【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロさて。 遂に男は何も答えなくなった。 それは貴方と会話を行うことを拒絶する態度であって、 やはり尋問官としてあるまじき態度だ。 それでも貴方が動かないのは好都合だった。 男の手は大きく、手元の箱は小さく。 故にきっと、そこで何をしているのかはよく見えない。 貴方はこれの様子を伺っていた。 正しく何かされると予期していた。 ならば注視したのは手元であったろう。 下を向いた貴方を、今度は男が見つめていた。 ▽ (-511) 2023/09/23(Sat) 2:16:29 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロかたん。 音。 貴方が顔を上げた時には遅い。 この男は机の向こうで立ち上がっていて。 その机に膝で乗り上げるように距離を詰めて。 そうして片方の腕は貴方の腕を掴んで引き寄せ、 もう片方の手を貴方の口元に押し当てた。 「何をする気だと思います?」 貴方が驚いて口を開いていたのならば、答えはすぐにわかるはずだ。 口腔内に小さな塊。先程までは当然なかったものが、そこにあって。 (-512) 2023/09/23(Sat) 2:16:48 |
【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレ「……三人の事がどれだけヴィットーレにとって 覚悟がいる事で重い十字架だったのか、痛いほどわかる。 だからこそ、わたしに話してくれたのが本当に嬉しい」 この檻さえなければ、今すぐにでも貴方に抱き着いて、その涙を拭ってあげたかった。或いは、両手を取って優しく握り込んであげたかったのに。 「だからね、こちらこそ本当にありがとう。 絶対もう貴方を独りにはしないから」 それでも、貴方が私の前で泣いてくれた事に、心底安堵した自分もいて、それと少しだけ罪悪感も募る。 その感情の元手が何処かはわからないけど、少し浅しい気がするのは……どうしてなのかしら。 「……ごめんね、ヴィットーレ…… まだ、貴方に頑張ってとしか声をかける事ができないのが、今、本当に悔しいけれど……それを反骨精神にして、頑張るわ。少しでもこの状況を崩せる何かを探してくる」 だから、少しの間だけお別れ…… 言いかけて、あなたが顔を近づけるように呼ぶのがみえたから、何の覚悟も備えもなく、檻に近づいて。 頬に触れたぬくもりの正体に辿り着く頃には、あなたは離れていただろう。 きょとん顔が、時間が経つにつれ真っ赤に染まっていくのがよく見て取れたはずだ。 「ヴィッ、いま、わた 、わ、〜〜〜〜!!!」 羞恥に染まり切った顔では碌な言葉を発することができず、ついには何を発音してるのかわからないほどにずるずると檻伝いに沈んでいって。 ── ti amo. 共通語で言えば"愛してる"。 恋人に贈る言葉よ、なんて訂正を、今はする気にはなれなかった。 ばかばか。いじわる。わかっていてもわかってなくても……ずるいひと。 (-513) 2023/09/23(Sat) 2:24:29 |
【秘】 食虫花 フィオレ → 渡りに船 ロメオ引き寄せられて、あなたの顔を見上げる形になる。 首に腕を回すと。顔を寄せ、頬に口付けを落とした。 「ありがとう、ロメオ」 「私、何でもするわ。だから、教えてくれる?」 手段を選ぶ必要がないなら、今得意なものを使用してもいいし。 逆にもっと手に馴染む手段があるのなら、利用してもいいと思っている。 それも含めて、"殺しの手順"を学ぼうと言うのだ。 ソルジャーとアソシエーテ、直属でないにしろ。 マフィアとして正しい在り方、正しい行動だと思って。 「ファミリーに入るって決めた時から、私は」 「とっくに、正義も悪も捨ててしまっているわ」 そこにあるのは、ファミリーに仇なすかどうか。それだけで。 そのためなら尋問の末に殺すことは出来たのだ。 自分のためにそうすることが、なかっただけで。 だから、きっかけさえあれば。躊躇いもなく、このように。 「最期に、一番綺麗な花を見せてやるのは」 「癪に障るけどね」 それは、毒を吸って成長する食虫花。 かかった獲物は、全身に毒が回って死に至る。 獲物を取り込んで、それは美しく咲き誇るのだ。何よりも、どんな花よりも。 (-514) 2023/09/23(Sat) 2:25:36 |
フィオレは、毒の花を芽吹かせている。 (a20) 2023/09/23(Sat) 2:27:15 |
【秘】 favorire アリーチェ → オネエ ヴィットーレだから、ようやく起き上がって来て少し拗ねて むくれた様子も隠さないまま、貴方の真似をするように とんとん、とジト目になりながら檻を叩く。 先ほどの顔を近づけるジェスチャーの真似事をしているのだ。 叶うならばそのまま、唇の位置に口づけを檻越しに落としてから、ゆっくり身を離して、貴方を見つめる。 その柔く細められた瞳からの眼差しは、 今まで貴方に見せた事のない、 どれもが大人の女が謳う感情を含んでいて。 「ti amo.……ヴィットーレ」 どこか大人びていて、 切なげで、愁いと熱を帯びた色。 言われたからには、言っていいって事だよね? 「──またね」 そうして、貴方の反応を窺う事もなく、 一度も振り返らないまま、その場を後にした事だろう。 (-516) 2023/09/23(Sat) 2:27:43 |
アリーチェは、牢屋を後にした後、手で顔を覆った。 (a21) 2023/09/23(Sat) 2:31:03 |
【教】 favorire アリーチェ「……家族、以外に欲しい愛情の形──? そ、それ、って、」 二本指のハートを見て、顔は真っ赤に染まって、 慌てて突き出した手に当たったスプリッツが転がるのを更に慌てた様子で直して(最もこの空間だからかすぐに元の場所に中身も戻った)、わ、わ。と言葉にならない声を上げながら、机にべちゃりと突っ伏した。 「……家族相手に、どうしよう」 「迷惑、になるんじゃないかな、嫌だったりして…… ……嫌だなあ、きらわれたくない…………」 思ったより自覚症状はあったのか、愛と言われて案外素直に肯定をする。その分疲弊具合も多くみられるが。 (/6) 2023/09/23(Sat) 2:32:11 |
【妖】 路地の花 フィオレただ一つの懸念は。 「解放された時、私のしたことを許してくれるかな」 大事な弟にも、大事なあなたにも。 自分がマフィアだってことはついぞ告げられないままだ。 嫌われないといいな。 そんな、都合のいい言葉を思って。 ($3) 2023/09/23(Sat) 2:37:14 |
カンターミネは、歌う、歌う、歌う。 (c23) 2023/09/23(Sat) 2:38:49 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → 渡りに船 ロメオ「流石に牢の中の事まではわかんねえな。 まあ金でも握らせない限りは流石に看守が止めるだろうが…… 暇な内にツラ拝みに行ってやりゃよかったな」 あの日はあの日で忙しく、今日は今日で忙しかったのだが。 暇があれば間違いなく面会に行っていただろう人物の一人だ。 あの手合は自分が正しいと思ってるんだよなあと思いながら。 「今世紀最大の馬鹿、ナルチーゾ・ノーノここに眠る…ってな おう、何処までも一緒に逃げてやるぜamore ついでにクラッカーも買って行って鳴らしてやろう パーティーハット被って自撮りしてSNSに上げてやってもいいな」 戯けた調子で一番スカッとしそうなもしもを挙げ連ねる。 この所ストレスは溜まる一方だったのだから、 これくらいは許されたい。 「ま、善処しなきゃ筋が通らねえしな。 ボスがあの七面倒臭え目の上のたんこぶさえ退かしてくれりゃ とっ捕まった奴らも出してもらえるだろ。 そしたら俺達も慰霊碑の前でパーティしなくて済むんだがなあ」 「また誰か持ってかれたら穴埋めは頼んだぞマジで。 人手不足で首が回らなくなればなるほど お前みたいな器用な奴が必要になる。 ルチアーノが持ってかれたらフィオレの面倒も見にゃあならん」 「ハア。俺もこれ飲み終わったらぼちぼち 掃除 しないとな」 (-517) 2023/09/23(Sat) 2:39:41 |
ペネロペは、缶ビールをもうひとつ開けた。 (a22) 2023/09/23(Sat) 2:40:01 |
【秘】 favorire アリーチェ → 傷入りのネイル ダニエラ「……本当?で、でも……」 視線が右往左往する。 その提案を飲むか、アリーチェの中で葛藤が発生する。 このまま、何も知らない振りをして見逃して貰えば、 自分がまだ逃れられるなら、あの人も子供達の事も助けられるかもしれない。 実際には不可能なそれを夢見て、 でも、ダニエラは? ずっとずっと、その言葉がリフレインする。 だけど、 「──わ、かった」 「あなたの要求を呑むわ。誰にも、話さない。 ……見逃してくれる?」 恐る恐る、お伺いを立てるような問いかけ。 最も昔からこの女の気弱さを考えると、そうおかしなものではないけれど。 それが"貴方に"向けられての事なら、随分と珍しい事だろう。 (-518) 2023/09/23(Sat) 2:41:31 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ素直に腕を解かれるとものさみしげに貴方のことを見返したが、 触れられ促されるままに体制を変えればなんとなくその先を理解した。 「……あれ、されたことないんだよなあ」 「旦那に頼めばしてもらえるかね……面倒くさがりそうだ」 重力に逆らわず膝に落ちると声は少し控えめだが普段と変わらぬトーンに戻す。 ぐったりと体を預けて動く様子もない。抵抗も、文句もない。 何処か己の価値に対して無気力なところは似ていると思ったのに、本当に貴方は自分と何もかも違う。 丁寧に都合良く振る舞う貴方と更に違うところは、その献身の先に何を見据えているのかということだ。 どうして救おうとするのかわからない、自分に手を差し伸べて何が変わるのだろう。 「なんで来て……いや…………すまん」 これも俺が来させたようなものだったな。 自惚れて期待するには、貴方は都合が良すぎて困った。 (-519) 2023/09/23(Sat) 2:41:40 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノぐ、ぐ、と押し込むように奥へ、奥へ。 深く、貪欲に繋がろうとしてまた奥へ。 先程まで、男の手は貴方の身体中に触れていた。 指先ではなく手のひらで、温度や感触を検分するように触れていた。肉の厚みや凹凸を確認するように触れていた。 歯を立てるところを選ぶようにして触れていた。 腹を撫でた手が脇腹を通って肩へ、そこから首筋をなぞって頬へ。また食むようなキスをして味わうように舌を絡ませる。声まで食らうように唾液を啜る。 これはほとんど一方的な捕食だ。 そう見えるけれど、 貴方はこれに蹂躙される獲物だ。 あくまで合意の上。 求めている実感が強くある。 背に回った手に、求められている実感もまた感じた。 「ふ、はは」 「先輩」 それが堪らなく心地がいい。貴方の甘えすらこれは食らって。 「好いなあ……」 抱き寄せられた薄い胸にまた噛みついて痕を残す。一度腰を引けば、今度こそ長いストロークで奥までを穿った。 (-520) 2023/09/23(Sat) 2:44:50 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ「どうせお前が唆したんだろう。」 決めつけだ。 「お前たちの十八番。口八丁で無知な子どもを誑かす。」 偏見だ。 「二回で理解出来ないのはお前の方だろう。」 「俺が法を守らないんじゃない。法はマフィアを守らない。」 「────、」 激しい音を立てて男が椅子から立ち上がったのと、 取調室の扉が叩かれたのは同時だった。 立ち上がった男はびたりと動きを止め舌打ちをする。そうして長い息を吐いてから返事をすれば、一人の警官が入ってくるだろう。 彼は何かを手に持っていた。そうして貴方の方を伺いつつ手短に男と言葉を交わし、それを渡して、また出て行った。 さて。 再び室内には静寂が訪れる。しかし状況には変化があった。 男が手の中で弄ぶそのケース、或いは瓶を、貴方は見たことがあるはずだ。 (-521) 2023/09/23(Sat) 3:00:33 |
【念】 口に金貨を ルチアーノ灰色の猫はもう見えない。温もりも風と共に消えていった。 代わりにやってきたのは、秋の訪れに色鮮やかな葉を見せる花束だ。 『ええ、よく来ますよ! よかったらケーキも買っていって下さいね』 おまけしますから、と言って店員は笑顔で応対している。 二人の間の花は勿論静かで何も語らない。 (!9) 2023/09/23(Sat) 3:10:29 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 傷入りのネイル ダニエラあなたは今か、後ほどか。 花束の中にメッセージカードが入っていることがわかるかもしれない。 それは丁寧に書かれた読みやすい文字だ。 『もし俺が逮捕されることがあったなら。 一番最後に会っていた奴はリヴィオ・アリオストだ』 そこに含まれている全ての意味を知る事は難しいだろう。 ただ電子文で送られた最後という言葉にも、 このインクで綴られた最後という言葉にも、 誰かを信じて裏切られるつもりがない男の意思が籠もっていた。 男は今でも 貴方 を。自分の信じたいと思った者達 を信じている。 (-522) 2023/09/23(Sat) 3:14:48 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ「クハッ!ハハ、ハハハッ! 質問には答えません、相手の事はきちんと見ません、 自分と向き合う事も出来ません、 権力を振りかざす事しか出来ませんか! いいねえ、『パパ』そっくりになってきたな? あー笑える。ひとつ予言してやるよ、その内お前、 法にも署長代理にも見放されるぜ!」 見てみろよ、あいつの動き。 今ノックが聞こえる前、なにをしようとした? 所詮、法を守るとか言ってる正義面でもこの程度だ。 警察なんて肩書も、紙屑以下の嘘っぱちだ。 裏で嘘を吐き、人を嘲り、笑い、貶める。 そうとも、誰も彼も信じるに値しない。 「――その程度なんだよ、お前の正義も、法も。」 へらついた笑みを張り付かせたまま、口を開く。 ……正直言って、あまり見たくない物が見えているが。 それをわざわざ態度に出してやる程、 こいつに優しくする理由はない。 (-523) 2023/09/23(Sat) 3:15:53 |
【秘】 コピーキャット ペネロペ → マスター エリカ「はいっ。任せてください」 閉店後の掃除と、それから配膳。 それがバイトとして主にすべき事。 今はどちらの仕事もなく、カウンターに立ったまま。 視線を向けられれば、少しの気恥ずかしさを滲ませて。 それでも居辛さは感じさせず、ただはにかんだ。 猫を被っていなければ、何さ、とでも言ったのだろうが。 (-525) 2023/09/23(Sat) 3:20:24 |
コピーキャット ペネロペ(匿名)は、メモを貼った。 2023/09/23(Sat) 3:21:23 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ新しい玩具を手に入れた赤子のようだ。 まるで不思議そうな顔で手の中のものを見る顔はそういうものによく似ている。 それ以外への興味が抜け落ちたような、奇妙に冴えて一途な表情。 警官から何かを受け取った男はそういう顔をしていた。そういう顔をしているだけの、やはり苛烈な男だった。 へらりと笑う貴方が言葉を切る。 それとまた、ほとんど同時に。 ガシャン! 先程より大きな音が部屋に響いて、貴方はそのまま後ろに吹っ飛ばされることになるだろう。 顔面に強い衝撃。 椅子ごとひっくり返り、頭を強かに打ち、手錠で戒められた腕では身体を庇えもせず転がったはず。目の前の男がテーブルをひっくり返したのだと気づいたのはどのタイミングだろうか。どうあれきっと全身が痺れたように痛むはずだ。打ち付けた頭も方向感覚を失うだろう。それでも貴方は立ち上がろうとしたかもしれない。それくらいは出来たかもしれないが。 仕掛けた側の方が状況の理解は早いものだ。 貴方が起き上がる前に、この男は貴方の左肩を踏みつけている。 (-528) 2023/09/23(Sat) 3:41:34 |
【教】 コピーキャット ペネロペ「さあなあ。 確かなのは言わなきゃ白黒どっちともつかないって事だ」 机に突っ伏す様子を見て、にんまりと笑う。 自覚症状があるようで結構、とでも言わんばかり。 「迷惑かどうかも、嫌われるか、受け入れられるかも。 聞いてみなきゃわからない。 逆に言えば、聞かなければずっとどっちつかずのまま。」 「あんたはそれでいいのか? どっちつかずの寂しさや苦しさをずっと抱え続けるより、 嫌われたくない の方が大きいか?」違うと言いたくなるような、ずるい聞き方を敢えてする。 意地悪な猫被りは、シュレディンガーの箱を差し出している。 (/7) 2023/09/23(Sat) 3:48:45 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ……ああ、マズったな。処分が甘かったな。 そう考えた時には、ぐぶ、なんて湿った音が鼻奥から響く。 脳の天辺なのか、後ろか、ともかく痺れの波が 寄せては返し、きいんと耳鳴りが続く。 頭の奥では冷静に、やっぱりこうだよな、と笑う。 表情にもまた、笑みは張り付いたまま。 呂律が回らない事は口を開くまでもない、 いやそもそも口を無思慮に開けたら不味い。 せめてどれかひとつでも砕ければ、そんな考えの元 身体を起こ――せない。二度、三度と試して、 やっと左肩を踏まれている事に気付いた。 女の扱いも知らないのかよ。声もないまま、 赤く揺れる視界に映る、鬱陶しい顔に毒づいた。 (-529) 2023/09/23(Sat) 4:03:08 |
カンターミネは、歌うのをやめさせられた。 (c24) 2023/09/23(Sat) 4:05:35 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 黒眼鏡「悪い夢……」 「 アリソン って人が、夢に出てきたの?」いつもだったら、そうなのね。なんて言って引いていたところだけれど。 こんな場所だから、こんな環境になってしまったからだろうか。 いつもより踏み込んで聞いてしまう。 「喧嘩なんかしないって言ってたのに」 「仕事に使わないけど、もう習慣付いてるからついやっちゃうって感じなの? 私にはトレーニングの良さは分かんないけど…」 力こぶに触れたらよかったのに。あなたの筋肉に触れるのは好きだったから。 鍛えてもらう分には、自分は得するのだけど。 喧嘩には使わないのに、というところはやっぱり引っかかったまま。 「私もそう思うわよ。 何であの子がって、ずっと考えてるわ。本当に保護ならいいんだけど……」 「そうじゃないなら、守ってあげられなかったことを悔やみそうだわ」 会いに行って元気になってくれるなら、とは思う。 「ええ、泥棒はいっちゃうわよ」 「食べ物とかダメになりそうなものがあれば持って帰っとくわ、他は……たまにコーヒーでも入れちゃおうかしら」 放り出すものが豪快すぎる。心配だ……… (-530) 2023/09/23(Sat) 4:09:52 |
【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 歌い、歌わせた カンターミネ乱視の視界に鮮やかに灯るライムグリーン。 女には 受け止める 意気地がなかった。…そんなあなたの様子や顔色をだ。 「…」 いつも通り、――ううん、ちょっと違う。 ただそれだけなのに胸が痛い。 そうっと手を持ち上げる格子に触れて。 指先には、ぞくりとするほどの冷たさだけが残った。 「…あはー。そおだよねえ。」 「ミネはちょおっと、盗聴とかそゆことしてただけでえ。」 …頬を緩めて、へにゃりと笑う。 この特技はきっと、こんな時にこそ役立てるべきものだった。 それにしても発言は身内贔屓が過ぎるが。 「……あたしは。」 「だいじょおぶ、元気だよお。」 えへへと笑って、左手を翳す。 少し傷が入ってしまっても剥がさずにいるこの小指のネイルは、あの日あなたに塗ってもらったものだ。 …だから、大丈夫。ダニエラ・エーコは、まだ頑張れる。 (-531) 2023/09/23(Sat) 4:45:17 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラわかってる。だって『エリー』は優しいから。『エーコ』は聞き分けがいいように見せているから。 鼻血の跡、きちんと拭けてるよな。よだれ、垂れてないよな。 「そうそう、ちょっとだけってオーイ。しーてーまーせーん。 俺のテディに変な仕掛けがされてただけですぅー。」 ふざけるように笑いながらも、近づかない。 普段なら絶対に駆け寄って、その手を握るのに。 悪い。今はふらついて真っ直ぐ立てないからさ。 「そりゃあ、……元気ならよかった。おまわりさんも 日々激務だろうけどさ、ここからのんびり応援してるよ」 そう言って寝転がったまま、片手を上げる。 この仕事のない場所をそれなりに満喫しているらしい。 お前だけは同じ場所に入らないでくれよ。 そして、少しの沈黙があって。ふと、思い出したかのように。 「あそうだ。今度あいつ、あのーあれ。ほらあいつ、 花屋で『マリーゴールド』をよく買ってた奴。 あいつにもし会う事があったらさ」 あなたの指を見る。フレームの歪んだ眼鏡だと、 少し見え辛いけど、きっと約束の花はそこにあるから。 「……無理すんなって、伝えといてくれない? あいつ、すーぐなんでも我慢しちゃうだろ〜?」 へにゃりと、ブレてても見えるように大きく笑った。 (-532) 2023/09/23(Sat) 5:08:19 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「たとえだよ、たとえ。 ――だが漸く得心いった。それがお前の源流か。 ……ああすまん、手の怪我は適当に言った。 お前もしかして怪我をこじらせたな? ちゃんと今のうちに行けよ、病院」 ほの暗い過去を持ち隠す人間はごまんといる。 それの一つが、自分と同じような仮面を作る人間だ。 その点においては圧倒的にお前の方がエキスパートだったのだろう。 だが一体俺が何人の厄介な事情を抱えた女を見てきたと思っている。 お前のお墨付きだぞ、子猫ちゃんを見る目に関しては。 あと、まあ。俺は都合のいい仲良しがいるんでね。 ▼ (-533) 2023/09/23(Sat) 5:32:01 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「俺を捕まえる利点? そんなの簡単だ。 俺が捕まったらお前に 視線 が行くように仕組んである」「すると遠くない未来でお前達を狙っていた一人の女、 ダニエラ・エコーが動き出す」 正直者は漸く此処で初めて一人の女の名前を出した。 もう隠す必要もない、そしてあなた達は会う必要がある。そう判断して。 「これまでもニコロ、上手くいけばアリーチェ・チェステが連れて行かれる。 摘発チームは3人編成らしいなあ」 「あとひとり。後にリヴィオは何らかの罪状で検挙される。 これで執行は終わって、つかの間の平穏が訪れる。 お前と俺には罰が食らって大変な事になる」 「ついでにダニエラも連れて行かれちまえばいいんだ。頼めんか? 何人もムショにぶち込んでよお、休みたいだろあいつも。 お嬢さん一人でずっと戦ってたんだ、なにか自棄を起こす前に座らせてやりたい」 そうしたらこの町の執行役が全員いなくなれば、平和だと思わないか。 綺麗事のように掌にある情報を告げる男はそう笑った。 ▼ (-534) 2023/09/23(Sat) 5:32:44 |
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