【人】 酒屋の息子 ヤスヒサ[なんの代わり映えもない毎日。 昔ながらの酒屋の息子。 品出しして、店番をして。 必要なら酒や砂糖などを配達した。 その繰り返し。ずっと続く日常に、一筋の光がまいおりたのです。*] (9) 2022/05/17(Tue) 7:04:10 |
【人】 団地妻 ナナミ[先ほどからパソコンに向かってはいるが、モニターの中の文字が頭にちっとも入ってこない。 ため息をついて立ち上がると、窓から外を見た。 三階の窓から見える外の景色は、それほど遠くまで見渡せるわけではないけれど、このマンションの外構に植えられている木々の緑が美しくて気に入っていた。 引っ越してきたばかりのこの家がうるさくて、気が散っているわけではない。 この家は古いけれど鉄筋コンクリートでできているせいか、以前に住んでいた木造アパートと違って生活音は聞こえない。 住んでいる人達が、老人世代が多くて物静かな人が多いせいかもしれないけれど。 仕事で知り合った夫と結婚して数年、家賃を支払うのも馬鹿らしいというよくある理由で、この古い分譲マンションを購入した。 このマンションが建った当初から住んでいる人が多いようで、新参者の自分はどういう扱いを受けるだろうかとびくびくしていたものだが、若い人が出ていくことが多い中での新しい人ということで可愛がってもらっている。 結婚後も、在宅でデザインの仕事を続けているせいか、周囲の奥様方には、自分が専業主婦だと思われてるようで、たまにピンポンと無遠慮にチャイムが鳴らされるのには閉口するのだけれど。 でも、その奥様情報網で、色々な噂も聞けるのだ。 ―――良い噂も、悪い噂も] (11) 2022/05/17(Tue) 13:13:33 |
【人】 団地妻 ナナミ[こういうマンションはお互いの目が行き届いているということを、都会暮らししか知らない自分も夫も知らなかったのだ。 夫が出張と言って出かけた日に、たまたま旅行に出かけていた同じ階の人が、女と夫が歩いていたのを見ていて、それをわざわざ教えてくれるなんてことをする人がいるなんて、思ってもみなかったのだ。 夫が浮気しているということも、それを誰かが見ていたということも。 それは妹だとっさに相手にはごまかしたものの、自分の中の疑いが晴れず、直接夫本人に聞くわけにもいかず。 勝手に夫のパソコンを見て、その履歴や隠しているファイルや、SNSなどを見たところ……笑えるくらいにクロだった] (12) 2022/05/17(Tue) 13:13:49 |
【人】 団地妻 ナナミ[ドラマのような燃え上がる恋愛の結果に自分たちは結婚したわけではない。それでも優しい関係でつながった家族だったから、二人でお互い、支え合って生きていこうとも決めていたのに。 こんな手ひどい裏切りに、離婚して慰謝料をふんだくる以外にできる報復も思いつかなくて、自分の発想力の貧困さにため息がでる。 かといって、仕返しとばかりに自分も腹いせに浮気をしたりすれば彼と同じような轍を踏み、近所の噂になって、自分が損になるだけだ] あ、そろそろ酒屋さんの瓶の回収の時間だわ。 [瓶をまとめて、後は配達してもらうもののリストも作らなきゃ、とここに越してきてからの自分の“癒し”に会える日なのを思い出し、少し心がウキウキしてきた*] (13) 2022/05/17(Tue) 13:17:17 |
団地妻 ナナミは、メモを貼った。 (a1) 2022/05/17(Tue) 13:21:24 |
【人】 インタリオ[ 街の景観を華やかに保つ為、全ての陰りを受け入れたかのように。 路地裏は暗く汚れ、何処か淀んだ空気を漂わせていた。 素早い動きで入り込んできた野良猫は、痩せ細り毛並みが悪い。 足取りにも靭やかさは無く、時折引き摺るようですらある。 国を襲う貧しさが民から心の余裕を失くし始めている時代。 ――人間の行き交う表の通りに、その居場所は無いのだろう。 捕らえた鼠は彼もしくは彼女にとって、 漸くありつけた久しぶりの食事だったのかもしれない。 皮肉にも、哀れな小動物のほうが捕食者より肥えているようだ。 その大切な肉を取り落し毛並みを逆立て威嚇した先には、 二匹が背を向け一心不乱に逃げ去ったその空間には 入り組む建物やゴミ箱以外何も存在しないかのように見えた。 ] (14) 2022/05/17(Tue) 15:04:51 |
【人】 インタリオ[ 動物達すら何処かに消えた廃れ場に巻き起こる変化、 科学と神聖では説明不可能の奇怪かつ冒涜的な現象。 人間が鉢合わせることが無かったのは、彼らにとって幸福である。 虚空から生じ落下していく“沈み彫りの装身具“は、 硬質な音を立て転がる前に、黒い靄を噴出し始めた。 やがてそれは人体を縁取り、より精巧に男性的な形を作り上げ、 派手な髪型をした、全身を黒で包む背の高い男へと完成する。 黒髪と黒服と異様な白肌で構成される彼が所有する色彩は、 爪と両眼に宿している、鮮やかな黄色ただ唯一のみ。 だが、表通りの方へと注ぐその丸い瞳にすら黒が含まれる。 ――まるで狩猟の時を待つ猛禽類のようであった。 ] (15) 2022/05/17(Tue) 15:05:11 |
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新