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【秘】 Niente ラウラ → 名もなき医者 リカルド確かに、貴方へ聞くのは間違いなのかもしれない。 とはいえだ、ラウラにとっては今 貴方にしか聞く術がない。 それからまともな答えが返ってきそう、という信頼もある。 黙って話を聞きながら、時折相槌を入れて。 それで、悩むように視線を落としたところで。 体に回していた腕を下ろす。 「………………親愛と、友情。………恋、心」 ぽつぽつと、紡がれたものを復唱し。 その意味を考えるように視線がゆっくりとあちこちに向けられる。 「親、と……は…………、」 しないだろう、と両親を思い浮かべる。 顔や声は思い出せやしないけど、そういう対象とは違うのは流石に理解出来る。 「……マウロ様と、…………ツィオ様、」 浮かべたそれぞれの姿に感じるのは、どういう形だろう。 それを今この場で出すには難しいが、……難しい、と思っているが。 自ら望んで手を伸ばし熱を求める存在というのであれば。 ──あれば、と……目を瞬かせた。 何となく、意味を理解出来たかもしれない……多分。 答えを口にするには、もう少し考えるべきだとは感じたけれど。 (-363) 2022/08/23(Tue) 0:52:24 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ「本当にわからないのか?こんな所に来た理由が?」 貴方の瞳を見つめたまま。 その瞳は揺れていて。 貴方の腕を掴んだまま。 その手は少し震えていて。 「怖い事なんか今まで沢山あった。 『家族』が死ぬのも脅かされるのも誰かの勝手にされるのも 俺は全部怖い。怖かった」 「だから殺して回ってた。俺たちの邪魔になる奴ら、 消す必要のある人間、俺は必要なら全員、」 堰を切ったように早口で話し始める。 その声すら少し震えている。 殺しが一番楽だった。引き金を引けばすぐ終わる。 相手は必ず自分たちの敵で、容赦をする必要もないと言われた者たちばかり。 後腐れも無い。気に病む必要も感じなかった。 アベラルドが選んだ、一番『面倒臭くない』仕事だった。 「俺が藻掻いてもお前らが俺の知らない所で死ぬのが怖い」 「奪われんのがもう嫌だから、俺は奪う側に居るのに、」 「……なあ。俺、おかしいこと言ってるか?」 これだって結局は愛の一言に帰結するのに、 なんでこんなに貴方と違うのだろう。 ▼ (-364) 2022/08/23(Tue) 1:03:44 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ「お前が知らねぇ奴に奪われるんなら俺が先に奪ってもいい」 「…………」 「いや」 そこでやっと手を離した。 (-365) 2022/08/23(Tue) 1:05:36 |
アベラルドは、……アベラルドだって、家族を愛していた。 (c26) 2022/08/23(Tue) 1:08:41 |
テンゴは、駄菓子屋の屋台を畳んだ…祭りはもう、終わりだ (a26) 2022/08/23(Tue) 1:11:04 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → Niente ラウラ「わかったか、少しは」 自分も時々、自分の感情がわからなくなる。 己は女房役の右腕だと豪語していても、ヴェネリオに対する感情は親愛や敬愛だ。 マウロやツィオに関しては、それ以上の執着はなくらいの友情であるはずだ。 貴方に対する感情も、少なからず親愛の情くらいは持っているのだと思う。 では、自分の恋心とやらはどこにあるのだろうか。 もしかしたら、今まで一度もそのような感情など持ったことがないのかもしれない。 自分を第一に想ってくれる存在とは、一体、どのような人の事を指すのか、皆目検討もつかなかった。 ―――それでも。 目が離せない人がいた。 好敵手と位置づけて、様々を見守っていた。 その時抱いていた感情を、一体どう名付けていいかは、これだけ語っていても理解ができないのだ。 自分のこととは、かくも難しい。 「わかったとしても、……今は俺しか触れる熱を伝えることはできないんだがな」 撫でていた手をそろりと沿うように下ろして、その背に回す。 引き寄せて、抱きしめれば死後の世界でも、熱くらいは伝えることができるだろうか。 不器用な自分でも、恋心とやらを語る事ができたならいいと、そう思った。 (-366) 2022/08/23(Tue) 1:15:28 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → Niente ラウラ「こんなに素直で優秀なんだから、 さっさとマウロごと俺の部下にしておけば良かったな」 ツィオは嫌いだから放置だ。あいつは一人でなんでもする。 「部下になったらお前達を守るのは俺の役目になる。 無茶さえしなかったら自由にしていい。 普段はリックが出した指示をお前達に流して、 無傷で終わったら俺が褒めるんだ。 金の稼ぎ方まだ詳しくはしらないな? もう少しまともな仕事を斡旋してやる。 それで出来たお小遣いでお前は好きな物を買う練習をするんだ」 つらつらと告げるのはもう無い未来。 そうであっただろう不明確な夢は信じるも信じないも自由だ。 「時間が余れば、こうして茶や菓子を嗜んで――。 無いなら趣味でもストレス発散の方法でも、探すのを手伝ってやる。俺は時間があるときは暇だからな」 趣味は<kana 監視>覗き<kana>。ストレス発散に菓子を作ることを勧める程巫山戯てはいないが、きっと目の前のあなたなら何でも吸収するのだろうと思って、誰かの叱る声を脳裏に思い浮かべていた。 (-367) 2022/08/23(Tue) 1:15:42 |
ヴェネリオは、" "を重ね、誓いを交わした。 (c27) 2022/08/23(Tue) 1:17:40 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 無風 マウロ「おい、怪我人」 突然、ファミリーの女が声を掛けてくる。 それがアジトか、街中かは分からないが。 さして親しい訳でもないが、 武器整備人としての腕は悪くないようで、 あなたの幼馴染も武器の調整を頼んでいるのを 何度か見た事があるかもしれない。 それが、どこか不機嫌そうな顔であなたに寄ってきた。 「あんたに伝言がある。ただし他言無用。聞くか? 聞かないんならあたいはさっさと帰る」 なんとも、一方的で、情報の少ない言葉。 眠たげに擦る目の下には隈が出来ている。 (-369) 2022/08/23(Tue) 1:52:49 |
【人】 無風 マウロ>>12 悪友 【アジト廊下】 「……そもそも、お前ら」 「俺が、勝手にアルバの連中片っ端から、手出してるように言うけどな…… この抗争に、関係のない―――羽虫みたいなやつらの排除だって、裏でやってたんだぞ」 「俺たちのシマで、好き勝手やろうとしてるチンピラども、とかな」 要はまあ。気に入らない物を苛立ちのままに排除していただけなのだけれど。 役に立っているならいいだろうと、子供の頃のようなぶすくれた顔。 「証拠がないうちは、そういうバカ共を潰す仕事が待ってる。 証拠探しの、役にくらいは立ってくれるだろ。そういうどこにでも顔出してる、連中は」 「……ハ、あいつのしかめっ面が目に見えるな」 饒舌に喋っていたかと思えば、君の言葉にもう一人の悪童は笑って。 ふいに壁から一歩離れ、君の方に倒れ掛かる。 傷口も開いているだろうから、体力の限界を迎えていた。 「あー……じゃあ、まずは」 「身体を休ませるところから、だな……肩、貸せよ…ツィオ」 (13) 2022/08/23(Tue) 2:06:37 |
【秘】 無風 マウロ → 冷たい炸薬 ストレガ重傷の人間だ。あの会議の後は、暫く自室で大人しくさせられていたのだろう。 空気を吸うくらいならとアジトの廊下を歩いていた時にでも、あなたとばったり出会ったのかも。 普段よりそれほど愛想の良いやり取りをしない間柄であるからこそ、あなたのその様子に何かを言う事もなく。 「伝言なら伝えろよ。 頼まれた相手にどやされても知らねえぞ…他言無用ってんならそれは構わねえ」 内容は?とあなたの答えを待った。 寝不足そうな様子を見れば、この組織も不調の人間が増えたものだなと思うけれど。口には出さない。 (-370) 2022/08/23(Tue) 2:17:24 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 無風 マウロはあー、とため息ひとつ、面倒臭そうに。 「どやす元気もないだろうよ…… むしろあたいがどやしたいくらいだ」 その前置きの後、辺りを見て 誰もいないのを確認して。 「あんたの"兄弟分"からの伝言だ。 『無理をするなよ』。以上」 手短にそう伝えた。 「ツィオにもあたいから言っとく。 ……これを『資料が出た今』、 あたいが言ってる意味、わかるだろ?」 確かに伝えたよ。 ごつごつと、ブーツの音を響かせて。 ストレガは、去っていくだろう。 (-371) 2022/08/23(Tue) 2:29:54 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → どこにも行けない ヴェルデ「そう見える?」 ふ、と。 気取ったように笑う姿は、いつもの顔だ。 ――いつものとおりに、作ったような、澄ましたような顔。 「大したことじゃあ、ないよ。 他に行く当てがなくて、どうすることもできなくて―― 好きになるしか、なくて。 男の元にいた」 過去のことなんて、女はめったに話さなかった。 だからそれはきっと、気まぐれ。 あなたの手の暖かさにぽたりと溶けた、 かたちのなく静かな結露にすぎなかっただろう。 本当のことを言っているかどうかも、わからない。 それでもその表情は、 懐かしげで。 ――そして、もう失った何かが、そこにあったのだ。 ↓[1/2] (-373) 2022/08/23(Tue) 3:34:31 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → どこにも行けない ヴェルデ「当然でしょ、借りたら返す。 ……まーそうね。 けど、うん」 瞬く瞳に、僅かに笑みをたたえた口許が映る。 「急ぎ。 ……急ぎだよ、ヴェルデ。 やっておけばよかったなんて後悔、私はもうしたくない。 どこかに行くのはね、早い方がいいんだよ」 その日のビアンカは、あなたの手を離さなかった。 もういいと言ったって、なんだかんだと言い訳をして握ったままで。 [2/2] (-374) 2022/08/23(Tue) 3:34:51 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → エースオブ―― ヴィオレッタ一夜の夢を見せる。 そんなロマンチックな言葉を、女はめったに口にしなかった。 娼婦という職業にある種の誇りをもち、 春を鬻ぐことで生きて、 そして自らを嫌悪する。 矛盾だらけの夢は、そんな彼女の――あるいはあなたの――生き様のようであった。 「……ん」 あなたの微笑と頷きに、吐息のような声が漏れて。 ビアンカは、唇をゆがめた。 ゆがめたようにしか、見えなかった。 ――なんと下手くそな笑顔だろう。 曲がりなりにも男を蠱惑することを生業とするものが浮かべていい顔ではなかった。 けれど、あなたの前で、ビアンカはそのようにして微笑うのだ。 今日の彼女は素直だ。 ぞろりとした布を幾程纏っても、メイクを肌に塗り重ねたても、隠せないものがある。 あなたの胸中を、夢のような計画を知ってか知らずか。 笑顔めいたできそこないの表情を浮かべながら、ビアンカは目の前で掌を開いたり、閉じたりしている。 酒精を含んだにも関わらず、その指先は真っ白いままだった。 ↓[1/2] (-375) 2022/08/23(Tue) 4:13:38 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → エースオブ―― ヴィオレッタ↓ 「だあって、現実的に考えたらそれしかないでしょ? うちの会社は国外の伝手が弱いからさあ」 濡れた唇の前で匙を無作法に揺らしながら、非現実的な話を語る。 籠の鳥が空を望むのは、道理に合わないことだ。 誰しもが持っているありきたりの現実すらも 決して叶わない夢になる。 たとえこの食卓がどれほど和やかで温かくとも、 女たちが生きているのは、そういう場所だった。 「……お金は平気。 って、言いたいトコだけど、…… ………。 ……………ガキひとり、 大学にいれるのって、いくらかかるか、ってわかる? 」ああ、これは非現実的だ。 叶うはずのない話を、彼女はしたいのだ。 [2/2] (-376) 2022/08/23(Tue) 4:14:06 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → 家族愛 サルヴァトーレ「ヤ」 一言だけ、微笑って。 赤い舌が、悪戯気にまた揺れて。 「ちゃんと送りだして、カタギに戻してやらないと気持ち悪いったら、ないでしょう」 ビアンカは、寂しい、なんてめったに言わなかった。 あなたが口にするならば、それを慰めるように抱擁するし。 ――商売中は、寂しい、会いたかった、と何度も言ったけれど。 本当の意味での寂しさを、口に出すことはなかった。 それが多分、彼女がここで生きていくために必要なことだったのだ。 ↓[1/2] (-377) 2022/08/23(Tue) 4:23:09 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → 家族愛 サルヴァトーレ↓ 「そうして。 ……ん、……うん。 まあまあ楽しかったよ」 靴音が止まる。 彼女は微笑う。 楽しい時間は、早く過ぎる。 たとえそれがまぼろしでも、それを確かめるすべなどない。 ――だから、やっぱり。ビアンカは、そのくだらないまぼろしが、 「はあい、よろしく。 ──……愛してまあす」 わりと。自分自身ほどには、きらいじゃなかった。 わざとらしくそう言って、手を振った。 ――あなたが去るまでは、そうしている。ここは、店の前だから。 彼女は娼婦だ。 望まなくても、苦しくても、寂しくても辛くても──……そう生きてきたことを否定できるほど、器用な女ではなかった。 [2/2] (-378) 2022/08/23(Tue) 4:23:51 |
【秘】 無風 マウロ → 花で語るは ソニーマウロ自身、経験が全くないわけではない。 但し、それは追い詰める手段として。攻撃的なものでしかない。 恋だの何だのとは無縁の生活であったし、興味もなかった。 誰かと触れ合うことも、殆どなかったわけで。 だからこそ、今。 年下に見える君に、全く接点のなかったからこそ、素直に甘えてしまっているのだろう。 慣れていない同性との触れ合いに、口付けに。 であったとして、されるがままというのは性に合わないものだから。 舌先が唇をつつくのなら口を開き、絡めるように君の舌を追いかける。 お互いの吐息が混ざり合うのが、どうにも昂りを煽っていく。 「、……っおい……お前、外で」 外気に晒された肌に、生暖かい空気がまとわりついて。 酔っている頭にも、ここがそういった行為に適していない事は分かる。 誰も通らないのであるなら、それは気にすることではないのだろうけれど。 だから、気にしないで行為を進めていくことは出来る。 クソ、と悪態のようなものをつき 青年も空いている手を君の頭へ伸ばす。 指先で耳の後ろを、くすぐったさから扇情をあおるように撫でている。 (-379) 2022/08/23(Tue) 4:56:37 |
【秘】 無風 マウロ → 冷たい炸薬 ストレガ「………は?」 兄弟分と聞いて、ツィオのことがよぎる。彼があなたを通じてそんな言葉を掛けるものかと思っていたが。 しかし、続く言葉に 青年は目が点になったような顔をして。 上の言葉が漏れたのはその後だ。 そして少し置いてから。 「はは……ははは。何だそれ」 「どうなってんだよ、俺たちは」 もし奇跡というものがあるのなら。 それを信じてみてもいいのかもなと思ったのだ。 「ありがとな、ストレガ」 去っていくあなたの背中に、言葉を投げかけて。 青年も暫くすれば、その場を離れていったことだろう。 (-380) 2022/08/23(Tue) 5:05:02 |
マウロは、おまえらときっと同じ気持ちだ。 (a27) 2022/08/23(Tue) 5:05:37 |
【秘】 花で語るは ソニー → 家族愛 サルヴァトーレ思えば、どうしてこんなことをしたのかなんて。 先走った愚か者、背信に狂った裏切り者が誰かなんて。 言葉にしてもよかったのかもしれない。あの会議の場でも。どこでも、なんでも。 "マウロ"と呼ばれた男が誰に殺されたのか。組織の益にならないとわかっていて、なぜ。 誰のせいでもない。男は己自身の我意と傲慢によって、地獄の底まで落ちるのだ。 本当は誰かが止めてくれることを望んでいたのかもしれない。 本当は誰かに裁かれることを望んでいたのかもしれない。 けれどももう、たらればでは意味がない。 友人も、追う背中も、連れ立つ小さな手も、見守る瞳も、全部一度に失って。 見据えるべき明の金星さえ失った男はいずれ、自分自身さえ手放してしまうだろうから。 みなが貴方という傘の下に身を丸めて体を寄せ合う、その中に在れたなら。 ひょっとしたら、誰のことも失わずに済んだのだろうか? 「……うん」 寄せられる唇の柔さ、体温の暖かさ。優しさの帳の中に隠れるようにして、口を閉ざす。 丸まってあやされる子供のようだ。抗うこともなく、腕の中で目を閉じて。 己が組織の中で用立てる為に、その体はしっかり鍛えられたものだったけど。 それでも、どこかで立ち止まってしまったままのような面立ちはあどけないままだ。 「ドライブがいいかな……車の中でするの好きだから。 ……ね。もうちょっとだけ甘えてても、いい?」 首筋に頭を擦り寄せながら、煙草を手にしていた手は火口を灰皿に押し付けて手放される。 ほんのすこし、最後のひととき。貴方が居なくなってしまうその前までは。 短い安寧に身を委ね、失われるものがないようにと願い続けているのだろう。 全部手遅れだ。 (-381) 2022/08/23(Tue) 7:20:59 |
ソニーは、かつては《天使の子供(Sonny Amorino)》だった。 (a28) 2022/08/23(Tue) 7:22:20 |
ソニーは、けれども己の中の悪魔が囁く言葉に耳を傾け、復讐に己の人生を売り渡してしまったから。 (a29) 2022/08/23(Tue) 7:24:15 |
ソニーは、マルガレーテの居ないフォースタスには、祈りによる救済が与えられることはない。 (a30) 2022/08/23(Tue) 7:25:06 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → ”復讐の刃” テンゴ「奇遇だな」 「俺は 為すべきこと なんて、生きることしかない」その熱を納めろと、アッシュグレーの瞳は冷ややかに見つめて踵を返した。何度もその瞳を見ることになるだろう、何度もその刃を傍に感じるのだろう。 そんな"嫌な予感"がしていて、口には出さなかった。 「早死にするなよ、俺たちボスのためにだ」 その後順当にメイドマンに上がっていったヴェネリオとは違ってコンシリエーレになったときはどうしようかと思った。 ファミリーではなくお前が幹部と相容れないのだろうと文句をいいながら酒を交わしたのはもう10年以上も前の話だ。 「テンゴォ、 お前のパートナーどんなやつだったんだ 」次第に丸くなって見えてきたその性格を、逆立てるのも煽るのも大体が俺のせいになったのも居心地は悪くないものだった。 (-382) 2022/08/23(Tue) 7:52:47 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → デッド・ベッド ヴェネリオ「……無論だ。俺たちはあの方の為にあるのだから。」 東洋人特有の漆黒の瞳が、アッシュグレーの瞳を追い、そして刃は下げられ、鞘に収まった。 その意見だけは、一致していた。 ボスの為に自分たちは居て、その為に身を粉にするのだと。 ただ。 早死にしないなんて、そう簡単に言えなかった。 自分は余所者だ。貴方と違っていつ殺されてもおかしくはない。ボスの目が黒いうちは、大丈夫だろうが。 その考えは変わらない。昔も、今も。 コンシリエーレになったのは何かの間違いかと思った。 余所者の自分がどうして、あの幹部連中に話を通せようか。 頭を抱えて、友人の文句を聞きながら酒を交わしたのは懐かしい思い出だ。 「なんだ、藪から棒に。そりゃあ、いい女だったさ。濡羽色の髪が綺麗で、花が良く似合う凛とした女だったよ。」 「そういうお前さんこそ、どうなんだ。女の一人や二人、居てもおかしくはないと思っていたがな。」 お互いに丸くなって、だる絡みや昼行灯を気取っても変わらない関係は、心地良かったし、嫌いではなかった。 (-383) 2022/08/23(Tue) 8:39:55 |
リカルドは、それでも止めたいと、死の淵でも思っている。 (c28) 2022/08/23(Tue) 8:55:08 |
テンゴは、何処まで行っても余所者だ…イタリア人ではないのだから。 (a31) 2022/08/23(Tue) 8:57:25 |
テンゴは、だから、これでいい。全ては最初から決まっていた事だ。 (a32) 2022/08/23(Tue) 8:59:31 |
【独】 エースオブ―― ヴィオレッタ/* あのね。すき。 そういうの、めさめさ刺さります。 素直じゃない家族への愛情って、もう、もう!! そんなのチラ見せされたらもう!!!! 自分にしか見せない表情っていうのも、そそりますよね。 ぞくぞくします。最高です。 (-384) 2022/08/23(Tue) 9:28:47 |
【独】 エースオブ―― ヴィオレッタ/* ソニーさんも苦しんでるっぽいな〜〜。 止めてあげるべきだったのかな……。 命を握るって怖いですね、めさめさ悩む。 悩むのも嫌いじゃないのが困るところですが。 (-385) 2022/08/23(Tue) 9:34:39 |
フィオレロは、俺はひとかけらもよくありませんけどね。 (c29) 2022/08/23(Tue) 10:25:45 |
【置】 ”復讐の刃” テンゴ【三日月島:どこかの森の中】 土を掘り返す男がいた。 穴は2つ。然程大きくはない。 男の傍には、鉢植えが二つあった。 馬酔木と、カランコエだ。 男は此処に植えていくつもりだ。 どうせならば、此処の方が良いと思ったから。 自分もいつ死ぬやら分からない身である。 枯れるよりは余程良い。 (L3) 2022/08/23(Tue) 10:33:18 公開: 2022/08/23(Tue) 13:00:00 |
【人】 ”復讐の刃” テンゴ【駄菓子屋:店内】 異国情緒溢れる店のカウンターにて。 飴の詰まった瓶をいくつか並べて、眺めている店主がいた。 一つは、 べっこう飴。 店主の一番のお気に入り、親しんでいる物。 一つは、 オレンジの飴。 太陽の光をいっぱいに浴びた柑橘は甘みが強い。 一つは、 抹茶ミルク飴。 この島では馴染みのない味で、珍しがられるもの。 「…さて、どうするかね。」 ころり、ころりと瓶の中で転がる飴を眺めて、独り言ちた。 (14) 2022/08/23(Tue) 10:40:54 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド揺れる瞳も、震える腕も、男は静かに受け止めていた。 濁流のような言葉も、それでもまだ震える声も、男は静かに受け止めていた。 いて。居て。 君の言葉が途切れた頃、ようやくその頬に手を伸ばす。それから。 色の薄い唇を、君のそれに重ねた。 時が止まったように感じたかもしれないし、与えられる人の体温が不快だったかもしれない。 或いは、それとも。 離れたのは君が拒んだからかもしれないし、男が自分からその身を離したからかもしれない。 或いは、それとも。 どうあれ男は君に口付け、それから微笑った。 「随分と熱烈な告白をするじゃないか。誰に教わったの?」 「妬けるな、少し」 笑っている。 それは、少し。あまりにも。 「僕は死なないよ、ドニ」 ────滑稽だった。 人はいつか死ぬ。いずれ死ぬ。必ず死ぬ。誰だってわかっている。ここじゃ子どもだってそれを知っている。 それなのに男は、心から信じているように言うのだ。当たり前のように言うのだ。まるで陳腐な映画の主人公のような朗らかさで。 「君たちを愛しているから」 男の言葉はいつも甘い。 ────甘い。 ▼ (-386) 2022/08/23(Tue) 10:41:55 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「だからね、ドニ」 咲う。 「欲しいならいつでも言えばいい。いくらでもあげる」 酷く滑稽で、愚昧だ。 思えば男には欲があまりなかった。 食欲だとか、性欲とか、そういったものは人並みにある。辛いものは苦手で甘いものが好き、なんて選り好みはするし、ワインだって赤よりは白が好き、だと零すけれど。何かを欲しいだとか、足りないだとかと、強請ることはなかった。 ただいつも与えた。際限なく与えた。 与えられるものをいつも探していた。 欲しいものなんてなかったのかもしれない。 彼の瞳に淀みはない。 彼の言葉に影はない。 彼の表情に澱はない。 彼の行為に毒はない。 ただ、愛だけがある。 (-387) 2022/08/23(Tue) 10:44:15 |
サルヴァトーレは、家族を愛している。 (c30) 2022/08/23(Tue) 10:45:48 |
テンゴは、いつも通り、飴を袋に入れて懐に仕舞った (a33) 2022/08/23(Tue) 11:01:58 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド「子供は撫でるとすぐ機嫌をよくして泣き止む」 「素直であればあるだけ、俺のそばにはそんなやつらばっかだった。 ノッテは――わけのわからんやつらばかりだったのに、全員素直で。びっくりするほどだったな」 ぽつ、ぽつと呟かれる低い声と共に落ちてくる熱のない手。 あなたを眠りに誘うように、優しく慈しむように一定のテンポで撫でられ続ける。 「ツィオもマウロも、行動と言動が合わない分わかりやすい。 顔を変えられる分ツィオの方が昇進が早かった、気に入らなかったがな」 バラバラなくせに息のあった三人を見ていた。同じ孤児院から出たなりの絆はそこそこに固かったようで。 そのなかでも真っ先に俺を目をつけたお前を引き抜いた。今となっては一気に三人引き抜けばよかったよ。 「レヴィアとストレガはワンマンに見えて自分の実力を確実にボスに提供していた。ありゃ一人軍隊だよな、女の戦い方は違うぜ」 実力者であれば性別なんて関係ない、それを体現した彼女たちは常に気持ちがいいほどの一言で会議を鎮めてくれた。あいつらがいればこのファミリーは安泰だ、あれを越えられない男はここでやっていけない。 「テンゴは、昔は血の気が激しくてな俺が丸くしてやった。 フィオレロが来てからは懐かれて落ち着いたが今はもうまた復讐の鬼だ。 あの男はマフィアに馴染まないな、せいぜいかわいいワンコに癒されていればよかったんだ。さっさといなくなっちまってよ、せっかく俺の孤児院任せるつもりだったのに」 親友を想い、想う。なんだこの感情は。 そろそろ寂しくなってきてるんだろうか。弱音とは思っていなかったが、ここには好きなやつらが多すぎた。 一緒に生きていきたいとおもった、家族が多すぎたんだ。 男はもっぱら甘い男であったので。 (-388) 2022/08/23(Tue) 11:02:16 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 名もなき医者 リカルド「そうだ、ラウラは――俺が家族にして連れていく。 死んだやつの人間のことは疵でのこしても、もう惜しむな。 生きている人間たちの幸せを祈れ」 過去を思い返していたぼやきを流すように、一人のアソシエーテだった女の名前を告げる。 一度手を止めれば深く息を吐いた。 「リック、お前は優秀で最高の男だ。 よく俺を、友を、家族を守り抜いた」 「お前のことは信じていなかったが、 俺や家族のことを好きな感情だけは信じていた。 だから信頼できたんだ。 マフィアは嘘をつかない、有言実行が幹部の鉄則だ。 お前は大きくなれるよ」 「返事はするな、これはでかい独り言だ。 頑張った子供は早く疲れて寝ちまえばいいんだ」 (-389) 2022/08/23(Tue) 11:07:01 |
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