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【人】 闇の精霊 アルカード[それが憚られたのは。 人ならざる自分と共に在ることが「愛されることで温もりを知りたかった」という>>35 娘の願いを叶えることから遠ざけてしまうような、そんな気がしてしまったから。 傍にいることを願われて、嬉しいと。 自分の中にある感情を知って、驚きはすれど嫌な思いはない。 だが同時に、命尽きるそのときまで己と共にあるということは。 良い意味でも悪い意味でも純朴で人の好いこの娘から「愛し、愛される」という人並みの幸せを奪うことになるのではないか。 そんなふうに思えてならなかった。] (43) 2022/05/28(Sat) 5:32:54 |
【人】 闇の精霊 アルカード[白い手袋越しに、彼女の髪に触れていた手を頬へと滑らせる。 擽ったさに小さく身を震わせるのが、面白い反面もどかしくもあった。 我は、この娘に触れられない。 直に触れれば彼女を凍えさせ、我自身は娘の光に灼かれてしまう。 それでも、娘に触れていたくなる。 この感情を、なんといえばいいのだろうか。 この娘と出逢ってから、名前の知らない感情が己の中に増えていく] (44) 2022/05/28(Sat) 5:35:24 |
【人】 闇の精霊 アルカードおやすみ、娘よ。 [ちゃんと、あたたかくして寝ろよ、と。 その身体に毛布を掛け直すと、娘の部屋から朧気に姿を消した]** (46) 2022/05/28(Sat) 5:35:55 |
【鳴】 悪魔の愛し仔 クロウリー嗚呼、インタリオ様……嬉しい 貴方だけが、僕の生きた意味だ [悪魔と魔術師とを繋ぐのは隷属じみた契約関係で、 向いた感情の種や、ズレた互いの愛の概念について語らうことは無い。 それは恐らく必要も無いことだった。 主は育て上げた仔の捕食を、下僕は終焉を望んでいるのだから。 故に私は、最期の願いが容易に受け入れられたことに悦びを感じた。 これで、何一つ成し得なかったと思いながら死ぬことは無いと。 恍惚と彼を呼び、 触れた身体が離れていくことに惜しさすらも覚えて────] (=24) 2022/05/28(Sat) 5:38:24 |
【鳴】 悪魔の愛し仔 クロウリー……え? [一瞬でその熱が冷めてしまった。 聴覚に置き去りにされた思考は、一つ一つを掬い取り追いついていく。 主がこの身に飾った、ブローチとネックレス 人間の魂を加工し作品とする、芸術の悪魔 じわじわと湧き上がる悦びではない何かに名前を付ける前に、 悪魔の昔話が、逃避出来ない真実を告げた。] は、……嘘 なんで、どうしてそんなこと…… [信じられないものを見る目で、誇らしげな笑顔を見つめた。 悪魔に学びを授かる自分を見守っていたものは、 その下僕となり、邪悪な行いを繰り返した魔術師の胸元にあったのは 惑う声は体現した影の花により長くは保たなかった。 突然の出来事への悲鳴すらも、黒に呑み込まれて消える。*] (=25) 2022/05/28(Sat) 5:39:43 |
【鳴】 闇に溶ける者 インタリオ何で? [ 気づけば仔は静寂に包まれる黒一色の世界にいる。 濃すぎる闇の中、己の身体すら視認は出来ない。 そして指先一つ動かせはしない。 まるで黒い袋の中にでも囚われたようだ。 布の感触もまた、当然感じるわけもないのだけど。 そんな彼の耳に聞き慣れた主の声が届く。 目前に黄黒の瞳だけが二つ浮かんだ。 この黒い世界そのものが悪魔の身体であるかのように、 他の部分はどれ程目を凝らしても見えず、闇に溶けている。] (=26) 2022/05/28(Sat) 6:00:43 |
【鳴】 闇に溶ける者 インタリオむしろしない選択があるの? 家族全員を別の形でオレの物にして揃えるなんて 今までしたことも無かったんだよ。いい機会だったろう? でも、こんなに永く大切に使うことになるとは思わなかった だから、お前は本当に特別だよ。ゾラ [ こうしてかつて忌んだ名前を、何度も呼んでやる程に。 ゲヘナから隔絶される前の言葉を拾い>>=25 悪魔の語る全てに、悪びれた様子や悪意は乗らない。 細めた両目はじっと愛し仔を見つめる。 これで最期だから、忘れないことを願われたから。 どうしようもなく、両者は重ならない。>>=24 ] (=27) 2022/05/28(Sat) 6:01:39 |
【鳴】 闇に溶ける者 インタリオ愛しているよ、オレの大切な仔 特別なお前の願いを叶えてあげる 終わっていく姿を、最期まで見ているからね [ 笑みの気配が声に乗る。 どこまでも穏やかに、 拾い仔への愛を人ならざる者の価値観で、示す。 ] (=28) 2022/05/28(Sat) 6:02:04 |
【鳴】 闇に溶ける者 インタリオ[ 倒れた瓶からワインが滴り、机を汚している。 その傍ら、大きな黒い花は今は蕾のように閉じて 消えた二人の声など書斎には届かないが 何かを砕き、へし折るような音だけが断続的に響いている。 床まで流れた真紅はまるで、血の代役をしているかのようだった。 ]* (=29) 2022/05/28(Sat) 6:02:57 |
【鳴】 悪魔の愛し仔 クロウリー[私には最早怒る権利も、そうする気力もありませんでした。 思い出の殆どを失い、 母親を無残な姿に変えられ、父親に裏切られた記憶だけが鮮明な今や 蘇らせる愛情も無いのです。 私に残されたものは彼らではなく、 彼らを天に還さず我が子の側に留めていた悪魔であることに 今尚、変わりはありませんでした。 湧き上がったものはきっと、ただただ純粋な絶望なのでしょう。] (=30) 2022/05/28(Sat) 6:14:34 |
【鳴】 悪魔の愛し仔 クロウリー[母親と二人、見渡す限りの緑の中で>>1:=4 それは、生きたまま身を砕かれ喰われていく痛みに襲われる前 最期の正気が思い出させた記憶。 最早音でしかない叫びが口から漏れ続けるのと裏腹、 どこまでも穏やかな光景。 やはり、悪魔の仔と化した私は彼女の声を忘れたままで────*] (=31) 2022/05/28(Sat) 6:19:28 |
【人】 闇に溶ける者 インタリオ[ 館中の翠の光が、外のものも含め一斉に消えた。 ゲヘナは闇に包まれる。 再び、その必要が来る時まで──── ]** (47) 2022/05/28(Sat) 6:21:54 |
【独】 闇に溶ける者 インタリオ/* うっっっすいな ゆうまおも回想メインで本編は薄めではあったけどそれ以上だな クロウリーの動かしづらさや時間の無さや今までと違いラブがない関係色々原因はあるけど…… まあ全て、自分が満足する為のものだからね。 (-122) 2022/05/28(Sat) 6:23:15 |
【独】 闇に溶ける者 インタリオ/* 要注意団体の人と生産系S●Pっぽかったな最終日に気づきを得る 意図としては各地に撒かれたブローチが媒介で体現する悪魔が病原菌のイメージだったのだが (-123) 2022/05/28(Sat) 6:23:55 |
【雲】 転生者 アウローラ―― 翌日/学園にて ―― [ それは、いつものように授業を終えて 図書館へ立ち寄ろうと考えていたときのこと。 ] 『アウローラさん』 『……ちょっと、いいかしら?』 あ……。 [ 突然話しかけられて、言葉に詰まった。 ] ……マティルダ様。 (D0) 2022/05/28(Sat) 7:07:19 |
【雲】 転生者 アウローラ『話があるの。 貴方たちに関する、大事なことよ。 一先ず、わたくしと一緒に来て下さらないかしら? 人払いはすませてあるから、安心して』 えっと……、…はい。わかりました。 [ ……いろいろ、思うところはある。 さっき、彼女は『貴方たち』と言っていた。 それはつまり…わたしだけではなく、 彼のことも既に把握しているということだろう。 嫌な予感はする。 けれど…とりあえずわたしのほうに選択権はない。 いつのまにか強く握りしめていた掌を 緩く開いて息を吐く。 そうして、彼女に促されるまま、踏み入れたのは。 学園内にある小さな礼拝堂。 ] (D1) 2022/05/28(Sat) 7:08:13 |
【雲】 転生者 アウローラ[ 人気のない、だけど手入れの行き届いた礼拝堂の中を ステンドグラスから差し込む淡く色づいた光が照らしている。 その中の一席に優雅に腰掛けると、 こちらにも座るようにと、傍らの席を手で指し示す。 ] 『単刀直入にいうわ。 …貴女、転生者なのでしょう?』 …っ。 [ 席に座るのとほぼ同時に言われた言葉。 覚悟はしていたはずなのに、 反射的に身構えてしまった。 それが表情にも出ていたのだろう。 こちらを安心させるようにと 彼女の表情を柔らかくなるのがわかった。 ] (D2) 2022/05/28(Sat) 7:09:17 |
【雲】 転生者 アウローラ『そんなに緊張しないでほしいわ。 何もとって食べようというわけではないもの。 ……ただ。 いいえ、寧ろといったほうがいいかもしれないわ』 [ そういうのと同時に、彼女が深々と頭を下げる。 戸惑うわたしの言葉を遮るようにして、彼女は言葉を続けた。] えっと…。 『ごめんなさい』 [ 彼女の艶やかに色づいた唇から発されたのは わたしとしては意外な言葉だった。] (D3) 2022/05/28(Sat) 7:10:29 |
【雲】 転生者 アウローラ ……! [ ――…そうして、彼女は言葉を続ける。 自分もわたしと同じ転生者であること。 何れ、自分が闇の精霊に取り憑かれ 破滅の道を歩むであろうことを悟った彼女は そうならないために攻略対象の不幸な過去を変え、 彼らの愛と信頼を得た。 だけど、それだけでは本当に 運命を書き替えられたかはわからない。 何れ、わたし…『本来の物語の主人公』が出てくれば 書き換えた物語は修正されてしまうかもしれない。 そしてそうなったとき、自身の破滅は 避けられない運命になってしまうかもしれない。 ] (D5) 2022/05/28(Sat) 7:12:10 |
【雲】 転生者 アウローラ[ マティルダの…彼女の前世は、 嘗ての「私」以上にこのゲームに詳しかった。 『夜明け告げるは星の唄』の、少なくとも本編には 登場人物全員が救済されるルートは存在しない。 本来の物語上で、悪役であるマティルダが、救われることはない。 いつだって、彼女は孤立し自身の心の中に闇を育て、 そしてラスボスである闇の精霊を此の地に召喚し、 愛する王子や世界を危機に陥れる。 ……だから、彼女は。 主人公と物語の悪役の 『物語の役割』そのものを入れ替えようとした。 『攻略対象の彼らを癒し愛される公爵令嬢』と 『嫉妬心から嫌がらせをし、 やがて孤立して破滅の道を辿る 平民出身だけど特別な女の子』へ。 そう、シナリオを書き換えた。 最初から全てを作り直すのではなく、 予め存在した運命の通りに、物語を紡ぎ直す。 そのほうが万が一があったときに、 予測と修正がしやすいから。 ……そんな、理由で。 彼女はわたしに 『悪役としての役割』を押しつけたのだという。] (D6) 2022/05/28(Sat) 7:14:24 |
【雲】 転生者 アウローラ[ わたしから嫌がらせを受けているように 攻略対象や周囲の人間たちに見せかけて。 わたしに関して良くない噂を広めて。 教師たちにも同じように手を回して、 そうして、わたしの周囲から人がいなくなるよう仕向けた。 わたしが、光の魔力を持っていることで 他の人たちが迂闊に手を出せなくなることも見越したうえで。 そうして、わたしが本来の彼女と同じように 孤独と絶望から世界の破滅を願うよう仕向けたのだと そうして、闇の精霊ごとわたしを倒して、 ゲームの結末通りの大団円…犠牲を極力少なくした、 最大多数の幸福を、描こうとした。 ] (D7) 2022/05/28(Sat) 7:16:28 |
【雲】 転生者 アウローラ…。 [ 言葉に詰まる。 それはつまり、この学園でのわたしが経験した全ては 彼女によって仕組まれていたということで。 ] …どうして、 (D8) 2022/05/28(Sat) 7:17:43 |
【雲】 転生者 アウローラ[ ―――…今、そんなことをわたしに教えるのか? 此方の呟きに、彼女は続けた。 …最初に感じた違和感は、 星燈祭の後にわたしを見かけたときのこと。 本来のゲームならあの時点でマティルダは 闇に取り憑かれて、半ば自我を失い ただただ、周囲の人間たちへの嫌悪を深める そういう 生き物 になっているはずで。 わたしもきっと同じようになっているはずだと 彼女は考えていたらしい。 ……でも、あの夜の後に廊下ですれ違ったわたしは それまでと何も変わらないように見えたのだと。 そうして、彼女は考えた。 アウローラもまた、自分と同じ転生者なのではないか、 特別な存在なのではないか、と。 だから、闇に取り憑かれることもなく、 正気を保てているのではないか、と。 ] (D9) 2022/05/28(Sat) 7:18:27 |
【雲】 転生者 アウローラ[ 彼女は……悪役令嬢はわたしにいう。 主人公を物語の犠牲にしようとしたのは 自分と同じ転生者だと知らなかったから。 知っていたら、わたしを 自身の物語の生贄にしようとはしなかった、と。 だから……『ごめんなさい』と。 ] …。 [ そう言って涙を零しながら頭を下げる彼女に、 なんていったら、わからなかったけれど。 それ以上に、彼女が続けた話には 更に言葉を失うことになった。 ] (D10) 2022/05/28(Sat) 7:19:39 |
【雲】 転生者 アウローラ[ 物語の進行は止められない。 最初にこの物語を書き換えたマティルダにさえも。 近く、攻略対象たちによる断罪イベントが発生する。 それによって物語の悪役は裁かれる。 大切なことは真実ではなく、誰かが悪役として裁かれ、 そして悪役を皆で滅ぼして大団円。 そこまでの、道筋なのだと。 ―――…よって、生贄が出ることは避けられない。 大団円は皆が望むものだから。 誰にも、止めることはできない。 ] (D11) 2022/05/28(Sat) 7:20:59 |
【秘】 乙守 流歌 → 甲矢 潮音[ 私がおばあちゃんになったら 潮音もおじいちゃんに見た目はなるのだと、言う。 パパとママはいつも仲良くてね、 お墓も一緒だよって笑うの。 潮音は、 おばあちゃんになって、 色んな事を忘れてしまった私のことを ……きっと「かわいいね」って言ってくれる そんな気がした。 ……したけど。 私の最果てには潮音がいないんだね。 もしかしたら、潮音が知る"私"のなかでは 一番長く生きられるのかもしれないね。 いままで出会いを繰り返してきた私は おばあちゃんにはなれなかった。 永遠を望むわけではないの。 ただ、――、 ] (-124) 2022/05/28(Sat) 7:21:52 |
【秘】 乙守 流歌 → 甲矢 潮音[ キスに上手だとか下手があるって聞いたことがある。 じゃあきっと潮音は上手だ。 キスってね、一度したら終わるものだって、思ってた。 一度で終わるんじゃさびしいくらい、 愛おしさを運んできた。 離れてく唇に、もうやめるの、って 答えてのばしたままだった舌が覗いた。 脱がす、って言われたから こくりと頷く。 二人の息の音、擦れる服の音。 ひとつずつ纏うものが無くなってく。 自分で脱ぐときよりも、 自分で脱いだあの時よりも恥ずかしい。 手、どこにしておけばいいんだろう。 分かんないから近くにあった枕を握りしめた。 ] (-125) 2022/05/28(Sat) 7:22:32 |
【秘】 乙守 流歌 → 甲矢 潮音[ この次どうするんだろう? ……経験のある友達はいたけど、そんな話しないし…… 恥ずかしいし、流歌は?って流れ弾がきたら それこそなんだか潮音に組み敷かれてしまった想像で 死にそうになるくらいの乙女なんだよ……? なのにちょっと意地悪モードの潮音が顔を出す。 あの時、 ……あのとき? あのとき! ] (-126) 2022/05/28(Sat) 7:23:07 |
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