【秘】 大富豪 シメオン → 奏者 イルムヒルト[男の気配が笑う。 椅子に座り金貨を撫でながら女を見て音を聴く、男は笑ってはいない。 だけど、女には男が確かに笑ったのがわかるだろう。 お前はすでに『美』に至った。 そして、お前の音はお前自身だ。 お前の感じたもの、お前が手にしたもの。 その全てをお前は「美』に変えることができるだろう。 [男が慟哭する度に、絶望を味わう度に、人を愛し、憎むごとにその剣閃の美しさを増していったように。] 貪欲に喰らえ。 何もかも、そして永遠に渇望し続けろ。 決して満たされない欲望の沼の中で。 [それはまるで男自身の様に。] (-68) 2022/11/22(Tue) 0:20:48 |
【秘】 大富豪 シメオン → 奏者 イルムヒルト[触れる、肌に触れる、男の指先が。 奏でられる音に合わせるように、その音色に乗せて。 首筋を撫で指は優しく。 まるで猫をあやすように擽るように。 その指は実体を持たない。 故に、女の体中を同時に触れ回る。 手が太腿を撫で付ける。 いやらしく、大胆に、内股までそれは伸びて柔らかな肌を堪能するように触れる。 実体のないそれは質量を伴わないというのに、まるで人の肌を同じような熱を帯びて、女の肌へと滑り込む。] (-69) 2022/11/22(Tue) 0:21:20 |
【秘】 大富豪 シメオン → 奏者 イルムヒルト[首元を太腿を、あるいは耳元を撫で付けながら、それはやがて女の双丘へと触れた。膨らみを揉みしだくように、実際に胸が形を変えているわけではないというのに、女にはその感覚が確かにあるだろう。 リュートの音が美しく響けば、男から与えられる官能はより強くなる。 強く揉まれる二つの膨らみ。 そしてその頂きに指が触れる。 まるで摘み上げるようにして、捏ねくり回すようにして。] ……音は止めるな。 [女の体へと官能を刻みつけながら、男は演奏を止めることを許さなかったが、果たして女は演奏を止めようとしていただろうか。*] (-70) 2022/11/22(Tue) 0:22:56 |
【秘】 奏者 イルムヒルト → 大富豪 シメオン[その男の口元は笑みを湛えていない。 それでも、貴方は確かに私を見ながら 私の音を咀嚼しながら、笑っているのだと理解する。 本能が。或いは、男の気配が、眼差しが伝えるものを 肌で、魂で感じ取っているかのように。] 私の音が、私、自身。 [これから経験する全てのことが私の糧となり さらなる美へと昇華する。嗚呼、ああ。それが 絶望であれ、慟哭であれ、憎悪であれ、愛慾であれ 全てがそうであるのなら、それ以上の悦びはあるのだろうか いや、ないだろう 悦びながら満たされぬまま、我欲を孕みてそを喰らう 永遠に研ぎ澄まされるのならば、それこそが 私の望むべく、美なのだから。 渇望を美へと昇華し 尚も欲を湛えるを知る男によりまた1つ、女は花開く] (-72) 2022/11/22(Tue) 0:44:51 |
【秘】 奏者 イルムヒルト → 大富豪 シメオン ―― …… 、 [演奏の合間。熱を帯びた呼気が薄っすらと口元から漏れる。 指は音を奏で。それに合わせた指の動きに心地よさや疼きを孕む。 実際には触れていないのに、 同時に様々な女の肢体に触れるという矛盾すらも、 今は心地良く感じて、それが旋律に甘さを齎す 首を撫でる指の優しさと、 内腿迄伸びながら大胆にまさぐるような 或いは堪能するかのような触れ方の背反する動きは 言いようもない快感を確かに、生まれさせ、 それでも。これが益々自分を高みに導くものなれば 女は悦んでそれを享受し、より音に反映させていく] (-73) 2022/11/22(Tue) 0:45:26 |
【秘】 奏者 イルムヒルト → 大富豪 シメオン、 ぁ [今は肉声は不要、とばかりに漏れた声をすぐに抑えて。 触れる指の感覚は、首や耳元を撫でつけながらも 段々と下へと下がっていき、ついに到達した場所 双丘の形は変わらぬのに、まるで それを揉まれながら快楽の芽を育てられているかのよう 育つ途中の花の手入れをされているかの、よう 穏やかな水面を想像させるような戦慄が セイレーンもかくやの艶やかな色合いに変わる それでも、未だ濃厚とはいえずか 強くもまれるたびに、リュートの音は鮮やかに 与えられる快楽に導かれるようにより、深くへと 指が捏ねる頂きは、段々と芯と硬さを帯び それと同時に音もまた、あでやかさを孕む] ―― 言われず、とも。 [官能に身悶えながらも、演奏は止まることはない 止めようとも、思わない だって、嗚呼。こんなにも 私の音は貴方に嬲られるたびに、艶を増す*] (-74) 2022/11/22(Tue) 0:45:53 |
【秘】 大富豪 シメオン → 奏者 イルムヒルト[女が僅かに漏らした嬌声に男は感嘆する。 その感受性、与えられるイメージを余すことなく受け取ることができているのは、天性のものか、それとも。 激しいだけでは足りぬ。 穏やかなだけでは足りぬ。 薄らと孕み始めた甘さと艶やかさ。 バーに集う男たちが女へと視線を向ける。 その艶やかさに目を奪われながら、心揺さぶるものが『音』だとは気づかないままに、その世界に引き摺り込まれていく。] ……そうだ。 全て『美』の餌だ。 [刻一刻と変化する音色に、男は未だ足りぬと求め続ける。] (-77) 2022/11/22(Tue) 7:22:28 |
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