情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
【秘】 天使の子供 ソニー → 風は吹く マウロ触れる位置にあった顔の距離が離れれば、ようやく息がしやすくなる。 けれどもなんだかそれも寂しがるみたいにちょっとだけ追って顎に顔をくっつけた。 潤滑も足りず未だ浅く触れているだけの指は、感触で相手が初であるのは理解したらしい。 「ダメ? 体験、してみたくない?」 けれどもそれでは退かず、追い縋る。大した意味はないんだけれども。 どうせするなら、という欲求が半分ほど、 殺すのならば不利な姿勢は取りたくないのが半分ほど。 そんな我侭ぶったようなやりとりをしている間にも手の甲は動いて、ボトムの後部をずらす。 素肌に感じられる外気の気配だって、酒気に追いやられてあまり気になるものじゃないだろう。 指を動かしやすくなったのなら、ポケットから個包装のローションを取り出して封を開ける。 やたらにビビッドなピンクの液体を指先に絡めて、相手の下肢の付け根に押し込んだ。 この日の為に持ち歩いてるのだかいつもなのだかは知らないが、遊び慣れた様子なのは確かだ。 前は相手の手先にまかせて、指は肉の輪に染み込ませるように動かす。 柔く馴染ませて、その先の行いが苦しくないように。時折、違和感をごまかすようにキスを重ねる。 しばらく指が一本入るくらいまで捩じ込むと、片腕で相手の膝を担ぎ上げた。 後ろを向かせるよりかは恥ずかしい格好じゃあないだろう。背中は少し擦れるかもだけど。 男の方が背は低いから、相手が片足を調節してさえくれればさほど苦しい体勢ではない。 「……ガマンしてるんだったら、遠慮しなくって、いいよ」 どちらが女役かというのを変えるわけではない。けれどもし相手が何かこの交合に引け目があるなら。 それを弾き飛ばせるくらいには、何もかも忘れられるくらい楽しんだほうがいい、そうだろう。 (-83) 2022/08/27(Sat) 22:59:58 |
【秘】 ”復讐の刃” テンゴ → 風は吹く マウロ【隠された医療施設】 いつかのこと。 悪友から施設と顧問の事を聞き、貴方は足を運ぶ機会があった。 見舞いか、それとも他にも用があったかもしれない。 施設のスタッフに話を通せば、貴方の悪友の手引きもあってか、なんの問題もなく面会の許可が下りるだろう。 さて、当の顧問であるカラス面とは言えば。 ベッドの上の住人になっていた。 点滴の管が繋がれたままであるし、体中と右目を覆うように施された包帯が何ともこの顧問には珍しいだろう。 (-84) 2022/08/27(Sat) 23:25:20 |
【秘】 天使の子供 ソニー → グッドラック マキアートケラケラと笑う声は気の緩みのせいかもしれない。笑って喉が震えるのが耐えられず慌てて息を整えた。 ひとりで取り残されるのはいやだ。だから、相手にも手を伸ばす。 時折鼻を抜けてくうくうと鳴く声が、背伸びして振る舞いきれずに甘く空気を揺らす。 こうした行いの為よりかは仕事のためだろう爪が掠るのを、ため息のような喘ぎが迎え入れる。 「、は。……カフェえ……」 そのくせ返す声と言ったらなんとも弱々しくて、すがりつくみたいにしようもない。 この男はよく名前を呼ぶ。甘えて、追い縋って。狂おしく感じているのを知らせるみたいに。 わかりきった患部を何度も押し込むようにぐりぐりと責め立て、均整の取れた体を掻き抱く。 どちらもおそろかにせずにというのは難しくて、それでも男なりに頑張ってみせる。 姿勢と身長差のせいで顎下ばかり見える視界、その先を柔く唇が吸い上げる。 その頃にはちょっとばかし気遣いも頭の外に追いやられて、夢中になっているかもしれない。 押し返すように、包み込むように陰茎に刺激を与える中の蠕動に眉を寄せて、 捉えた快感を逃してしまわないように身をよじらせて。 「っ、ふ……!」 ひときわ弱々しい声を上げて、背筋が震えた。薄いゴムの中へと精液が放出される。 幹の中を通り開放される感覚に息を途切れさせながら、振れてしまいそうな呼吸を整えて。 何度か腹筋にぐっと力を入れてからようやく体を脱力させた。 なんだか、悪いことをしたあとの子供みたいに瞼を絞り、おそるおそる相手を見る。 (-85) 2022/08/28(Sun) 0:00:26 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 天使の子供 ソニー会いには行かないという言葉に、 器用そうに見えるのに、本当の貴方はとても、不器用な人間だなと思った。 それはあの方も、自分も同じだ。 誰か一人でも器用に動けていたなら、今このような事態にはなってはいなかっただろう。 ――だけど、そうなってしまった。 もう何処にも引き返せやしないのだ。 「は、ぁ、っあ”、あっ」 まるでイイ所探されているかのようなゆっくりとした動きに、身悶えした。 もっと、感じる間もなく痛みだけを与えてくれれば、こんなに苦しむことはなかったと思うのに。 貴方が、俺に良くする理由がわからなくて、混乱して、尚もその意識は快楽の海に溺れていく。 潤滑油を頼りに、中でごり、と何かを抉るように擦られれば、一際大きく鳴く声が上がっただろう。 もうそこに、普段の仏頂面の幹部候補など居やしない。 本来ならば排泄期間である場所が、濡らされて受け入れている。 雄を受け入れてきゅうっと締め付ける様は、雌にでもなってしまったかのようだ。 響く音も、擦れる感触も、痛みも、優しさも。 楽しんで性行為をしたことなどなかったから、それは正真正銘今まで感じたことがなかった快感で、頭の中をどろどろに溶かされている気分だった。 ▼ (-86) 2022/08/28(Sun) 0:08:15 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 天使の子供 ソニー恨みと嫉妬をぶつけられているのはわかっている。 自分が欠片でも好かれているとは思っていない。 自分が向けた好意にもにた感情と同じ物が返ってくるのではと思うのは、烏滸がましい、独りよがりな思考だ。 髪を梳かれ、温かい何かを背中に感じた。 それまで体の自由を奪われ、身悶えして捩ったり跳ねたりするだけだった体だったが、 包み込むようなそれが、腕であることに気づいた時には、はた、とそのの動きを止めて、 何が起きたのかとぼんやりした頭で考えたが、首筋を吸われて落とされた言葉に 今、背中にぴったりとくっついてきた男の目に、自分が何に視えているかを理解してしまった。 ――本当に、悲しいくらいに、 想いの一方通行しか、ここには存在していない。 「―――……、腕を解け。 これじゃ、お前の頭を撫でてやれないだろう」 あの人ならば、きっと、そうしてくれるだろう? (-87) 2022/08/28(Sun) 0:09:14 |
【人】 風は吹く マウロ>>38 >>39 >>40 Tesoro mio 【ノッテアジト廊下】 「……いいじゃねえか、ツィオ。俺たちでこの街獲れたら最高だ」 混じった血では、届かなかった場所へ。 凝り固まった組織を新しく変化させて、夢見たあの景色を。 あの時、夢の中で見た烏に話したように。 3人で肩を並べて。そうあれたのなら、これほど幸せな事はない。 「どこまでも―――最高だな」 そのための準備はもう始まっている。 この2人が一緒にいるなら、無敵だ。壁なんて、壊して進んでやろうじゃないか。 あの時のような景色を、あの時とは違った目線でもう一度眺めて。 悪戯を思いついた子供のように、笑ってみせるのだ。 (41) 2022/08/28(Sun) 0:26:21 |
【秘】 天使の子供 ソニー → 鳥葬 コルヴォ独り言、独り言だ。決して同情して欲しかったわけではない、では何を求めていたのか。 言った当人とてこれといった展望のあるような話ではないのだろう。 けれどもこれ見よがしに突き放されたなら、それを侮りとしてとったのかもしれない。 男が反応したのはどの言葉だったろう。ひょっとすると流れるような跳ね返しの全てか。 ハンドルを切り、カーブを過ぎて真っ直ぐな道を前に見据えたところでちらとミラーを覗いて。 頭の位置を確認すると、上腕と手首を固めて反動で打つように、 相手の顔に向かって裏拳を放った。 「……口の利き方に気をつけろよ、根暗野郎。掃除屋なんだろ。 オレにはいい、でも他人の結果については利いた風な口して語るなよ」 尤もらしく言葉を付け足したところで結局のところ相手の言葉が癪に障ったに過ぎない。 ただ、執拗に突き放されるように幾重にも渡って重ねられたなら、耐えられなかったのだろう。 線引だって行き過ぎればただの対外的な嘲りだ、そう言いたかったのかもしれない。 ただ、車中でそれ以上相手に手を出すことはなかったろう。お返しも一発なら看過したかもな。 段々と地平線向こうの太陽もまた、深く深く見えない向こうへと潜っていって。 アスファルトを照らす光は月光のそれに変わりつつある。 最早誰を相手が手掛けたか、なんてのは仔細に問い詰めるべき対象ではなくなっていた。 漠然と憎悪はある。けれどもそれを上回って無力感が強かった。 今更何をしたところで状況に変わりがない、そう骨身に滲みすぎてしまったから。 倉庫の中へと車を乗り入れ、都合の良いところで停める。運転席をおり、後部座席を開けて。 半分しかない女の死体を、ごく丁寧に抱えあげて目線で指示を仰ぐ。 既に肌の下の肉は腐臭に変わりつつあった。発見場所は水辺に近かったから。 それでも決して、粗末には扱わない。その後は切り刻んで燃やすのを了承しているくせに。 目に見え、己の手の内にあるうちだけは丁寧に扱おうと、そうしていた。 (-88) 2022/08/28(Sun) 2:04:57 |
【秘】 天使の子供 ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオどれくらい会えなくなって、どれくらい態度が変わって。 少しずつ変質していく互いの距離がどんなものになるかなんて、想像もしていない。 足を揺らして相手が帰るのを待ち望む仕草は、なんだかんだと今と変わらないことを期待している。 「好きだよ。散る花でもオレにとってはひとつひとつが思い出。 思い出せる記憶はなくても、それそのものが大切なんだから」 季節ごとに贈られる花は青年にとっては両親の思い出だった。 その時はそう思っていた。 一人息子を手放し、便りも少ない薄情にも思えるそれを、青年は大事に受け取っていた。 親というものの存在する人々に囲まれた環境ならまた受け取り方は違ったかもしれない。 皆にとってその思い出なんてない孤児院の中だからこそ、大切だと思えたのだ。 本当はとうにそこには、見たこともない二人の男女の意思は消え去っていたとしても。 焼き菓子の、まだふんわり鼻先をくすぐる甘く香ばしい匂いに頬を緩める。 煙草の匂いに、甘い匂いに、珈琲の匂い。いつからかいつだってそれを求めていたのかもしれない。 不良少年の口先から香るシガリロの煙が何を内包しているか、貴方は気付いていただろうか。 「一応さ。一人前になるわけだしさオレも。タトゥーパーラーでちょっと一筆入れてもらったんだよね。 ……見る?」 報告そのものは別段変なものでもないし、多少やんちゃではあるもののありふれた話だ。 行儀や品性は悪くはあるものの、年若い人間としてはそうした証を欲しがるものなのかもしれない。 それとして、なんだかにやにやといたずらの一つでも考えているように笑っていて。 貴方が見る、とも見ない、とも返事をしたかどうか、 ベルトに手を掛け、ボトムの内掛け釦とホックを外すと指を引っ掛けてぐっと大幅にずらす。 腰骨の外側右、下着を履いたら隠れてしまいそうなところに。 白で花房を塗った花の意匠が彫られているのを見せつける。 ちょうど部屋に転がされている、祭りの主役とおんなじアーモンドの花だ。 見えているのはタトゥーだけ。他に余計なものは見えてやしない、が。 (-90) 2022/08/28(Sun) 2:37:02 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド愛した全てが行き過ぎる。面影が去来する。 朧な人の影がいくつも眼裏に現れて消えた。 涙も、見開かれた瞳も、これほどまでに冷えた温度も。 君はきっと初めて知って、それと同時に最後になった。 包むように絞めながら、啄むように口づけて奪うのだ。 男の手から力が抜け落ちる。 長いまつ毛が淡く震えた。 掻き毟る指が動きを止める。 瞳から残光が失せてゆく。 両の足がゆっくりと頽れた。 穏やかに今、幕が下りる。 それで、終い。 それで、終り。 結局男は一度さえ君の行いを否定することなく、 抵抗どころか逃避を試みることさえしなかった。 息絶えたかんばせは酷く穏やかで、 その面差しには幸福が綻んでいた。 きっと聖母の腕ですら、これほどの安寧は得られまい。 (-92) 2022/08/28(Sun) 2:49:53 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 金毛の仔猫 ヴェルデ「滅多に食べないからさ。食べようとも思わないし……」 稀にしかその気にならないから、食べようと思った時に自分の限界を測りかねる。どうやらそういうことらしい。一般的なことかは分からないけれど。 そんな胡乱な説明をしながら、な交換したものに口をつける君をじっと観察する。平気そうなら軽く頭を撫ででもしたのだろう。褒めたいだとか明確な意思があったわけではなく、何となく触れたくなった、程度の柔らかな手つきだった。 そうやって、しばらく歩いて。 「あった、あった」 距離で言えばそう長くはなかったのに、人の多いせいで随分かかってしまった。 流されないように注意深く大通りを逸れて、目当ての屋台へと向かうのだろう。 (-93) 2022/08/28(Sun) 5:47:25 |
【秘】 天使の子供 ソニー → 銀の弾丸 リカルドこれ程に優しくする必要なんてのはない。丁寧にするということは身体的にも隙が出来る。 わざわざ拘束した腕を己の胸の下に敷いてしまって、縋り付くみたいに腕を絡めて。 ぎゅうと貴方よりも軽い体重を伸し掛けた体は、ぼんやりと体温の上がった手で体に触れる。 汗をかいた髪に、首筋に寄せられた唇は花に指を添えるみたいに柔らかい。 「先生、……好きだ、愛してる。ずっと、ずっと。 好きだった。あなたがオレに優しくしてくれた時から、ずっと」 終ぞ面の向かって言う事の出来なかった言葉が、震えた涙声と共に吐き出される。 伝える相手を違えている。これから男は貴方を殺すのだ。だから伝言というわけでもない。 もしも、だとかたらればを思えば、息をするごとに胸に抱いた熱が溶け出すのを抑えられない。 そのくせ、腕に絡んだシャツを解けという声には無言だけがはねのけるように返る。 単純に抵抗を恐れたのか、相手が伸べたそのものを退けたのかも自分でわからないくせに。 頭の奥底ではわかっている。相手が自分の愛しい人でないことも、口に出来ない己が悪いのも。 肌の上を熱っぽい指が這う。撫で竦めて、全てを掌の内に集めるみたいに掻き抱く。 甘くまとったベチバー、アンバー、キャンディアップル。融け込むように首筋を汗が流れる。 「 ヴェネリオ 、――……」普段は口にしない彼の名前を呼んで、耳朶に声を滑らせて。 はふ、とかすれたような声混じりの息が弾み、合わせるように何度も腰を打ち付けた。 女のようには柔らかくなくたって、きつく扱き上げられ続ければ下腹部に溜まる快は大きく。 随分と長くあったような交合の果てに、奥の奥まで腰を押し付けて体をまるめて。 凍えたようなかすれ声と共に、腸内の行詰りへと長く長く吐精した。 それが終わったにも関わらず、背中にしがみつくように頭を擦り付ける。 固い髪質の束がくしゃくしゃに押しつぶされている感触があった。 (-94) 2022/08/28(Sun) 6:50:51 |
【秘】 Ninna nanna ビアンカ → プレイスユアベット ヴィオレッタ「そうかな」 自分でも、そうとは信じられなくて。 「……だと、いいけど」 ――けれど、そう信じたくて。 「…飛べるなら、さっさと飛んでほしいものだけど。 いつまでも籠の中にいたら、飛び方を覚えたって飛べなくなる。 ………ここはここで悪くないなんて、ほんとは思っちゃいけないんだよね」 友の穏やかな笑みに、ゆっくりと沈みこむように。 胸いっぱいの後悔と、一匙の郷愁を。 ただ一言、嫌いだと言い切るには──……女は、籠の中に長くい過ぎたから。 ↓[1/2] (-95) 2022/08/28(Sun) 7:21:05 |
【秘】 Ninna nanna ビアンカ → プレイスユアベット ヴィオレッタ↓ 「えっへへ、はあい」 グラスがその手をつい、と離れて。 ふらふらと頼りなく揺らしていた手は、 新しく注がれた神の血を待ちわびたようにくるくる回す。 「時間ね。それはもう、たっぷりと時間をかけてもらいましょうか。 いつもみたいに閉店時間を気にしないでいいんだから、 色々と話すことも聞きたいこともあるわけでさ──……」 ウインクには、ウインクを。 こちらの愚痴には、あなたの愚痴も聞きたいな、なんて嘯きながら、ワインを一口。 立場も生まれも違うけれど、今この時だけは、同じようにありたかった。 いつもどおり、いつも通り。 そのいつも通りこそが、 人生を賭して手に入れた最後の宝。 ――どのような時間が流れたとしても。 その日、彼女は最後まで、笑顔のままだ。 [2/2] (-96) 2022/08/28(Sun) 7:21:27 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 天使の子供 ソニー例え紡がれる言葉が自分へのものではなかったとしても、その声色は甘く震えて耳の奥に響くようだ。 頭の中が真っ白になっていくようで、どこかに連れて行かれてしまうような気分になる。 「ふ、あっ、んんっ」 快楽に堕ちた瞳には、何も映らない。 ただ、その頬に触れた硬い髪に頬ずりをしてやるだけだ。 受け止めたそれは愛ではなかったけれど、貴方とのこれまでを否定しやしない。 あれはあれで、駆け引きをちゃんと、楽しんでいたから。 でも、今はただ。熱くて、気持ちがいい。 奥を突かれて苦しいのに、たまらない。 名を呼ぶ囁きに、異常な熱がこもった。 ――馬鹿が……俺は、リカルドだ 否定する言葉は口からは出て来ない。 代わりに、絶え間なく嬌声と肌がぶつかる音が部屋の中に響かせて、頬を涙が伝って流れた。 それでも本来なら立ち上がるべき自分のそれは、そういう事なく萎えたまま。 何かせせり上がってくるような感覚が、体をぶるりと震わせている。 もう代わりでも、恨みでもなんでもいい。 ただ、どうか最後まで離さないでいてほしいと、ただそれだけを願って。 「っふ、は、あ、ゃ、ああ―――――っ」 長い吐精を腹の奥に受けながら、全身を強張らせ、震えるように弛緩する。 男を受け入れるのは初めてであったのに、後ろだけで深い快楽に達した身体の力が抜けて、背中にすり寄る頭を自由にさせている。 もう、身体の何処にも、力が入る余裕はなく、 ただ、静かに目を閉じて全てを受け入れていた。 (-97) 2022/08/28(Sun) 16:44:29 |
【秘】 グッドラック マキアート → 天使の子供 ソニー気遣いとか、そもそも身体の動かし方から何も考えられなくなってきて、ただ目の前の男との交わりに同じく夢中になり、目の前がちかちかとしてくる。 より快楽を貪ろうと、気づけば右手の人差し指を自分の乳頭に這わせて弾いて。腸内を圧迫されるたびに喉を使った嬌声がそのまま押し出されていく。恥ずかしくて抑えよう、なんて試みようとすることももうない。 「は、ソニー、いい、もっと……」 顎に舐るような感触にじわとした熱が胸に籠る。歪な形ではあるものの、赤子をあやすような心地でより一層抱きしめたくなって。 だけどせめてもの矜持で邪魔はしないように力は込めず、けど、離れたくはなくて縋りつく。 「あ゛、イッ、……は、ぁあ゛、!」 咳の混ざる、微かに枯れた喘ぎののちに全身を強張らせて精を吐き出した。 そのまま汚れるのも厭わずしな垂れかかり、余韻に浸って。 やっとの思いで身体を離したかと思えば眉間に皺を寄せて、ポーズではあるけれどあからさまに怒ってる、みたいな。とはいえ仕方ない奴だな、という受容の姿勢も見せている。 いちど、深々とため息を吐いて。けれど慈しむような口づけを、額にまた落とした。 (-98) 2022/08/28(Sun) 20:05:29 |
【秘】 愚者 フィオレロ → 家族愛 サルヴァトーレ「もー……そんな笑わないで下さいよぉ。俺にとっては結構な大ごとだったんですね。ほら、願う事で不自由を強いる事もあるじゃないですか」 拗ねたようにややはにかみながら苦笑する。馬鹿にされた訳ではないと理解しているし、自分にとっては大げさにも思えるリアクションを採られたのが逆におかしくて、このまま言わないのもあれかと半ば投げかけるだけのつもりで口を開いた。 「例えるなら何をよく聞くかな。……"私だけを見てほしい"とかそういう類ですかね。履歴どころかメッセージのやり取りのスクショすら送らせるとか聞きますね」 俺が考えてるのとは違うんですけど、と付け加える。 例えなわけで別に履歴を遅らせなんてしないが、一般的な話として例えるならこの辺りが近いかも、くらいの提案だった。 「まあとにかく、行動に移しはしないんですけどその手の話は何を見ても正しい答えが書いていないから、考えるだけでもいいのかなぁ。とか、愛ってなんだろうなぁとか、花を見た時の素直に綺麗と思える感覚のように思えたらいいなって事ですね」 返事を求めないというよりは、どちらでもいいくらいには流せるくらいに話を切って。本題はこちらとばかりに、手伝いの件は快諾の意味を込めて頷いた。 「この辺りに住んでいた人でしたから」 「きっと俺より貴方の方が正確なものを選べるかなと」 くすんだブロンドの髪とブルーの瞳の外見の情報だけ追加して。あとは先ほどのおおよそ褒めと程遠いような特徴くらいだった。 (-99) 2022/08/28(Sun) 20:14:36 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ「…………」「サヴィ?」 「サヴィ」 ぐ、と手に人一人分の重みを感じる。 自分より身長が高いというのに少し吊られるようになった貴方の身体を、乾いた地面の上にゆっくりと降ろした。 壁に背を預けるように座らせている間、なんだか人形みたいになってしまったな、と思う。 脈は無かった。呼吸ももう無い。体温はとうに失われて、ひどく冷たくなっていく。名前を呼べど、午睡の後の陽だまりのような声で返事が返ってくる事も無い。 貴方の紡ぐ愛は、今から全て過去になる。 あるいは残された者に息づき続けるのか。 事切れた。死んだ。──── 殺した。 間違いようもなく、今目の前で笑えて来るほど安らかに眠った彼の命は自分が奪った。 「サヴィ、……ありがとなあ」 「痛かったよなあ。苦しかったよなあ」 ……酷く優しい手つきで、貴方の髪を撫でる。 自分の髪とは違う、ゆるく癖の付いた髪を整える。 それからそのまま頬を撫でてこちらを向かせる。 ──なんとなく、なぜかは分からないけれど、そこから暫く動けなくなってしまった。 殺されたってのに。こいつ、なんでこんな顔してんだ。 そう思いながらじっと、 ……じっと、屈んだまま貴方の顔を眺めていた。 ▼ (-100) 2022/08/28(Sun) 20:27:01 |
【置】 陽炎 アベラルド昔なら涙の一つでも流しただろうか。 妹が殺されたと知らされた時だって、死体すら見ちゃいないのにやるせなさと哀しみで馬鹿みたいに泣いた覚えがある。 だというのに。 幼なじみが目の前で息絶えたというのに、 頭はどこか冷たく冴えていて穏やかだった。 哀しみよりも、虚無感よりも、何よりも凪のような気持ちがあった。 『仕事』の後のような昂ぶりも無い。 恋愛ではなかった。性愛でもない。 いちばん近いのは友愛だとか親愛なのだろうか。 そのどちらも、またどこか違うような気がした。 ただこれは「愛」であることは変わりなく、貴方が死んだとしても潰える様子も無かった。 貴方が死んでくれて嬉しい。 貴方が自分のせいで死んでくれて嬉しい。 貴方の死に顔を眺めている間、 自分はきっと穏やかに笑えていた。 奪われなくてよかった。 (L12) 2022/08/28(Sun) 20:36:06 公開: 2022/08/28(Sun) 21:30:00 |
【秘】 天使の子供 ソニー → 銀の弾丸 リカルド長く吐いた息はひと呼吸ごとにおさめられる。次第に平時の落ち着いたものとなっていった。 ぐらぐらと煮えたような熱を過ぎれば眼の前のある光景は至ってシンプルだった。 身を守るもののない体と、薬に溺れて熱く火照った背があるだけ。 どうして分かっていて身一つで来たんだろうな、なんてことは身勝手な男にはわからない。 会話らしい会話なんてのも、激高ののちには殆ど交わせやしなかった、なんてのもまた勝手な話だ。 言いようのない感情が目の端で汗と混じるのだって、見つめ直して考えやしない。 「……アンタがおとなしいから、工作の必要も少なさそうだ。 楽に仕事できて助かったよ、リカルド。それがお望みだったんなら何より」 いつ、何どきのうちであったなら貴方にとって納得の行く話が出来たのだろうかな。 或いは最初から対話を求めるならもっと別の人間だったらよかったのかもしれない。 託されたものを手放していれば、傷つかずに済んでいた? 細工したベルトから、片手に収まってしまうような大きさのデリンジャーを取り出す。 今の時代においては小型化が進んでいても威力は十二分にある、とはいえ。 こうした穏当なシチュエーションで手にすることを想定していなかったら、 もっと隠しようのない口径を手にしてこの場を訪れて、貴方に向けていたかもしれないのに。 そうしたら一人にすることはなかったし、そうしなかったら三人揃って肩を並べられはしなかった。 汗で湿った髪を指先で梳くように撫でる。 その感触の消えぬ内に、金属質の感触が突きつけられて。 「さようなら、リック。 案外さ、そのピアスも似合ってたよ」 軽薄な一言と入れ替わるように、軽い銃声が響いた。ステージはまだ音楽に包まれている。 フロアを揺らすミュージックは兇弾さえ知らぬふりをして、いつまでも熱狂し続ける。 すぐさま誰かが助けに来る、なんてその時の男は知らなかったし、今でさえそれを認識したかどうやら。 少なくともそれでおしまい、お別れ。その時点では確かに、互いの顔を見た最後だったのだ。 (-101) 2022/08/28(Sun) 20:40:52 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ……ふと、「残さなければ」と思った。 貴方の一部でも、自分の手元に残したくなった。 きっと貴方の身体が見つかれば、土の下で眠る事になる。 その前に、自分の傍に居てもらわなければならないと思った。 何がいいか考える。 貴方がいつも身に着けていたタイ。アクセサリ。 自分に慈愛のまなざしを向けていたアメジストのような瞳。 思考と視線を巡らせて、それから一つ思い至った。 手がいい。 自分に触れてくれていた手がいいと思った。 頬に触れる手も、頭を撫でる手も、差し伸べられる手も、どれも好きだった。だから、それがいい。 でも全ては少しずるいような気がして、指の一つだけにしておこうとした。 そっと冷えた手を取る。自分の手よりもずっと綺麗な手。 終ぞ汚れる事は無かった。 小指にしよう、と決めた。 (-102) 2022/08/28(Sun) 20:45:55 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ>> ビアンカ 「えぇ、きっと」 仕事道具を持ちだして頷く。 これまで聞いてきた愛情からの確信が半分。 そうであって欲しいとの願いが半分。 「……そうですね。 少しばかり居心地が良くても、 所詮は明日の見えない業界ですから。 今の騒ぎが終わっても、次に何があるかわかりません。 できるのなら、この籠から飛び立つべき、でしょうね」 ひな鳥も、親鳥も そう 叶うことのなかった 密やかな祈りを抱いて、微笑う。飛び方なんてとうに忘れた自分とは違うのだから。 [1/2] (-103) 2022/08/28(Sun) 21:15:21 |
【秘】 プレイスユアベット ヴィオレッタ → Ninna nanna ビアンカ「……それは盲点でした。 下手をすれば朝まで話すことになりそうです」 こんな夜が二度と訪れないと知らずに、 溜息交じりに――口元には笑みを湛えて――そんなことを言う。 「 まぁ……それも悪くないですけれど 」続く本音は調理の音に紛れさせて―― お酒とお料理。悪戯心に、愚痴や喜び。 色々なものを共有して、色々なものを分け合って。 今この時だけは、二人は同じだったのだろう。 それはきっと。 二人にとって大切なありふれた日常。 それはきっと。 二人が望んで止まなかった”普通”。 それはきっと…… ”Se”が許されるならずっとずっと続いたもの。 女が笑っていたのなら、もう一人の女も笑って。 最後まで笑ったままで、”またね”と言って別れた。 今日と同じ明日が訪れると信じて [2/2] (-104) 2022/08/28(Sun) 21:18:46 |
【見】 郵便切手 フラン【街中】 「集荷に来ました。 ……人が少なくなって来ましたね」 路地の裏で誰かが消えても、何一つ変わらなかった祭りの喧騒。 終わる日が近づいて、やっとお祭り騒ぎは収束していく。 纏められた荷物を確認して、サインを受け取る。 慣れない世間話を交わしながら人混みの奥へ目を凝らし、以前に見た屋台を探した。 どうやら変わらず営業を続けていたらしい。 いつの間にか、あのゴロツキたちは消えていた。 知らないところで、知らないうちに景色が変わる。 時には変わったことにも気づかない。 鉄錆や硝煙の臭いも車の排煙も人々の喧騒も、時間がろ過して元通り。 誰かが死んだ時に吐いた空気を、生きてる誰かが吸い込んで。 生きている誰かが吐いた空気を、死にゆく誰かが吸い込んで。 そうして全てが巡っていく。 それが日常なんだろう。 「良い一日を。」 胸ポケットに過去を仕舞って。 得意先が減って、また増えて。 配達員の日々は、これからもきっといつも通りだ。 (@1) 2022/08/28(Sun) 21:55:45 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド殆ど一縷の乱れのないその亡骸にも、 ほんの僅かな苦痛の跡は残っていて。 何度も爪で掻いたスラックスには皺。 きっとその下の肌には赤い傷がある。 それでも。 暴れも逃げもしなかったその身体は、 君が求めた。 抵抗も反抗もしなかった彼の亡骸は、 彼が与えた。 泡を吐くことも血を流すこともなく、 君が奪った。 傷を負うことも身を失うこともなく、 彼が渡した。 他殺体とは思えないほど綺麗だった。 君が護った。 眠っているよう、なんてやっぱり陳腐だ。 擦り切れて満ち足りた空間に、一つのネックレスが落ちている。 遺体のすぐ傍にあるそれは酷く汚れてみすぼらしかった。あまりにこの場に似つかわしいそれはしかし、はじめから此処に打ち捨てられていたものではない。 ▼ (-105) 2022/08/28(Sun) 22:11:41 |
【置】 家族愛 サルヴァトーレ「うん? ああ────いや、そういうわけでもないんだけど」 「どうしてかな、捨てる気になれなくてね……持ってるんだ。邪魔になるものでもないし」 男はそれをいつも持ち歩いているらしかった。 金具がひしゃげ、チェーンもちぎれたそれは、もう元の装飾品として扱えそうにない。古いものなのか、ところどころ錆びたような色がこびりついてもいた。大切なものなのかと問われれば首を振り、実際大切にしているわけでもないらしく、誰かが興味を持てば簡単に貸して寄こした。 けれどもやっぱり、最後には手を出して返すように促した。それからまた、スラックスのポケットに仕舞ったのだった。 (L13) 2022/08/28(Sun) 22:20:13 公開: 2022/08/28(Sun) 22:20:00 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド細いチェーンは銀色。 ペンダントトップはデフォルメされた白い花のモチーフ。 その中心には小ぶりのダイヤモンドがはめ込まれている。 それだけの、酷くシンプルなネックレスだった。 ────君が気にする必要はない。 (-106) 2022/08/28(Sun) 22:23:00 |
【秘】 風は吹く マウロ → 天使の子供 ソニー一瞬、性器に触れていた腕を上げて 唾液に汚れた口元を袖で拭う。 そうしたところで、再開されればそれは意味を成さないのだが。 甘えるのが上手な男だ、と顔を摺り寄せる君を見て思う。 何となく、後頭部を支えていた手で襟足の辺りを撫でつけた。 「……チ…1度だけだ。終わったら、忘れろ……」 素直に頷くには、羞恥心とプライドが許さなくて。 口からはそんな言葉が出るけれど、君の触りやすいように少し足を動かしてやる。 何処に触れたいのか、どういった体勢でいれば楽になるのかくらいはわかる。 羞恥は酔いに任せることで紛らわせて、君が用意周到すぎるくらいである様子に 元々それ目当てで誘ったのかと思うくらいだ。 はあ、と熱くなった息を吐きだして。君のしたように、2つのそれを握って気分をたかめていく。 前に気を向けて、後ろに力が入りすぎないように。 時折貪るように自分からも君の唇を奪って、男は行為を止めろと言うことはない。 どうせこの昂りを治めるのは容易でない。であるならば、もう好きにしろと君に体を許している。 だから今は 互いに、満足するまで。 (-107) 2022/08/28(Sun) 22:33:21 |
【秘】 金毛の仔猫 ヴェルデ → 家族愛 サルヴァトーレ「そういうところ。 もっと自分のこと気にしろっていうのはさ」 などと言う少年は、やはりあまり表情を変えないから、平気そうに見えるだろう。 ひと口、ふた口と食べ進めるごと、口内が熱くなるのを感じてはいるのだけれど。食べられないほどではなかったから。 撫でられても、瞬くだけで。 けれどそう、嫌ではないのだ。いつも。 言葉を交わしつつ人波の中を歩き、スープの屋台に立ち寄って。 あたたかな液体を啜り、ウインナーも食べきって。 のんびりと食べ歩くふたりは、最初の目的地だったジェラートの屋台へとたどり着く。 そこでもあれやこれやと並んだフレーバーに、少年は悩む姿を見せるのだ。 (-108) 2022/08/28(Sun) 22:46:47 |
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新