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ネコジマは、いろんなものが綯い交ぜになったこころでわらって、 (a20) 2022/07/17(Sun) 12:45:33 |
【秘】 気狂 ネコジマ → 夢中 ユメカワ猫島には生きてる理由があるし、生きたくない理由もあるし、 死ぬ理由があれば、死にたくない理由もある。 「さて、猫島はどの幸福を選びましょう」 皆が言ってくれている守るとか、助けるとかを信用していないわけじゃなくて。 そういう可能性も、全部ひっくるめた上で、猫島はこう言うのだ。 (-33) 2022/07/17(Sun) 12:46:12 |
ネコジマは、ただ、わらった。 (a21) 2022/07/17(Sun) 12:46:21 |
【秘】 気狂 ネコジマ → 夢中 ユメカワ「……なんて。大丈夫です、ちゃんと考えられますよ」 「こう言いながら、決まっているんです。 今すぐ決められないだけです」 「ああいや、んー……今決まっていないところが 決まらないと決められなくて……?」 「それだから、はっきり言えないだけで。 口に出したら、そうならなかった方の答えが さみしくなっちゃうから。それでも、」 「夜が明けてしまうまでには答えは出ているから」 「だから、大丈夫です」 (-34) 2022/07/17(Sun) 12:48:05 |
ネコジマは、猫島はほとんど迷っていない。道を決める要素は、あとひとつだけ。 (a22) 2022/07/17(Sun) 12:48:34 |
【秘】 陽炎 シロマ → 気狂 ネコジマ「……んん、花火かぁ。 まあ……、やっても構わないよ。 私は後ろで見てるからさ」 管理状況も悪い建物である。 これから急に保護をしたとしても、もう遅いだろう。朽ちるのを待つだけだ。 それに、この校舎自体に執着があるわけでもない。 「くれぐれも、自分が燃えないようにね。 焼け死ぬのは苦しいから……」 もう己が燃えることは無いと、わかっていても。 炎の雨は、どうしても。 「全員集めるのかい?」 しかし先生が暗い顔をしていては、心配させてしまうかもしれない。努めて平静を装って。 生者、死者、幻……それらを含めて『全員』と呼んだ。 (-35) 2022/07/17(Sun) 15:29:47 |
ネコジマは、先生の許可をもらえて、息を吐いた。緊張していた顔が少しゆるむ。よかった。 (a23) 2022/07/17(Sun) 16:46:41 |
【秘】 気狂 ネコジマ → 陽炎 シロマ>>-35>>a23 「んー……いない人は、いないんじゃねぇすかね。 猫島も、栗栖ニイがいなかったらいませんし」 猫島 稔という奴は、今日に起こった非現実的なことを 受け入れているようで、目を逸らしていて、 そして現実から逃げきれないでいる。 「ほんとうに、みんなみんながいるだなんてことに なるんだったら。それなら」 「……猫島が、くるしいくるしいになっても、 みんな、みんなで花火をするのがいいです」 経験したことのない苦しみを軽く見ているわけではない。 ここを運命のわかれ道だと決めているだけだった。 あなたの努力は実を結んでいるようで、 猫島はあなたが火を恐れているだなんてちっとも思わなかった。 (-36) 2022/07/17(Sun) 16:48:41 |
【秘】 夢中 ユメカワ → 気狂 ネコジマああやっぱり、できる事なら君の傍に居てあげたいなと思ってしまう。 きっと大丈夫じゃないのに、笑って大丈夫を言う君が寂しくて。 それが死者の傲慢だという事に気付いているのかいないのか、 きっと誰も聞きはしないし、語られる事も無いから定かじゃない。 「……ねえ、稔。俺は稔が頑張ってるの、邪魔したくないから」 隣を歩く君の頭にそっと手を伸ばして、 触れられたなら、やっぱり優しく髪を梳くみたいに何度か撫でた。 触れた手はきっと冷たくはなくて、血で汚れてもいない。 「応援してるから」 それから、いつか君がくれた言葉を返した。 きっと今の君は自分と同じで肯定が欲しいわけじゃないから、 いつかの君と同じ、これはただ身勝手な言葉だ。 (-37) 2022/07/18(Mon) 4:27:42 |
【秘】 夢中 ユメカワ → 気狂 ネコジマ「だから俺、ちゃんと待てるよ」 君達が答えを出すまでにもう少し掛かるなら、待っていられる。 君達が生きてしなければならない事があるなら、待っていられる。 ずっとは待たない。君達がこれからを生きていく限り、きっと自分達は いつかは記憶に埋もれて色褪せて、遠い過去のものになってしまうから。 いつか大人になってしまう君達と、大人になれずに終わってしまった自分達が その時も友達のままで居られる保証なんて、何処にも無くて。 「ここに来てくれた皆の事が好きだから。ずっと」 君達には、たくさんのものを手放させてしまったけれど。 そんな自分が多くを望むのは、きっと高望みなのだけど。 それでもやっぱり、できる事なら皆一緒が良い。 皆と過ごしたあの日々が、かけがえのない時間の事が、ずっと好きだから。 皆もきっとそうなのだと、信じて疑っていないから。 (-38) 2022/07/18(Mon) 4:28:37 |
【秘】 夢中 ユメカワ → 気狂 ネコジマ「また会いに行くからさ」 だからきっと、夢川はまた君達の前にやって来る。 『また』が来るのがすぐの事でも、少し先の事でも。 何れにしてもその時は、やっぱりちゃんとそこに居るはずだから。 「みないふり、しないでね」 だからその時も、目を逸らさないで、と。 寂しがり屋を免罪符にしてちょっと強引なお願いをするあたり、 やっぱり昔から、なんにも変わっていなかった。 (-39) 2022/07/18(Mon) 4:29:10 |
ユメカワは、きっと笑っていた。 (a24) 2022/07/18(Mon) 4:31:51 |
ユメカワは、昔からなんにも変わらない。これまでも、これからも。 (a25) 2022/07/18(Mon) 4:32:31 |
ネコジマは、「しませんよ」 ひとこと、それだけ言っていた。 (a26) 2022/07/18(Mon) 6:00:12 |
【秘】 陽炎 シロマ → 気狂 ネコジマ「……そっか。 稔が苦しいのは、私も苦しいけれど……。 君がその方法を選んだとしても、私は止めないよ」 まるで境目をぼんやりと見つめているような子だ、と思った。 両方に足を着けている、と言った方が良いだろうか。 一言で表すならば、『狂い』になってしまうが。 その様に、何だか親近感さえ抱いてしまう。 苦痛だと知っていても尚、選んだとしたら。 貴方の想いは、それ程強いのだろう。 もしくはそれ程に、狂っている。 ああ、来てくれないかなあ。 君のような子にこそ、この いとま で笑って欲しい。「──みんなで一緒にいたい気持ちは、わかるつもりだからさ」 少女はそっと微笑んで、肯きをひとつする。 その横顔は、今までの笑顔とは違って。 ほんの僅かに、憐れみが滲んでいた。 (-40) 2022/07/18(Mon) 12:04:53 |
【秘】 不知 ミナイ → 陽炎 シロマ「わからないからと 停滞と巻き戻しを続けるところはさすがとでも言おうか。 確かに話にならなくて残念だ」 「予想や推測はは正しいのに、な。」 人でもなく。先生ふりをしているだけの存在なんて。 一瞬の夢ならば許してやれとでも? 否、関わることが間違いだ。 どうすれば、わかるようになるのか。 わかる頃には多分疲れきっていて、それはしゃくだなぁとか。 ため息をつけば、なんとなく、手首をさすっていた。 「人は何もしなくても勝手に死ぬよ 君たちが、いようといまいと関係ない」 「人集めも、寿命まで待てばいいのに。 今後は生きることを邪魔されないことを願ってるよ。 いきたいときにいきたい場所にいく、 現代人は昔にはとれなかった、勿体ない選択がとれるようになっているんだから」 「君たちもいつまでも迷子になってないで。 次の機会には前を見せられることをお祈りするよ」 (-41) 2022/07/18(Mon) 18:37:05 |
【秘】 陽炎 シロマ → 不知 ミナイ「……ああ、人は何もしなくとも死ぬ。だが、その頃にはとっくに変わってしまっているだろう。それが嫌なだけだよ。 鶏だって、一番美味しい時に絞める。 米だって、炊きたてが一番美味しい。 いつだって、今が一番美しいんだ」 人は変わらないと口にするけれど──そんなものは嘘だ。 今この瞬間の貴方は、今しか存在し得ない。 時代が変われば人も変わる。それこそ、世捨て人として暮らさない限り。 昭和ならともかく、この情報化社会で孤立して暮らすことなど不可能だろう。 変わらない物など、この世にあろうか。 今後について話題に上がれば、「さてね」と他人事のように切り出す。 「邪魔するか否かは生徒達次第だ。 せっかくだし……時代に倣って、私も行きたい場所に行けるようになろうかな。 上手くいくかはわからないが……」 生前は、いきたい時にいきたい場所にいけなかった。 生徒から学ぶことだってあるだろう。 白間コズヱの考える理想の教師は、生徒の意思を汲む大人だ。きっと現代人である彼等から、これから多くを学ぶ。 とはいえ。 停滞の中にある者同士で交わす言葉は、きっと偏っている。 それは既に、彼女が“生徒が望んだ”というだけで全員招こうとしていたことからも明らかだ。 「しかし、ね。生き物は日々変わっていく存在だ」 「──私達はいつでも歓迎するよ。 現実に疲れたら、いつでもおいで」 最後に、まるで実家から貴方を見送るような言葉を添えた。 (-42) 2022/07/18(Mon) 21:59:41 |
【秘】 甚六 カナイ → 泣き虫 ウラミチ東の空が白みはじめた頃合い。 「なんしとんの」 頼りなげな声が、ぽつんと校舎のどこかに浮いた。 見慣れたパーカーを着て、フードを深く被って。 短パンから覗く脚がひょろりと伸びて、小さな背丈で見上げる。 今度は、幻だって言わせない。 言わない。ぼくらはまだ、ここにいる。 「うらみち」 きみの近くに、すぐそばに寄る。きっと同じ温度だ。 もう、冷たくなってしまった。 (-43) 2022/07/20(Wed) 21:16:48 |
ネコジマは、わかってもらえてうれしい。 (a27) 2022/07/20(Wed) 21:25:03 |
ネコジマは、滲んだ程度のその憐れみを、心配なのだと思った。だから、 (a28) 2022/07/20(Wed) 21:25:08 |
ネコジマは、わらって頷いて、それで先生と別れていたのだった。 (a29) 2022/07/20(Wed) 21:25:48 |
【置】 友達 ネコジマ【屋根裏】 「──そすね。長かったと思いますよ、猫島も」 「君は猫島よりも我慢がたくさんできるいい子なんですね」 「はい、考えておきます」 「考えておくだけですって」 (L2) 2022/07/20(Wed) 21:33:18 公開: 2022/07/20(Wed) 21:35:00 |
【秘】 甚六 カナイ → 傷弓之鳥 マユミ「………………」 「……けど」 「まぁ は」 とん、とん。 ゆるやかなリズムで、背を軽くたたく。 「………… くるしいんだな 」「 ……ぼくは、まぁが死ぬのは… いやだ 」あたたかい身体をぎゅうと抱え込んで、考える。 難しいことばっかで、ほんとう、ぼくにはひとつも向いてなくて。 うまくできないことばかり、だけども。 「 ぼく の…」こればっかりは、あきらめたくなくて。 無い知恵しぼってきみに言う。 ▽ (-47) 2022/07/20(Wed) 22:05:50 |
【秘】 甚六 カナイ → 傷弓之鳥 マユミこれから出会う、いいこと、嬉しいこと、楽しいこと。 ひとつだって取りこぼさないでほしいから。 そうじゃないこと。 嫌なこと。悲しいこと。苦しいこと。 ぜんぶ、ぼくのせいにして。 ▽ (-49) 2022/07/20(Wed) 22:12:16 |
【秘】 甚六 カナイ → 傷弓之鳥 マユミきみがいっときでも、死にたいって思った世界で息をして。 ぼくのこと きらいになるまでずっと、そうしてて。 (-50) 2022/07/20(Wed) 22:13:03 |
【人】 気狂 ネコジマ【みんなの教室】 と、と、と。 お骨のかんかんを抱えて、猫島は教室に戻ってきた。 教室には誰がいるだろう。誰もいないだなんてことは、きっとない。 「ただいま」 きょろ、室内を見回して。 真ん中あたりの空いてる席に缶を置く。さみしくないね。 それから教室に置いていた花火の袋を開けて、何本か缶の横に添えた。 続けて、動かない身体たちの──確か利き手だったと、 猫島が記憶している方の手に花火を持たせて。 抜き取った靴紐なんかで、落ちないように結びつけていく。 (16) 2022/07/20(Wed) 22:22:45 |
ネコジマは、笑顔で別れを告げて、みんなの教室を出て行った。 (a31) 2022/07/20(Wed) 22:27:20 |
ライカは、君を抱き寄せて、 (a33) 2022/07/20(Wed) 22:39:36 |
ライカは、口付けをひとつ。 (a34) 2022/07/20(Wed) 22:39:44 |
ライカは、「……おはよう、深雪。」 (a35) 2022/07/20(Wed) 22:39:55 |
【赤】 先生 シロマ……色とりどりの炎が、花を咲かせた後。 どこかで、少女が教鞭を執っていた。 「 鳥飼 。」「 夢川 。」「 司馬 。」「 来家 。」「 山中 。」名前が増え、賑やかになった出席簿を満足気に読み上げる。 その声は隠し切れない程の喜色が溢れていた。 「……ふ、ふふ! すごいなぁ、こんなに沢山! 体育の授業だって色々できるようになるね……!」 前回との違いは、更に名前が増えたことと──最後にもう一名分、空欄があった。 「さて、さて。 もしかしたら、遅刻かもしれないし。少し待っておかないとだ」 欠席かもしれないけれど。 時間は幾らでもある。 時計の針が進まないのだから。 (*1) 2022/07/20(Wed) 23:06:44 |
ネコジマは、みんなの自転車を昇降口に運んだ。鍵がかかってた都会組のはちょっと大変でした。 (a36) 2022/07/20(Wed) 23:27:39 |
【神】 友達 ネコジマ──花火が始まる直前頃、メッセージ。 『教室で花火、しますか? しませんか?』 『みんなにはしてもらうんすけど』 『しないんだったら、帰りましょう』 『猫島は昇降口にいます』 『花火が始まったら、 来なくっても猫島は帰っちゃいますからね』 (G1) 2022/07/21(Thu) 6:42:43 |
【人】 夢中 ユメカワ【???】 >>20 ライカ ほんのわずか、途切れた言葉には一度首を傾げかけて。 それから、続く言葉には、やっぱりどこかいつも通りの延長線上。 そっか、なんて零して、けれどほんのすこし安堵の息を吐いて。 「ん、………」 ふと視線が合わされば、懐くような腕に引かれるまま。 そっと顔を寄せ合って、触れ合う温度は確かにそこにある。 これからもずっと。 それが何であったとしても、形のないものが今もなお君を苛むなら。 これから何度だってこうして遠ざけてしまおう。 今は確かに二人こうしてここに居るのだから。 きっともう、離れ離れになる事だって無いから。 (21) 2022/07/21(Thu) 8:38:55 |
【人】 夢中 ユメカワ【???】 >>20 ライカ 「……うん」 何の憂いも無く、いつかの日々の続きを、君と一緒に居られる。 たったそれだけの事が、どうしようもなく嬉しくて。 たったそれだけの事が、あんなにも難しかったから。 やっぱり自分ってどうにも単純な人間だ、なんて思いながら。 やっぱり自分は君の事が好きで仕方ないらしい、とも思って。 今この心の内を満たす喜びを、上手に言葉にできる気はしないな。 だから、添えるように君の背に回した腕に緩く力を入れて。 もう少しだけ、擦り寄るように肩口に顔を埋めて。 微睡みの中に居るような心地良さに、息吐くように笑みを零して。 きっと暫しの間、そうしていた。 (22) 2022/07/21(Thu) 8:39:35 |
ユメカワは、しあわせだ。 (a37) 2022/07/21(Thu) 8:39:43 |
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