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【秘】 銀の弾丸 リカルド → 無風 マウロ「――――メス」 地下施設に秘密裏に用意した医療施設は、本格的な病院と比べても遜色ない最先端のものが用意されている。 それは、密輸業で稼いでいる男にとっては造作もないことだった。 心肺を人工的に補いながら、銃弾を取り除いた。 幸い、心臓を貫通してないから助かった。 ショックで一時的に心肺が停止していたが、これならば、きっとどうにかなる。 損傷した臓器、血管に適切な処置をし、縫合する。 マウロの血液型も事前に調べておいたのが功を奏した。 大量に出血していた分、大量の輸血用の血清が必要だったが、なんとか用意しておいた分で足りたからだ。 「…………心肺蘇生手術、終了」 このために用意しておいた医療スタッフから安堵の声が漏れ 自身も胸をなでおろし、眠る貴方の顔を覗く。 本来なら、余り動かすべきではないが 生憎医療施設は秘密裏に準備したものだからここに匿っても世話が難しい。 「ここには病室はないから、俺の部屋で面倒を見る。 必要な点滴を準備してくれ」 必要なものを全て用意し終えると、貴方の体を決して揺らしてしまわないよう細心の注意を払って、自分の部屋へと連れて行くだろう。 貴方が目を覚ます頃には、部屋の主の姿はない。 ただ、貴方に1通の手紙だけ、遺していた。 (-401) 2022/08/20(Sat) 16:59:08 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → ”昼行灯” テンゴ「えぇ、……そうですね、きっと叱られることでしょう。 自惚れでも何でもなく、俺はあの人のストッパーです」 右腕として、女房役として、ずっと側に仕え、時には諫めることだってしてきた。 上司のストレスを少しでも軽減出来るように努めてきたのだ。 自分が死んでしまっては、それが出来なくなることは心残りではあるけれど……それでも。 今から俺がやることはきっと、俺にしか出来ないこと。 その過程で死んでしまったとしたら、それは単に自分の力不足なのだ。 「けれど、俺はあの方のために命をかけることが本望です。 勿論進んで命を捨てようとは思いませんが……俺だから出来ることを、してこようと思います」 「もし、俺が生き残れたなら……その時はまた茶でも飲みましょう」 (-402) 2022/08/20(Sat) 17:06:49 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 鳥葬 コルヴォ「あら、新品が良かったの?」 「随分長生きする気なのね。」 皮肉には、皮肉を。 趣味が悪いのね、なんて一瞥もせずに言いながら。 しかし声に忌避感はない。 元より、なにもない女に。 奪われるものも、ないものだから。 「身に着けたものが寿命を全うできる方が珍しいでしょう。」 撃たれ、殴られ。 荒事と隣り合わせなれば、装飾品など消耗品になり果てる。 修理が利く程度の損壊だったらいいわね、なんて。 心の籠らない言葉を淡々と。 そうして、踵を返すあなたを見る。 懐中時計はカウンターの内側、 引き出しの中にコトリ、としまわれた。 そうして、貴方の背中を見つめて。 「またのご来店をお待ちしているわ。」 その時私がここに居なくとも。 (-403) 2022/08/20(Sat) 17:18:56 |
【秘】 どこにも行けない ヴェルデ → 銀の弾丸 リカルド少年は曖昧に笑った。 灰被りに、白雪姫、それから捨てられた兄妹。 母親に虐げられる童話は存外多い。 少年は、もう、それがふつうではないことを知っている。 けれど事実として、ずっとそれがふつうだったのだ。 そしてそれは、もう、なかったことにはならない。終わったことだから。 「……ん」 それでも、取り返しのつかないものばかりでもなかった。 あなたとの交わりの中で確かに欠落の一部を埋め、少年は人間になった。 人間として死ぬことができた。 それはきっと、幸いなことだった。 「ちゃんと読む」 「けど、わかんないことあったら。 ……また、教えて」 結局、根拠もなくそこにあると信じていた未来は失われてしまった。 この物語を最後まで読むことはできなかった。 あなたともう一度、言葉を交わすこともなかった。 だとしても。 (-404) 2022/08/20(Sat) 17:22:40 |
【秘】 郵便切手 フラン → ショウダウン ヴィオレッタ「……そうですね。 世の中、信じられないくらいの暴力が急に降りかかる。 まるで嵐です。後には残骸しか残らない。 自分には、そんなことをするつもりも度胸もありませんから」 テーブルを見つめたまま、帽子の生地に少し皺が寄る。 息を吸って吐いて、気分を切り替えた。 「………喜んでいただけたのなら良かった。 また差し入れができれば嬉しいんですが」 願望を一つ呟く。 明日の命も不確かなことなんて知らないけれど。 少し待てば、注文はつつがなく運ばれてくるだろう。 (-405) 2022/08/20(Sat) 17:28:38 |
【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 小夜啼鳥 ビアンカ>> ビアンカ 「”お客さん”とのあなたを知っているから、言うのですよ。 ……でも、まぁ……私も、」 あなたとの会話では見得も謙遜も要らない。 弱みも愚痴も、誰にも言わなかった夢も、隠さずに済む。 仕事先は知っていても連絡先も知らない、 けれど他人というにはお互いによく知っている。 あなたとの関係は―― ふと浮かんだ言葉は、ワインと一緒に流し込んで。 そんな青春い事を言える仕事でも、歳でもないのだから。 「えぇ、お任せてください。ワインも、料理も。 素敵な……きっと、素敵な夜になるよう、いたしますので」 女の夢もきっと叶わない。 金の為に手を汚して、子飼いになった時に諦めたのだから。 未練で買い続けている本は、棚の上の方に押しやられて 手の届くところには手品やマナーの本ばかりだ。 本当に今日は変わった表情ばかりするのですね また、思う。けれど、それは口に出さずに。 代わりに、トマトを一つ口に放り込んで、キッチンへ戻る。 「……何か、あったのですか?」 視線は料理を再開した手元へ向けながら、尋ねる。 (-406) 2022/08/20(Sat) 17:49:48 |
【人】 piacere ラウラ【どこかのバー】 >>52 >>53 >>54 ツィオ様 頬を包むようにして触れた手のひらは、大きな手の中に包まれて。 重なる手のひらからお互いの熱が交じり、溶け合う。 ラウラはあの日確かに望まれたなら、差し出すつもりでいた。 けれど貴方は、それを望まずにいた。…それが答えだ。 だから望まない。望めない。貴方にだけは、望むべきではない。 …もしも貴方が"先"であれば、答えは異なっていたかもしれない。 でもこれは"もしも"の話で、"今"にはない 空想話。 謝罪はしない。するべきではない。 似ているなどと分かったような口も聞かない。 きっとそれでいい。ラウラは自分の意思で、そう考えた。 ▽ (55) 2022/08/20(Sat) 17:56:45 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニーきらりと光を捕まえるジェイドの瞳。それを男は可愛く思う。 男は君を子どものように扱うが、その実君が最早ただの子どもではないことをきちんとわかっている。 それでも、だからこそ、少しでも変わらぬところを残していてほしいと思いながら。 陽光を跳ね返すその翠に目を細めた。 「裏切り者がいたら?」 対照的に深く息を吸う。馴染んだ味を染み渡らせる。 「どうだろうね。僕は────」 男は、少し笑って。 「家族を殺したくはないな」 甘い言葉を吐く。 「そうならないために、僕がいるのだから」 顧問。 ファミリーの一員でありながら、それらの立場から少し浮いたところにいる存在。 直接的に何かを行うことは本来少ないはずのその立場にありながら、男はまるで中間管理職でもあるかのようにせっせと現場に足を運ぶ。 「なにか苦しいことはないか」 「なにかつらいことはないか」 「なにかいやなことはないか」 「家族が裏切り合う前に、どうにかできないか」 「それが僕の役目だからね。……参ったな、どうしよう」 ▼ (-407) 2022/08/20(Sat) 17:56:56 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニーファミリーの仕業なら、僕がみんなを見られていなかったってことだ。 そんなことを暗に滲ませる様は、なんとなく楽観的に見えるだろうか。 組織を家族に例えるのではなく、もっと親密さを持って。そのまま家族だとするような口調は、似つかわしくない温度を持つ。 「君は、どうしたい?」 (-408) 2022/08/20(Sat) 17:57:08 |
【人】 piacere ラウラ【どこかのバー】 >>52 >>53 >>54 >>55 ツィオ様 指先に触れる熱に菫色を向けて、少しだけ目を細めた。 貴方が何を背負うのか、ラウラは知らない。何も、何ひとつも。 この問いにどんな意味が含まれていたのかも、本当の意味では理解出来ない。 選ばなかったことが正しいのか。選ぶことが間違いなのか。 その答えも結局、分からないままだ。 「…えぇ、勿論です。ラウラは ツィオ様の幸せを、願いましょう。 生きている限り、ずっと。…ずっと、貴方様の幸せを」 願い続けましょう。それが貴方の願いであれば。 それで少しでも──救いになるのであれば。 頬の手はそのままに、椅子から立ち上がり 背を伸ばす。 叶うなら貴方を引き寄せて、その額に口付けを。 ──それから、貴方の耳に口元を寄せて……。 (56) 2022/08/20(Sat) 17:58:37 |
【秘】 piacere ラウラ → 狡兎 ツィオ「…痛みを、堪える必要はありません。苦しまないで、ください。 どうか、…どうか。………今だけは、誰も見ていません から」 包まれる手を動かすことが叶うなら、貴方の髪を優しく撫でる。 貴方が与えられるには遅すぎる……なんて、ラウラは思わない。 せめて今だけは、貴方の傍で。 全てを受け止めると傲慢な言葉は言えないけれど。 僅かなものでも、残せるように。 ………本当は、知っていました。 ラウラの約束や願いは、いつも叶わないこと。 知っていたのです。それはまるで、呪いのようで。 それでもどちらも、捨てられない。捨てたくない。 ──貴方の手で堕ちていく方が、もう少し夢を見られたのでしょうか。 答えはきっと、見つからないでしょう。 …もしも貴方から伸ばされる手があれば、なんて……夢物語。 "終わりを告げる宣告"が、近づいている。 誘惑か、宣告か。そのどちらをも受けるとすれば、己の肉体は何処へ向かうのだろうか。 考えても、仕方の無いこと。……仕方の、無いことだった。 (-409) 2022/08/20(Sat) 18:00:03 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → ノーモアベット マキアート「なら、それを」 マスターにオーダーを告げる。マスターの手つきは流麗で、カクテルを作る音もほとんど立たない。 「確かに忙しいけれど、僕は楽しくさせてもらっているよ。可愛い家族に会えるわけだし」 「君のところも、上々のようだね。よく話を聞く」 やがてやはり静かにグラスが差し出されれば、軽く持って乾杯を。 (-410) 2022/08/20(Sat) 18:04:09 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド「堂々とトップを獲っておいた第三者がほかをほっとくって事はないだろうな。 手が回ってる筈ではある、その影響がどれくらいあるのか、…… ……うちの、まだ構成員じゃないガキまで手を伸ばしたのはどういうわけかは、知りたいな」 ぽつりと零した言葉は僅かばかり勢いが削げていた。思うところはあるのだろう。 恨みというよりかは、わずかな後悔、未練、そういうもの。 頭の重くなるように下がった視線は、すぐに相手の表情に焦点を合わせた。 「結論が出るのは遅くなるだろうな、とだけ。アンタたちより戦力を減らされたもんでね」 相手の狙いに挑発するような向きがあったとしても、それに応えるものはない。 事実そのものが黙秘を示している、背面に隠すものもないようなもの。 端的に伝えたことで、それ以上の追求を防ごうという向きもあったのだろう。 相手の注文の品が届けられ、従業員が部屋を出ていく。 革靴の音が遠くなったのを聞きながらに、グラスの中身を干してしまう。 は、と吐いた息は酒臭く、手首にはまだらに血潮の色が浮き始めている。 ソファから立ち上がって、テーブルを回って相手の方へ。問いかけたそれを確認するように。 背を丸めて眺め下ろす。傷と言うに近いのだろう周辺を確認して、指を伸ばす。 「……乱暴に開けた? 言えばどうとでもしたのに。 後で膿みやすくなるし、穴に負担が掛かってよくないよ」 (-411) 2022/08/20(Sat) 18:09:29 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「いつ来ても片付いているね、ここは」 「そういえばどうだったの? 行くって言ってただろ、新作のオペラ」 君の人となりがわかる調度品。こじんまりとして、しかし確かな存在感を持った趣味の品。 そう代わり映えしないそれらを、来る度男は面白そうに見遣った。何かが増える度にこれは、と聞いたものだ。時には勝手に持ってくることも。 「いいもの飲んでるね、ドニ」 冷蔵庫におさまったワインのラベルを指でなぞる。 「うん?」 それからチョコラータの箱に目を留めた。 見慣れないパッケージだったのかもしれないし、それがこの冷蔵庫に似つかわしくなかったからかもしれない。 「試作品?」 軽やかな口調で問いかけながら振り向いて。 二人でいる時、この男は普段より少し早口だ。 (-412) 2022/08/20(Sat) 18:19:12 |
【秘】 花で語るは ソニー → 家族愛 サルヴァトーレ「その目的がファミリー同士の混乱を招くことでなくとも、 こうして向こうを焚きつける理由になりえるのだったら、放置はできない。 それが上からの指示ではないとわかったなら尚更、その責務は背負わされるべきだ。 味方の首に手を掛けておらずとも、誰の命に背信しているかを識らしめないといけない」 冷たい判断、ではない。そうあるのが必然だ。 それがわかっているからにこそ、蛮勇の主は名乗りを上げてこないのだから。 未だ自分たちの中から被害は出ず、明日の結果を知らぬうち。 水面下の動きをいくらも想像してはそれが空論であることを、己に叩き込んでいる。 酷く、酷く優しい言葉を受けて、しばし耳を傾け口を閉ざした。 眼下遠くに見える街の彩りと霞ませる煙のゆらぎに目をやって。 まだ火の着いた煙草の先には、薄暗い灰色が伸び始めている。 「オレは、オレなら……見せしめのために、殺すでしょうね。 互いの停戦の理由としてこの上なく相応しい。 首一つの扱い如何でコレ以上の被害を増やさずに済むのなら、それでいいと思います」 どうしますか、と男は言った。どうすればいいですか、ではなく。 自身に対する指示を仰ぐのではなく、貴方ならどう対処するか、と聞いたのだ。 おそらくは無意識の言葉選びだ。何か狙いのあったものではない。 であれば何が、深層心理の水底から表層へ上がってきたものなのだろうか。 (-413) 2022/08/20(Sat) 18:37:31 |
【秘】 ショウダウン ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン――本当に、いい人です。 こういう人が、幸せな家庭というのを作るのでしょうね。 少し、羨ましくて。 少し、悔しくて。 だから少しの意地悪を。 「今日は……よくお話くださるのですね?」 また、くすくすと笑う。 注文の品が届くと、テーブルから手を下ろして ホットミルクのカップを両手で包んだ。 夏の最中にホットミルクを、と思ったけれども 手から伝わる温もり、ほのかに甘いミルクの香り。 それらにどこかほっとして。ゆっくり口へ運ぶ。 「そう何度も貰ってばかりは。 今度、お店を探してみることにします」 少し申し訳なさげに断って、 ゆっくりカップをテーブルに戻した。 (-414) 2022/08/20(Sat) 18:37:56 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ「散らかるものがねぇんだよ。物が多いと面倒臭え」 「ああ、あれな。良かったよ。評判通りだ。 もう一度見に行ってやってもいい。お前の分のチケットも取ってやろうか」 面倒臭いだの怠いだの言う割に、片付けを放り投げる真似はしない。 プライベートでも仕事でも本当に面倒な事になる前には動く方だ。 部屋に並ぶものは人に貰ったものも多い。 それこそ、貴方がそうやって持ってきたものも並んでいる事だろう。 「それなぁ、バーのマスターに譲ってもらったんだよ。いつも来るからって。飲みたいなら出すぞ」 「……何? あー、それ」 冷蔵庫の中を後ろから覗く。何の話かと思ったが、すぐに合点がいって。 「今度売り出す新作。ルチアが気に入ったらしいんでな」 またやるんだ、と。 ……アベラルドも、貴方と話す時は口調も態度もいつもよりは軽い。 (-415) 2022/08/20(Sat) 18:40:05 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → どこにも行けない ヴェルデ君の言葉を、男はじっと聞いていた。 赤に近い紫の瞳は慈愛を宿している。 ────高い位置から降り注ぐそれは、やや翳って見えるかもしれない。きっと気のせいだ。 「返してほしいものなんて何一つないさ」 男が身を折る。君の上に影が落ちる。空気を含んだ柔らかい声が、君だけに聞こえるよう囁いた。 「愛してるよ、ヴェルデ。どうか、ただ受け取っていて。 ────君が僕に、何かをしたいと思うなら」 そのまま、君の頬にキスを落とすだろう。もちろん嫌がられなければ、の話だ。僅かにでも拒むのなら、にこりと笑って引いてくれる。それから何もなかったように焼きあがったものを受け取り、店主に礼を告げた。 どこかに座るにしろ歩くにしろ、ひとまず店からは離れなければいけない。店頭は先程より賑わいを増している。 「行こうか」 「選り好み、すればいいじゃないか。どうにも君たちはわがままってものが苦手みたいだけど」 (-416) 2022/08/20(Sat) 18:44:47 |
【秘】 無風 マウロ → 花で語るは ソニー持っていたビール瓶は、皆が置いているところに捨てていって。 新たに中身の入ったものを君から受け取った。 すぐには開けず、手の中で軽く転がしながら。 喧騒から離れて、君についていく。 熱気から離れ、静かな場所に移ったのなら。 元々こういった場所で過ごすこともあったからか、戸惑うような様子は見せなかった 懐から箱を取り出してから、「吸ってもいいか」と聞いていたことだろう。 気分が落ち着けば、色々と考えが巡ってしまうものだから。 「そうだな。 時たま、密会する男女がいるくらいだ。おおよそ不倫だったりするんだろう」 今日は誰の姿も見えないものだから、その心配もないのだろう。 箱を手にしたまま、器用にビールの蓋を開けて。 同じように少しだけ呷る。 青年もまた、少しだけ酔いが回ったような赤みが頬に差している。 壁に背を預け、君の言葉を聞いて。 「……面白い話じゃない」 「親代わりだった人が、死んだ。それだけだ」 火のついていない煙草を咥えて、視線を空に向けている。 (-417) 2022/08/20(Sat) 18:53:38 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー「…………あの子供には、生きていてほしかったんだがな」 ぽつりと零した言葉に力はない。 子供には決して手を出さなかった男は、組織の壁を超え、あの子供だけは気にかけていた。 読んで欲しいと渡してやったはずの本も、きっと全ては読めなかったのだろうなと思うと、辛さがこみ上げてきた。 「……。 結論が遅すぎると組織が立ちいかなくなるぞ、その前に答えは出しておけ」 ふ、と。 意味有りげな笑みを浮かべ、 耳を触れられても構うことはなく、そのまま好きなようにさせた。 近づけば、決して飲用ではないアルコールの香りがはっきりと感じられたことだろう。 「別に。痛みなどどうでもよかった……そんな物に意味はない。 ここにこれを飾れば、貴様も多少は高揚感くらいはあるだろう?」 ――今の俺は、何も知らない男ではない。 上司に託されここに来た。 さぁ、貴様はどういうつもりでこれを渡した? どういうつもりで今、ここにいる。 「今日は好きなだけ貴様に付き合ってやる。 だから……最後は頼み事くらいは、聞いていけ」 (-418) 2022/08/20(Sat) 18:55:53 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 銀の弾丸 リカルド「それを俺が有意義に使える日がくるのかねえ…… わかったよ、使えるように置いとくのは得意だ」 実際に孤児院もそうやって続けてきた。 俺より先にいなくなろうとするなんて、とんだ部下を保ってしまったと目を伏せながらお茶のおかわりを頼んだ。 永遠なんてない。何か起きたとして、それでも二人同じ場所に居られる地獄みたいな場所で会えたのなら文句でも言ってやろう。そうほくそ笑みながら。 「うまくやってこいよ」 あなたが成功する未来を信じて居ないで、何が上司だ。 今だけは、その警戒を解いて甘い香りに浸っていた。 (-419) 2022/08/20(Sat) 19:01:54 |
【人】 ショウダウン ヴィオレッタ【賭博場】 ――これはいつかの話 数週間、数か月、あるいはもっと前かもしれない まだ三日月島に祭りの気配が遠い……あの頃の日々の欠片 >>マウロ 「……お客様、お楽しみいただけていませんか?」 アウグスト様が少しばかりお席を離れる間、 一緒に来店していた青年に話しかけた。 青年の手元のチップは…… 来店時の半分ほどに目減りしているようだ (57) 2022/08/20(Sat) 19:03:20 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 暗殺屋 レヴィア結構な事で。音色が以前よりも高いな、 そんな事を思いながら変わらない物達の姿を見る。 「そう……かもね」 ふと、視線を感じて振り向いた。 前の時と同じ、海色が見下ろす視線で夕闇とぶつかって。 「怖くないよ」 言って、持っていたカップの中身を空にすると、 残骸を潰して無理矢理ポケットに捻じ込んだ。 再度戻ってきた顔が視線を絡ませて、僅かに笑う。 「――といや、嘘になるかな。 準備はしてるが、それが無駄になってくれた方がいい」 それから、視線を合わせたままずんずんとカウンターへ。 あなたの前で、カウンターに肘をついて目線を合わせた。 「あんたは?」 (-420) 2022/08/20(Sat) 19:06:50 |
【秘】 ノーモアベット マキアート → 家族愛 サルヴァトーレ「仕事に託けて会いに来てるんだ?……ふふ、 悪いことばかりでもないのは救いですね、本当に」 軽快な音を立てグラスを打ち合わせて、 琥珀色を唇から舌に乗せ、飲み込む。 「……はい。おかげさまで。 やはり家族も客も皆あの賭博場を愛してますから。 間違っても噂話のお陰じゃないと信じたいですが」 (-421) 2022/08/20(Sat) 19:08:03 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → どこにも行けない ヴェルデ「そう?」 何もなかった。 意味もなかった。 ゴミ捨て場に倒れるこどもを見た時、なぜ傘を差し伸べたのだろう。 なぜ、その手を引いて連れ帰ったのだろう。 きっと、疲れていたのだ。 つまりは、ただの気まぐれだ。 何の道理も通らないし、 何の意味もありはしない。 ただ、かつて失ってしまったものが、 もう決して手が届かないはずのものが、 そこにあるような、気がしただけ。 「ま、あんたがそういうなら」 ――子供は嫌いだ。 けれどまあ、意味のないことなら。 「いいかな」 別に、そうしてもいいだろう、と。 隣にきたあなたを見下ろして、笑うのだ。 ↓[1/2] (-422) 2022/08/20(Sat) 19:08:44 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → どこにも行けない ヴェルデ↓ 「…あんた、でかくなったねえ」 あの時、ただ引いた力ない手は。 ほんの少しだけ、暖かくて。 ――もう二度と、失いたくはないと思っていたのだ。 (-423) 2022/08/20(Sat) 19:09:01 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → ”昼行灯” テンゴ「あはは、あーりがと。 それじゃ、これもらってくね」 どこからか取り出した布のバッグを、ぽふんと広げる。 その中に駄菓子をからからと放り込んだ。 軽い音が鳴って、からっぽのバッグをほんのすこしおもくする。 「はいはい。それじゃ。 ──ありがとうございました」 傘とバッグを抱え直して、入り口まで。 ――そこで、急にぴしりと背を伸ばすと、深々と頭を下げた。 「また」 背を向ける。 どこかノスタルジーを感じさせる店内を最後に見た横顔は、寂しげだった。 (-424) 2022/08/20(Sat) 19:12:52 |
【秘】 無風 マウロ → piacere ラウラ生きている時の彼は、君を体のいい道具として使っていた。 そう扱っていたつもりだった。"そのように努めていた"。 君は、かつてボスに拾ってもらったときの自分と似ていた。 ついて回って、言われたとおりの事をして。 役に立てるなら何でもしたいと思っていた。 だから、いつかはそんな君に。 伝えたいことがあった。頼みたいことがあったのだ。 それはとても重大で、特別で。 けれど、口頭で話すには まだあまりにも夢物語だったものだから。 それとなく、アドバイスと一緒に告げるつもりだったのだ。 いつかの、荒唐無稽な未来の話。 丸められた紙の中。塗りつぶされた最初の行にはこう書かれていた。 『未来の幹部から その右腕へ』 それを君は、知る由もなかったのだろうけれど。 (-425) 2022/08/20(Sat) 19:12:52 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「違いない」 「へえ、じゃあお言葉に甘えようかな。連れて行ってよ」 笑みを含んだ同意。それから素直に誘いに乗る。 先導して何かを与えることが好きな男は、しかし君からの厚意はいつも素直に受け取った。こうして音楽鑑賞に出かけたことはこれまでもあっただろうし、食事を共にしたこともあるだろう。 男は食事も娯楽もなんでも、君に提案されたものをそのまま喜ぶ。だからこそ、本当に好きなものが見えにくくもあった。 「飲みたいなぁ。やっぱり赤より白だよね」 こんな、簡単な二択が時々零れることはあれど。 「へえ、ルチアか」 思い出そうとするような素振りは見せず、すぐに名前を反芻した。多くいる構成員の全てを、男はほとんど完璧に把握している。よくアジトに顔を出す者であればなおのこと。 名前と顔を一致させる手間なんて必要ないのだ。 「可愛がっているね、随分」 「わかるとも。家族は大切だからね」 冷蔵庫の前を君に譲る。準備してくれると言うなら任せよう。 手頃なソファにでも座って、もてなしを待つだろう。 (-427) 2022/08/20(Sat) 19:15:45 |
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