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【秘】 婉容 ラサルハグ → 欠けた星 スピカ大広間を出て、あなたを探す。 こちらは急ぐ様子も慌てる様子もないものだから、あなたが足を止めない限り見つけることはできないのかもしれない。 しかし不思議と、あなたが1度でも足を止め休んだなら、その場に現れる形になる。 それまでに、あなたがどれだけ走り回ったかは何一つ定かでない。 (-56) 2022/01/16(Sun) 23:59:25 |
スピカは、城を飛び出して、そのまま走ろうとして、一つ気付く。 (a9) 2022/01/17(Mon) 0:04:49 |
【秘】 欠けた星 スピカ → 婉容 ラサルハグ君が女の目の前に立った時、同時に外のひんやりとした空気が君の肌を撫でることだろう。 女は城を出てすぐ、たいして走ってもいないうちから立ち尽くしていた。 子供たちに与えるための物を詰め込んだバスケットをしっかり抱えたまま、ぽつり。 「私……あの子たちの名前さえも、知らないわ……」 アルレシャどころか、直接言葉を交わしたブラキウムさえも。 あの子達の名前を叫ぼうとして、気づいてしまった。 「……私……なんにも、知らないわ……」 女の声が、風に流されていく。 (-57) 2022/01/17(Mon) 0:06:37 |
スピカは、まるで親のような顔をして、まるでうんと大人のような顔をして、それでも。 (a10) 2022/01/17(Mon) 0:08:29 |
スピカは、子供たちの名前すらも、まだ知らないままだ。 (a11) 2022/01/17(Mon) 0:08:56 |
【秘】 婉容 ラサルハグ → 欠けた星 スピカ城を出て幾許もないところであなたの背中を見つけ出す。 ゆったりとした足取りで近寄って。 「……知らないのならば、これから知っていけばいい」 流れ聞こえた声に、添えるように。 柔らかな笑みであなたに声をかけた。 「風邪をひくよ、レディ。 責任感が強いのは、1つの美徳だけど。 それで君が身体を壊してしまっては、元も子もないだろう?」 (-59) 2022/01/17(Mon) 0:17:09 |
【秘】 欠けた星 スピカ → 婉容 ラサルハグ「そのお言葉。そっくりそのまま貴方にも返るわよ、Mis. 貴方が体を冷やして倒れでもしたら、きっと色んな人が心配してしまうわ」 ゆったりとした足取りにも似た柔らかな声。自分とは反対ねと胸中で呟きながら、振り向くことなく言葉を重ねた。 「……これから知ればいい、確かにそうね。 でも、そう、名前を今もなお知らないほどの他人なのに、こうして世話を焼こうとするのって間違っているのかしら」 ――ただ大人というだけで、役割を果たそうとする責任感だけで。 ようやく夕暮れ色の瞳が貴方を捉えた。その瞳は少し弱々しく揺れている。 (-60) 2022/01/17(Mon) 0:27:49 |
【秘】 婉容 ラサルハグ → 欠けた星 スピカ「私は頑丈だからね。 身を守るため、多少は身体を鍛えてもいる。 ……そのような評価を受けているのは、嬉しい話だがね」 決して無理にその顔を覗こうとはしなかった。 だから女があなたの顔を見たのも、あなたの瞳がこちらを捉えたその時その瞬間。 「……悪癖でもあるのかもしれないね。 冷静さを欠くという面で。そして己を省みないと言う面でだ」 「だが、子どもの前だと気を張った結果でもあるのだろう? それが間違いであるはずなんてないよ。 君のその責任感が、優しさから来ているのならば、尚いいとすら言える」 晴天の昼空色の瞳。 あなたの夕焼けを見つめれば、その様子に、その言葉に、また柔らかく微笑んだ。 (-61) 2022/01/17(Mon) 0:44:27 |
【秘】 欠けた星 スピカ → 婉容 ラサルハグ「もう、ずるいわね。頑丈ですと言われてもそうですか分かりましたと放っておくなんて出来ないわよ。必要以上の心配をしない理由にはなるけど、貴方の体を雑に扱っていい理由にはならないわ」 ここにはない昼の空の色を見て、声に滲んでいた焦りの色が姿を消していく。 「優しさ……どうでしょうね。大人は子供を守るものだと言いつけられてきているし、私もやがて子供を持つものとして責務を果たさなければならないと思っただけよ。 優しさで動いているのなら、それは貴方のほうじゃないかしら。或いは、その笑みの下に何か隠しているの?」 広間で見かけた時から色んな人と友好的に接していたことを思い出す。 (-62) 2022/01/17(Mon) 1:43:18 |
【秘】 婉容 ラサルハグ → 欠けた星 スピカ「隠し事などないさ。 ── しかし私も君と同じ、責務として動いているようなものさ。 子どもは宝だからね。そして、大人が守るべきものでもある」 私にとっても当然のことさ、と軽く笑う。 「しかし優しくないわけではないだろう? 子どものことは責務かもしれない。 しかし私の身を案じる責務は君にはないはずだ。 私は子どもじゃない、見ての通り、立派な大人だからね」 (-68) 2022/01/17(Mon) 9:14:40 |
【秘】 なんでも屋 アマノ → 欠けた星 スピカ「カカッ、こんな仕事してるといつでも言われらぁ。 それでも俺みたいなのを必要として依頼してくる人間だってごまんといるもんだ」 それでも仕事は仕事。 信用が第一の商売だ。 受けた依頼は必ずこなすのが信条なのである。 「そういえばお互い名乗ってなかったなァ。 俺は”なんでも屋”のアマノだ。 今回のこと以外に仕事がありゃいつでも連絡しな。 相談は無料だぜ」 /* 見落としており返信が遅れました、すいません! (-70) 2022/01/17(Mon) 11:45:25 |
【秘】 欠けた星 スピカ → 婉容 ラサルハグ「私と同じような考えなのに、あと……見た目で判断するのは良くないと分かっているけれど、年も近そうなのに、落ち着きのある振る舞いが身についているのね。単に私が冷静さを欠きがちなだけかもしれないけれど」 君が軽く笑う一方で、女は表情を曇らせるばかり。 常に余裕があり、笑顔を忘れず、物腰柔らかに振る舞う。理想的だなと女は目を細めて貴方を見た。 「貴方を心配するのはそれは人として当然のことで……。 ……って、あまり意固地になるのもよくないわね。貴方の評価を無下にしてしまうのは不本意だもの」 ――ありがとう。 プリーツスカートが控えめに踊る。貴方へ向き直り、そっと小さな笑みを咲かせてお礼を口にした。 (-75) 2022/01/17(Mon) 16:03:16 |
【秘】 欠けた星 スピカ → なんでも屋 アマノ「そうね、綺麗事だけで人間社会って成り立つわけではないものね。 仕事で忙しそうにしているあたり、貴方はよほど評価されているのでしょう」 いつでも怪しいと言われたところで「依頼してくる人間がごまんといる」事実が貴方の実績を証明しているのだろう。 「では改めて。私はスピカよ。しがない領主夫人です。 そうね、何が起きるか分からないし貴方のことは覚えておくわ。よろしく、アマノ」 そう告げて貴方に手を差し出すだろう。握手のサインだ。 (-76) 2022/01/17(Mon) 16:20:54 |
【人】 欠けた星 スピカ>>77 湖畔の二人、Mis. 自分の元に現れた女と幾ばくかの会話をした後のこと。 夜色に染まり切った空を夕焼け色の瞳で見上げて、星とは違う輝きを捉える。 「あれってあの子達が飛んだ軌跡よね。あれを追いかけたら会えるかしら。 それにしても、空を飛ぶなんて……本当に魔法使いのよう……」 後半はもはや状況と関係ない感想になってしまっているが、子供たちのことは依然として心配し続けている。 昼の空を乗せたような瞳を持つ女を一瞥してから、誰かから何も干渉されなければ空に残された軌跡を追いかけて湖畔まで歩きだすことだろう。女は魔法とは縁のない人間だったから、二本の足で歩くしかないのだ。 (84) 2022/01/17(Mon) 16:30:46 |
【秘】 なんでも屋 アマノ → 欠けた星 スピカ「お、いいねェ お堅そうに見えて案外話がわかる女のようだなぁ、お前さん」 偉いやつほど裏の世界にも精通してる者は多い。 裏をうまく使ってこそ表の世界を牛耳れるというものだ。 「しかし領主夫人? ほぉ、若ぇのにもう人妻か。 俺がお前さんくらいの時はもっと遊んでたがね、まぁいい。こっちこそよろしく頼むぜェ、スピカ」 差し出された手をしっかりと握る。 館を出るまでの協力関係は、ここで確かに成立したのだった。 (-86) 2022/01/17(Mon) 19:48:22 |
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