【秘】 檻の中で イレネオ → 黒眼鏡赤。 赤 。赤 。赤 だ。白い光の下でそれはよく光った。流れる血液は天板に雨を降らせるが、なかなか溜まるほどの量はない。 ガツン。 二回。ガタン。 三回。大きな音が鳴る度に無機質な机に赤が散った。 その度に荒い息が貴方の頭上に吐き下ろされた。 落下には自重もかかるとは言え、成人の身体を持ち上げるには難儀する。 三度もすれば限界か。それとも飽きたのか、次に男は貴方の身体を後ろに放ろうとした。 それが叶うなら、貴方は強かに背を打ち付けることになるだろう。貴方の話を、既にこれはまるで聞いていない。 (-258) 2023/09/18(Mon) 23:31:10 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオいつかの時間あなたのもとに連絡をした同僚がどうしても会いたいと行ってやってくる。 場所は外でもアジトでも何処でも良いと指定があった。 「ロメオー。あのときの数字だがあ」 「結果的にはよかった」 良かったらしい。そんな報告。 しかしなにか喜んでいるような言い方ではなく、あなたが少しでも感情に機敏であれば、ルチアーノはあの選択をさせたことに罪悪感を持っていそうであった。 直接顔を合わせに来るほどに。 (-260) 2023/09/18(Mon) 23:42:05 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 渡りに船 ロメオ「え。ほんとおですかあ。ふふ、やったあ。」 「じゃあたあくさん、期待しちゃいましょお。」 弾むような声と、揺れる足。 それでもどこか気怠げなのは、間延びした語尾のせいだろう。 「んー。そう見えますう?」 「見るのは可愛いんですけどお。」 「…ふふ。Coccoちゃん。かわいいお名前ですねえ。」 続いた言葉に、んー、と人差し指を口元に。 「…キョーミは、ありますけどお……」 むすとまさにその口元が尖る。 微かに翳った表情にまで、あなたが気付いたかどうか。 「……今は、どおでしょおねえ。」 「いろいろと、物騒ですしい…。最後まで、飼えるかなあ…」 “物騒”とはまた迂遠な表現だと自分でも思う。 誰がどんな理由で逮捕されるかも分からない法案に、言葉を選んだと言えばその通りなのだけれど。 (-261) 2023/09/18(Mon) 23:42:12 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオあなたが留置場を尋ね、そこにいる者に声をかけたなら 「こちらです」…と、普段あまり使わない一角へと案内してくれるだろう。 絶対に使わないわけではない。 ただ、そこは人数が一定以上の時だとか、他の受刑者の近くに置いておくのを避ける場合だとか―― そういう場合に使われる場所のはずだ。 とにかく、アレッサンドロは、留置場の中にいた。 場末のホテルよりは清潔な狭い部屋、簡易なベッド。 そこにごろんと横たわる長身の男。 なんだか顔やらあちこちがぼこぼこに腫れてはいるが、元気そうなそいつは、 あなたが覗きに来た時にはぐうぐうと寝息をかいているだろう。 (-262) 2023/09/18(Mon) 23:57:04 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ/* ご連絡ありがとうございます! 少し知れそうなことはロールに混ぜて思い当たってみたいと思います。 ルチアーノがヴィンセンツォに連絡して結局は検挙自体を防げないような流れになり……のような会話であると思うのですが、何卒ご無理のないようにお付き合いくださればと思います。 話しかけるのは検挙前、つまり三日目の夜間頃の予定ですが検挙される時系列はあまり固定せずお好きなように演出していただけるように心掛けます。 RPの機会をいただきありがとうございます、本編でもよろしくお願いします。 (-263) 2023/09/19(Tue) 0:13:57 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → マスター エリカ「それなら良かった。今はそこらじゅうが騒がしくしているけれども、 市井の人間には関わりのないことだ。業績に関わってこないことを祈るよ」 周りの騒がしさは杞憂の産物だと言いたげに肩をすくめる。 気さくで大きく構えた調子は、いかにも上がり調子の起業家めいている。 顔の知れている相手には意味のない振る舞いでも、こういう場では要とされた。 自らが誰か、何かに聞いたことなど朧げの人間には、 この場は唯唯の偵察の意しか持たないようだった。 「ああでも、みかじめ料を払っている人は不安に思うものか。 彼らも脅されているだけで非がないとはいえ、形見の狭い思いではあるだろうし。 うちは不払いを通しているが、その辺マスターの周囲ではどうだい」 ホワイトネグローニを一杯、伴には他愛無い雑談を。 働き人の愚痴めいた言葉には、しかし確かな探りがあった。 (-264) 2023/09/19(Tue) 0:15:48 |
【人】 うたかたの ダニエラ>>15 カンターミネ ひとつ歳上だろうが何だろうが、褒められるとやったあと声を上げる。 そこに関しては、相手が旧知のあなたでなくともほぼ変わらないのだが。 「うー。ミネ、胃とか傷めないよおにねえ。」 時すでに遅しな気はする。 トラメッツィーノは一口だけで御遠慮させていただいて。 ただ元来は戴けるものは迷わず戴く女だったので、歳下だろうがお言葉に甘えるらしい。 「あたしもお、コーヒーでえ。」 この子供舌の女は、コーヒーに砂糖をふたつ放らないと気が済まない。 …きっと、あなたもとうの昔に知ることだろうが。 #街中 (16) 2023/09/19(Tue) 0:18:55 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネへへ、と見えないところではにかみ笑顔。 ぎゅ、ともう一度。もっと。しがみつく力を強めて。 …それでも、コーヒーの注文が終わる頃には身体を離す。 もう大丈夫。まだ頑張れる。このほんのひとときの触れ合いを心の糧に。 それにあんまりくっつき過ぎると、今度は不自然になってしまうかも。 コーヒーも飲むし。と。 (-265) 2023/09/19(Tue) 0:22:17 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡あくまで、責任者然として男は留置所へと踏み入った。 おそらくは部下の何れかがあげたのだろう目標の取調べの一環として。 正式な手続きを踏んで下って来たのだから、何くれと言われる筋合いもない。 重ねて、これからの取調べを有利にするための布石だなどと言ってしまえば、 連れてきた人間も丸め込むことは出来た――おそらくは、だ。人の心などわからない――筈だ。 堂々たる姿勢をどう捉えるかはさておき、相手は確かに重鎮だ。 周りと多少違う対応を取られるのは、おかしな話ではないだろう。 そんな奥まった場所の部屋の前に立ち、壁を指先で叩いて音を出す。 直接叩き起こせもすればこそ、今はそうしたこともできない。 「随分な姿だな、黒眼鏡」 声音には、数日前に見せたものとも違う隔たりがあった。 こっちが正しい姿で、正しい対応で。マフィアの幹部に対する声の掛け方だ。 外よりもいっそうに冷えた廊下に染み入るような、重たい声だった。 (-266) 2023/09/19(Tue) 0:24:08 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「……何もしたくない」 死にたいではない、根底にある怠惰がまろびでてくる。 それが許されるようなら人間はまともに生きていけない。 だから何もしない人間は死んだほうがマシなのだと言う。 「イレネオが人を選ばない無法者だってアレにいった……。 その直後にこれだ、……知り合いだったのかあ? 本当に何しに行ったんだ……その上自分も捕まるだとか」 知っていたら言わなかっただろうか、とか。今更だが。 「部下は……だから俺に部下はいらんと……。 余所にやれんなあ……早く昇級させるかあフィオレあたりは教養をつければすぐにソルジャーまでなれるだろお」 いつまで経ってもメイドマンにならないのは警察と関わってる噂を自分で流しているから。年功序列なんて関係ない縦社会にちょうど良すぎる。 「……ペネロペ、ダヴィードはお前から見てどうだ。今回の件」 最期のこれだけは声色がはっきりと戻った。真面目に聞いているらしい。 (-267) 2023/09/19(Tue) 0:28:09 |
【秘】 黒眼鏡 → 檻の中で イレネオ「 う ご」「っ、」 「っ、……っく が」 ぶふ、と、蛙が咳をするような濁った音が響く。 アレッサンドロが息のようなもの吐くたびに、ぽたぽたと赤い飛沫がテーブルか床かを汚した。 ぐらん、とその首が大きく傾いで、どうやら脳にまで震動がいってふらりと目線が回転する。 ──だがそれを、あなたも見ることはないだろう。 四肢から中途半端に力が抜け脱力しかけた体は重く、 それでも放り投げるならば土嚢か砂袋と同じようなもの。 ごづん、と。 柔らかくも鈍い音を響かせて、 「っ、 ……っげほ、……げほ 、…っ、」男は背を打ち付け、せき込んだ。 何か言おうとするが声にならなかったらしく、 ぺ、と血の混じった唾を床に放るだけになる。 苦痛と衝撃に歪んだ眦が──それでもあなたを、見上げている。 逸らすことなく、じいと、まっすぐ。 (-268) 2023/09/19(Tue) 0:31:14 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ/* こちらこそご相談いただきありがとうございます。 話しかける時間都合についても承知いたしました。 当方の都合で引き伸ばしていただいている手前もありますので、 そちらの良きようにしていただければ幸いです。 改めて、引き続きよろしくお願いいたします。 (-269) 2023/09/19(Tue) 0:43:44 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 暗雲の陰に ニーノ「時間が許すならいつだって」 「姉さんは、フレッドが会いに来るのを待ってるわ」 自分よりもよっぽど忙しくなったはずの弟分が、いつまでも慕ってくれる。かわいいかわいい存在。 ……私が今どういう立場なのか知っても。受け入れてくれるのだろうな。それでも、万が一のことを考えて話すことは出来ないでいるのだ。 「姉さんはクロスタータも作ったことがないもの、褒めちゃうわよ」 「お菓子とか料理とかからっきしだから…フレッドが色々作れるようになったら嬉しいな。次に会う時は何を持ってきてくれるんだろうって、楽しみになっちゃう」 あなたにつられて目尻を下げて笑うのも、昔からのクセ。 「アレ、ああ見えて自分の事で手一杯だったりするのよ? 遊びに行ってみれば、全然外に出てなかったりして」 「今は何か起きたりもしていないから、その時が来たらきっと頼るわ。アレがびっくりするくらい、立派に解決する姿見せてあげましょっ」 いたずらっぽくわらって。人にちょっかいを掛ける時はいつもこんな顔をしていたなあなんて。 (-270) 2023/09/19(Tue) 0:46:07 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 口に金貨を ルチアーノ夜。 アジトに結局顔を見せなかった部下の女は、あなたに一つのメッセージを送っていた。 『あの日、逃げる場所の話をしていたでしょう』 『何が起きるか、知っていたの?ルチアーノ』 (-271) 2023/09/19(Tue) 0:47:28 |
【墓】 檻の中で イレネオこれは男が逮捕されてすぐの話。 取調室で男は散々吼え立てた。そんな事実はないと声を荒げた。 自分はやっていない。 自分がするわけない。 皆が証言するはずだ。 そんなはずはないと。 イレネオ・デ・マリアが、 あの男が、 マフィアと手を組むなんて! その必死さはまるで主に捨てられそうになった犬のようだった。 酷く叱られ遠くに置き去りにされようとする犬の姿に似ていた。 低く唸り、呻き、哀願することさえして見せた。 けれど当然、聞き入れられるはずなどなかった。 結局、男にかけられた嫌疑が晴れることはない。 牢獄に戻された男は、酷く憔悴していたという。 #取調室 (+2) 2023/09/19(Tue) 1:00:23 |
【人】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ>>16 ダニエラ いい気分にさせるのが上手いよなあ、そう思う傍ら こういうのを指していたのかもしれんな、と内心で零した。 「安心してくれ、健康診断は毎年引っかかってる」 ダメそうな気がするが、当人は大丈夫と言っている様子。 大丈夫なら大丈夫なのかもしれない。 「はいよ。おっちゃん、アイスコーヒー二つ。 片方はダブルで。あれ?トール?まあいいやデカいの。 もう片方はスティックシュガー2つつけてくれ。」 そうして受け取ったものを片方渡して、 砂糖もさっと流し込む。これくらいは年下の義理だろう。 「今休憩中?折角久々に会ったんだから近況でも聞きたいが、 時間取っちゃってもアレか。後で電話でもするか? 俺はもうちょい散歩する予定だけどさあぁ」 のんびり、友人の隣を歩きながらの雑談だ。 (17) 2023/09/19(Tue) 1:00:32 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレメッセージは比較的すぐに返される。 『ある程度はな』 『法の執行があることは聞いてた。 あんな風に身内が引っこ抜かれるとは思ってなかったがなあ』 (-272) 2023/09/19(Tue) 1:01:23 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → 口に金貨を ルチアーノ「おう、相当重症だな」 以前のそれは、時間が解決してくれたのだろうが。 今は状況が違う。そんな悠長な事は言っていられない。 何もしない事も死ぬ事も、 選ぶにはあなたの手の中にあるものは多すぎる。 「さあ。あの人の所には当然情報も集まるからな。 自分で探し出したのかもしれん。 過ぎた事は本人にでも聞かねえ限りはわからん事だが」 裏の物流を取り仕切る元締めの元には情報も集まる。 至極自然な流れと言えるだろう。 「ただ、イレネオの野郎が槍玉に挙げられたのは…… A.C.Aつったか。どうも連中の目論見通りだったらしい 勧善懲悪が過ぎて身内からも睨まれるとはな」 そこに属しているのが警察ばかりと限った話でもないのだが。 全部は教えてくれないのが夢の不便な所だな、と溜息ひとつ。 (-273) 2023/09/19(Tue) 1:04:01 |
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