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【独】 Ninna nanna ビアンカ>>-149 ――――― AM06:50 ――――― ――男たちが何か話している。 ずきずきとした痛みはもう痛みなのかどうかもよくわからず、 ただ不可思議な電気信号として私の全身を焼いていた。 「もう死んだか?」 「生きてる。ほっときゃ死ぬだろ?」 「まあやっとくか」 おいおい。私の命だぞ。 そんな簡単に決めないで。 もう半分くらいになってしまった視界を動かす。 男たちが何かを手に、私の足を掴んで開かせていた。 まだやんのかな、と思う。 サービスはできないよ。勝手にやるなら、いいけど。 「おい、普通に」 「いや、これやったらどうなんのかって」 「どうなんだろうな」 捕まえた虫の羽をどうちぎるかみたいな会話。 まあ、今の自分の状況をもしみたら、きっととてもみっともない、潰れた蝶々みたいな有様なんだろうけど。 もういいよ、どうせ死ぬんだから。 さっさと―― (-150) 2022/08/29(Mon) 19:01:20 |
【独】 Ninna nanna ビアンカ>>-150 ずぐ、と。 そんなことを考えていたら、さんざんに痛めつけられた下腹部に、また別の痛みが走った。 「……っ、ぁ…」 「お、動いた」 「結構入るな」 最悪。最悪。最悪最悪。 多分こいつら、悪ふざけでものを突っ込んできた。 人の身体をおもちゃにする連中は、たいてい穴に何か突っ込みたがる。 ごつごつとして硬い何か。粘膜をがりがりと傷つけながら、ええと、これは、まあ、なんでもいいけどさ── 「ばん」 「ぇ」 Si Vis Pacem, Para Bellum。 がち、と撃鉄が落ちる音がして。 どうやら私の体内で、9x19mmパラベラム弾がはじけ飛んだ。 (-151) 2022/08/29(Mon) 19:01:58 |
【独】 Ninna nanna ビアンカ>>-151 ビアンカ・ロッカの体内で発砲された弾丸は腰骨を貫通し、脊髄を砕きながら体内を跳ねまわる。 骨に激突したことで弾頭が三つに砕け、それらが下腹部を中心に内蔵を著しく損傷させた。 「ぁ、あぁぁ、あぁ、ぁっぁあ、あ、あぁ、ぁぁあ、ぁ」 ビアンカはびくびくと痙攣するように、喉の奥から声のようなものをあげていた。 彼女の意識がその時あったかどうかは定かではない。 ただ体内で荒れ狂う銃弾が、その生命をずたずたに引き裂き、致命傷を与えたことは間違いが無かった。 「あ、……ぐぇ、ぇぼ、ぇお、……っっ」 「うわ」 「やべえ」 下腹部からの出血よりも早く。 びちゃびちゃと、その口からポンプのように鮮血が零れ落ちた。 ごとんと音がして頭部が傾いて、拘束されたままの腕と足がばたばたと跳ねて。 「……………ヴぇる、……でぇ………」 彼女の意識があったかどうかは、わからない。 多分、その場にいた誰も、意味のわからない名前をひとつ呼んで。 「……死んだな」 「すごかったな、カエルみてぇだった」 「じゃあ、書くか。書いたらバラして──…」 ビアンカ・ロッカは、死んだ。あとは、皆様の知るとおり。 (-153) 2022/08/29(Mon) 19:03:05 |
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