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【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>22 レヴィア 「よう、Piccolina.」 女は、それらをすべて見て。 見た上で、軽く手をあげてそう言った。 軽い挨拶を、いつものように。 それから眠る姿の隣に行って、散らばる木くずや、 ガラス片なんかを軽く足で払って。 重い荷物を下ろすと、女の隣にあぐらをかいて座り込んだ。 「はあ。おかえりが言えなくて残念だよ」 「……なあ、寝ながらでいいから聞いてくれよ」 「ちゃあんと、あんたの仇は討っといた」 「それもとびっきりの方法でね」 「それに、吹っ飛ばした分だけよく聞こえたろ?」 「弔いの鐘って奴。いい音だったと思うんだ」 「まあ、あんたのグラスハープには負けるけどさ」 返事もない、他愛のない話。 傷だらけの店をぼんやりと眺めながら、 笑い交じりにぽつぽつと落としていく。 魔女は、猫が好きだった。 可愛い顔して、人を寄せ付けず、かと思えば寄ってきて。 自由そうで、不自由で、その癖時々凶暴な、ワガママな奴。 まるでどっかの誰かみたいだ。 そんなやつが、魔女は好きだった。 (1/2) (23) 2022/08/26(Fri) 18:50:55 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>23 女は、眠り姫へと手を伸ばす。その髪を軽く撫でてやる。 「……。ああ、そうだ。時計塔、吹っ飛ばしちゃったからさ。 あたいここに住む事にしたから。いいだろ? これなら毎日、借りに来ることが出来るじゃんか」 勝手な事を口にして、髪を撫でていた手を離し、 抱かれた猫の片方、くたくたになった黒猫の頬を突く。 くにゃりと曲がった顔は、首を傾げるようだった。 「でもさあ、あんたは……あんたはさ、 いつまでもここにいる訳にもいかないだろ? それにハエなんかたかってるの見たら、 あたいがまた住処を吹っ飛ばしちまいそうだし。 ……だからさあ、提案なんだけど」 そう言って、抱かれた猫の内、幾らかしゃんとした 白い猫を腕の中から抜け出させてやる。 「あたいがこの子、借りていくよ。 で、あんたにはその子、貸したままにしとく。 それでさあ……いつかまた会う時が来たら、 お互いの猫を返すってのは、どうよ?」 名案だろ?なんて微笑んで、返事もないのに様子を窺った。 (24) 2022/08/26(Fri) 19:01:00 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア (25) 2022/08/26(Fri) 19:16:26 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア>>24 ストレガ そんな声が聞こえてくるわけもない。 死体は何の音も立てない。 もう口から冷たい言葉を吐くことも。 細い指先がグラスを撫でる事もない。 何もかもが終わってしまった、ただの肉の塊。 もう少しすれば死の匂いが強くなり、やがて腐り。 きっと見るに耐えない姿になっていく。 黒猫を、胸に近い側に。 白猫を、その一つ外側に。 そうやって抱きかかえていたから、死後に固まる腕の中、 黒猫の方は随分ぎゅぅ、と抱きしめられていた。 まるで離さないとでもいうような、いいやきっと、 それはただの現象でしかなく、そこに意味などないのだけれど。 それでも何となくそう思えるような、抱きしめ方で。 白猫は、すんなりと取れる。 黒いリボンが一つ増えている。 女の頭のリボンが一つ減っているのも、貴方にはきっとすぐわかる。 足の付け根には拙い刺繍。 L..v...と、少しぐちゃっとした文字のようなもの。 殺すだけの女の手では、針子の才能はなかったようで。 手袋の取れた指、何度か針の刺さったような傷がその証拠。 背中にも、目立たない縫い目がある。 中に何かを入れて、また閉じたのか。 やはり拙いそれは、糸を切ればすぐに開いてしまうような 縫合だったけれど。 (26) 2022/08/26(Fri) 19:24:18 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 愚者 フィオレロ「相手に求めた場合?」 続く言葉に笑んだまま片眉をあげる。 「面白いことを言うね。何か悩み事があるみたいだ」 男は、家族の以外に対して排他的に接するようなタイプの人間ではなかった。それは敵組織に対しても。 それでも、ノッテの人間と二人きりで会うことは血の掟を破ることになる。であれば彼はそれを避けようとするだろう。つまるところ、会話が成立するかどうかは君が男を知っているかどうかではなく、男が君を知っているかどうかにかかっていた。 男が立ち去らないのは、君がノッテに所属してそう長くないことも幸いしたのかもしれない。 「そりゃあ、そうだろう。愛しているからより欲しくなるし、触れたくなるし、近づきたくなる」 「簡単な事さ。誰かの笑顔を見たいと思った時、その相手が誰でもいいなら君は芸術家かコメディアンだ。でも思い浮かぶ人がいるなら────それが家族でもだれでも────君はその子を愛しているよ」 たかだか花屋の店先で出会っただけの君に、男はそんなことを説いてみせる。どうも愛の話になると饒舌になるようだった。しかしその語気に押し付けるような響きはなく、あくまで語りかけるようで。 「もちろん、いつかね」 「君だってすぐに分かるさ。すれ違っただけで振り向かずにはいられない。ひと目でわかるよ、ああ、これがあの人の言ってた家族か、って」 肩を竦めて冗談を零すその姿にも、やっぱり家族へのあたたかな愛が溢れているのだ。 「おや。気が合うね、親切な人。もしかして僕の背中を押すために現れた妖精だったりして」 「お褒めに預かり光栄だよ、妖精さん。君のお墨付きがあれば、僕も胸が張れるというものだ」 (-42) 2022/08/26(Fri) 19:53:57 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>25 >>26 レヴィア 窺えど、返事もなければ、身じろぎもしない。 当たり前だ、それは死体で、終わった話。 ため息ひとつも零れるだろう。 それでも、強く抱かれたようにみえる黒猫と、 "大事にされていた"白猫を見れば、口元には笑みが浮かぶ。 「……ありがと。次会ったら裁縫くらい教えてやるよ」 ぽつりと呟いて、またその髪を撫でた。 それからふと、白猫の背中に拙い縫い目を見つければ。 「……。ちゃんと後で縫い直してやるから、 ちょっとだけ……ごめんね」 片手をカバンに、工具箱から小さなニッパーを取り出して。 努力の証を開くのも、なんだかなあと零しながら 糸を切って中を確かめてみた。 (27) 2022/08/26(Fri) 19:59:35 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → 郵便切手 フラン>>フラン 女は肯定も否定もせず、にこり笑うだけ。 つかず離れずの関係。 他人というには互いに会うのを楽しみにして、 友人になるには女の抱えたものが多すぎる。 あなたが無理に距離を詰めない限り、 女が様々なものを棄てない限り、 この関係は続くことだろう。 「ここは……お酒も出るのでしたよね?」 視線があなたへ戻り、尋ねる。 伝票がそちらの手元にあることに気が付いて眉が下がる。 「それなら、暫くは通ってみることにします。 タルトも美味しかったですし」 もし次の”偶然”があるのなら、その時には今日の礼を。 そう思いながら、バッグを手に取る。 「今日はこのあたりで帰りますね。 フラン、おやすみなさい。良い夜を」 女はそう言って立ち上がる。 あなたが止めなければ、そのまま去るつもりだろう。 (-43) 2022/08/26(Fri) 20:30:23 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア>>27 ストレガ 教えてやる、と言われて返す言葉は、きっと決まってる。 いつもと同じ温度で、同じ抑揚で、きっと頭の中に響く。 猫の胸の辺り、心臓の代わりに入っていたのは、 小さな紙きれ。 少し丸い文字が並んでいる。口語体の文章。 『貴女がこれを読んでいるなら、きっと私は死んだのね。 そして貴女は生きている。そういう事だと思うわ。』 『件の抗争は決着がついてるかしら。 ついてたらいいわ。そうしたら、死から少し遠くなる。 怪我はしてないかしら。治さなきゃだめよ。 貴女、ただでさえ目立つって自分で言ってたもの。』 『貴女が今どんな感情でいるか、なんて知らないけれど。』 『私、濡れるのは嫌いなの。』 『貴女の雨で濡らさないで頂戴ね。』 『手紙なんて、書いたことがないから、 何を書けばいいのか分からないわ。 何事もなく終わって、ずっと後にこれが見つかったら、 どんな顔をすればいいのかしら。』 『そうね。』 『伝えたい事があるの。それを書いて終わるわ。』 (28) 2022/08/26(Fri) 20:41:18 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア>>27 ストレガ 『私、誰でも殺せる女なの。』 『敵も、味方も。殺せと言われたら殺せるわ。』 『つい最近も、ノッテの人を殺したもの。』 『誰を殺せと命令されても、その通りにしてきたわ。』 『でも最近、命令をされるのが怖かったの。』 『あなたのせいよ。』 『貴女が懲りずに話に来て、律儀に飲みものを用意して』 『贈り物なんて考えて、いってらっしゃいなんて告げて』 『怖がりもせずに、当たり前のように接してくるから。』 『怖かったわ。』 『怖かったのよ。』 『───命令で貴女の名を呼ばれる事が、怖かった。』 『だって、私、そうなったら。』 『きっと』 『きっと、命令に添えなかったもの。』 『私、貴女だけは殺せそうにないわ。』 『あなたのせいよ。』 『馬鹿。』 ▼ (29) 2022/08/26(Fri) 20:49:50 |
【人】 誰も殺さなくていい レヴィア>>27 ストレガ 『……それだけよ。』 『ねぇ、これを読んでるのが、殺せない貴女なら。』 『どうか、祝福してくださらない?』 『貴女を殺さずにすんだ、殺すしか能のない女の事を。』 『祝ってほしいの。』 『文字を書くというのは疲れるわね。』 『ここまでにしておくわ。』 『じゃあね、唯一人の貴女。』 『Arrivederci.』 『PS:』 『リボンは貴女がつけなさい。』 『嫌そうな顔をしないの。』 『その方が』 『目立って見つけやすいかもしれないじゃない。』 そんな拙い文章の手紙が数枚、 ぬいぐるみの心臓部に入っていた事だろう。 (30) 2022/08/26(Fri) 20:55:52 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>28 >>29 >>30 レヴィア きっと、いつもの通りに返されれば、 いつものように返すのだ。『かっわいっくねえー』なんて。 そして、いつもの言葉を脳内で呼び起こしながらも、 隠されていた心を読めば読むだけ、言いたい言葉が一杯だ。 『遺書を用意するなんて、用意がいいのね、だっけ?』とか。 『なんで生きてないんだよ本当に、あー無駄になった』とか。 『馬鹿なのはどっちなんだよ、まったく』とか。 『あたいにリボンとか、趣味が悪いよあんたは』とか。 だけど、そのいずれも出やしない。 代わりに、雨が降り出した。それは、どしゃぶりの雨で。 濡れるのが嫌いなあなたを濡らさないように、 無理矢理に手で掬うから、その手に赤い雨が滲むのだ。 強い風は唸り声と紛う事もあるというから、 今吹き付ける甲高い嵐もきっと何かと紛う事もあるだろう。 ああ、それにしてもまったく、魔女というものは 誰にとっても、本人にしたって、御しがたいもので。 きっとそれは、猫のように、気まぐれで、自由で。 お願いしたって、碌に聞いてくれやしないのだ。 傷だって、ずっと持っていこうと思っているし。 雨だって、当てないようにしたって少し零れているし。 どうしようもないほどに、ままならない。 あなたの言葉を借りるなら、きっとこの魔女は馬鹿だった。 (31) 2022/08/26(Fri) 21:26:54 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>28 >>29 >>30 レヴィア やがて、その雨風が弱まって。 時計の音が雨音をかき消すくらいになった頃に。 やっと、落ち着いたストレガは口を開く。 「……悪い、ちょっ、とだけ、濡らしたね」 がらがら声が、無理矢理に元気を作っている。 白猫に手紙を返して、優しく抱いて。 「まあ、……許してよ。次会う時、怒ってくれていいからさ」 「それで、祝福だっけ?あたいそういうの、 全然知らないんだよなあ……するように思える? 思えないだろ?そもそもさあ……はあ〜〜〜〜……」 ぐちぐち、続けそうになった口を適当に切り上げて、 代わりに溜息を吐いて。肩を竦めた後、 目元を親指でぴっ、と拭う。 「あんたは、ノッテ・ファミリー。 だけど、それ以上にあたいの……ハ、唯一の。友達だよ。 言っとくけど!家族になるより友達になる方が 何百倍も難しいんだからね。ことあたいにとっては!」 なんだか、ちょっと怒ったような口調でそう言って。 黒いリボンを、おもむろに白猫からひとつ、解いて見せた。 「……友達の頼みじゃ、一等断れない。 まったく、ちゃんと見つけないと承知しないからね」 (32) 2022/08/26(Fri) 21:43:39 |
【人】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ>>27 >>28 >>29 唯一人の貴女 そうして、ぼさついて広がった髪を後ろでひとまとめ。 根元をきゅっと、黒いリボンで結わえて。 「 Ti voglio bene, Levia. 」呟くと、物言わぬあなたの、額に唇を落とした。 少しだけ長く、別れを惜しむように。 やがて離れて、最後にもう一度だけ髪を、そして頬を撫でて。 「……やれやれ、最後に一仕事だけしなきゃ」 鞄を探ると、取り出したのは針と糸。 黒い猫には白い糸を。抱かせたままに、縫い付ける。 友達が縫った所と同じ場所に、『Strega』と。 白い猫には、黒い糸を。背中を敢えて、 はじめと同じように少し緩めに縫い合わせ。 友達の名前は、そのままに。これが、一番いい形だから。 「出来た。……なあ、次に会うのは随分先になるからさ。 そん時はレヴィアの顔、驚きと喜びで ふにゃふにゃにさせてやるからな? ……おやすみ、唯一人の貴女」 そう告げて、……一旦。この場を去るだろう。 一枚、烏達に向けて。「ぬいぐるみと一緒に、頼む」と添えて。 (33) 2022/08/26(Fri) 22:00:43 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 天使の子供 ソニー「せめて人知れず葬ってやるしかない事もある」 見切りをつけたような、或いはがっかりしたような。 或いは失望か諦めのような。その焼け残った灰のような冷たさは、 何れも向ける先はあなたではないものだけれど。 それはあなたの知った事ではないだろう。その逆も、また然り。 「わかるとは言わないが、わからないとも言えやしないな」 肯定はしないが、否定もしない。 共感と理解は必ずしも片一方を伴うものではない、別々のものだ。 何れも正しくそれを行う事ができるほど事情を知りもしない。 けれど空回る思考の末に選んだその選択が、 結局は何処までも生者の自己満足でしかない事は知っている。 今更道理や正しさを説いた所で、どうにもならない事なのだと。 ただどうしようもなく、その事だけを知っている。 だから他人事の男は、他人事ゆえに肯定も否定もしない。 客観的に見て、客観的な事実だけを認めて、ただそれだけを言う。 そもそもの話、あなたの話の何処までがはかりごとでないかなど あなたと死者の間柄を知らぬ者からすれば、 少なくともこの時点では、まったくわかったものではないのだ。 (-44) 2022/08/26(Fri) 22:06:42 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 天使の子供 ソニーけれど何れにしたって、どうだって良い事でもあって。 何せどうにもならない事なのだから、なるようにしかならない。 心の底にはいつだってそんな諦めが広がっているものだから。 リスクを、最善を、想定はするけれど、何れも信じてはいない。 尽くを失って来た人間は、何にも手を伸ばそうとはしない。 だからあなたが先に背を向けたなら、喪服姿はその影のように。 人間二人、三人ほどの距離を開けて、粛々と後ろをついて歩く。 嗚呼成る程、たしかに半分だ。 そうして開かれた扉の先。 別れ花じみた花弁と、後部座席に横たえられた女の上半身。 そんな光景を一瞥して、他人事の思考はただそれだけを思う。 名もなき烏は生者の顔など逐一覚えてはいないし、 そうでなくたって、今ここで眠る女は知った顔でもなかった。 けれど未だ記憶に新しい報告が脳裏を過りはしただろう。 それを聞いた時、思う事が無かったわけでもない。けれど。 今ここで言う事なんて、なんにもありはしない。 弔いの言葉一つ言いはしない。それは自分の役目ではないから。 (-45) 2022/08/26(Fri) 22:07:22 |
【秘】 高らかに、あなたの元へ届け ストレガ → 誰も殺さなくていい レヴィア「Ti voglio bene、なんて 多分今後言わないよなあ……。 全く、本当に"唯一人の貴女"じゃないか。 ……ま、大事に取っときな。あたいのそれは貴重だからね」 ……なんて言うのは、心の中だけ。 誰かに唇を落とすような事も、初めてだったわけだから。 やれやれ、なんて笑っていた。 (-46) 2022/08/26(Fri) 22:07:29 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 天使の子供 ソニー悪意に晒されて、酷い仕打ちを受けて、剰え既に朽ち始めていて。 今は善意によって、丁寧に整えられて、こうして庇護されている。 それでももうどうにもならないアンバランスな亡骸。 もはや何処にも行き場の無いそれを、せめても一思いに葬り去る。 いつだって、ただそれだけが自分のすべきこと。 あなたの痩せ我慢を気にする人なんて、今は何処にも居やしない。 「……このまま俺の仕事場まで送ってもらえます? 生憎と、今夜仕事があると思ってなかったもんで。 持ち歩くのに難儀する道具は一つも持って来てないんですよ」 「用向きのある奴をこれ以上待たせるのも酷な話だ。 何より今から取りに戻って、 それを待つなんてのはあんたも手間でしょう」 運転は任せます、免許持ってないんですよ。 思い出したようにそれだけを付け加えて、 仕事場である僻地の廃倉庫の場所は簡潔に伝えられる。 この男の根城たるその場所に赴くかは、あなた次第だけれど。 それをあなたが許容するなら、二人と一人の道中は何事も無く。 やろうと思えばやれる、なんてのはきっと互いに同じ事。 掃除屋が手を出す事は無い。あなたが何もしない限りは。 今この時に限り後部座席が死者の為の寝台であるならば。 乗り合わせるにしても、きっとそこは避けるべきなのだろうな。 (-47) 2022/08/26(Fri) 22:08:42 |
【人】 貴女の友達 レヴィア>>33 ストレガ 結局、一つだって約束を守ってくれない貴女。 それでも女が怒ることは、きっとない。 たとえ頬を突かれたって、怒ったりしなかったのだから。 だから、女は。 もうあなたに見える事も、触れる事も出来ない、 曖昧な存在のまま、 雨が降るのをただ見ていた。 まさか見られてる、なんて貴女は思わないだろう。 貴女もそんな顔するのね、なんて言葉も、届かないだろう。 「友達、そう。」 「………馬鹿ね、人を見る目もないなんて。」 「リボン、やっぱり似合わないわね。」 「見つけやすくて助かるわ。」 伝わらずとも、そんな事を呟いて。 ぬいぐるみに刻まれる名前も、閉じられていく傷も見届けて。 全部、全部、全部。 その最後まで、見届けて。 額にキスされたのを見れば、そっと、顔を寄せて。 ぐっと背伸びして、同じようにして。 きっと貴女の額には、届かなくて、それより下になったけど。 「Anche io.」 そんな言葉を、呟いて。 (34) 2022/08/26(Fri) 22:24:37 |
【人】 必ずまた会いに行く レヴィア>>33 ストレガ 最後に黒のぬいぐるみを傍に置かれて、 立ち去っていく貴女を、その背中を眺める。 「……必ず、見つけに行くわ。」 「だって私、暗殺屋だもの。」 「必ず、必ずよ。」 だからそれまで、待っていてちょうだい。 次に会った時、それが貴女とは違う姿形で、 私も違う姿形だったとしても。 絶対に見つけて、また、同じように。 貴女に同じ言葉を言わせるわ。 だって、私は暗殺屋。 暗殺屋は、狙った標的を絶対に逃がさない。 レヴィアが狙う、最後で、最初の標的は──── (35) 2022/08/26(Fri) 22:32:59 |
レヴィアは、指鉄砲を、貴女の胸に突き付けて。 (a2) 2022/08/26(Fri) 22:34:23 |
レヴィアは、くすり、年相応に、楽しげに笑って。 (a3) 2022/08/26(Fri) 22:34:52 |
【秘】 天使の子供 ソニー → 銀の弾丸 リカルドかわいそう、と他人事みたいに口の中で呟いた。音になっていたかはわからない。 捨鉢な頭の中で、これが理不尽であることはわかっていて、されど止める理由もない。 小暗い高揚が胸の内を占めている。散々に虐げたことで、怒りそのものは収まった。 けれど、最初から怒りのためにこんなことをしているわけではない。 探しているのだ、 を。だから、狂人の行いだと言われたのだし、その謂れは正しいのだ。 碌な理屈も持ち合わせちゃいないのだから、感情が冷えたところで止まるわけでもない。 一度きりでそうそう具合がよくなるわけでもないが、薬は様々な助けにはなるだろう。 筋肉を緩めたり痛みを誤魔化したり、互いにとって都合がいい。それが喜ばしいかはさておき。 指先をねじ込んで開かせ、どれぐらい緩んだかを確かめ、頷いた。 「アンタの仲間たちはどう思ってくれるもんかな……少なくともアンタを知らない連中は。 本当は不誠実な人間だった、って。そおう思ってくれたなら、オレも気分がいいんだけどな」 代わりに手を動かすのはやはり僅かばかり燻る悋気だ。いつからか、貴方が羨ましかった。 仰ぎ見る誰かの隣にいられることか、それとも見たこともない親と同じポストにあることか。 もしかしたらそこに、理想的なものを見出していたのかもしれない、だからこそ。 ベルトを緩め、ボトムの前を寛げる。体裁だけでもそれらしく、とはしない。必要がないから。 緩く立ち上がりつつあった熱に指を添えて擦り上げて、陰惨な欲動を陽物に集める。 薄く滴りのあるうちに、今しがた押し開いた後孔へと亀頭を無理矢理ねじ込んだ。 皮膚であったり肉であったりのひきつるような感覚があった。ぐ、と息を詰まらせる。 深呼吸をして痛みを誤魔化する。人並み程度の大きさだが、それでも呼吸が苦しくなるほど。 ゆっくりと腸壁に馴染ませるように、男根を押し込んでいく。 (-48) 2022/08/26(Fri) 22:53:30 |
【秘】 郵便切手 フラン → プレイスユアベット ヴィオレッタ「? ええ、そうですが」 質問には肯定を返しつつ。 「そう、ですか。はい。 おすすめ……です」 もう会わないかもしれない、なんて後ろ向きな予感があったものだから、少し意表をつかれた。 そのまま荷物を手に取る様子を視線で追って。 いつか偶然というカードを引き当てることができたら。 また話の続きをしたいと思った。 「……良い夢を。」 引き止めることなく、その後ろ姿を見送るだろう。 (-49) 2022/08/26(Fri) 23:47:04 |
【秘】 金毛の仔猫 ヴェルデ → 家族愛 サルヴァトーレさて、少年は口が巧くないから、丸め込むことも簡単だったろうけれど。 あなたはどうやら、応じてくれる様子。 暮れかかる空に似た色の、ずっと高いところにある瞳を見つめる。 少年もまた、唇をかすか、笑みのかたちに歪めた。 「……大袈裟だな」 「食べてみないとわかんないけど、多分、ヘーキ」 そうして、食べかけの串焼きをあなたへ差し出すのだ。 だってきっと、『家族』とは、こんな風に支え合うものなのだろうと、知り始めているから。 愛することも愛されることも知らなかった少年は、あなたの姿に、振る舞いに、それを学んでいるのだから。 (-50) 2022/08/26(Fri) 23:51:08 |
【秘】 天使の子供 ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ相手がどう感じているかだなんて知らぬままだ。手の届かないものと思っているから。 だから天上に向かって手を伸ばしている、何度も。幾度となくそれを繰り返してきた。 これだってその延長線で、響いているとは思わなかったから空振りし続けているつもりなのだけど。 「わかった、わかった。ちゃんとやる。別にやる気が無いわけじゃないってば。 ……待つ!」 やりとりだけならそれこそどうしようもなく大人と子供だ。 片付けの出来ない子供が急かされるみたいなやりとりの末に、差し出されたキャンディに視線が寄る。 唇に触れる透き通った甘味を、口づけるみたいに受け入れてから。 ばく! と指ごとかじった。実際にかじり取れたのは当然飴玉だけだ。してやったり、悪戯の成功した子供みたいに笑って見送る。 多少こうやって上回らせてみせてやれば、案外落ち着いて待ってみたりもできないわけじゃないのだ。 手持ち無沙汰に、伸ばした足を揺らしながら相手が帰ってくるのを待つ。 「まだ全然寒いけどもうちょっとで春が来るんだなあってわかるから、花祭り好きなんだよね。 母さん達からもちょうどこの時期に花が届くから…… あ、そうだ。もう一個報告あんだよね」 まだ、ガラスランプのシェードに細かな罅が入る前。内側の灯りがむき出しになって壊れる前。 いつだかの青年は、今の男よりもずっと素直で、明るくて。寂しそうな翳りなんてのもなかった。 他の誰かに傷つけられる前に貴方を殺さなければならない、なんて追い詰められたりも、しない。 キッチンの方に向かう背に、張った声を投げかけつつ思い出したように声をあげる。 言ってみてから、なんだかにやにやと。けれども仔細な話は相手が戻るまで待とう。 (-51) 2022/08/27(Sat) 0:05:31 |
【秘】 Ninna nanna ビアンカ → プレイスユアベット ヴィオレッタ「――私がさ。 金以外、何が残せる?」 子供みたいな笑顔の裏に、子供ではいられない現実がある。 「お金だけは、……お金だけは、……あげられるかもしれないじゃない。 せめて、そのくらいは──……」 ゆるやかな肯定とともに、グラスがくるくると回った。 その表面に映った自分の顔を、ぼんやりと眺めている。 ――素直だ。 きっと、酔いのせいもある。 どのみち、こんなことを彼女が言ったのはこれが最後。 「お金があれば、とりあえずは人生大分楽だし」 「…多分ね」 どこか自信なさげに、そんなことを言う。 その儚げな笑みを見るのも、その時が最後。 ↓[1/2] (-53) 2022/08/27(Sat) 0:39:30 |
【秘】 Ninna nanna ビアンカ → プレイスユアベット ヴィオレッタ↓ 「そ。ざぁんねん」 上ずった呼吸混じりの笑い声。 そこに失意の色はなく、あなたの笑みと鏡映し。 ――こうして酔い、浮かれるようななんでもない日々こそが、 女たちにとって何よりも現実的で、何よりも大切な夢だから。 「それじゃ、飲み会としてつづけまっしょー。 ねえねえ、メインディッシュメインディッシュ!」 おなかへったー、と騒ぎながら、グラスの縁をネイルがこんこんと叩いた。 お行儀がわるい。 [2/2] (-54) 2022/08/27(Sat) 0:39:40 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 金毛の仔猫 ヴェルデうっかり落としてしまわないよう、二人で慎重に交換。口をつけたものでもお互いに気にはならないだろう、特に今は、相手が相手なのだから。 「辛いもの、苦手なんだった。滅多に食べないから忘れてたよ」 そう言った浮かべた笑顔はいつもの柔和なそれではなく、なんとなくはにかむようなものだった。 最早無表情と形容していいくらいに笑顔のみを浮かべる男は、何故だか君の前では、こうして血の通った表情をすることが多かった。寂しがる時や悲しがる時でさえ薄ら笑んでいるような男だったのに、君には驚きも、決まり悪さも晒した。 それはきっと無意識だったのだろう。男が家族と向き合う時に、自分を繕ったことはない。 「ん、おいしい。ちょっと冷めていい感じだ」 「ヴェルデも無理はしなくていいからね。辛かったらスープに入れてしまおう。行儀は少し悪いけど、こんなところじゃ誰も咎めない」 あの子がいれば注意されちゃうかもしれないな、と、言葉の裏が語っている。君の脳裏にも浮かぶだろうか、軽く顔を顰める彼女の姿が。 「昼ごはんはちゃんと食べたよって、それだけ言うんだよ」 (-55) 2022/08/27(Sat) 0:42:20 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 天使の子供 ソニー――貴方が言う通り、 俺は、ソニーの過去を何でも知ってるわけではない。 あの方と過ごした日々を、ボスとの諍いを、親友とのあれこれを知っているわけではない。 それでも、ずっと見てきた。 気のおけない好敵手として、上司の大切な人として、見てきたんだ。 彼がどう言う存在なのかを。 笑顔を使い分けて、本当の自分を見せないようにする。 人懐こそうなくせして、独りになろうとしているようにすら見える。 たった一人以外は要らなくて、我儘を振りまく子供のような男。 「―――は、それでは、あの方は手に入らないというのになぁ……」 ぽつりと漏らした言葉が、貴方に届いたかはわからない。 直ぐにそれは溶けてしまって、言葉にならない喘ぎに変わってしまっただろうから。 どう思われようともう、構わないと思った。 これ以上の凶行を止める一手になるのなら、それくらいの事は何のブレーキにもならない。 たとえ自分が堕ちた淫魔と呼ばれようとも、それであの方の心が晴れるというのなら、これ以上幼馴染が、家族が狙われなければそれで良い。 「あ、あ、―――――――っ」 熱い、アツイ。衝撃に目の前に火花が散った。 舌や指とは比べ物もならない質量の異物が、自分を貫いていく。 痛いのに、痛いだけじゃなくて、それを待ち望んでいたかとでもいうように、体が悦んでいる。 きゅうきゅうに締め付けているのは、慣れきっていない狭さからなのか、それとも快楽によるものなのか最早自分にはわからない。 手が自由に使えていたならきっと、クッションにしがみついて耐えただろうけれど、それすらも敵わないから、肩をソファに押し付けて弓なりに背を反らせた。 けれども、それと反比例するかのように、自分自身のそれは萎えたまま。 それは、体内に回りきった薬の影響としか言えないのだろう。 (-56) 2022/08/27(Sat) 0:47:11 |
【秘】 愚者 フィオレロ → 家族愛 サルヴァトーレ「限度があるといいますか」 この男は半年前に一度名前ごと諸々を変えている。その上半年前まではこうして今の顔として市外に出る事はまずなかった。最近は比較的こうして姿を見せる事がなくはない。アルバの息がかかっている場所なら猶更だ。それ故に今まで顔を合わすことも、知ることもなかったのだろう。 「その人の不幸せに繋がることを願うのは、最早形が変わっているんじゃないかって。家族への愛としては間違っているのではと──」 それを最後まで言い切ることもなく、あ。と、口を滑らせた事を誤魔化すように苦笑した後、相談と言う名の話の逸らし口を即座に挙げ列ねていく。どうかしている。この手の話こそ、"家族"にもまだしたことがないのに。あるいは、だからこそ今まで聞かなかったのかは、まだわからないのだが。 「……変な話をしましたね。忘れてください。 妖精さんなんて滅相も。無理やり例えるとしても、せいぜいが変な汁を塗られた妖精さんのほうがきっと近い」 「さて自分がそんなコメディアンじゃない事を祈りながら、貴方の言う通り愛と信じて、女性に贈る花を相談したいんですがお時間はまだありますか?器量が悪くて不器用で、何かと言えば泥に塗れているんですけど──」 精一杯生きる姿が、美しい人だったんです。と。 貴方から視線を外し、どこか望郷に浸るように遠くの空を見ながら呟きが落ちる。 (-57) 2022/08/27(Sat) 1:18:09 |
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