【人】 女子大生 マユミ[ あ【亜〔亞〕】 [音]ア(漢) [訓]つぐ 1 上位や主たるものに次ぐ。次位の。準ずる。 2 化合物中で酸化の程度の低いものを表す語。 3 生物学で、生物分類上の基本単位である 門・綱・目・科・属・種などの、 それぞれの下位単位を表す語。 4 アジア。 5 (「堊あ」の代用字)白い土。 ] (25) 2022/06/06(Mon) 18:40:22 |
【人】 女子大生 マユミ[ クレタ島の迷宮ラビュリントスに住まう ミノタウロスを退治するため、 英雄テセウスが乗り込んだ船。 後世に語り継がれた伝説の証。 しかし時の流れは何もかもを褪せさせてしまう。 老朽化したテセウスの船は、 一つずつパーツが交換されていき、 やがて全ての部品が新たなものへと更新された。 オリジナルが一つも残っていない、 この船は果たして―――……。 ] (28) 2022/06/06(Mon) 18:42:49 |
【人】 女子大生 マユミ[ このパラドックスの回答が是となるか非となるかは、 どういう理屈で考えるかによって変わってくる。 同じ様な内容のヘラクレイトスの川、 おじいさんの古い斧なんて話もあるらしい。 人間に当てはめた話もある。 生まれた時から人は新陳代謝を繰り返し、 やがて生まれ落ちたその時に存在した細胞は 全て失われる。 それは同じ生物だと言えるのか?とかね。 身近な例を挙げれば、 創業当時から継ぎ足した秘伝のタレの中には、 創業当時に作ったタレなんて既に存在していない。 ] (30) 2022/06/06(Mon) 18:44:12 |
【人】 女子大生 マユミ[ 要するに、一見同一と思えるような 何かを構成する材料が、 全て別物に置き換わっていても、 同じと言えるのかと言う話。 逆に……テセウスの船の例えで言うなら、 交換前のオリジナルのパーツを組み合わせて 別の船を作ったら、 どちらが"テセウスの船"の名に相応しいか と言う派生もある。 ] (31) 2022/06/06(Mon) 18:44:51 |
【人】 女子大生 マユミ[ では、これはどうだろうか。 遺伝子を同じくする一卵性双生児の姉妹がいて、 うち片方が死亡。 残った片方が妹として生きていったら? 普通に考えれば、そんなもの別人に決まっている。 でも、今の社会には幸福の疑似体験ができる アプリが存在する。 生まれた時も同じ、設計図となる遺伝子も同じ、 構成する細胞を生み出す母胎も同じだった。 歩む人生は多少異なってはいたけれど、 大きな差異はない。 積載する経験も、『エデン』で補完が可能。 ……まぁ、アップロードされた幸福体験に 限られてしまうのだけれど。 ] (32) 2022/06/06(Mon) 18:45:41 |
女子大生 マユミは、メモを貼った。 (a3) 2022/06/06(Mon) 18:51:50 |
【独】 女子大生 マユミ/* 一席頂きます。Altoroseと申します。 皆様、どうぞ宜しくお願い致します。 来る前から察してはいましたが、 知性でバトルロワイヤルする村でしたね……。 一匹ミジンコ混じってるけど大丈夫ですか? ミジンコに虚淵玄さんのペア務まります??? 精一杯頑張る所存なので、 生温かい目で見守って頂ければ幸い。 他ペアの物語も、とっても楽しみです! (-1) 2022/06/06(Mon) 19:03:11 |
【人】 女子大生 マユミ[ キャンパスを歩けば、大抵の人がアタシに振り返る。 交友関係も広かったから、挨拶をしてくれる子も多数。 SNSに何か発信すれば、 通知が数分鳴りやまない程、ファボが付く。 典型的なきらきら女子大生、 それが 船越真結実 と言う女だ。「マユ〜、ランチ行こうよ!」と声がかかる。 ] OK、行こ行こ!気になってたカフェあるんだ〜。 [ 弧を描く唇には、 お気に入りのコスメブランドの新色グロスが輝き、 にこやかに振られた指先は、 涼やかな色で描かれた花柄のネイルアートが彩る。 ] (34) 2022/06/06(Mon) 23:13:04 |
【人】 女子大生 マユミ[ 船越亜結実 はどうだったか?……本当に遺伝子は同じなのだろうか? そう疑いたくなるほど真逆の性質を持っていた。 俯き気味に歩く姿は、誰の目にも留まらない。 SNSに真結実と同じものを撮って上げても、 ファボが二桁ついたことがない。 典型的な、陰キャ女だった。 しかし努力の甲斐あって、 今の所は妹への擬態が見破られてはいない。 "亜結実"だった頃は、 精々ファンデーションにフェイスパウダーを重ねて、 雑にチークをはたいて、 色付きのリップを塗る程度だった。 真結実が死んでから、私が"真結実"になってから、 必死になってファッション誌を見ながら研究した。 きらきらした片割れの人生を乗っ取るは、 そんなに簡単な事ではないということ。 ] (35) 2022/06/06(Mon) 23:14:07 |
【人】 女子大生 マユミ[ 私と真結実は、 大学近くのマンションに二人で暮らしていた。 実家は少し遠くて、通えない距離ではないけれど、 移動時間があまりにも勿体ない。 どうせ二人とも同じ大学の同じ学部生なのだからと、 両親が家賃を負担してくれて、生活費は二人で折半。 そのマンションが燃えたのが、今からおよそ半年前。 燃える家具の下敷きになった真結実は、 どう考えても助かるとは思えない状況で、 私は一人無事逃げ出した。……見殺しにしたも同然だ。 煙を吸ってしまったせいで、 マンションの入り口付近で意識を失ったけれど、 それほど大きな怪我をすることもなく、 救急隊に助けられた。 ] (36) 2022/06/06(Mon) 23:15:31 |
【人】 女子大生 マユミ[ 病院で目を覚ました時、 母が「貴女だけでも無事で良かった!」 と抱き着いて、 それで真結実の死を確信した。 ナースコールで呼ばれた看護師が、 私の様子を確認して、 「記憶に問題はありませんか? お名前をフルネームで言えますか?」 そのように聞いてきて、私は……。 ] はい。 私……いえ、 船越真結実 です。[ この瞬間に、船は偽物にすり替わった。 ] (37) 2022/06/06(Mon) 23:16:33 |
【人】 女子大生 マユミ[ ずっと一緒に暮らしてきて、 学校もずっと同じだった。 だから、真結実の大抵のことは知っている。 火事の後、真結実のスマホは そのまま使い続けるのは無理でも、 データの方は割と無事だったので、 真結実がエデンに投稿したものは、 恐らく全て把握している。 タイムカプセルを開けるように、 丁寧に一つずつ味わった。 真結実の人生が輝いていたのは知っている。 それでも、専用のイヤホンから流れ込む 多幸感の甘美さたるや。 ―――魅了された。 今この幸福は、私の手の内にある。 真結実のしてきたような努力を 一切してこなかった私だけれど、 これからは私が、 失われてしまったこの得難い人生を守るのだ。 浅ましくも、そのように自己弁護したこともある。 ] (38) 2022/06/06(Mon) 23:17:44 |
【人】 女子大生 マユミ[ 友人たちとのランチで、弾む恋バナ。 「あの時、マユが機転効かせてくれて助かったよ〜」 なんて言われて、友人に肘を小突かれた。 どうやら真結実が咄嗟についた嘘が、 彼女の恋路を守ったらしい。 ] あ〜、そんなことあったね! まぁほら、困った時はお互い様ってことで。 アタシが困った時は助けてよね。 [ その言葉に別の子がハッとして、 「それってミナコじゃなかった?」と言って、 周囲の気温が下がる。 ……しまった。とはいえ、 こう言う事はよくあるので。 ] (40) 2022/06/06(Mon) 23:18:45 |
【人】 女子大生 マユミあ、そうだったっけ? ごめんね。火事の後は細かい記憶がちょっとね……。 [ 流石にこれを言われて、深追いできる人間はいない。 細かな記憶の齟齬は、全てこの一言で片を付けていた。 ランチが終われば、私は病院に行く予定だったし、 それぞれにも用事があったのでそのまま解散。 ] (41) 2022/06/06(Mon) 23:19:36 |
【人】 女子大生 マユミ[ 実家の近所に、かかりつけの病院がある。 真結実はマンションに引っ越してからは、 それほど行かなくなったようだけれど、 私は少し距離が離れても、その病院に通い続けた。 やっぱり新しいお医者様と接するのは、 緊張するじゃない。 私の事を分ってくれている人の方が、信頼できるし。 担当医は東雲早希先生。>>13 人当たりの良い、柔らかな印象の人で、 陰キャの私にも比較的接しやすい人物だと思う。 火事の時に搬送されたのは大きな病院だったけれど、 そんなに大したことはなかったから、 すぐにまた、こちらの病院に通うようになった。 主に片頭痛用の薬と、 火傷痕に塗る軟膏を貰いに行っている。 ] (42) 2022/06/06(Mon) 23:21:10 |
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