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【人】 宮々 蓮司「 それなら、週末デートは継続だな。」 今でもこうして週末に会いに来て二人でデートを重ねている。 それで充分とは言わないまでも、決して不満というわけではない。 それに、近くにいたってお互いに仕事をしていれば自由になる時間はそれほど多くない。 だからこそ側にいられるのがどれほど大事なことか、それはまた実感していないのだけど。 「 でも、まずはおめでとうだな。 今日は二人でお祝いと行こうか。」 高級フレンチというわけには行かないけと、少しだけよさそうなお店で食事にしようか。* (21) 2022/05/21(Sat) 22:37:28 |
【人】 雨宮 瀬里「 手料理?…練習しなきゃ 」 実家から出たことのない箱入り娘は 少し困った表情を浮かべながら、運転席に向けて微笑む 来年からは陶房の近くで一人暮らしになるだろう。 本格的に練習をしないといけないはずだ。 ちなみに住む場所は山間だ、 実は私には、卒業するまでに車の運転免許を取る、という 大イベントが控えてるのだけどそれはまた別の話、だし、 このときの私の頭からはすっかりと抜け落ちていたこと (22) 2022/05/22(Sun) 8:11:45 |
【人】 雨宮 瀬里「 うん、ありがとう 」 可愛い、と言われて気をよくした私が ありがとう、と口にしたのは二回目。 可愛い、と言われて一回目。 おめでとう、と言われた今が二回目。 週末デートが続くこと、 本当は淋しい気持ちもあったけれど だけど気持ちが離れること、一ミリも想定していないから 「 そしたらさっき言ってた話題のお店、行こうよ ラフな格好でも入れるし、 内装とかとてもおしゃれなんだよ。 」 蓮司の想定している少しだけおしゃれなお店よりも グレードは下がってしまうかもしれないけれど。 でも、どこだって嬉しい≠ナしょ? きっと、貴方と一緒なら。 (23) 2022/05/22(Sun) 8:12:00 |
【人】 雨宮 瀬里……なんてね。 それでもやっぱり来年、本当は、 蓮司は都会に私が行くことを望んでたのかなとか そんなことを考えないこともなかったから 「 本当は寂しい? 」 とか聞いてしまったのは、 車の中だったか、食事中だったか、それとも。* (24) 2022/05/22(Sun) 8:12:15 |
【人】 宮々 蓮司本当に正直なところを言うのなら、側に一緒に居られる方がいいに決まってる。好き好んで愛しい人と離れたいわけはないのだから。 でも、それを望んでいた≠フかと言えばきっとそれは少し違う。 瀬里がやりたいこと、追いたい夢。 望むことをさせてやりたい。 そうしている瀬里が一番いい瀬里なのだと思うから。 「 少しだけ、な 」 それでもやっぱり離れてしまうことに、一抹の寂しさはある。 卒業をした後は一緒にいられるようになると、どこかで思っていた部分もないわけじゃない。 (25) 2022/05/22(Sun) 10:14:53 |
【人】 宮々 蓮司瀬里の華奢な身体を抱き締める。 互いの衣服越しに体温が伝わる。 こうするのも二週間ぶり。 そしてそれは今後1年間だけでなく、その後も続く。 「 瀬里は寂しくないか? 」 瀬里の夢、瀬里の選択。 だから寂しくないなんてこと。 あるのだろうか。 * (26) 2022/05/22(Sun) 10:15:08 |
【人】 雨宮 瀬里そっと抱き締められて体温が伝わる 寂しくないか、と聞かれてすぐに、 首を横に振ることも頷くこともできず、 ただ少しだけ貴方の胸元に顔を押し付けるように 私からも腕を回して抱き締めた あの春から数ヶ月。 もう幾度こうしてきたか分からないし、 呼び方だって、変わったけれど だけどまだ、貴方の体温を感じる度に心臓は跳ねる 車の中もレストランも、 きっとこんなこと出来なかっただろうから これは多分ご飯を食べたあとのこと。 すっかり夜の月が空に浮かんでいた。 (27) 2022/05/22(Sun) 10:45:32 |
【人】 雨宮 瀬里「 少しだけ、ね 」 返す言葉は貴方とおそろいに。 だけど決めたことだから、と付け加える。 「 決めたことだし、望んだことだし、 とっても、嬉しいし楽しみだけど。 でも、蓮司にあんまり相談もしなかったから 勝手に決めたこと、ごめんね 」 恋人同士ってどこまで踏み込んでいいんだろう。 そんなふうにまだ、距離感に戸惑いすらあった頃。 (28) 2022/05/22(Sun) 10:46:19 |
【人】 雨宮 瀬里「 でもきっと、学校と違って 陶芸してるとこ蓮司にも見て貰えるよ 見たいって言ってたでしょ。 」 抱き締めたまま貴方に向かって微笑んで。 友達とも家族とも違う、この新しい距離感に。 私は、戸惑いながらも 得も言えない幸せを確かに感じていたんだ。 * (29) 2022/05/22(Sun) 10:47:06 |
【人】 宮々 蓮司「 そうか。」 腕の中に瀬里を収めて、瀬里の体温を感じながら。 回された腕、胸に押しつけられた頭。 ぎゅっと腕に力を込める。 「 大丈夫だ。 俺はいつだって瀬里の味方だ。」 彼女が決めたこと、望んだこと。 その全てを肯定し、支持し、見守る。 だから、きっと相談されていても反対はしなかっただろう。 (30) 2022/05/22(Sun) 13:01:17 |
【人】 宮々 蓮司「 さすがに学校に乗り込んでまで、 瀬里の陶芸姿を見るわけにもいかないからな。」 見学ができないものかと調べたのは内緒だ。 抱きしめたその身体を少しだけ離して。 「 俺も負けてられないな。」 生活に困ることはない。 だけど、何もしないで過ごすのはやはり良くな気がして。 瀬里に、相応しい人間になるために。 そして、相談しなかったというなら、そう、事業を起こそうとしていることも、まだ相談できていない。 * (31) 2022/05/22(Sun) 13:02:33 |
【人】 雨宮 瀬里いつだって瀬里の味方。 その言葉がどんなに嬉しいことか。 負けてられない、っていう蓮司を間近で見上げて にこり、と微笑んだ。 「 わたしも、いつだって蓮司の味方。 ……負けないよ? 」 まだ付き合って数か月。 お互いのことをすべて知っているわけじゃないけど 今は、なんの不安も、不満も、なかった。 (32) 2022/05/22(Sun) 14:37:00 |
【人】 雨宮 瀬里「 そういえばこないだ 電話で少し元気なかった日あったでしょ? 具合、大丈夫だった? 」 そんなことがあったように思う。 蓮司が隠し通したつもりなら、私がお見通しだっただけ 蓮司が話してくれたなら、その時も大丈夫?って聞いてたはず でもきっと。 今具合が良くても悪くても、 蓮司はきっと、大丈夫、って言うんだろう。 そしたら「そう?」なんて首をかしげて、 私は、貴方の顔色を文字通りの意味で伺うはずだよ * (34) 2022/05/22(Sun) 14:37:33 |
【人】 宮々 蓮司それは先日のこと。 夜に通話することも多かったある日、それは唐突だった。 体調の悪さを隠していたつもりはなかった。ただの疲れ。自分でもそう思っていたので、それを指摘されたのはかなりの驚きだった。 「 大丈夫だ。 ただの疲れだったし、 一晩休んで何ともなかった。」 軽い倦怠感。それも翌朝にはなくなっていて、おはようの言葉と共にその時も何ともないと伝えたのだけど。 「 瀬里は案外心配性だな。」 それとも、それもまた恋の成せることだろうか。 緩めた腕をもう一度ぎゅっと抱きしめる。 大丈夫だと伝えようとするように。 (35) 2022/05/22(Sun) 16:11:18 |
【人】 宮々 蓮司「 そういえば、 瀬里は病気とかしない方か? 」 そんな話をどこかで聞いたことがあっただろうか。 根性はありそうだけど、体力とかはどうなのだろう。 「 イメージだけなら、 熱中したら倒れるまでって感じだけど。」 それは体力的な問題ではなく性格的に。* (36) 2022/05/22(Sun) 16:11:59 |
【人】 雨宮 瀬里「 そう?ならいいけど 」 顔色を窺ったら抱きしめられ、 貴方への愛おしさに小さく微笑む 貴方の声に全神経を集中させて話してるんだもの 声の違いとか、分かるようになってきたよ ああ、今日は疲れているんだな、とか 今日は何か嬉しいことがあったのかなあとか だからあの日、いつもと違う様子に ちょっとだけね、心配になったの。 (37) 2022/05/22(Sun) 16:38:37 |
【人】 雨宮 瀬里「 私? うーん、そうだねえ あんまり病気はしないかも 」 実際そこまで体調を大きく崩すことは今までになく 風邪もめったに引くことはなかった。 「 熱中しすぎたら我を忘れて倒れちゃうってこと? ふふ。それはあるかもしれない 」 実際陶芸をしているときの集中力は 基本的になにものにも代えがたいほど。 ……貴方が来る日とかだけは、集中が切れちゃうけど。 寝食を忘れて…なんて状況が訪れたら もしかしたら、倒れちゃうかもしれない。 今までになくとも、それは否めない。 (39) 2022/05/22(Sun) 16:39:40 |
【秘】 雨宮 瀬里 → 宮々 蓮司「 今、蓮司に熱中しすぎてるから いつか、倒れちゃうかもね、私 」 またすこし、微笑んで、 貴方を抱きしめたままほんの少し爪先立ちして。 ……倒れるまで、私にキスしてくれる? (-2) 2022/05/22(Sun) 16:40:28 |
【人】 宮々 蓮司やっぱりなって顔で瀬里を見た。 こうと決めたときの強い意志と集中力は蓮司から見た瀬里らしさのそれ。 「 ほどほどにしろよ? 」 寝食まで忘れそうだなって、瀬里の健康にとってはそれが一番の心配事だ。 病気でなくても疲労が重ねれば健康に悪影響が出る。 それはもちろん自分もなのだけど、だからこそ自分に起きていることに気づくことができなかったのかもしれない。 きっと、瀬里が注意深く俺のことを見ていたとしても。 (42) 2022/05/22(Sun) 18:01:32 |
【秘】 宮々 蓮司 → 雨宮 瀬里「 もっと熱中させたい。」 微笑む瀬里。 爪先立ちのその腰を抱えるように支えて。 「 でも、倒れられるのは困るな。」 そっと唇を重ねる。 困ると言ったくせに、きっと倒れそうになる程にキスを交わそうか。 重なる唇の柔らかさと温かさ。 何度目かになるキスも初めての時と変わらずに鼓動が早くなる。 (-3) 2022/05/22(Sun) 18:03:39 |
【秘】 雨宮 瀬里 → 宮々 蓮司「 もう充分熱中してるよ 」 交わすキスに鼓動が煩いのはお互い様。 もう覚えたはずの、唇の温度もやわらかさも優しさも 触れるたびに、また新しく心を熔かしていく 「 ほどほどにしてね? 」 倒れそうになるほどキスを交わすなら 意趣返しのように言葉を投げかけて。 それでも私も止まる気なんてなくて 貴方の唇の温かさが離れそうになるのなら、 追いかけるように唇を重ねるのだから ……きっと、倒れちゃう、けど。 (-4) 2022/05/22(Sun) 18:37:43 |
【秘】 宮々 蓮司 → 雨宮 瀬里「 無理なことを言うな。」 キスの合間の戯れのような言葉。 ほどほど≠ネんてできるはずがない。 腕の中に瀬里がいて、唇と唇が触れ合っているのだから。 追いかけてきた瀬里の唇を迎える。 触れ合い吸い合い、呼吸も忘れるほど夢中になっていく。 (-6) 2022/05/22(Sun) 19:18:25 |
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