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【人】 火澄 瀬名テラスへ通じる扉がひとつ開けられると、 湿った匂いと肌寒い風が流れ込みました。 七瀬の視線の先を追うと満開には少し早い、 大きな桜の木が目に入りました。 半年前の両親の死。 まだ死自体をうまく受け止め切れていない私でも 先のこと、考えなかったわけではないです。 だけど …… (31) 2023/05/09(Tue) 23:15:14 |
【人】 火澄 瀬名「 ……やっぱり、望んでいないことなんだ。 やらなくちゃならないことって、なに? どうしてそんな風に決めるの?せめて …… 」 (32) 2023/05/09(Tue) 23:15:17 |
【人】 火澄 瀬名私が言い淀む間に、七瀬からも問いかけが。 扉を開けたことで強くなった雨音が煩くて。 でもそれがなければ、乾いた空気の流れる沈黙は もっと重く感じていたかもしれません。 「 チョコレート、あげたよ。 七瀬とは作れなかったけど、 他の日に作って、渡したよ。毎年みたいに。 」 バレンタインなんて幼馴染の間では、 年にいくつかある恒例行事のひとつに過ぎないでしょう? (34) 2023/05/09(Tue) 23:15:24 |
【人】 火澄 瀬名「 ……… なんでそんなこと聞くの? 」 『 禎光のこと、好きだよ。幼馴染として。 』 いつも通りそんな風に答えれば良かっただけなのに、 今日は突っかかってしまう気持ちが止められませんでした。 「 七瀬は好きなの?禎光のこと。 」 (35) 2023/05/09(Tue) 23:21:07 |
【人】 火澄 瀬名「 …… 付き合っちゃえばいいじゃん。 七瀬と禎光。 私が禎光に言ってあげようか? エンキョリレンアイってやつになるのか。 大変だね。 それなら寮に引っ越すまで、 沢山一緒に遊ばなきゃ。 あ、もしかして今日も私って邪魔だった? そっかぁ …… ごめんね、 お姉ちゃん 」 七瀬がお姉ちゃんの顔をすることを嫌がる私が、 お姉ちゃんと呼ぶ時は決まって、 ────…… ** (36) 2023/05/09(Tue) 23:23:40 |
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