【赤】 千早 結── 名もなき病室 ── [目覚めた時は一人だったか、意識は保てているが記憶の混濁が激しい。ズキリ、とこめかみに走る痛みを抑えて身体を起こした。 生を全うし寿命を終えた夢が真か。怪異を貪り半ば人ならざるものに近づいた現が真か。鼓動は変わらず時を刻んでいるのに、意識がふわふわと定まらないのだ。自分自身の存在がひどく曖昧になっている気がする。 黒いシャツにかけられた黒いカーディガンを羽織り直し、ふらふらと部屋を出るだろう] ・・・ぼくは、何を・・・ 誰を?探していたんだっけ [何を、探していたんだったか。 生と死の狭間で、部屋に満ちる甘い香りは柔らかに思考を溶かして行く]* (*3) 2022/08/13(Sat) 8:17:50 |
千早 結は、メモを貼った。 (a1) 2022/08/13(Sat) 8:23:14 |
校長のお告げ(村建て人)は、メモを貼った。 2022/08/13(Sat) 10:29:27 |
不審死の元凶 ???は、メモを貼った。 (a2) 2022/08/13(Sat) 10:31:30 |
水子たちの霊 ヒルコは、メモを貼った。 (a3) 2022/08/13(Sat) 11:47:10 |
【人】 勢喜 光樹─追想、存在意義の模索─ [速報です。 20XX年、X月X日深夜。 XX都XX区XX町のアパートに住む 勢喜邦彦さん(45)、洋子さん(40)の遺体が発見されました。 二人は夫婦で、発見された遺体には ロープのようなもので首や足を縛られており 何者かによって、鋭利な刃物で数か所切られた痕跡が 残っていたということです。 警察の調べによりますと、 二人の死因は失血性ショック死であるとのことです。 二人には一人息子がいましたが、 現在行方が分からなくなっており 警察は、事件になんらかの関与があると見て、 彼の行方を追っています。] (9) 2022/08/13(Sat) 11:51:21 |
【人】 勢喜 光樹………………。 [翌朝には、駅前ビルに設置されたワイドスクリーンや 街中の電気屋に設置された数多のテレビに、 そのニュースは流れていた。 それでも、立ち止まって見る者はいない。 誰もがよくある話、と気にも留めずに どうでも良さそうな、あるいは聞いてもいないのか 何事もなかったかのように、通り過ぎていく。 所詮、他人事なのだ。 自分の身に降りかかる害でない限り 人は何の関心も抱くことは出来ない。 目の前の事しか見ない。 人間とは、そういう生き物。 両親も きっと己だって、そうなのだ───。] (10) 2022/08/13(Sat) 11:52:46 |
【人】 勢喜 光樹[ぽつり、ぽつりと雨が降り始めた。 次第に雨の勢いは増していく。 それはまるで、穢れを洗い流すかのよう。 己の足掻きを、肯定するかのようだと、錯覚すらした。] 『兄ちゃん。そんな怖い顔しちゃって、どうしたの?』 [物騒な繁華街を歩いていた時だった。 質の悪いごろつきに声を掛けられた。 気付けば、人数が増えて取り囲まれていた。] 『困ってんなら、良い仕事あるよ』 [困っている?そうかもしれない。 無一文で出て来てしまっていた。 金を貰えるなら、何だって良かった。 そこに、俺の存在意義は、あるのだろうか。] (11) 2022/08/13(Sat) 11:54:04 |
【人】 勢喜 光樹・ ・ ・ 『客商売だからねぇ…。笑ってくんないと』 [笑う?それは、誰が教えてくれるのだろう。 両親は教えてくれなかった。] 『顔が良くても客の喜ぶような、トークが出来ないと』 [それは、どうしたら身に付くんだ? 罵倒や暴言しか刷り込まれなかった。 他人が喜ぶ言葉なんて、知らない。 次は、水商売だった。 最後は、「使えない」からと、クビになった] (13) 2022/08/13(Sat) 11:55:40 |
【人】 勢喜 光樹・ ・ ・ [三つ目は、四つ目は……… なんだったろうか。 もう、忘れてしまった。 憶えているのは、そのどれもが 己の存在意義を知ることがなかったという事実。 やはり………そう、か。 不要な人間は、何処へ行っても不要なのだ。 その現実を突きつけられた。 抗い、足掻いたことに 何の意味も無かったのだ。*] (14) 2022/08/13(Sat) 11:56:46 |
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