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【人】 アウローラ[ だから、このゲームの世界に、 あの物語の主人公として転生したのだと それがわかったときは、本当に嬉しかった。 いつも、夢に見ていたあの人たちに。 画面の向こうの彼らを、実際にこの目で 見ることができると思ったから。 彼らと、言葉を交わすことができると思ったから。 だって、今のわたしはあの物語の「主人公」そのもので。 夢の中で描かれた、彼等と心通わせる女の子の姿は 確かに、今のわたしと同じ姿をしていたから。 彼らに、愛してもらえるかも、なんて、 そんな、ほんの少し都合の良い、甘い夢を見たの。 ……それが思い違いだと理解するのに、 きっと、そんなに時間はかからなかったと思う。 ] (152) 2022/05/18(Wed) 23:15:23 |
【人】 アウローラ[ 学園に入学してから、『攻略対象』と呼ばれていた 彼らと何度か話をすることができた。 この国のみならず、この世界でとても稀少な、 『光の魔力』を持つ平民の女の子。 それが、今のわたしの立場。 この世界では本来、魔力を持つ者は 王族や貴族などごく限られた者ばかりで、 多くは地水火風の四大属性の何れかひとつ。 複数の属性を持つ者もいるけれどそれはかなり珍しく、 数年に一度現れるか否かといったところらしい。 そして、そんな二重属性以上に稀少とされるのが、 わたしが有する光の魔力、なのだそうだ。] (153) 2022/05/18(Wed) 23:18:03 |
【人】 団地妻 ナナミ[バスローブ姿でのんびりと髪の毛を乾かそうとしていたら、チャイムが鳴った>>146] え、もう!? [驚いて立ち上がるが、単に二川屋の閉店時間を勘違いしていただけなのを本人気づいていない。 まさかバスローブ姿で客人を招き入れるわけにもいかなくて] ご、ごめんなさい、ちょっと待ってて! [薄いドア越しに一声大声を出すと、慌てて服を着だす。 まだ水を吸って重い髪に、ちゃんとふき取っていなかった体からも水が服にうつり、体に張り付いてしまってうまく着られない。 長い髪が濡れたまま慌てて服を着たせいで服が濡れて、背中側の布が透けてるなんて気づけてなかった。 今はとりあえず一番早く着られる服を、と無警戒に服を選んだため、大きめの白いTシャツにスパッツというラフすぎる恰好だし、きっちりメイクどころか、ノーメイクで人前に出ることになってしまったのだけれど、待たせる方が申し訳ない] (154) 2022/05/18(Wed) 23:18:57 |
【人】 アウローラ[ そして、そんな物珍しい存在であるわたしに、 彼らも、彼ら以外の人たちも皆興味を持ったようだった。 いい意味でも、…悪い意味でも。 平民であるわたしが、王侯貴族である彼らと 気安く話をすることを快く思わない人たちは もちろんいっぱいいたけれど。 それでも、面と向かって彼らに 意見を口にする人はいなかった。 そのぶんの皺寄せがわたしのほうへ来るのは、 まぁ…仕方のないことよね。 ] (155) 2022/05/18(Wed) 23:19:25 |
【人】 団地妻 ナナミお待たせ、悪いのだけれど中に入って待っててくれる? [鍵を開けて、開口一番謝ろうとしたら、目の前に色とりどりの花を見て、身支度が整っていない自分の状況を忘れてしまった] わぁ……綺麗……。 二川屋さん、わざわざ持ってきてくれたの? なんだか悪いわ……でも、ありがとう。 [かわいらしい花束を受け取って、それに顔をうずめ。そして、自分がいかにも湯上りですというような無防備そのままの恰好でいるのを思い出した。 自分からしたらこれから完璧に装う下準備のためだったのに、彼からしたら客人を普段着で出迎えるだらしのない女だろう。あり得ないくらいの失態だ] あ、食事の支度はもうほとんど整っているのよ。 整ってないのは私の方……ね。 えっと、ワインは冷やしておくから、ちょっとだけ待っててもらっていいかな。 [花束で顔を隠すようにしながら、もごもごと言い訳をする。 それにメイクだけでなく、着替えもしたい。 ぶかぶかな白いTシャツは腰のあたりまで隠してくれているとはいえ、スパッツを穿いてきてしまったためお尻や足のラインは丸見えだし。 それに襟がよれてきていて、前かがみになったりすると、大きくがばっと胸元が丸見えになったりもして恥ずかしいことになりそうだし] (156) 2022/05/18(Wed) 23:19:44 |
【人】 アウローラ[ 閑話休題。 『攻略対象』の彼らと話をするたび、 殆ど必ずと言っていい程、話題に上がる人がいた。 マティルダ・ルース・デア=フォルトゥーナ。 攻略対象の一人である弟王子とは 幼い頃から親同士の決めた許嫁であり、 公爵令息にとっては義理の姉にあたる。 ゲームの中では所謂『悪役令嬢』とされていた彼女。 かつて「私」がプレイした記憶の中でも、 マティルダ様は初対面からいきなりきつい言葉で 嫌味を言ってくる怖い女性という印象だった。 そして、それはゲームの中の攻略対象たちにとっても 同じだったらしく。 ゲームの中では、彼女はどのルートを辿っても 次第に婚約者である弟王子から距離を置かれ、 貴族たちのグループからも、次第に孤立していく。 そうして最終的に、ラスボスである闇の精霊に 心の隙を突かれ悪堕ちし、主人公たちに倒される。 そういう、キャラクターのはずだった。 ] (157) 2022/05/18(Wed) 23:20:21 |
【人】 団地妻 ナナミ もう、おなか減ってるわよね。 ごめんね、先にお茶だけ出そうか? それとも、食前酒でもいく? [彼に問いかけながら、いただいた花束はとりあえずはテーブル前のカウンターに飾っておくことにしよう。 慌てて活けなくても花束は一晩くらいはちゃんと保つようになっているものだから。 彼をソファに案内しながら、バスタオルを探して慌てて濡れ髪をまとめる。 もし彼が待ちきれないようなら、彼にだけ食事を勧めて、自分は身支度を整えてきた方がいいだろうか。 家族にしか見せないような素顔をさらしているのが恥ずかしくて。 でも、お客様である彼を自分の不手際で放置しているのも悪い気がして、どうしたらいいだろうと途方に暮れていた*] (158) 2022/05/18(Wed) 23:20:40 |
【人】 アウローラ[ ところが、攻略対象の皆が語るマティルダは 「私」の知っているマティルダとは大きく違っていた。 ―――誰にでも優しく、分け隔てなく接する まるで女神のような存在。 入学してまもなく聞いた、マティルダに関する噂話。 実際、この世界で生きる彼女はゲームの彼女とは 何もかもが正反対な少女だった。 ゲームの中では内心距離を置かれていた弟王子とも 険悪な間柄になっていた義弟である公爵令息とも その関係は良好そのもの。 時折、その二人がマティルダをあいだに挟んで 彼女を取り合う姿をわたしも何度か見かけたことがある。 そして、仲がいいのはその二人ばかりではない。 本編では特に接点の無かったはずの、 騎士団長の息子とも、宰相の一人息子とも、 いつのまにか幼馴染といっていい間柄になっていて、 その関係はいずれも、穏やかで親愛に満ちたものだった。 そして、先に述べた様に マティルダが優しいのは攻略対象ばかりではなく。 学園に通う貴族の子女からも、 王都の人々からも頗る評判がいい。 ] (159) 2022/05/18(Wed) 23:24:31 |
【人】 アウローラ[ ……攻略対象の皆から話を聞くたび、 ずっと、思っていたことがある。 「マティルダ様は、もしかしたらわたしと同じ 『転生者』なのかもしれない」って。 「不仲だった自分たちの仲を取り持ってくれた」 双子の王子たちが微笑って話してくれたこと。 「娼婦の子として産まれ、孤独だった自分に、 手を差し伸べて、家族の温もりを与えてくれた」 公爵令息の彼の、懐かしむような温かな眼差し。 「国の英雄である父を越えなければいけないと、 自身の才能の無さに思い詰めていた自分を諭してくれた」 騎士団長の息子の真摯な眼差しと言葉。 「母を病で失くしてから愛を知らず育った自分に、 人として本当に大切なことはなにかを 何度も何度も、母のように根気強く語ってくれた」 そんな彼女の力になりたいと、 わたしに語って聞かせてくれたのは かつての「私」のイチ押しだった宰相の一人息子。 ] (160) 2022/05/18(Wed) 23:31:49 |
【人】 アウローラ[ ゲームの中の彼らが抱えていた問題を マティルダは彼らが幼少の頃に解決、 あるいは心の整理、決着を果たしていて。 わたしの知らない十年近い年月の中で。 マティルダと彼らは、穏やかで、あたたかくて それでいて強固な絆を築き、成長していた。 少なくとも、彼らとマティルダのあいだに わたしが割って入ることなんてできないくらいに。 そんなことは許されないと、はっきりわかるくらい、 彼らの関係は―――…わたしの目には、とても、 眩しいものに映っていた。 ] (161) 2022/05/18(Wed) 23:33:04 |
【秘】 魔導騎士 テンガン・カルシャック → 魔法使い ミンナ・コンスタンツェ途中、胸の先端を撫でていると いやいやをされて驚いたが、 体の反応は彼女のいやいやとは反対を示している。 そう判断して、沈んでいく先端部分を押さえたまま くり、くりっと撫でるように回してみた。 そして彼女の腰が膝に擦りつくように動けば 彼女が何が好きなのか考えながら、 焦らすようにまだ触ることなく膝だけを当てて。 (-70) 2022/05/18(Wed) 23:33:10 |
【人】 アウローラ[ ……でも、それなら。 「わたし」は、どうしてここにいるのだろう? 今、この世界に生きているわたしは、 なんのために存在しているんだろう? 今、彼らの物語に、わたしは。 「ゲームの主人公」は必要ない。 葛藤も、孤独も、焦燥も、愛に飢えることもない。 それを解決するための存在を、彼らが求めることはない。 だって。彼らは今、とっても満ち足りていて、 幸せなのだから。 ] (162) 2022/05/18(Wed) 23:35:01 |
【人】 魔導騎士 テンガン・カルシャック彼女をバディから外すということは全く考えておらず 彼女さえ問題なければ、そのままでいたい。 また新しいバディを探すことは、 またポーション生活に戻れと言われているようなもの。 そう思いながら、ファーストキスのやり直しを 提案したなら、彼女の反応を見て何か問題があったかと 少しだけ心配になってしまった。>>130 「そんなに否定されていると、 そこまでない自信が更になくなる……。 俺なりの誠意だと思ってほしい。」 魔力補給でなくても、キスはできる。 りんごよりも真っ赤で額から顎まで塗られて そんなに嫌だったのかと少し気を落とす。 彼女のことを抱き寄せて指を絡めると ミンナとキスしたい、とはっきり告げて 顔を近づけ今度は優しく唇を重ねようとした。* (163) 2022/05/18(Wed) 23:37:27 |
【人】 アウローラ[ わたしがまだ「私」だった頃 いつだって、彼らの幸せを願っていた。 目の前でわたしと話してくれる彼らは、 かつての私が願っていたように…ううん。 私が想像していた以上に、眩しいくらいに幸せそうで。 …そんな彼らを見るたび、ちくりと胸が痛んだ。 ほんとうなら、わたしは。 彼らの幸せを喜ぶべきなのに。 彼らに幸せを与え、笑顔にしているのは 彼らにとっての幸せな物語を作り上げたのは、 そして、彼らが幸せを願うのは。 ―――…他の誰でもない マティルダという、 彼らにとってかけがえのない、たった一人の女の子。 そのことを想うと、どうしようもなく 自分の中に目を逸らしたくなるような、 そんな気持ちが芽生えてしまう] (164) 2022/05/18(Wed) 23:38:29 |
【人】 アウローラ―― 星燈祭の夜/図書館 ―― ……はぁ。 [ 溜息と共にそっと視線を窓の向こうに向けた。 色とりどりの魔法の燈に照らされた中庭の噴水が きらきらと煌めくのが見える。 王都に瞬く星々を消し去ってしまいそうな輝きと、 楽団の軽やかな演奏を背に、学園の生徒たちが 次々にパートナーと手を取り合って踊り始める。 見知った顔も、あまり馴染みのない顔も、 皆、等しく、華やかに着飾って。 ] (166) 2022/05/18(Wed) 23:42:07 |
【人】 アウローラ[ 年に一度、ちょうど学園に入学してから 半年ほど経った頃に開催される『星燈祭』。 あちらの世界でいう「学園祭」と呼ばれるものに近い このイベントは、ゲームの中でも特に重要なものだ。 星燈祭の夜、裏庭にいると 攻略対象のなかで一番好感度が高い人物が 主人公の目の前に現れる。 そしてそれは、その人物の攻略ルートに入ったということ。 『夜明け告げるは星の唄』では、 基本的に誰かしらのルートに入る仕様になっている。 仮に攻略対象全員の好感度がゼロだった場合、 キャラクターにはそれぞれ優先順位が存在していて、 その優先順位に沿う形でルートが解禁される。 少なくとも、そういう仕様になっていた。 攻略対象の好感度がゼロの状態で、 ]特殊なフラグを立てておくと 攻略対象以外のキャラのルートへ行けるらしいが 「私」はそこまで詳しくはなかった。 (167) 2022/05/18(Wed) 23:44:39 |
【人】 アウローラ[ でも、裏庭にいっても、そこには誰もいなかった。 考えてみれば、当然よね。 だってここはゲームの中ではなくて、 そしてなにより、わたしは…あの夢の中で見たような 『ゲームの主人公』ではないもの。 どんなに他の人たちから特別だと言われる力があったって、 わたしは、ただの平民の女の子。 どれほど彼らを想ったとしても。 子供の頃からずっと絆を築いてきた、 彼らを救うために奮闘してきた彼女には、敵わない。 ] (168) 2022/05/18(Wed) 23:47:14 |
【人】 アウローラ[ ……頭では、わかっていた。 あの人たちが誰を想っているのかなんて、 そして、誠実な彼らが彼女以外に 目を向けたりしないなんてことは。 わかっていた。そのつもりだった。 それでも、心のどこかで 期待していた自分がいたことも 否定できない。 いつか、攻略対象の誰かが…たった一人でもいい、 彼女と比べることなく、わたしを見てくれることを。 そんな夢物語みたいな展開を、 望まなかったといえば、嘘になる。 ] (169) 2022/05/18(Wed) 23:48:34 |
【人】 アウローラ[ この半年間、ずっと、自分なりに努力してきた。 ゲームではみんなを攻略するためには ステータスも重要な要素だったから、 彼らと話をするだけじゃなくて、 学園での勉強も、魔力磨きも、身体を鍛えることも 思いつく限りのことはなんだってしてきた。 其れと同じく、ゲームでは 彼ら自身の好感度を上げるだけではだめだったから 学園内の他の人たちとも心を通わせようとしてきた。 あの人たちと一緒にいたくて……ううん、 いつか、誰かに「わたし」を選んでほしいなんて。 そんなバカみたいな思い上がりをカタチにしたくて がんばった。がんばってきた。] (170) 2022/05/18(Wed) 23:50:11 |
【人】 アウローラ[ でも、それは叶わなかった。 さっき窓から見えた光景を思い出す。 踊る生徒たちの中心にいたのは、 マティルダと、彼女が愛してやまない弟王子。 そして、そんな二人を温かく見つめる攻略対象たち。 ] ……。 [ そんな光景に堪らなく胸が締めつけられて 窓に背を向けて、その場を立ち去ろうとした。 ] (171) 2022/05/18(Wed) 23:50:46 |
【人】 アウローラ[ 彼らのことが、大好きだった。 今でもきっと、その気持ちは変わらないまま。 彼らに幸せでいてほしいと願っていた。 わたしが「私」であった頃から、ずっと。 そしてこの世界は、そんな願いが叶った世界。 悲しみや辛さ、悩みを抱えていた彼らが 抱えていたものから解放されて幸せでいられる世界。 この世界は、わたしにとって『美しい物語』 かつての「私」も夢見た世界。 ……だけど、この世界にきっと、「わたし」はいない。 わたしの居場所は、ない。 この世界の、どこにも。 (172) 2022/05/18(Wed) 23:51:44 |
【人】 アウローラ ……きゃっ。 [ 先程まで見ていた景色に気を取られていたせいか 何かに躓いて転んでしまう。 運が悪いことにその拍子に近くにあった本棚から 本が数冊、此方に落ちてきた。 ほとんどの本が直撃を免れたのと、 それほど重い本じゃなかったのは幸いだったけれど。 ] …。 (173) 2022/05/18(Wed) 23:55:01 |
【人】 酒屋の息子 ヤスヒサ[これは自分の忍耐が試されているのだろうか。 突然の修行モード。脳内で必死に思い浮かべるのは親父の裸である。テレビを見て、お尻を搔いている親父の姿を思い出す。なぜそんな思い出したくもない姿を思い出そうとしているのかって、そりゃ、目の前にいる女性のせいだ。 待っててという声がして それから扉を開けた彼女は………] ……… [此方を誘っているのでは、と疑いたくなった。 これはまずくないか。無自覚なのだろうか、無自覚だとしたら相当タチが悪い。何せ、濡れた髪に大きめのTシャツが、彼シャツを思わせるし、そういう雰囲気をか持ちだしているのだ。 まさか、旦那さんとしっぽりしていたとか。 いや流石にそれは、と自分の考えを否定して 彼女に続いて部屋にとおじゃましようか。もちろん、失礼します。とちゃんと言った。整った部屋をちらり横目で見るものの視線は彼女にくぎ付けで] (174) 2022/05/18(Wed) 23:56:24 |
【人】 アウローラ ……っ [ 不意に視界が歪んだのは、 本と一緒に落ちてきた埃が目に入ったから。 そして、本が落ちてきた痛みが、 急に時間差で襲い掛かって来たから。 熱を帯びた頬をさらに熱い雫が伝って、 目の前の黒い装丁の本にぽたりと雫が落ちたのだって。 ……決して、泣いてしまったわけじゃ、ない。] [ ―――…でも、] (175) 2022/05/18(Wed) 23:56:45 |
【人】 酒屋の息子 ヤスヒサ…ああ、折角なんで 奥さんに似合う花をと思ったんですが。 [花に顏をうずめる彼女がうつる。 それは可憐な姿だった。花束で顏をかくし、もごもごと話す姿は目に毒な程の可愛さだった。きちんと用意された料理は歓迎を表している。きっと心を砕いてくれたのだろう。テーブルは飾り付けられ、カツオと茄子の料理も見えた。生憎料理にはさほど詳しくないので名前は分からないが美味しそうでお腹が鳴りそうだった。 そして彼女の方は] …あ、奥さん。 [待ってほしいという彼女が テーブルの前のカウンターへと移動する。花を置く姿がちょうど此方からは後ろで、大きいTシャツから見えるお尻のラインを強調させたのだ。何かを言おうとした口を閉じ、ごくりと今日二度目の唾を飲みこむ。 メイクをしていない彼女は飾り気がなく。 だが、濡れ髪をまとめれば見えるうじなが色っぽく。 案内されたソファに腰を下ろす前 気づけばその手を掴んで] (176) 2022/05/18(Wed) 23:56:50 |
【人】 酒屋の息子 ヤスヒサ…お茶は大丈夫なんで それより、奥さんの方が心配っすよ。 [このままだと風邪をひくんじゃ。と 案じる声ととももう一方の手で、濡れ髪をまとめたバスタオルに触れれば、乾かす手伝いをするように撫でようとして、手を止め。耳元に唇を寄せれば] (177) 2022/05/18(Wed) 23:57:06 |
【秘】 酒屋の息子 ヤスヒサ → 団地妻 ナナミ…誘っているんっすか? [ね、と低い声は問う] 俺、悪い男なんで思うんっすけど 男性の前にそういう恰好で現れるの危険だと思うんですよね。 特に貴女みたいな可愛い子がってのも [そう告げれば、引き留めた手で甲をなぞり。 顏をのぞき込もう。その際、よれた襟から胸元が見え、その豊満な胸を上から見てしまい。苦虫を噛み殺したような顏をすれば、失礼と小さく謝罪をし。] (-71) 2022/05/18(Wed) 23:57:56 |
【秘】 酒屋の息子 ヤスヒサ → 団地妻 ナナミあー旦那さんって今日いないんっすか? [手を離し、今更にそんな事を聞く。 その目は少しばかり、いけない事を考えて彼女をじっと見つめ。いないのなら、と言葉を小さく咥内で転がした*] (-72) 2022/05/18(Wed) 23:59:17 |
【人】 アウローラ[ その黒い本に手を添えたとき。 確かに、声が聴こえたの。 『泣いているのか?』って。 窓の外から差し込む光で、青みがかった景色の中。 気がつけば、さっきまでは聞こえていた外の喧騒が いつのまにか聞こえなくなっていて。 ……シン、とした静寂が、部屋の中に満ちていた。] …………。 [ 暗闇の中から問いかけてきた声は。 床に倒れ込んだままの私を見おろす、 暗闇に潜んだままの血のように赤い瞳は。 恐ろしいはずなのに、 なんだか酷く奇妙で、…そして少しだけ、 優しげに見えた。]* (178) 2022/05/18(Wed) 23:59:27 |
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