 熱狂も怒号も侮蔑も嘲笑もありゃ、 勝負師冥利に尽きるってもんだな。 何をしに来たかと問われ、 やることは一つと言われると鼻で嗤い。 「……だよなァ。 狭い密室に、互いを知らないわけじゃねェ男女が二人、 ヤるこた、いつだって一つだな」 適当に椅子を取って、座る。 ようやく、目線が合う位置まで、辿り着けた。 「……約束を果たしに来た。ほら客が席に座ったぜ。 何でキメるよ……ディーラーさんよ」 オレの、こいつとの賭けは。 ――まだ終わっていない。 (-76) 2021/07/11(Sun) 14:24:45 |
【秘】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル → 飼い狗 ムルイジ「……」 一歩分、さらに距離を詰める。手を伸ばせば触れる距離。 近づいてきた緑色が、かすかに揺れる。 「……せっかち。 女を急かす男は嫌われちゃうよ。君は気にしないかもしれないけど」 男に呪いを掛けられた。忘れる筈が無い。 自分と男の勝負は、まだ続いている。 ──でも、その前に聞きたいことがあった。 「何で勝負するかは決めてる。でも……でもさ。 君、"私を見て"勝負してくれるの?君が救いたかった女と重ねたままじゃないの?」 どろり、胸の中に重たいものが渦巻いて。 「私は今まで一度も、君をどんなギャンブラーとも重ねて見てなんか、いないのに。 私は君しか、見ていないのに」 (-77) 2021/07/11(Sun) 14:46:02 |
【秘】 飼い狗 ムルイジ → 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル言っとけ。じきに強請るようになると言いかけて、 微妙な、本当に些細な言葉尻の変化に眉根が寄った。 「………」 相当に。 自分の打ち込んだ楔が効いたとみた。 ……こんな女だったか……? いや……こんな女だったんだろうな。 だからオレは――。 「卓囲んで目の前の相手以外の別のモン見てる暇あるかよ。 少なくともテメェと向き合ったとき、 オレにそんな余裕は一匙もねェ。 ディーラーを前にしたギャンブラーはそういうもんだ。 ああ、ただ……そうじゃねェとき。 賭け台に向き合ってないときまで、 全ての時間の視線や思考を釘付けにしたきゃ……。 お前しか見えねェようにしたきゃ」 舞台の上で、お前がやったように――。 ▼ (-79) 2021/07/11(Sun) 15:46:07 |
【秘】 "賭け師" ムルイジ → 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル「――賭け、勝ち、奪うしかねェだろ。 オレ達は、そういう生き物なんだから。 ただ、正式に、言葉にしてほしいなら、 ちゃんと言ってやる」 軽薄な笑みが、スと消える。 それは恋人には絶対向けない表情で、 恋人に向けるよりも強く、濃い感情。 一人のギャンブラーであり続けた男が、 その人生全てをテーブルの上に乗せる、 熱病に似た灼熱の感情と妄執の"告白"。 「――サダル。 お前と勝負がしたい」 一人の賭け師と、賭け師として。 (-80) 2021/07/11(Sun) 15:47:43 |
【人】 凶つ"嫉妬"の悪狼 サダル>>46 ラサルハグ 「…………え?」 淀みなく返ってきた答えにもはや悲しみさえも浮かばずに。 ただ黙って聞いていたが、続けられた言葉に目を瞬かせる。 「望みが叶えばいいって……思ってた?え、あの、えっ!?」 ずい。ずいずい。ずずずい。 にじり寄る。 「……す、スロウス。それっていったい、あの、どうして……?」 最早それは仕事、役割には関係のない範疇の話だ。 生きる為に仕事をするのではなく、仕事をする為に生きていると答えた貴方からその言葉が出てくるなんて思ってもみなかった。 くるりと瞳を丸くさせ、共犯者のガラス玉にも見た目を覗き込む。 仮面を投げ捨て素直に驚きの表情を浮かべた女の顔が、きっと貴方の水色の瞳に映り込んでいることだろう。 (51) 2021/07/11(Sun) 16:13:21 |
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