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【人】 害のない毒 マキアート>>52 リカルド 「何事も、遅すぎることはありません。 なんてオレが言うことでもないでしょうけど。 今この場に来る気になったとなれば、 じき上手く楽しめるようにもなりますよ」 そちらの過去を知ったわけでもないだろうが、 やはり縁遠そうな印象を踏まえて前向きな言葉をかける。 「はい、正に。カクテル言葉ですね。 こちらも気を着けてはいるんですが、 つい情に流されることも少なくはなくって…… いっそ見習いたいくらいですよ、ハハ」 そう憧れのような目を向ける男は、心から友好的だ。 まるで相手が自分を害する訳ないと信じて疑わないようで。 それはここがある種の中立地帯だからということを抜きに、 相手の人柄さえ──あなた相手には全く考慮していないわけでもなさそうだが、それでもきっと、他の者に、他の場所でも同じようにする。 来いと言えばノッテのアジトにだってついてきそうなもの。 利用されてもおかしくないというのに。恐ろしく映るのも不思議ではない話だ。 ▽ (65) 2022/08/14(Sun) 9:45:10 |
【人】 害のない毒 マキアート>>52 リカルド ただ取引の場で出会うときに、断られることもあるにしろ、 要求するものは少なくともカタギのそれではないし、 どうにも扱いに手慣れている。まごうことなき裏社会の者。 「諸々を考慮しなければ、 祭りとかにオレがついていってもいいんですがね!」 ただ、貴方はそういうわけにもいかないでしょう、と。 けれど言外に、“貴方がいいなら”なんてニュアンスを含めて。 噛み砕くなら、マフィアらしくないのではなく、寧ろ、 『マフィアはそうであればいい』なんて思想が透けているようだ。 祭りを楽しむのも、バーで便宜を図るのも含め、彼には同じこと。 結局、こいつは現在自分たちの置かれている状況を何も考えてない──と片付けてしまっても、構いはしないだろうが。 いいんですか一枚!と嬉しそうに自分の皿へピザを乗せる、 その呑気な表情に対して、結局深く考えても仕方あるまい。 (66) 2022/08/14(Sun) 9:46:07 |
【人】 害のない毒 マキアート>>58 テンゴ 「そんな軽く済ませるだなんて! 一個盗まれるだけでもう全然利益が……」 あ。間の抜けた声をひとつ出して、 熱が入る前に冷却。言ったところで押し付けにしかならない。 とはいえ、自分の仕事を考えると、 彼らがあのまま悪い方に育たないことを祈りたいものだ。 「……駄菓子、かあ。 嫌いじゃないけど、最近全然食べてないかもしれません」 聞かれたことに対しては、実に素直に答えた。 (67) 2022/08/14(Sun) 10:28:31 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン>> フラン 礼の言葉には僅かな頷きだけ返して。 風に揺れる花のように。 「お祭り以外の賑やかさは…困りますね。 危険な事に巻き込まれないよう、お気をつけください」 素性を明かせない以上、それ以上は言わずに。 …言えずに。身を案じる本心だけ、伝えた。 「…会話が不得手、ですか?」 ひとつふたつ、瞳を瞬かせて。 それから、緩やかに頭を左右に振る。 「そのようなことはないかと。 現に私はあなたとの会話を楽しんいますから。 …それともフランにとって私との会話も苦手、と つまらない、と感じますか?」 首を傾げ尋ねる。紫水晶が耳元で揺れた。 「ふふっ、ごめんなさい。 お詫びに次の一杯は奢らせていただきますね」 軽く手をあげマスターを呼び、手で口元を隠し注文をひとつ。 マスターは目元を緩めて頷き、ヴィオレッタも頷き返した。 それはグラスが空になる頃に届くだろう。 (-217) 2022/08/14(Sun) 10:31:53 |
【秘】 イル・マット フィオレロ → ”昼行灯” テンゴ「俺だって軽くはないですよぉ。 軽いならそもそも望まなくても手に入りますしね」 あーあー。零してますよぉ。 なんて言いながら零れて一部葉が机に乗ったなら、払うように取り除いて。 こんなゆるゆると世話を焼くのはいつもどおりの光景なのに、言葉だけが今日は違った。 「……伸ばしたところで誰も来てくれなかったんですよ。 なのに、ある日突然知りたいものは知れた。 これが、神様の試練とかいうやつなんでしょうかねぇ。 努力とか、する意味が果たしてあるのか」 「たまにわからなくなりますよ」 生きろ、の言葉に対して。 笑ってくれ、に対して。 眉尻を下げながら、笑えませんよ。と言葉にできないまま、笑いに従ったそれは形を作らず、ただ口を噤んだだけになった。 (-218) 2022/08/14(Sun) 10:47:27 |
【秘】 イル・マット フィオレロ → ”昼行灯” テンゴ「……じゃあ、俺は今日はそろそろ戻りますよテンゴさん。 駄菓子がぜんぶ盗まれないように気をつけるんですよ」 なんて、答えが返せないのから逃げるように、 なんの静止もなければ、その場を立ち去ろうとするだろう。 (-219) 2022/08/14(Sun) 10:49:25 |
【秘】 蜉蝣 アベラルド → ガット・リベロ ルチア「食っちまえばあっという間だな。 さ〜て……はぁ。面倒臭えけど行くかぁ」 立ち上がり、自分の分とあなたの分のカップを持って。 「片づけておくから先行きな。 何してたか聞かれたらちゃあんと誤魔化しておくんだぞ」 サボりだと思われたら二人してドンに怒られるからな、と付け足して。 (-220) 2022/08/14(Sun) 10:59:58 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 銀の弾丸 リカルド「偶然にしたって出来すぎだろ……。 マフィアの斡旋所かなんかなんじゃないのか、その孤児院」 よっぽどだぞ、と言いながら、仕事の出来に満足気に頷く。 ゼロインに関しては「バカと変態はどこにでもいるもんだよ」 そんな一言で切り捨てた。 「聞いてどうすんのさ。『犯人ですか?』『はいそうです』 『じゃあ死んでください』そんな風になるわけ? 兵士達にも言ったけどね、あたいは探偵でもなんでもない。 犯人を捜すのはそういうのが得意な奴がやりゃあいい。 あたいは仕事をして、バカ面が出てくるのを待つさ」 「それに、祭りの場であんなツラしてるような奴が 犯人なら、放っておいても勝手にボロ出すだろ?」 (-221) 2022/08/14(Sun) 11:13:09 |
【秘】 イル・マット フィオレロ → デッドヘッド ヴェネリオ「……先代に殉じるような物言いですね。 上が死ぬと順に死ぬことなんて義務付けられてないのに、どうしてそこで言い淀むんですかもう」 苦笑。そういう所が放っておけないんですよ。 なんて言葉付き。 「そうでしょうか。 喪った、望んだのにいない人はたしかにいると思います。 それで、悲観し続けてればいいというその意見には肯定できませんよ。 多かれ少なかれ、諦めるか探すか。 その後者を取っただけで「一瞬でもいたんだからそれでいいだろ」 と言われたら、それを全員が受け入れる環境なら。 そんな組織は一日で滅びることになると思います。 結果的に組織の利にもなるしお得ですよ」 本当に得だろうか。 俺の家族は。見た夢は。 半年も持たずに消えた夢はもう存在しない。 求められないまま苦しめばいいのかとは、言わないけれど。 「……一つ訂正するなら」 「誰でもいいとはまるで思っていませんよ」 「何を言われても仕方がありませんが…… 俺の命を気にしてくれると言うのなら、 その言い方は避けてくれると嬉しいですね」 (-222) 2022/08/14(Sun) 11:16:39 |
【秘】 ガット・リベロ ルチア → 蜉蝣 アベラルド「聞かれ方によりますよ〜……」 あまり上手く誤魔化せる自信はなくて。 捕まらないのが一番だから、そうしようと自分の中で方針を固めつつ。 「……ひとりで危ない事しないでくださいね、アベルさん。 ぜったいですよ、ぜったい」 片付けをお任せして、去り際。 扉を開いて、閉める。 その刹那にお願いをひとつだけ残して。 ぱたん。……閉じた向こう側から、少女が遠ざかる気配。 それを見送る室内には、静寂が訪れた。 (-223) 2022/08/14(Sun) 11:16:44 |
【人】 プレイスユアベット ヴィオレッタ>>56 ルチア 買い物袋を抱えての帰り道。 街に溶け込む少女を見かけ、小さく首を傾げる。 今日は親鳥さんと一緒じゃないのですね 声を掛けようと開きかけた口は閉じて、僅かに緩める。 確かさっき―― 足早に踵を返して数十秒、再び同じ場所に。 …… こつこつ こつ足音が少女に近づく。 「こんにちは、ルチア。 誰かを待っているの?」 片手には買い物袋とさっき買ったばかりの 露店のしぼりたてオレンジジュース。 もう片方の手にも同じジュース。 それをあなたに差し出しつつ尋ねる。 アジトの時よりフランクに、 ”顔見知りの子”に話しかけるような雰囲気で。 (68) 2022/08/14(Sun) 11:17:28 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → ”昼行灯” テンゴ「残すもんは、先代からの忘れ形見ぐらいか」 ヴェネリオずっと面倒を見ている孤児院のことだ。 ファミリーにはいってからずっと、子供たちの記念日と祝祭の手土産は忘れたことはない。 ノッテにいる限り、死ぬまで守ってやろうと思っている穏やかな生活。基、ファミリーのための資産。 「……フィオレロもお前もくたばったらあの孤児院をまともに面倒見てくれるやつがいなくなる。 情けないぜ、協調性の欠片もないやつらは。 残りはリックの同期にでも書き置きでもするつもりだ」 (-224) 2022/08/14(Sun) 11:31:02 |
【秘】 イル・マット フィオレロ → 鳥葬 コルヴォ「おいおい、言い逃げはよくないですぜ旦那ぁ。 最後って建前のくせにそれはないでしょ〜。 止められて当然だよ、そんなのさぁ」 走って掴みかかったりはしないが、 『勝手に終わらせるな』とばかりに呆れた声。 「おい」と言う呼びかけ。反応した出口の前に立ち塞がる部下が、そう簡単に帰らさせてもくれないだろう。 「今このタイミングでそれって君」 「君と一緒に死ぬ気なら側にいても良かったってこと?」 「そう言うのは早く言葉にするべきだったねぇ。 何が"最初から変わってない"だ。 こちとらその"最初"を聞いてねえんだよ。 何かの流れ弾に当たらないと死ねないし喋らない、正真正銘の死に損ないさんさぁ。 今まで散々その態度でも俺がいたのに、 まあどうして話してくれないんですかねえ」 無理矢理にでも逃走しようとしていたならまた別だが、 そうでないならそばによっていって、 あえてあなたの前にしゃがみこんて見上げて話す。 「しつこく付きまとわれたくないなら、 話すほうが徒労の確率があっても良くない?それか、」 「殺してくれる誰かでも見つかった?」 (-225) 2022/08/14(Sun) 11:31:04 |
【秘】 イル・マット フィオレロ → 鳥葬 コルヴォ/* ア"ァ"ー"ー"ー" してるPL様かわいいね、かわいいです。 すごい強打をされて驚きましたけど こうして丁寧に説明して頂けてたら全て問題なしです。 私は強いです。お心遣い感謝します。 今後もよろしくできたらよろしくおねがいします (絶縁したそうなコルヴォくんを眺めつつ) (-226) 2022/08/14(Sun) 11:40:11 |
【秘】 イル・マット フィオレロ → 情報屋 ロッシ/* あ、そちらも影響あるのですね! その通りです…そして今回、ノッテ幹部二人のどちらかに護衛先を変更になりそうなのでご連絡します。 どちらかがもし駄目なようでしたらお知らせいただけると助かります。 受け流し先の変更はないです。 (-227) 2022/08/14(Sun) 11:42:22 |
【独】 イル・マット フィオレロ危ない危ない…… 思った以上にコルヴォくんが死にたそうだった…… これで護衛してたらずっと苦しみ続けてほしき悪しき昔馴染みになるし、話の流れ的に今回は上司のどちらかが自然だなあ (-228) 2022/08/14(Sun) 11:43:33 |
【独】 情報屋 ロッシ/* (ノッテの25歳組が一日で全滅する可能性を見て天を仰ぐ図) いやぁ、そうそうないんですけどね!!! (マウロ呪殺、リカルド処刑、ツィオ恐怖死) (-230) 2022/08/14(Sun) 11:51:35 |
【秘】 花で語るは ソニー → 鳥葬 コルヴォ「そう? 嬉しいな。これだけが両親からの贈り物でさ。 小さい時に預けられて以来孤児院育ちでね、あとはまあ花は今でも送られてるけれど。 ああ、別にアレコレ気持ちがあるわけじゃないから、気にしないで」 名前についてコメントがあったなら少し誇らしげにはする。 本人が言う通り、他人が想像するほどには己の出自を気にしているわけではないのだろう。 己の口にしたことについて、影のある振る舞いをするふうではない。 「コルヴォが相手だったなら、普段よりもおまけにサービスするかも。 コレ、店の場所。できればほかの花屋に浮気しないでほしいなあ、なんて。 ああでも、そんなに用のある仕事だとかなのかな。墓守とか?」 先の物言いだと個人的な用向きのためであるようにも聞こえなくもないが、 どうにもなんとなくそれでは収まらないような気がして、改めて尋ねる。 互いがどんな人物であるのか、知らないのだから仕方がない。 応じられた手を両手で掴むようにしてぎゅうと握って、軽く引く。 姿勢のわずかに崩れたところを狙うの自体は不自然な振る舞いであったとしても、 頬同士を寄せて挨拶とするのはこの国では珍しいことではない。 だから、頭の位置をずらして寄せようとする男の仕草は多少馴れ馴れしくとも変なものではない。 それを受け入れるだけの姿勢や好意というのは、触れ合うのを厭うような相手にはあるものかな。 (-231) 2022/08/14(Sun) 12:00:14 |
【秘】 蜉蝣 アベラルド → ガット・リベロ ルチア「心配すんなって。余計な事すんのは嫌いなんだ。 俺は仕事以外の仕事はしないんだよ」 「お前も、危ない事はやめとけよ」 手を上げて、あなたがドアの向こうに去っていくのを見送って。 ……ふう、と一息。 下手に動かない方がいい。そのことは分かっている。 わかっているし、この件に関しては 正直。 興味や義務感より大儀である方が勝ってしまっているから、 自分からはきっと、何も。 「……何もなきゃ、な」 水道の蛇口を捻る。 カップを洗う音に鼻歌が混じって、それが終わればこの部屋も誰も居なくなるだろう。 (-232) 2022/08/14(Sun) 12:25:04 |
【秘】 花で語るは ソニー → 蜉蝣 アベラルド喫茶店やデリカテッセンと違って、ひっきりなしに人が訪れるわけではない。 街の様子や評判のおかげでそれなりに繁盛はしているものの、 電話で品を予約して、受け取りの時だけ見せに来る、なんて人間も少なくない。 扉に着けられたチャイムが音を立てて来客を報せ、そういえば、なんて時計を見る。 バックヤードから顔を出した男はエプロンを着けたまま、カウンターを通って。 見知った相手の顔を確認したなら、不安通りの気さくな笑みを返した。 「いつもありがとうございます。この花でよろしいですか? どの枝をお取りしましょうか」 この季節の花であれば、ゼラニウムやジャスミン、ブーゲンビリアにつるバラ。 ラナンキュラスやエンジェルトランペットなどもこの季節には合うだろう。 剪定鋏を片手に、相手が指した花の展示に手を添える。 (-233) 2022/08/14(Sun) 12:34:27 |
【秘】 piacere ラウラ → イル・マット フィオレロ女は貴方の反応に満足したのか、もう一度笑みを作る。 内側であればこうした反応は不敬に当たるだろうが……。 「素敵です、ね」 今くらいは許されてもいいだろう。 ワイングラスを手に、胸の位置まで掲げる。 「……Salute」 大して望みはない。形にするならこれはただの戯れでしかない。 掲げたワイングラスを口元に運び、目を閉じた。 「…ラウラの望みは、役立つこと ですから。 ……お戯れが過ぎました、ね。失礼致しました」 仲良くなりたい気持ちは嘘ではないが、 遊び をするには状況が宜しくない。上司の姿を頭に思い浮かべて、閉じた目を開いた。 「…求めることは悪いことではありません、から。 欲があるからこそ、人間と言えます」 「ですから……ラウラはそんな皆様が、羨ましくて 好きです、よ」 (-234) 2022/08/14(Sun) 12:37:00 |
【秘】 郵便切手 フラン → プレイスユアベット ヴィオレッタ「ヴィオレッタさんも、用心してくださいね。 何があるか判りませんし」 自分よりずっと死と隣り合わせの日々を生きていることを知りはしないけれど、この辺りで生活しているなら危険は零ではないと考えて心配する言葉を掛けた。 「自分は楽しいですけど……そんな、つまらないなんて。 ヴィオレッタさんとのお話は楽しいです。 ただ自分の話に自信がなくて」 会話の楽しさは平等ではない。 一方だけが満足してもう一方が不満気であることは珍しくないことだ。 青年はそういった状況を危惧している。 視線を上げれば揺れる紫水晶が瞳に映った。 酒に浸ることで輝きを増し、誠実の名を冠して、誠実を着飾る女性の本質とは何なのだろう。 「……ありがとうございます」 奢り合いになってしまった、と内心で恐縮しつつ、厚意を断る理由もない。 グラスの残りを飲み下しながら、注文が届くのを待った。 (-235) 2022/08/14(Sun) 12:55:09 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「そんなわけないだろう。ただの治安の悪い孤児の掃き溜めだ」 ゼロインも自分でやらないような奴はもはや狙撃手ですらない。 そう言ってこちらも切り捨てれば、満足そうに頷いている様子が見えて、再度一言”助かった”と礼を言う。 「まぁ、そもそもバレて困る身内殺しを、足のつきやすい自分の得意分野でやるわけがない。 少し考えて欲しいものだが、何処にでも突っかかってくる愚か者はいるものだな。 それに……身内に犯人が居るならば、そのうち自分の力を誇示しそうなものだがね」 下剋上とはそういうものだろう、と呟いて。 やれやれと肩をすくめて貴方を見やった。 昨日も、今日の今も対して変わらない仏頂面をしているが、幾分今のほうが穏やかだろう。 「ああいう場はどうにも慣れない……、そう言ってくれるな。 次からはポロシャツくらいは選ぶとするさ」 (-236) 2022/08/14(Sun) 13:15:20 |
【人】 翠眼 ヴェルデ【街中】 大通りを一本外れれば、祭りの喧騒も幾許か遠くなる。 街路に置かれたベンチに腰掛け、少年はゆっくりとページを捲る。 けれどその手にある本は、とてもその年恰好には見合わない絵本だ。 タイトルは『ピノッキオ』——木で作られた人形が、正しい行いや良心といったものを学び、最後には本当の人間の子供になるという童話。 (69) 2022/08/14(Sun) 13:23:17 |
【秘】 piacere ラウラ → 狡兎 ツィオ「心の底から嫌いで、関わりたくなければ……。 人はそれを 無かったものにします、から」 そうでないことを相思相愛とも言いきれないのは勿論。 それでも、話せば分かることもあるらしいので。 「…それでは、行きましょうか」 一歩踏み出そうと足を動かしたところで、貴方からの問いかけ。 他者である己がその意図を理解することは出来ないが……。 動かした足を貴方に近づくように置いて、軽く背伸びをする。 「……ツィオ様が心からそう願うのであれば、ラウラは 着いていきます。 ですが……少しでも心残りを残し、苦しむのであれば──お断りします、よ」 続いて、女の指先が貴方の頬へと伸ばされた。 こちらから触れることは無いだろう。 「…本当に大切なものへ、手を伸ばして掴むべき です。 ………ラウラは、何かを捨てて得るには 価値のない人間です、から」 言葉とともに僅かに逸らした目を細め、小さく息を吐き出す。 この言葉の意味を正しく理解することもまた、他者には難しい。 (-237) 2022/08/14(Sun) 13:36:41 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド「冗談だよ、でも生まれた時から宮殿暮らしなわけじゃないでしょ。 祭りに参加したりするのは、はじめて?」 何気ない、そう聞こえるようにイントネーションを抑えた言葉。 果たしてどれだけ相手のことを調べているのか、そうでなくとも例えば上層の血縁ではないとか、 順当に功績を積み上げて今の立場にあるというのは、ある程度情報を仕入れていればわかることか。 何も相手の出自の如何まで、相手のファミリーの中で噂される以上には知らない筈だ。 「急にデニムのパンツ履いて足元スニーカーにして……なんてやったら動きづらいでしょ。 人が多いから、目の行かないところまで変える必要はないし。 少し体裁整えておきたい場所に行くなら、祭りから離れたらジャケット羽織ったらいいよ」 白からアイボリー、ジャケットに色相の近い青のデニム生地のまでぱっと当ててみたりする。 相手の方が背が高いぶん、宛てがうのにも手を上げ下げして、ちょっとした運動だ。 あくまで目の前で店のものを、なおかつ相手も選ぶ権利のあるものを手に取っているのだから、 何かしら仕込みをしている……とは考えづらい、と思う。 「気に入ったのあったら、着てみたら? 肩の動かしやすさとか色々あるでしょ。 お兄さんは顔立ちがいいから、何でも似合わないってことはなさそうだけどさ」 何枚か持たせて、評価の渋かったものは元の棚に戻して店員に任せたり。 試さずに買うのもなんだから、と試着室の方に背中を押し出す。 ふつうだったら容易に接させはしないだろうけど、それとして。 もし進言のままに試着室に入るのであれば、ひょいと。その後ろからついてくる。 口元に人差し指を当て、"Shh"と合図までご丁寧にして、だ。 (-238) 2022/08/14(Sun) 13:40:51 |
【秘】 ”昼行灯” テンゴ → イル・マット フィオレロ「だからこそ、だろう。」 「俺の国ではよく言ったものだ。努力をすればいつかは報われる、と。まあ報われない時もままあるが。」 「信じるだけは、ただじゃあないかね。神ではなく己を。」 なんて。頭から拒絶していないのだから良い方だろう、とカラス面は嘯く。 「ああ。そちらこそ、寝首を掛かれないように気を付けるんだな。」 去り行く貴方を見送る。 この先に待つ未来など知らぬまま、ただ、明日を信じて。 (-239) 2022/08/14(Sun) 13:41:54 |
【秘】 ”昼行灯” テンゴ → デッドヘッド ヴェネリオ「…なるほどな。良いだろう。」 「お前さんが先に逝ったその時は、引き受けてやる。」 友の願いであれば、と首肯する。 「確かに、血の気が多い上に協調性のない連中が多いが…まあ、何とかなるんじゃあないか。多分な。」 そうなって欲しい、という希望のもと。 煙管を出して葉を詰めながら、そんな風に言う。 相も変わらず、葉をぼろぼろ落とすのはこの男の常だ。 (-240) 2022/08/14(Sun) 13:53:42 |
【秘】 蜉蝣 アベラルド → 花で語るは ソニー「ああ、居た。よかった」 「この枝をお願いします。咲き方が愛らしい」 奥から来たあなたを見れば、手を挙げて挨拶をした。 仕事帰りだからアジトに居る時と違い軽装だ。髪も青いゴムで一つに括っている。柔らかい笑みも、表向きのものだった。 そう言って指すのは白いジャスミンの一枝。 ラッピングもお願いします、と一言添えて。 「……どこもかしこも賑やかですね。 花を買う人も、いつもより多いんじゃないですか」 「俺の店もいつもより忙しくて。普段通りの時間に来られてよかったです」 この男が外で裏の話をする事は殆ど無い。 だから今日も、いつも通りの世間話だ。 (-241) 2022/08/14(Sun) 14:01:58 |
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