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【秘】 大富豪 シメオン → 奏者 イルムヒルト[触れぬとも男に伝わる女の淫らに濡れた熱。 育て、花開かせたつもりが、いつしか煽られ誘われる。 男もいつしか熱を帯び、下半身のそれは血を滾らせて剛直となる。 朱に彩られた頬や肌。 衣服に隠されたその奥で濡れる密やかな場所。 男の気に犯されながら、淫らに悦ぶその無垢を。 そして、その『美」を喰らわんと欲望が鎌首をもたげた。*] (-105) 2022/11/22(Tue) 20:13:11 |
【人】 奏者 イルムヒルト─ Bar passion ─ [雛が今、殻を破り出てくる瞬間を。 出てきてすぐ、産毛を生えそろわせ 鳥として生きようとする様を具に眺め 愛でる男の眼差しの先の私は、今まさに 羽毛の1つ1つに生命を漲らせるが如く 音の1つ1つに、生まれたばかりの情念を込め より一層艶やかに場を支配する 今この瞬間は、紛れもなく 中央広場の末に佇むこのホールが、私の世界 音と絡む女と男の視線 零れる吐息は世界への誘いにかわる ――嗚。其処に在るのは貴方と私のセッション。 舞い踊る音は斬り結ばれる演舞のよう 誘いに世界に浸る男はこの世界をどの様に感じるだろう 今の最上。されど更に最上の頂を目指す通過点にすぎぬ今 その途路に私は居る] (177) 2022/11/22(Tue) 20:50:45 |
【秘】 奏者 イルムヒルト → 大富豪 シメオン[堕ちればそれは満足へと変わる 欲と満ちぬ飢餓を知った女はそれを許さない。 快楽を知り、より貪欲に求めるようになった姿は 淫らな処女という背反を秘めながらも其処に佇む。 一音とともに昇華される官能が より奏でられる曲の世界に観客を引き込む。 引き込みながらも、己自身をすべては溺れさせずに ――女は誘う。快楽の弦を掻き鳴らす奏者の男に視線で強請る より深く激しく、貴方の美を刻み込んでと。 私は、貴方の美を肌で感じたい。 果てしない欲を。飽くなき執念を 或いは、女の本能がその雄の本能を貪りたいと希求する。 そうすればきっと、私はもっと私の世界を知れる そして糧と為せる 貴方との今のセッションが より体も心も昂らせ、高みに導かれるよう] (-106) 2022/11/22(Tue) 20:51:13 |
【秘】 奏者 イルムヒルト → 大富豪 シメオン[耳の奥も、体の奥も男により濡らされてしまう。 多くの美を知り、女の躰を知る指と舌の動き 味わう体は、極上の快楽を最初に知ってしまう。だが、 自身の最上を求める女にとってはそれこそ、希求するもの 双丘の頂は固く張りつめ芯を持ち 痛みもなく抓まれるものが下腹部をより強く疼かせる 秘芽に吸い付く何か。触れられぬそれに感じるものが女の性を疼かせて止まない 疼きすらも、貪欲に艶めく音となってより奏でる旋律に 深みを与える輪舞曲 内側からかえられていく。無数の舌が、手が。 私を無垢な蕾から甘やかな音を奏でる淫らな艶花へと。] (-107) 2022/11/22(Tue) 20:51:40 |
【人】 奏者 イルムヒルト[与えられる美酒に酔う 与える音に、酔わせる この瞬間は何時か終わりがくるもの 最終節はもうすぐ其処なのが惜しくもあり されど終わりがなければ次はない 今、到る終局へ向かって。女の奏でる音は激しさを増す。*] (178) 2022/11/22(Tue) 20:52:05 |
【秘】 奏者 イルムヒルト → 大富豪 シメオン[開花した女は 何も注がれぬ雌蕊が物足りぬと無意識に雄蕊を誘う 躰自体は穢れを知らぬのに 既に女の快楽を、知ってしまったからこその色気で 男の情欲を煽らせる 眼差し、1つで 零れる吐息、1つで ――或いは] (-108) 2022/11/22(Tue) 20:52:23 |
【秘】 奏者 イルムヒルト → 大富豪 シメオン[密やかに眼前の男を呼ぶ声、1つで 貴方の手づから育てられ咲いた花は 湛えられた欲を欲しがって、切なげに啼く 音にすら、其れが混じってより周囲の官能を引き上げる 指は最終章を奏でながら、滲む愛欲を隠しもせずに 奏者は芽生えた女を、美へと変えてゆく*] (-110) 2022/11/22(Tue) 20:53:23 |
【人】 影街の魔女 ブランシュ― 回想 ― 影街に店を構えたのはもう随分昔のことだ。 その頃から魔女の見た目は全く変わらないが、それを不審に思うものは誰もいなかった。 若さを吸う噂はとうに立っていたし、何より影街の人間は顔ぶれが変わりやすい。数週間も見なければ死んだかな、と思う事があるほどに。 少女が店を訪れた時>>169は、大して気にも留めなかった。 少なくとも、連れた女がもう事切れていることに気づくまでは。 (179) 2022/11/22(Tue) 20:54:24 |
【人】 影街の魔女 ブランシュ「あら……いらっしゃい。 ふうん。……なるほどね。」 少女の要望と母親だという躯を見れば、凡その予想はつく。 この街の裏側では、そう珍しくもないことだ。 「人間の金はいらないわ。私がほしいのは人の寿命だけ。 そうね…あなた、まだ若いから精気にも張りがありそう。 …顔だけほどほどに治すなら、2年でいいわ。 生きてれば別だけど。 全身きちんと綺麗に、元のままに戻すなら4年。 あなたの若さをもらいましょう。 大したことではないでしょう?その年なら。 でもいいの。私はあなたの本気が見たいわけだから。 どうする?」 と尋ねて、彼女の返事はどうだったか。 どちらにせよ、彼女がアップルパイを持って訪ねてくるならその都度快く受け入れているのだけど。* (180) 2022/11/22(Tue) 20:56:56 |
【人】 奏者 イルムヒルト― 回想:影街の魔女と ― [街の裏側はアンダーグラウンドの名の如く 美を喰いつくさんとする怨念が蠢いている。 それは時に、中途半端の立ち位置の者へと牙を向け そして喰らいつくすのだ そう、私の母のような女も、またその被害者であり。 それはこの街では何処ででも起こりえる 当たり前の日常の。一片。 女は、己の願いを聞き、そして願いの対価を示す>>180 そこで漸く、少女は魔女の対価を知る 本気が見たいという女の提示したものを見て。 少女は嬉しそうに破顔した。] 4年でお願いします。 母を、父の下へおくるのに。 元のままの姿で逢わせてあげられるのならば 私の若さを、貴女に。 ありがとうございます。ブランシュさん。 [ああ、嬉しいと少女は微笑む 自分の持てるもので、 それが寿命であっても、若さであっても。 母が安らげる一助になれるのならと心からの感謝を。] (181) 2022/11/22(Tue) 21:06:51 |
【人】 奏者 イルムヒルト[願いが叶ったのなれば 綺麗な姿となった母の棺は、父の空の棺の横に埋められる それから、時折女の足は影街に向かう アップルパイをもって、優しい恩人に 今日も、逢いに行く*] (182) 2022/11/22(Tue) 21:07:09 |
【人】 「邪毒」 スカリオーネ――居住区―― [中央広場に近しい居住区の街路を男は歩いている。 時折立ち止まってはフェスの準備に明け暮れる人々を眺め喧騒が伝わってくる方向に進めば自ずと中央広場にたどり着く。 かつて男はこの辺りに店を構えていたが現在では足を向けることもない。 明日の一等星を目指す星たちが、既に一等星である星たちが、星たちに魅せられにきた人たちが熱狂し狂乱する。 男が熱狂の中心地に最も近くいた時は既に十年程も前の話だ] よし、これで最後だな。 [落ちぶれた男は現在の店の壁紙を張って回っていた。 集客は一日にして成らず。 定期的に壁紙を用意し店舗情報の集まる掲示板に張ったりはするがすぐに剥がされたり上から別の紙を張られることなどザラにある。 ヒトを魅せれる者が優先される。 理解しているからこそ数や場所を考え網にかかる星を得るという涙ぐましい努力を続ける。 張り付ける紙も『美』肌だけではなく体調改善や娯楽を謳う文句もつけておく] (183) 2022/11/22(Tue) 21:15:57 |
【人】 人造生物 ユスターシュ――回想/数日前―― …はい。 [>>135問いかけに肯定するようにふるふると身体を揺らす。 流石に動けなくなってしまうのは困るから、全てを差し出せと言われたら思い悩んだかもしれないが。 目の前の彼女に望まれる寿命(モノ)自体はそれほど惜しいとは思わなかった。 これ以上今のまま生きていても、きっと、ただ寂しいだけだから ] (184) 2022/11/22(Tue) 21:17:21 |
【人】 人造生物 ユスターシュ…。 [差し出した赤い石の価値は、実のところ僕にはよくわからない。 それでも、この石は…僕を化け物として生かしてくれているこの石は、魔術的に価値あるものなのだろうと思う。 だからこそ、主様は…この石をはじめとしてさまざまな仕掛けを生まれる前の僕に施したのだ。 自分に従順で強力無比な人造の魔王を創り出すために それこそ、己の全てを賭したと言っても間違いはないだろう。 ……それで生まれてきたのが『失敗作』の僕だったのは、申し訳ないけれど。 ―――でも、今は。 彼女にとって、此の石が願いを叶える対価になるかだけが気がかりだった。] (185) 2022/11/22(Tue) 21:22:36 |
【人】 人造生物 ユスターシュ……よかったぁ。 [そうして彼女の返答にほっと息を吐く>>141] なまえ……、……なまえは。 ええと……ユスターシュ、です。 [少し戸惑ったような間が空いた後、無数の目を泳がせながら呟いたのは主の名前。 本当のところ、「失敗作」の自分には名前なんて与えられなかった。 否、其れより先に主が命を落としたと言ったほうが正しいか。 だから、主の研究ノートに書かれていた主自身の名前を口にしたのだが……本当の名前ではないことは、目の前の彼女には御見通しだったかもしれない。] (186) 2022/11/22(Tue) 21:23:51 |
【人】 人造生物 ユスターシュありがとう、ございます……! [そうして、彼女が店の奥から持ってきたのは茶色の小瓶。>>141 厳重に蓋のされたそれを二本の触手で受け取る。 そのうえ、お金と服も用意してもらえると聞けば感謝してもしきれない。] なりたい姿……ええと……。 [瓶を大事に抱き抱えながら、彼女の言葉を反芻して考える。>>141 人間になりたいと、ここに来るまでずっと思っていたけれど、具体的にどのような姿になりたいのかまでは考えが及ばなかった。 ―――ただ。 目を瞑ったとき、心に思い浮かぶ姿はある。 ずっと、焦がれた人の姿。] (187) 2022/11/22(Tue) 21:26:30 |
【人】 「邪毒」 スカリオーネ……今回は無駄にならないと良いがな。 [期待はしていないことはないが望みは薄かろう。 口コミで話題になった店の方が余程に繁盛するが男の店は男の見目だけで悪評が重ねることが容易なのだから期待できるものではない。 壁紙もいつものように役には立たないだろう。 ため息にも近しい吐息を溢し男は雑踏に紛れ込む。 目ぼしい星を探すために**] (188) 2022/11/22(Tue) 21:27:10 |
【人】 人造生物 ユスターシュ[片方の触手で小瓶を持ったままもう片方の触手で器用に封を開ける。 躊躇ったのはほんの一瞬で、身体の表面に瓶の口を押し当てると 瓶を傾けて一息にそれを取り込んだ。 やがて瓶が空になったのを見れば、近くの机に瓶を置いて目を瞑る。 痛みはなかった。 ただ、身体の表面が意志に反して蠢くような、身体の中で何かが切り替わるような、そんな強い違和感に身を強張らせる。] (189) 2022/11/22(Tue) 21:27:43 |
【人】 人造生物 ユスターシュ[やがて、違和感が消えるのを感じてそっと目を開けた。] …、……。 [最初に感じたのは、視界の狭さ。 目が二つしかない状態で見る世界は、視野こそ狭いけれど、心なしか前よりもよりいっそう鮮やかに見えて。 思わずきょろきょろとあたりを見回してしまう。] わあ……。 [顔を擽る黒と灰のあいだのような色合いの髪や、人間のそれによく似た肌の色、細くて長い指がある二本の腕と、それとは異なる形状の二本の脚。 何もかもが珍しくて、目の前に両手を翳して掌と甲を交互に見たり、掌を握っては開くを繰り返したり。] (190) 2022/11/22(Tue) 21:28:57 |
【人】 影街の魔女 ブランシュー怪人の来訪>>161ー 「ふう。本人の同意なしに寿命をいただくのは少し道理の付け方が諸々面倒くさいんですが… まあ、この際それはもういいです。」 別にいなくなって困る人間もいなかろう、と袋の中で蠢くものに視線を向けた。 「ではそれで。お約束の方はよろしくお願いします。 今後あなた自身の寿命をかける願いができた時は、またお越しくださいな。 ご利用ありがとうございました。」 その後、カラス頭の怪人が現れた噂は魔女も耳にしたが、いかにも関係なさそうにいつも通り過ごしていたのだった** (191) 2022/11/22(Tue) 21:30:01 |
【人】 人造生物 ユスターシュ本当に、人間になれたんだ…。 [ぱあ、と顔を輝かせる姿は青年のそれ。 立ち上がれば目の前の魔女より頭半分かそれより少し高い。 もし鏡を見る機会があったなら、自身も気づいたことだろう。 ]鏡に映るその姿は、嘗ての自分の創造主を二回りほど若くしたような、そんな姿であると。 尤もそれを知る機会はもう少し先の話であったかもしれないが (192) 2022/11/22(Tue) 21:30:39 |
【人】 人造生物 ユスターシュ[来たときと同じ布にくるまりながら、人間がするように深々と頭を下げて] ありがとうございます! お祭りが終わったら、此処にくればいいんでしたっけ? ん、と…。 [ちゃんとお礼はその場で渡したほうがいいんじゃないかと思ったが。後払いにしてくれるのは、彼女の気遣いなのではと思い至って] …ほんとうに、たくさんありがとうございます。 [今、ちゃんと笑えているだろうか。 嬉しい気持ちをちゃんと伝えられているだろうか。 今はできなくても、後でこの店で会うときには今より上手になれたらと思う。 ――そうして、彼女から渡された人間のお金と衣服と共に、街を散策するに至る>>110]* (193) 2022/11/22(Tue) 21:33:53 |
【人】 影街の魔女 ブランシュ― 回想 奏者と ― 本気を見るとは言ったが、彼女の様子を見れば本気を見るまでもなかったかもしれない。 二つ返事で4年の寿命を提供するとの答え>>181に、したり顔を浮かべた。 「ま…分かっていたけどね。 本当、客があなたみたいな人ばかりならいいのだけど。 金とか、自分の寿命以外のもので交渉を持ちかけてくるのはまだしも、払う段になって難癖つけてゴネだして、強欲呼ばわりしてくる人間の多いことと言ったら… あ、ごめんなさいね。あなたには関係ない話。」 そう言って、戸棚から取り出すのは化粧に使う白粉のような粉を収めた小さなケース。少女に直に手渡す。 「これをお母さんの傷に塗ってあげなさいな。 半日もすれば全て元通りになっているでしょう。 もっとも、体が土に還ろうとするのを止めるものではないけれど…」 それを手渡して (194) 2022/11/22(Tue) 21:45:50 |
【秘】 影街の魔女 ブランシュ → 奏者 イルムヒルト「そうそう、それにお代もいただきましょうか。 まあ…今回は普通でいいわよね。」 少女の顎に指を当て、軽く持ち上げてから、唇が触れ合うほどの距離まで顔を近づけ、すう……と息を大きく吸い込めば、何かが彼女の体から抜け出たのが自分でもわかるだろうか。 (-113) 2022/11/22(Tue) 21:46:27 |
【人】 大富豪 シメオン─ Bar passion ─ [それはいつ見ても良いものだ。 花開いた『美』がさらにその輝きを増していく様子。 極上の瞬間。 音が世界を支配する。 美しき調べ、その一つ一つに世界は魅了される。 客達は女とその演奏に心奪われる。 男は女が誘う世界へと足を踏み入れる。 旋律の美しさも艶やかさに惑わされながら、その本質に戦慄する。 まるで男の全てを喰らわんとするその貪欲な情念。 ……全ては『美』のために。] (195) 2022/11/22(Tue) 21:48:43 |
【秘】 大富豪 シメオン → 奏者 イルムヒルト[男が女の官能を花開かせた様に、女の旋律もまた男を昂らせる。 まるで触れられているかの如く、滾った雄蕊が濡れた雌蕊へと導かれていく様に。 その眼差しが その零れる吐息が 己が名を呼ぶその声が ……嗚呼、こんなにも掻き立てるのはいつ以来か。] (-114) 2022/11/22(Tue) 21:49:41 |
【人】 影街の魔女 ブランシュ「はい、おしまい。お代はいただいたわ。 悪くならないうちに処置して、眠らせてあげなさい。 それが 私にはできない 孝行というものだわ。」と告げて彼女を送り出した。 魔女にとっては良い取引、それでおしまい。 だから、彼女が時折店を訪れるのが不思議ではあるのだ。 取り立てていいことをしたなんて覚えは、まるでないのだから。 アップルパイは美味だから、商売抜きで喜んで迎え入れるにしても** (196) 2022/11/22(Tue) 21:50:05 |
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