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【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 暗殺屋 レヴィア「かわいらしいお客様。 見惚れちゃった」 女は荒事の経験があるようには見えなかった。 あえかに裾を抑えて、向かいの席に座り、あなたの言葉を笑顔のままに聞いている。 ポケットに手を入れた所で、女は表情を――すくなくとも表向きは──変えることもない。 「あらそう? 残念」 白粉は、感情すらも塗り固めるのか。 口紅は、青ざめた血色を塗り重ねるのか。 人形のように精緻で可憐なあなたのかんばせに比べて、 漆喰を押し固めたようなその顔はなんと醜いことだろう。 ただ、あなたの動きを目だけで追って。 ↓[1/2] (-146) 2022/08/18(Thu) 18:36:29 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 暗殺屋 レヴィア↓ 「――……」 差し出された紙幣に、視線すら落とさない。 ただ、どこかけだるげに持ち上げた手で口許を抑えて。 「私、人に金を貸したことなんてない。 何かの勘違いでは?」 女は笑顔の上に笑顔を重ね、コケティッシュに小首をかしげた。 「あら失礼、何か飲む? ノン・アルコールのほうがいいのかな。 レモネードとかおすすめだけど」 掌をあげる。カウンターの向こうで、従業員が背を向けてなにがしか準備を始めた。 [2/2] (-147) 2022/08/18(Thu) 18:38:39 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 小夜啼鳥 ビアンカ花咲くように君は笑う。 朝露に濡れる薔薇のような、完璧なまでの笑みで君がこちらを見る。整ってあでやかな、隙のない表情に、男はいつもまず目を見張る────それが血の通ったつくりものだとわかっているのに。 「そう見えなくなったなら、僕は自分の目がおかしくなったのだと信じて疑わないだろうね」 男に夢を見せる女の仕草。 これに溺れた哀れな誰かのことを、よく知っている。 「はは。わかりきったことを言うじゃないか、ビアンカ」 「少しでも、なんて寂しいこと言わないで。愛してるよ、心から」 気まぐれな猫のようにころころと変わる君の言葉、態度、表情。計算、打算、心算、そこにも一抹程度、本当の気まぐれは混じっているのだろうか。 男は乗じて享じる。つれない女を一途に想う男として君を追う。二人の距離が少し離れて、けれど靴音ばかりは確と耳に届いた。 「お眼鏡に適ったなら光栄だ」 視線につられて自分の靴先に目を落とす。 ぴかぴかに磨かれた黒い革靴。立場柄趣味柄そう安物を履くわけにはいかないし、草臥れた服装も宜しくない。手入れはしっかりしているけれど、拘りがあるとは言えなくて。 君の足元に視線を滑らせた。 ▼ (-148) 2022/08/18(Thu) 18:38:52 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッドヘッド ヴェネリオ「意味無いなんてことないだろ。……オレは、そうされたがってるんだから。 どうして急に突き放すようになったのかの理由だって、ちゃんとわかってる」 本当に、相手の戦力を削ぐ為に間合いに入るまで懐に入れるのなら、わざわざ伝えなくていい筈だ。 言葉が投げかけられる度に、目論見通りに表情は暗くなり、僅かな角度の違いで照明の蔭に入った。 されど額面通りの効果を喰らって、そうしているわけではない。 それくらい素直であったなら楽だったろうし、追い縋ったりもしなかったろうに。 そうでないから、ここに座して在る。 もう残り少ない食後酒を、手持ち無沙汰にするように傾ける。 曖昧に濁して、言及を避けて。そのくせ、溢れ出してしまいそうなものを瞳に湛えて。 ジェイドの上に薄く乗った輝きと、その黒目の僅かな散大と。 きっと貴方と男とでは、見えている風景にも違いがあるのだろう。 観察、注意の問題のためだけでなく。暗い店内は、明るく見えている。 「オレは」 いつからだったろうか。もっとずっと前から、けれどもそれがあからさまでなかったのは、 遠くありながらもまだそこに居られると傲っていて、安心しきっていたからだったんだろう。 今はそれが揺るがされているから、本当にそれだけかなんて言葉にせねばわからない。 口を開いて、舌の上を熱い空気が通って、それで。 → (-149) 2022/08/18(Thu) 18:39:09 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 小夜啼鳥 ビアンカ「確かにね────」 ヒールが地を蹴る。華奢な足元に不似合いに硬質の、つっけんどんな音が響く。 君が硬い音を立ててアジトの廊下を歩いてくるのが、男は好きだった。背筋をぴんと伸ばして、口許をきっと結んで、畳んだ日傘を細身の身体に添えて。真っ直ぐに要件を告げる凛とした姿が、好きだった。 無骨な石畳には、尚更よく映える。 そんなことを考えていたものだから。 その小さな声を、あと少しで取り落とすところだった。 ▼ (-150) 2022/08/18(Thu) 18:39:51 |
【墓】 どこにも行けない ヴェルデ街娼がひとり殺されるぐらい、ごくありふれた出来事だ。 街灯に照らされる石畳を蹴り、夜を歩いて。 自ら暗がりへ手を引いてゆくのだから、どうしたって人目につきにくい。 行き過ぎた嗜虐性に嬲られることも。 或いはクスリを使われ躙られることも。 店に管理されていない分、危険はずっと多くある。 だからこんな風に綺麗な死に方をしたことの方が、きっと、ずっと珍しい。 それでも少年は街路に立つことを選んだし、多少の無茶は厭わなかった。 けれど、結局。苦しみを理解するには欠落が多すぎた。 その苦しみを解するまで、死んではいけないだろうと思っていた。 だから少年は、死にたくないと思ったことはなかった。 それなのに、最期のそのとき、確かに。 ――死にたくなかったな、と。 諦観の奥に、喪失の苦しみを抱いた。 (+8) 2022/08/18(Thu) 18:44:10 |
【秘】 どこにも行けない ヴェルデ → 暗殺屋 レヴィア (-151) 2022/08/18(Thu) 18:45:41 |
【秘】 Sei cosi dolce. ソニー → デッドヘッド ヴェネリオ俯いて、細く息を吐く。呼吸の勢いが唇の内側を冷やした。 荷物の内から二人分の食事代を取り出して、テーブルの中央へと押し出す。 瞼は固く閉ざされていた。次ぐ言葉が吐き出されるまでには時間が掛かった。 「……やっぱり、いいよ。帰る。もう迷惑を掛けてもいられないし」 早口の言葉は、相応に手早い身支度と共に。 椅子を引いて立ち上がり、ほとんど相手の方を見もせずに爪先の向きを変える。 奥のスペースから聴こえるヴィオラの音色の方にみな視線は向いていて、誰も見やしない。 「今までありがとう、先生」 それさえ顔も合わせずに、テーブルから離れて店の出口へと足を向ける。 たったそれだけのことだけが心中の全てであったなら、こんなことをしなくてもいいだろうに。 それきり、男が貴方の手を煩わせることなんてのは無くなるだろう。 (-152) 2022/08/18(Thu) 18:48:32 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 小夜啼鳥 ビアンカ小さく息を呑む。 動揺未満の驚きがあって。 一足。 上背の差があるから、一足伸ばせば君に追いつく。 身を屈めて、声を潜めた。 「不安かい? ビアンカ」 「だけど、大丈夫。ボスが君たちを見捨てるなんて、あるわけないだろ?」 「僕たちは家族だもの」 その言葉は酷く陳腐だ。 けれど子供だましでも誤魔化しでもなければ強がりでもなく。 確かで当然な根拠あっての発言であると、そう響く。 (-153) 2022/08/18(Thu) 18:51:05 |
【魂】 piacere ラウラ女はひとり、岬を訪れた。 髪はトプシーテールに、白のトップスとロング丈のフレアスカートとカジュアルな見た目だ。 いつも通りでも構わなかったが、 私用 ならばこの方がいいのかもしれないと判断してのこと。ここには街の喧騒も届かない。とても静かで、穏やかで。 こうした裏側に屍が築かれることなど、やはり民衆は知らないのだろう。 「……………」 肩から提げた小さめのバッグから、煙草の箱を取り出す。 それはもう封の空いたものだからそこから一本を取り出すのは容易で。 今度は箱を仕舞い、ライターを取り出した。 そこからは手慣れたように火を付け、けれど口に運ぶ訳ではない。 親指と人差し指で摘むようにして煙草を持ち胸元あたりまで腕を上げ、その香りを思い出すためだけに火を付けたのだ。 潮風に紫煙の香りが交じる。 ▽ (_0) 2022/08/18(Thu) 18:59:12 |
【魂】 piacere ラウラ上司とは、ただのソルジャーとアソシエーテという関係でしかないとしても、女には大きな存在だった。 勿論ボスのことだって。彼が己を救ってくれたあの日から、ノッテに命を捧げようと考え続けていた。 アルバの一人であろう彼が言っていた家族というものもきっと素敵で、立つ場所が違えばそちらにもそのように考えていたのだろうとそうも思う。 思うだけで、ノッテの人間であるという事実は変わらないし、きっとそれで良かった。 家族というものは、己が知るのは両親のみ。 その両親の顔も今は朧で、親戚には"あの事故"から随分と蔑まれたものだから。 何かを思うように目を伏せて、沈む夕日が海を照らす中。 女は静かに、その場に留まり続けている。 (_1) 2022/08/18(Thu) 19:00:27 |
【秘】 どこにも行けない ヴェルデ → 小夜啼鳥 ビアンカあなたがどうして笑ったのかわからない。 それでも、立てつくような言葉を吐いてなお、そんなに悪い気分ではない。 拾った絵本を小脇に挟み、差し伸べられた手を握る。 少年の痩せた手は節くれ立って、二年前よりずっと、大きくなった。 「一回読んだぐらいじゃわからない」 「ばかだから」 そも、その一度読むという行為自体に時間がかかる。 知らない言葉が出てくれば、調べて理解しないと先へ進んだって意味がわからないままで。 ゆっくりと時間をかけて文字を辿り、何度も読み直して物語をなぞる。 そういうことが、必要なのだ。 ゆら、ゆら。繋いだ手が揺れる。 (-154) 2022/08/18(Thu) 19:02:24 |
【人】 狡兎 ツィオ【ラウラを待つ待ち合わせ場所】 どこか慣れない様子で不味そうに煙草を吸いながら、 自分を呼びだした相手を待つ。 女性との待ち合わせで、 予定の時間より、先に着くのは鉄則だ。 ましてや相手がラウラとあっては、 想定していた倍の時間、先に着いている必要がある。 自分は、誰かを待つのが嫌いではない。 その時間だけは間違いなく相手のことだけを考えているから。 その時間は、余計なことを考えなくていいから。 ただそれは。 待ち人が、必ず来る場合に限る話だが。 薄く笑って紫煙を吐き出す。 (――女性と待ち合わせをして、 心が躍らないのは久しぶりだ) (19) 2022/08/18(Thu) 19:03:43 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → 小夜啼鳥 ビアンカおべっかに照れたり喜ぶような素振りもない。 何処までも冷たく、無感情なその表情は、 何の色を落とすこともなく。 都会の星のような頼りない照明に映された 女の顔は、どこまでも"お人形さん"だった。 差し出したまま、夕闇の瞳が貴方を見つめる。 「そう。じゃあ、その人の勘違いだったのね。」 「興味がないわ。飲みものなんて。」 「外で飲食するのは嫌いなの。」 受け取られなければ、テーブルにそれをぱさりと置く。 そうして、席を立つ。 用件は、もう済ませた。 客としてここに来たわけではないのだから、 もうこれ以上居る意味もない。 「それ、処分しておいてもらえるかしら。」 紙幣に視線を向けて、それから。 くるりと、背を向けた。 (-155) 2022/08/18(Thu) 19:14:53 |
【秘】 ”昼行灯” テンゴ → 愚者 フィオレロ「おいおい、これでも真面目にやっているんだがね。」 くつくつと笑いながら肩をすくめる。 「お前さんこそ茶の店でもやれば良いんじゃないか?花茶をメインに据えればお前さんも楽しめるし、茶を好む人間だって少なくはないはずだ。」 「まあ、あくまで提案だが。やるかはさておいて、そういう理由か。なら、バタフライピーも知っているか?」 楽しげに言葉を紡ぐ。 この時間が、男にとっては掛け替えのないものであるのは明白な事実である。 (-156) 2022/08/18(Thu) 19:16:27 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド一つ一つの罪を司る悪魔がもしもいるのだとしたならば、 それは自分たちと同じように仕立ての良いスーツを着て、首元までタイをきっちりと締めているのだろう。 市井の唯人よりも、血の清算の仕方ばかり考えている自分たちのほうがそれらしい。 「どういうつもりか、なんてさ。今までもそういうふうに聞いてきたの? アンタが今までどんな付き合い方してきたかなんて知らないけど」 振り返った顔は余裕ぶって笑っていて、あまり鼻持ちならないものだったかもしれない。 意味深げに投げかけられた視線はどう見たって誠実に今ここで答えようというのもじゃないし、 相手の求める態度からは程遠いものだろう。咎める目を受けて、目を細めて。 「次はアンタから、オレに会いに来てよ。 また会ってくれるなら、そしたら今度こそ教えてあげる」 それだけ告げたら、あとは別れの挨拶だけを飛ばして観覧席の辺りを出ていく。 これだけ人がいれば、整然とした流れから離れたらあとは追うにも難しい。 次、をどうするかは一旦、相手に任せておこう。 (-157) 2022/08/18(Thu) 19:20:24 |
【秘】 愚者 フィオレロ → 永遠の夢見人 ロッシ「はは……冗談きついや。 魔法みたいなのを見せた上で、ただの人間だなんて……」 笑いを続けたくても口の中の乾きが酷くて無様に引き攣る。 結局生欠伸でもしたのかという短い開口は、 宙に浮く黄金の文字が紡がれるまでで、暫く押し黙った。 「……これから、どうすれば。 死んだら消えるとか、何処かに行くかと思ったのに」 「何処かに歩いて行けってことなのか…… ……ロッシさん、は。どうするんですか。 誰かお知り合いでも待ったりする気なんですか」 (-158) 2022/08/18(Thu) 19:21:00 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → どこにも行けない ヴェルデ夜鷹について詳しくないマフィアなどいない。 路地裏を歩けば死体に行く着くことは、この街では珍しくない。 珍しくないから、女は。 路地裏を仕事の場に選んでいた。 人を殺すことに、何の戸惑いもない女だった。 貴方の事は知らない。名前すらも聞いていない。 貴方が抱えたものの全てを、女は知りえないし。 きっと、興味がない。 次の日の夜、女は。 もう居なくなった、貴方の遺体があった場所に。 紫のヒヤシンスを一輪、置いていった。 何処までも無感情で、温度も色もない顔のまま。 女は何を言う事もなく、去っていく。 女はきっと、"お人形さん"だった。 人を象っただけの、心のないブリキの人形。 周りがそう揶揄するように。 (-160) 2022/08/18(Thu) 19:26:57 |
【人】 冷たい炸薬 ストレガ>>20 ソニー 「あ゛?」 や、の時点で真っ先に浴びせられたのが そのドスのきいた威圧の声だった。 債務者の何人がこれを聞いた事だろう。 「なんだあんたか……いや余計に悪い、暑苦しい。 帰んな。あたいは休憩じゃなくて休業中なんだ。 クーラーの修理ならここ真っ直ぐいった十字路 右に曲がって300m。腰がほとんど直角の ジジイが店番してる電機屋に行きゃいい」 とりつくしまもない。 頼み事も大方依頼だろうと当たりをつけて、 何度か口説きに現れていた青年をしっし、と手で払っている。 (21) 2022/08/18(Thu) 19:40:44 |
【秘】 花で語るは ソニー → ガット・リベロ ルチア/* お疲れ様です。強い筋肉の描き方です。 >>14の白チャを見て秘話でお声がけしようかな〜と思ったのですが、 神窓での書き込みもあり仕事の用事で話しかける人間に見つけられるのは困るかな……と思い、 レスを送る前に一旦お声がけさせていただきました。 もしプライベートで仲良い子と作りたい流れだよ〜など不都合ありましたら退きますゆえ…… ご回答いただければ幸いです。 (-161) 2022/08/18(Thu) 19:41:15 |
リカルドは、何かを見て、なるほど……と呟く。 (a13) 2022/08/18(Thu) 19:43:55 |
リカルドは、真新しいスタッドピアスを手に取ると―――― (a14) 2022/08/18(Thu) 19:45:47 |
リカルドは、穴のない自分の耳に、―――― ぶすり (a15) 2022/08/18(Thu) 19:46:01 |
リカルドは、血が滴るのも気に留めず、その耳に飾った。 (a16) 2022/08/18(Thu) 19:46:30 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 暗殺屋 レヴィア夕刻。 掃除屋は静かな路地の店を訪れた。 以前と同じように、他に誰も居ない時間の事だった。 「誰に頼まれました?」 店内に入り、ドアが閉まるなり、実に世間話のように。 投げ掛けたのはあまりに端的な問いだった。 何処の、誰を、あなたが殺したのか、だとか。 暗殺屋を相手にそんな事を聞くのは、愚問というものだろう。 そもそもの話、何れもどうだっていい事なのだけど。 「言わなくとも、構いやしませんが。 掃除屋に『ゴミ』を作らせる連中も居れば、 人様に始末の悪い『ゴミ』を作らせる連中も居る。 言われた通りに仕事をする事が良しとされていた俺達に、 上は今は仕事をするなと仰る。どっちの方がマシなんだか」 「どれもこれも、良い迷惑には変わりありませんが」 まったくもって、面倒極まりない事だ。 けれど、どうだっていい事だ。 言われた通り。今日も代わり映えしない仕事を続けて、 それが自らに死を招くなら、その時は、その時だ。 使い走りの掃除屋は、そう考えている。 最初から何も変わらない。これまで通りの仕事を続けるだけだ。 今は随分損な役回りとなってしまったあなたは、どうだろうか。 (-163) 2022/08/18(Thu) 19:58:15 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 家族愛 サルヴァトーレ多少は、生来の顔立ちもある。 けれどやっぱり、その美しさは作り上げたものに違いない。 だから女は、自分が美しいなんて本当は思っていなかった。 ただ、それが価値あるものであると誇り、 引き金に指をかけ続けなければ、 生きてこれなかっただけだ。 「ふふ」 「ありがとう、あなたといるとお姫さまになったような気分」 「こう見えて、女の子だからね──……」 虚ろな言葉がうわ滑る。 ただ一夜の夢のように、かたちのないものばかりを織り上げて共有する。 それが恋だとしたら、この世界に確かなものなんて何もなかった。 それが恋でないなら、この世界に美しいものなんて何もなかった。 「愛されるのも、褒められるのも好き」 すきよ、と。 女の唇は、濡れたように艶のあるリップを纏う。 かつん。高く鳴る靴音が、あなたの視線を朝靄のように曳いた。 ↓[1/2] (-164) 2022/08/18(Thu) 20:01:46 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 家族愛 サルヴァトーレ↓ 本当に聞き間違いであったかのように、女はその歩幅にも、姿勢にも、一切の違いを見せなかった。 ただ、あなたの語る陳腐な言葉に。 「だといいけど」 笑う。 「もし、私の大切なものがなくなったら、 私とても悲しいわ。 トトー、守ってくれるよね?」 水平線の向こうで輝く太陽のように、にんまりと笑った。 [2/2] (-165) 2022/08/18(Thu) 20:02:08 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 永遠の夢見人 ロッシ「ハハ……そうか、……そうか」 悪い予感とは的中するものだ。 俺は、自分の死は恐れないが、それでも残すものへの悔いくらいは持ち合わせている。 「俺はどうやら、やるべきことは全て終わらせておかねばならんらしい……」 そうして、男はその耳にピアスを飾ったのだ。 /* 了解しました。 そんな気はしてました、俺の命もここまでか。 ありがとうございます!何が起こっても良いように色々仕込んでおこうと思います。 (-166) 2022/08/18(Thu) 20:05:22 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → どこにも行けない ヴェルデ「それでいーの。 あんたには、時間があるんだから」 大きな、けれど小さな手をぎゅう、と包むように握る。 ゆらゆらと揺れる手は、水面で揺れる揺り籠のようだ。 ざわざわとした雑踏が波濤となって、ふたりだけの揺り籠をぐらり、と揺らす。 だから、ビアンカは前を歩く。 打ち寄せる波を、自らの身体でうけるよう。 「ばかは何もしないやつのこと。 バカはマジでバカだから、何もしないくせに文句ばかり。 いい、ヴェルデ。 あんたは、」 「■■■■■■■■■■■■■■」 ――その言葉は、どうにも言いづらくて。もごもごと、不明瞭になってしまった。 (-167) 2022/08/18(Thu) 20:06:11 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 花で語るは ソニー「 」 今、俺何を口にしていた? わかってるなら説明はいらないなだの、余計なことをきくなだの。はね除けて嫌われようとする男の台詞だ。 熱が篭り続ける口の中、吐く息は妙に重く落ちて酔えない。 本当にいつまでたっても酔えない。 とうとうその時が来てしまった。 賢く利口な が席をたったところで 懐に手を入れる 。立ち去るその背に一つ声をかけようとした瞬間、頭が揺れた。 滑り落としそうになったナイフを掴んだまま、食器は耳障りな音をたててテーブルを滑る。一瞬の視線が席を包み、霧散して。 手を出す必要がないとわかれば疎らになる人の気配の中、 ヒュッ、と短い息を吸って目を見開いた。 「どうして…」 酔っているのかと、夢を見たのかと思った。 実際それは夢だったのだが。信じられるか?こんな時に。 現実に引き戻されて景色は薄暗いリストランテ。 今かけなければいけない言葉は、酷い大人の温情でネズミを見逃す陳腐な三流映画の台詞だ。 (-168) 2022/08/18(Thu) 20:07:40 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 花で語るは ソニー「どうか、……大人しく眠っていておくれ」 その呟きはあなたの耳に届いたかわからない。 引き金をその背に向けようとして男は引けなかった。 あなたのことを知ってしまった 今、引けるわけがなかった。子供たちに歌い聞かせた『Rock-a-Bye Baby』が耳鳴りのように頭につんざき、たちまち息が苦しくなっていく。 これが人の人生を狂わせた罰だったのかと。 離れていても繋がっていたはずの絆をほどいたその事実が照明の下いつまでも燻って胸を焦がすものだから。 立ち去るその姿を、一人動けないまま見送ることしかできずにいたのだろう。 (-169) 2022/08/18(Thu) 20:11:42 |
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