【秘】 甚六 カナイ → 傷弓之鳥 マユミぎゅうと囲い込まれて、肩口にきみの声が吸い込まれて。 「んん」 擽ったげな音を漏らして身を捩る。 燃えるように熱い、いのちの温度がそこにある。 埋まった吐息が服越しにも、チリチリと肌を焦がす。 「ありがとなぁ」 冷たく、華奢な脚で。氷の身体がきみを支えて立つ。 寄りかかった頭にもぞもぞ手を添えて、くい、と軽くこちらに押しつけて。 ▽ (-0) 2022/07/14(Thu) 23:59:33 |
【置】 夏の雪 ユメカワさいごの一歩を踏み出して、二人浮遊感に身を委ねて ──流石に高い所から落ちるのは、少し怖いな。 ──また失敗したら、どうしよう。 ほんの刹那に過った不安は、きっと君と同じだったけれど。 煩い風の音の中、か細い声を拾って、 そんな不安を振り払って、より強く君を掻き抱いて、ただ君だけを見る。 もしも君が死に切れなかったなら、 やはり優しくその苦しみを終わらせてあげよう。 どんな最期が待っていようと、もう離さない。 そして、終わりはやはりあっけないものだった。 少なくとも、これ以上死の苦しみを得る事のない 死人である夢川にとっては、ではあるのだけれど。 (L1) 2022/07/15(Fri) 1:42:21 公開: 2022/07/15(Fri) 1:45:00 |
【人】 夢中 ユメカワ>>0 ネコジマ ぼたぼた、髪から額へ頬へ零れ落ちる血をそのままに。 かたかた、音のする方へと緩慢に視線を向けた。 そのありさまはただ虚像が剥げ落ちたのか、 それとも死に損なったのか、何れも定かじゃない。 「稔」 名前を呼んで、目を細めて笑う。うれしいな。 あの時、ちゃんと見届けてくれると言った君だから。 きっと来てくれると思っていたから、驚きは無いけれど。 「うん。一人じゃ大変だから手伝ってもらっていい? そろそろ行かないと、遅刻しちゃうかも」 素人目に見ても生きているはずがないと判る血溜まりの中。 いつも通りに笑って、いつも通りに甘ったれた台詞を吐いて。 傍に居る来家をそっと抱き寄せた。 早くおはようが言いたいな。 言うまでもなく、行き先は出欠を取ったあの教室だ。 (1) 2022/07/15(Fri) 1:43:40 |
【秘】 チャラ男 ウラミチ → 傷弓之鳥 マユミ揺蕩う意識の中、誰かに話し掛けられている気がした。 でも自分は何も答えられない。 髪に触れる感触が、朧気ながらに優しくて暖かい。 誰かがくれたその言葉はすぐには理解できなかったが、胸の中に染み入るようだった。 (-2) 2022/07/15(Fri) 2:03:58 |
ネコジマは、通り過ぎた時に、死んでるなぁと思った。 (a2) 2022/07/15(Fri) 2:10:34 |
ネコジマは、今見ても、死んでるなぁと思った。 (a3) 2022/07/15(Fri) 2:10:37 |
【秘】 チャラ男 ウラミチ → 甚六 カナイやわくまとまり始めた意識がゆっくりと浮上する。 誰かに名を呼ばれている……? "…カナイ……?" 覚醒し始めた意識が、名を呼んだ者の正体に気付く。 「──!?」 男は突然起き上がってあたりを見渡した。 起き上がったと思っているのは男だけで、足元には自分の死体があるのだが。 「………なんだ、また幻聴か…」 目的の人物がいないとわかると、酷く落胆した様子で床に視線をとした。 (-3) 2022/07/15(Fri) 2:11:04 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ貴方の想像は少し違う。 どちらかと言えば、それは時代による認識の齟齬に近い。 白間コズヱにとっては、どんな生徒も彼女の守るべき生徒だ。 教師が生徒を選ぶなど、あってはならない。これは、ままごとではないのだから。 全員を同時に攫う力が、もしもあったのなら。彼女は躊躇なく使っていただろう。 「……明日香。条件付きの降伏をするなら、足りないものがあるよ」 折ったばかりの小さな枝を数本拾い、中から細い一本を摘む。 「その提案に乗ることで、私に──いや、私達に。 一体どんな利益があるのか、示しておくれ 。」じわり、輪郭が滲んで揺らぐ。 ぱきり、枝を折る。折る。折る。 「必然の出会い? ──ああ、全く都合が良すぎるね。得をするのは生者だけじゃないか……それは頼みですらない、甘えだ。 そして生徒でもない君の甘えを叶える程、私に余裕はない」 置いていきたくないと、何度言われて来たことだろう。 しかし喉元を過ぎれば、熱さを忘れてしまう。何故って、人だから。 「幾度もそんな言葉を聞いたよ。結果は これ さ」呆れたように、吐き捨てたように、少女の抑揚は悪態になっていく。これは教師としてではなく、ひとりの亡者としての想いだから。 ふう、と意図的に深呼吸をひとつ。 ▽ (-4) 2022/07/15(Fri) 2:40:48 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ「……他の条件はあるかい? ちなみに、私から出せるような対価は恐らくない。 つまりこの交渉は、君にとってかなり不利だ。無一文から契約を取るような行いだからね」 死者との交渉はまず成り立たない。 死者は支払えるような対価を、基本的に持っていないからだ。 だからこそ、人々は彼らを祓って来た。 「しかしかなり難しいだろうから……。 もしも私が納得する、または心動かされる条件があれば。私から深雪を説得しても良い。 もう全員は諦めろと、諭してみせるさ」 (-5) 2022/07/15(Fri) 2:41:57 |
【人】 夢中 ユメカワ>>2 ネコジマ 君に手伝ってもらって、小柄な身体を荷台に下ろして。 君が自ずとそうするなら、手押し車の取っ手は任せてしまおう。 そういった善意に甘えるのは、やっぱり好きだ。 「約束、じゃないけど」 「先生が出欠取るのに遅れたらよくないから」 まだ少しだけ、体温の残る頬を時折撫でながら。 きいきい、からから、少しばかり頼りない音をさせて。 ぱたぱた、ぽたぽた、赤い点々を残しながら歩いていく。 道すがらに話すのはさも当たり前の事のようで、 けれども今話すには、なんだか前提がおかしな話でもあって。 「稔はさあ」 それからぽつり、じつに他愛無い問い掛けのように口を開いて。 「何から逃げてたの」 君が俺から目を逸らしていた事なんて知っている。 前々からの疑問を投げ掛けた。きっとこれが最後だから。 高い所から落ちれば夢から覚められる、なんて言うけれど。 二人飛び降りても、何もかも消えて無くなりやしないのだから やっぱり何処までもこれは現実らしい。 (3) 2022/07/15(Fri) 3:17:56 |
(n0) 2022/07/15(Fri) 10:03:20 |
【秘】 陽炎 シロマ → チャラ男 ウラミチ貴方の偽りの記憶が、陽に焼かれて消えていく。白間梢という少女は、最初からいなかった。 これは貴方達とは初対面の、何ら縁もない亡者である。 「お〜い、裏道〜……」 陽射しから逃げるように、校舎を歩く。 なんとなく、熱そうで怖いから。 彼は成仏してしまったのだろうか。 誰の悪戯か、彼の心臓は止まっていた。考えられる可能性が多過ぎた。ひとまずこちらは保留させておく。 校舎の中を、散歩でもするかのように貴方を探した。 (-6) 2022/07/15(Fri) 10:10:19 |
【人】 気狂 ネコジマ>>4 ユメカワ 猫島はすぐには言葉を続けなかったけど、 待っていれば話してくれる時の彼に見えたから、 あなたはきっと待ってくれていた。 「…前の父さんは殺したら死んだんですよ。くるしいくるしいをして」 「母さんがくるしいくるしいだったから。だから猫島はそうしました」 「死んだ前の父さんは何も出来なくなりました」 「またくるしいくるしいになるのは嫌です」 「殺したのに。死んでも。 …何かができちゃうなんて、思いたくねぇんすよ」 呟くくらいの声で話してあげた。誰にも言ったことがないこと。 あなたの疑問を取り除けるように。きっとこれが最後だから。 (5) 2022/07/15(Fri) 11:34:35 |
ネコジマは、結局、逃げきれていないね。 (a4) 2022/07/15(Fri) 11:35:23 |
【人】 気狂 ネコジマ【???】 「あ、増えてる」 教室に来家を運び込んで。 どこに座らせようかと辺りを見て、気付いた。 ほとんど寝ているみたいに死んでいる山中がいる。 寝てるんだなぁとは、猫島はあんまり思わなかった。 席に着いていたら、この二人は隣だっただろう。 「雪ニイはどこ座るんです?」 一緒に教室に来た夢川に意識を戻した。 あなた達もきっと隣だ。さて席はどこだろう。 (6) 2022/07/15(Fri) 11:38:12 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽炎 シロマ出すことを許された口を使って言葉を紡ぐ。 「わかった、先程の言葉を言い直そう」 瞬いた先に見えるのは、はっきりとした黒い靄。 死者である証の色だった。 「君たちは合わせて完璧主義の寂しがりやだ」 ボクはない心を揺すぶることが目的ではないのだけど。 生きているように話すなんておこがましいな。 あゝ、これは死者への冒涜か。 「だから失敗、未完、未熟なままで終わろうとしている、 つまらない物語の最後を飾る語り部を ボクが揃えてやろう、そういったんだ」 「入学ごっこではないのなら、 見える場所に募集をしておくべきだった」 「おかげで逃げてしまった子がいるじゃないか」 生きているはずなのに確認できなくなった子がいる。 遺品から漂う死の香り、はっきりと辿れるようになってしまった。 こんな狂った視界、今まで知らず、みないふりをしていたんだな。 (-7) 2022/07/15(Fri) 15:37:07 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽炎 シロマ「だから、ボクは」 「――次に会うときは今宵の謎をすべて解き明かす 物語を終わらせてくれる名探偵を連れてこよう」 一つ息を吸って、できるだけゆっくりと話す。 皆で一緒に囲む夢の実現を、どこかの世界では夢見ていた。 「生者であるボクであれば然のみ困難ではない。 死者という条件付けられた存在と今回の会合で 勧誘するのは大変じゃあなかったかい? ボクのまた会おう、は。 キミたちが満足できる条件が揃っての事だ」 「――ボクだって」 「無一文に払う命はないんだよ」 「これは正当な取り引き、約束であり提案だ。 キミ達には得しかないと思うけれどな」 (-8) 2022/07/15(Fri) 15:38:31 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 甚六 カナイ「鹿乃」 次に貴方を呼ぶ声は、いつも通りを取り戻していて。けれどまだ少しだけ弱々しさを滲ませているのか、僅かに口籠もったまま。 「拙は、皆がいるところに行きたいと思っていました」 「でも」 「それで本当に満足できるのか、分からなくなってしまって」 ぎゅう。痛くない程度に、けれどしっかり腕に力を込める。どれだけ冷えていても平気だ。貴方が貴方である限り、心に届く声の温もりそのものは変わらないままなのだから。 「今、拙は迷っています。死ぬべきか生きるべきか、めいっぱい考えて悩んでいるところです」 この後、死んでいるかも分からないまま失踪した青年を見て考えの方向性がある程度まとまるのだが……それは、今はまだ知る由もない事柄だ。 「鹿乃は、拙が鹿乃と同じになったら嬉しいですか?」 (-9) 2022/07/15(Fri) 15:53:49 |
【秘】 夢中 ユメカワ → 気狂 ネコジマ>>4 >>5 >>a4 薄明の頃、漸う明るくなりつつある空に背を向けて。 ふたりとひとり、まだ少し薄暗い校舎の中へと戻っていく。 きっと、あの時二人で空き教室へ戻っていったみたいな足取りで。 「うん。」 夢川は、実はけっこう時間にルーズな方だった。 けれども理由も無く友達との待ち合わせには遅れた事なんて無いから、 楽しい時間は少しでも早く訪れて、少しでも長く続いて欲しいから。 だからきっと君達の中での認識は、何だかんだと遅刻をしない奴、だった。 「そう」 家族、から逃げたかったのは、自分も少しだけ同じ。 それでも君のそれがまったく事情の違うものだとはわかる。 けれど、逃避がいつまでも続きはしないのは、きっと同じ。 君だってもうわかってるんだって、わかってる。 足音と車輪の軋む音と、それから暫しの居心地悪くない沈黙の中。 何も言わず、君がもう一度口を開くのを待っていた。 (-10) 2022/07/15(Fri) 16:22:24 |
【秘】 夢中 ユメカワ → 気狂 ネコジマそうして再び口を開いた君の、ひとり呟くような言葉に もはや誰かを死に至らしめる事を酷いことと認識できない死者は、 やっぱり前提のおかしなこたえを返す。人殺しの是非なんてすっ飛ばして。 ただ、君のくるしいが悲しいだけ。 「死んだ人は、ずっとは居ないよ。なんでもはできない」 たとえば、自分はこのあといなくなる。 いなくなる。それだけだ、そういうことにしておこう。 日の下は生者の時間、夜の闇はそれ以外の時間。 入れ代わり立ち代わり、太陽と月みたく居る時と居ない時がある。 もう何処にも居ないわけじゃないけど、違う時の中に居る。 ただ、それだけ。 「でも、お盆とか、ハロウィンとか。 そういう時期ってさ、死んだ人が戻って来るって言うでしょ」 「ずっとは居ない。でも 時々生きてる人の中に混ざって、」 「戻って来るんだよ」 戻って来た死者が、どうしようもなく現実であるなら。 それが語る言葉も、どうしようもなく現実なのだろうかな。 確たる答えを証明できないものの答えなど自分の中にしかない。 君達が認識しているものの定義は、君達が決めることだ。 或いは、全てはただ、楽しくも他愛のない、夏至の夜の夢だとも。 (-11) 2022/07/15(Fri) 16:24:25 |
ユメカワは、そう思って欲しくはないけれど。 (a5) 2022/07/15(Fri) 16:24:33 |
【秘】 夢中 ユメカワ → 気狂 ネコジマ「生きてる人を生きてる人から遠ざけたいなら、」 「簡単だ。誰の手も届かない所に連れ去ってしまえばいい」 「死んだ人が何かするのを止めたいなら、」 「簡単だ。同じ所に行けばいい」 「生きていても辛いだけなら、辛い事が増えていくだけなら 生きている意味なんてあるのかな?」 生者に何かをできるのは、生者だけ。 死者に何かをできるのも、死者だけ。 終わりの先が続くなら、生きても死んでも君はたすからない。 きっと全部全部を一つ残らず無くさなきゃあ君はたすからない。 なら、やりたいようにやればいい。 できるなら、くるしい君の、さみしい君の、その傍に居たいけれど。 今までひとりで頑張ったねって、うんと甘やかしてあげたいけど。 夢川だって、友達みんなが、できる限り、めいっぱい。 なあんのしがらみも無く、幸せであればいいと思っているから。 (-12) 2022/07/15(Fri) 16:25:53 |
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