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【人】 世界の中心 アーサー[ 切り落とした茶を片手で掬うと、 片手になったことが災いしたか、彼女の横に転がった。 どてん、と格好悪く。体幹がゆるふわなので仕方がない。 絨毯に2人並ぶ景色も珍しい。 久しぶりに天井を眺めている。] (196) 2020/05/29(Fri) 20:58:25 |
【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット[ 唇を離し、瞼を開く。 間近に見えるその赤に―― 何よりも強く求めていたその懐かしい色に、呼吸を忘れる。 どうかおねがいだからと、またひとつ脈打った鼓動に、 その瞳が、彼は変わらずに彼でいてくれたのだと、 何よりも強く応えてくれるようで。 弱く握り返される左手、 震える耳、頬に添えた片手に伝わるぬくもり。] ――…、うん、 うん…… [ もっとたくさん、話したいことがあるはずなのに。 この身体を満たし、今にも溢れ出しそうな思いは 不思議なことに、ことば一つ紡いでもくれなかった。 彼の言葉に、ただ、幾度も頷きを返す。 紫の双眸が、透明な光を帯びてふるりと震える。 瞬き一つで涙が頬を伝おうとした、その寸前のこと。] (-178) 2020/05/29(Fri) 21:21:04 |
【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット[ 離れかけた唇に、再び唇が触れる。 触れる温もりに、動くことを忘れた指が、 その左手を、きゅっと、ゆるやかに―― やがて、また強く握りしめる。 夢ではないのだと、一瞬の幻ではないのだと、 君は確かに、ここにいるのだと、そう知った。 頬に触れていた片手が、 愛しそうに、頬をなぞり耳を撫でる。 瞑った目から流れ落ちた涙が一筋、頬を伝った。] (-179) 2020/05/29(Fri) 21:22:08 |
【秘】 軍医 ルーク → 部隊長 シュゼット[ 君と向かい合った顔は、酷くぼろぼろで。 一度目の砲撃で割れた額から、血が流れ出している。 爆風に煽られ、土を這ったせいで埃だらけで、 破片に破られた腕もまた、血塗れで。 本当に酷い有様だったけれど――、 痛みなんて、いまはすべて遠ざかってしまって。] [ 目の前にいる、 確かに此処にいてくれる彼の微笑みに、 伝わり来る想いに、 止まらない涙すら忘れて、頷きを返した。 それは、通信機を探しに行ったいつかの夜、 飴を分けてくれた時に零れたような、 消え入りそうな仄かな笑みでもなくて。 形だけを作っていたようないつもの笑みとも、 勿論、違っていて。 愛おしさに溢れた、 あたたかな、やわらかな、 ――心から幸せそうな、笑顔だった。] (-180) 2020/05/29(Fri) 21:25:00 |
【人】 軍医 ルーク[ 義手を使ったのだ、今までのことを思うなら、 身体もろくに動かないに違いない。 頬に当てていた片手を今度は背に添えて、 身体を支え、地面にそっと寝かせる。 そうして、自分もすっと体を落とし、 胸の上――心臓の辺りに、白い耳を寄せた。] ……よかった、本当に。 [ その鼓動の音ひとつ一つを、大切に、確かめるように。 白い尻尾が嬉しそうにゆらり、と大きく揺れる。 そうしているうちに――こう、 自分が何をやらかしたのか、不意に、実感が。 ] (198) 2020/05/29(Fri) 21:26:01 |
【人】 軍医 ルーク[ あまりにも必死だったし、 あまりにも、こう、 好きでどうしようもないというのが溢れたというか。] ――… ! 顔、絶対、今見ちゃだめだ [ 心臓が早鐘を打つようにどきどきと走り始めて、 頬に血が上り、かっと赤くなる。 顔を隠すように、その胸に顔をさっと埋めたけれど、 尻尾は大きく忙しなく振れて、 ぴたんぴたんと左右の地面を打っている。 自身の鼓動の音も、 これ外に聞こえてしまっているのでは――? というありさまだから、 自分がどんな状態であるかなんて、 きっと、筒抜けだったことだろう。] (199) 2020/05/29(Fri) 21:27:34 |
【人】 軍医 ルーク[ 暫くぴたんぴたん言っていた尻尾がようやく落ち着いたころ、 顔を上げ、辺りを見渡した。 中庭まで侵入を果たした蛇型が撃退された今、 防衛部隊は外壁の防衛に総員で当たっているようだった。 前線の戦いもまだ、終わってはいないだろう。 崩れかけた建物からわらわらと出てきたぺんぎんたちが、 互いの無事を確認するように、 駆けまわっては鳴き交わし、 中の何羽かが、崩れた外壁の隙間から、 鈴なりになってひょこっと外を覗く。 やがて中に振り返り、ぐっ、と片方の羽根を上に突き出した。 中にいたぺんぎんたちが、歓声を上げて跳ねる。] 状況は、悪くないみたいだな。 良かった。 [ 外にいた虫型がここまで入って来ることがあったなら、 足が動かなかろうと、例え千切れようと、 彼を引っ張って、 一緒に安全な場所まで動こうと思っていたけれど。 あの様子なら、その心配はなさそうだ。] (200) 2020/05/29(Fri) 21:29:19 |
【人】 軍医 ルーク医務室まで運べればいいんだけど、 わたしも足が動かないんだ。 いま、ぺんぎんに 救急キットを持ってきてもらってるから、 それが届いたら、ちゃんと手当てする。 [ そうして、ぺんぎんの一羽を呼び寄せる。] 頼まれてほしいことがあるんだ。 倉庫の方に詳しいぺんぎんがいたら、 直ぐに使えそうな義足を調達してもらえないかな? いまだけ使えればいい、どれだけ旧式でも、 兎に角歩ければ。 [ 医務室でちゃんと彼の手当てをしたい。 それに、戦闘が終わったなら、そこからが自分の仕事だ。 これだけの規模の戦闘だ、 被害を楽観するわけにはいかない。 基地内の損害も相当なもののはず。] (201) 2020/05/29(Fri) 21:31:24 |
【人】 軍医 ルーク前線の方もあの様子なら大丈夫そうだ。 もし君の部下にケガなんかあったとしても、 そのときは、治すから。 まあ、葬儀屋に担当されたら 悲鳴上げる奴も多いかもしれないけれど、 この格好なら、誰かも分からないだろうな。 [ いつものローブは脱ぎ捨てて、耳と尻尾を露にして、 長い豊かな、赤みがかった金の髪が 背中にゆったり流れている。 医務室の“葬儀屋”とは簡単には結びつかないだろう。] (202) 2020/05/29(Fri) 21:33:00 |
【人】 軍医 ルーク……覚えていてくれて、 ほんとうに、良かった。 信じてた。 [ 帰ってきてくれるのだと、そう信じていた。 けれど、それでも、義手砲を使った彼の、 ごめんと告げた表情は、動かなかったその姿は、 凍り付くような、耐えられないほどの恐怖だった。] 一緒にいられることが、 わたしの幸せだから。 [ もし万一、彼の記憶が失われていたとしても、 自分はきっと、変わらずにずっと傍にいて 支えたいと願っただろう。 それが、自分の心まで一緒に、 砕けてしまうほどの悲しみだったとしても。 静かな水の底で、呼吸が出来ずとも、寄り添うように。 いま失われずに傍にいてくれる幸福を、 かみしめるようにつぶやく。] (203) 2020/05/29(Fri) 21:35:00 |
【人】 軍医 ルークでも、それだけじゃなくて。 君がここで手に入れた大切な記憶を、 無くさずに、持っていられたことが。 良かった…… もう、二度と寂しい思いなんて、 してほしくなかったから。 [ ひとりきりで、人が死に絶えた世界を歩き、 大切なひとたちを守っていた兎の写真を宝物にして、 何処かに、生きているひとたちが暮らしている、 そんな場所を夢見ながら、 辿り着いたこの場所で、皆を守り続けた、そんな君が。 その大切な思い出を、今もその両手に持っていることが。 またひとりきりになってしまうことなく、 なにひとつ手放すことなく帰ってきてくれたことが、 泣きたくなるほどに、嬉しくてたまらない。] (204) 2020/05/29(Fri) 21:35:53 |
【人】 軍医 ルーク[ 医務室の、いつも一緒にいるぺんぎんが、 救急キットを持って駆けてくる。 飛べないぺんぎんは、いつも基地を走り回るうちに、 いつの間にか足が随分強くなっていたらしい。 瓦礫や尖った破片を器用に避けながら、 ぴょんぴょん跳ねてこちらにやって来る。 救急キットを受け取り、わしゃりと頭を撫でた。 自分の傷は、不衛生にならないように 血や埃をぬぐって止血を施して。 手早く彼の手当てに取り掛かる。 先程は当座の止血を施した傷を、ひとつひとつ、 消毒してガーゼで覆って包帯を巻いて。 そうして治療を終えたなら、ようやくほっと息をついた。] あとは、戦闘が終わるまで… [ ここで待つしかない。 外壁の向こうから聞こえてくる音は、 徐々に戦況の変化を告げている。 機獣の攻撃と思しき破壊音が、減っていた。] (205) 2020/05/29(Fri) 21:37:14 |
【人】 軍医 ルーク[ 基地に人が戻ってくるまで、 自分の力で医務室まで運ぶのは無理だから、 少しでも楽な態勢を――と、辺りに視線を落とす。 普通の脚なら、枕にということも出来たのだろうけれど。 生憎金属だし、片方は壊れているし。 ローブもずたぼろに裂けて血と埃に塗れている。 タブレットはローブの懐にあって、 壊れてはいないはずだった。 そこで、ふと。] …… [ ゆらりと揺れる、自分の尻尾が視界に入る。 互いの身体を動かし、彼の首から上を支えるように、 よいしょ、と自分の白い尻尾の上に乗せた。 抑々狐はよく尻尾枕をする生き物である。 重くても、大丈夫。 尻尾に触れられることに慣れていない頬は、 微かに赤くなりはしたけれど。 ふかふかでふわふわの尻尾は、 地面でそのまま休むよりは、身体が楽になることだろう。 兎に角それが一番の理由ではあったけれど、 ――… 自分もそうしたかった、というのは、 内緒だ。]* (206) 2020/05/29(Fri) 21:39:10 |
【独】 軍医 ルーク/* ト書きの話が出ていたけれど、感情が極まると台詞よりもト書きが暴走する民…(ふるえる >シュゼット 傷を手当てして、ふかふかの尻尾枕をお届け! 耳尻尾解禁できたのが後半だったから、ここぞとばかりにもふはもふでもふー、という感じで…! (うさぎさんの耳ももふもふする) (-181) 2020/05/29(Fri) 21:43:02 |
【独】 女子高生 渡辺 入矢/* 不要不急で挟まってしまってた>< アサミアペアは今回も息ぴったりカコカワですね 相方さんにごろごろ尊い ペアの醍醐味 ふぁぁ尻尾枕いいなぁぁ……! (-182) 2020/05/29(Fri) 21:59:21 |
【人】 ミア[ 薔薇色を、見詰めたままだった。 銀の軌跡が迫っても、 いのち が、離れた音がしても、 もし、たとえ、 喉元へ向かったとしても、 そのままひとつも動かなかったに違いない。 ] (208) 2020/05/29(Fri) 22:03:53 |
【人】 ミア髪とか 呪いとかに使うの止めてよ……。 [ それから、 うみのむこうの、そういう話を、想像した。 生き返らせるにも使うんだっけ?とか、 どうも知識は無いようなものだけれど。 ……死んで髪に縋られるのも、 果たして良いことなのだろうか。 鈍い音が床を通して伝わるから、かっこわる、と、 正直に言ってやった。 ] (210) 2020/05/29(Fri) 22:05:38 |
【人】 ミア* 「 ひどいひとね! 」 [ 膝上に乗せた、ちぃさなお姫様が、 "思い出話"に、頬を膨らませている。 だれかがたべてしまったよな、欠けた、三日月。 何時かの、或る日。 舞踏会に飽きたお姫様が、 おんなじように飽きたおんなへせがむものだから、 月が、いっとう美しく見える樹の上に、座っている。 ヒールは根元に置いてきてしまって、 素足を夜風に揺らし。 ] (211) 2020/05/29(Fri) 22:06:45 |
【人】 ミア[ 出自も知らない女が、 "代わり"にやってきたのは少し未来の話だった。 肌のひとつも見せようとせず、 "遠く"から来たとかで、会話も殆ど成り立たない。 声をあげたと思いきや、訛りに気付く、そういう女。 出された食事に興味はあるくせに、 手に取ることもしないよう。 舞踏だけは技量があったものだから、 相手に招かれるまで時間はかからなくて、 ……不機嫌そうに "うっかり" 男の足を踏む事実も言われているが。 ] (212) 2020/05/29(Fri) 22:07:35 |
【人】 ミア「 ねえ、わたし、今日はじめてきたの。 でもおとなばかりでとってもつまらないわ。 」 [ "こども"の気配でも感じたのか、或いは。 ほんとうのこどもは聡いのかもしれない。 柔く巻かれた茶髪を靡かせ、 そう 音も無く攫っていくのも、直ぐのこと! ] (214) 2020/05/29(Fri) 22:08:15 |
【人】 ミア[ 月がよく見えるよ。 舞踏会に飽きた"青薔薇"の声に、 ─── ほんとうに遠くからきたのね、なんて、 そう ひとこと。 ( 場所は何処? ) ( ─── さあ。 ) ] (215) 2020/05/29(Fri) 22:09:48 |
【人】 ミア─── 髪、どうせすぐ伸びるし。 [ その時よりそこそこ伸びたよ、と、 メイドに弄られた其れを示して。 それでも怒っているのだから、 懐にしまい込んだお姫様は"おんなのこ"だ。 お姫様は連れ去ってくれる王子様でも探していたのか、 この光景を 夢見ていたのか、 膝の上、という場所には、満足していたようだけれど。 ] (216) 2020/05/29(Fri) 22:10:35 |
【人】 ミア[ お姫様は耳年増でもあるようで、 一度話すと際限が無い。 ( ─── あの方、御父様が性格悪いって言ってたの。 青薔薇さんが先程踊っていた方よ! 足踏まれて痛そうなの、とっても面白かったわ。 私に優しくないし 私もきらい。 ) ……本当に際限が無い。 かくいう"青薔薇"も興味の外だったから、 踏んだのだってつい腹が立ったのだろう。覚えていない。 ] (217) 2020/05/29(Fri) 22:11:16 |
【人】 ミア[ 片手は樹の幹について バランスを取り、 もう片方はお姫様の細い腰を抱いている。 ひとこと、ふたこと。会話は続く。 親が迎えに来ないあたり貴族様だなあと思うも、 特に何も言わないでおいた。 ] (218) 2020/05/29(Fri) 22:11:36 |
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