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【人】 客人 ジャヤート[それから数年のあいだ日々は慌ただしく過ぎていった。 この世界のことを学ぶため、孫娘と一緒に大学へ通ったり。 その合間、養父の仕事に付き合って、世界各地を回ったりもした。 映画…もとい演じることに興味を持つようになったのは丁度この頃。 大学時代、たまたま演劇について学ぶ授業があった。 自分とは違う存在に成ること、 自分ではない誰かの人生を生きて、そして時に死を迎える。 其処に在るのは紛れもない誰かの人生の集合体/物語であり 嘗て舞台装置だった自分が眩しく見つめていたものそのものだった。 …今の自分は、神々のための物語を紡ぐための存在ではない。 己の意志で舞台に上がり、自身の物語を紡いでいく存在に成れたのだと。 そう、気づいたそのときから、私は演技…もとい 最初に触れた映画の世界に足を踏み入れることになる。 尤も、其処に 「若しかしたら自分が出ている映画を彼女が見てはいないだろうか」 と、そんな打算がなくもなかったけれど。 全ては、あの茶会で出会った彼女と再会するため、 約束を果たすためであったのだけれど…彼女を探す旅は 思いの外難航する羽目になったが。]* (4) 2023/09/20(Wed) 13:23:31 |
【秘】 客人 ジャヤート → 黒薔薇 フィエ[>>-1>>-2彼女の褐色の肌に、深い青味を帯びた紫が映える。 異国の夜の名前を持つ紫の石と血のように深い紅を帯びた石。 そしてそれを彩るように輝く小さな金剛石はまるで小さな星のよう] ああ、やはり似合っていますね。 [首飾りも、指輪も。 そのどちらも彼女の美しさを引き立てている。 見目ももちろんそうだけれど、それよりも、もっと 内側から輝くその美しさが自分にはとても眩しく映る。 手の甲に唇を寄せて。 それから、その指先にも同じように口づけを捧げる。 そのまま、抱き寄せようとしたところで>>-3] ―――…。 (-7) 2023/09/20(Wed) 13:48:43 |
【秘】 客人 ジャヤート → 黒薔薇 フィエ祝福、ですか。 …、ありがとう、ございます。 [笑みを形作ろうとして、見せた顔は少し、 ぎこちないものになってしまったかもしれない。 …或いは。感極まった、泣き笑いのようにも見えたかもしれない。 ] (-8) 2023/09/20(Wed) 13:50:42 |
【秘】 客人 ジャヤート → 黒薔薇 フィエなんといえばいいのか。 命を祝福されるというのは、 こんなにも温かなものなのだな、と。 [この世界に来て、多くの人に出会い、 多くのものを見て学び、旅をしてきた。 出逢った者、かけられた言葉、 繋がった絆や縁、此方へと向けられる感情。 先に彼女にも告げた通り、 元の世界で私が焦がれ得られなかった多くのものを 私はこの世界で得てきたけれど。 それでも、今こうして向けられた言葉以上に。 胸の奥を狂おしいまでに温めてくれる言葉はきっとない。 この世界で生きていていいのだという 喜びと安らぎをあらためて与えてくれる祈りの言葉] ―――…本当に、ありがとう。フィエ。 [愛しい人を抱きしめて。 あらためて、今ここにあることのその幸せを享受する。 遠く世界を超えた先で、再び出会えたという奇跡を、 強く、感じながら] (-9) 2023/09/20(Wed) 13:51:38 |
【秘】 客人 ジャヤート → 黒薔薇 フィエ[そうして] 明日、ゆっくりで構わないので少しお時間をいただけますか? [先程、床に入る前に少し話したこと。 もう一度約束をしてから、彼女の身体を抱きしめる。 降りやまない雨の音が響く部屋の中、 触れ合う肌に彼女の心音を直に感じながら、 夜が明けるまで二人で眠りに落ちたことだろう]* (-10) 2023/09/20(Wed) 13:52:07 |
【秘】 客人 ジャヤート → 黒薔薇 フィエ[眠りに落ちる少し前>>-5>>-6 彼女を胸に抱きながら、彼女が告げる言葉を口にする] …フィエ。 [彼女から少し体を離して、 あらためて彼女と向き合うように顔を見合わせる] ゆびきり、をしましょう。 この国では約束をするときにするのですよね? [確か、こういうふうにするのですよね?と 片方の小指を彼女のほうにみせて] 私も、貴女と同じ気持ちです。 貴女とこの世界で一緒に生きていきたい。 貴女が望むならば、今の地位だって捨てても構いませんし、 貴女と一緒ならば、どんな場所でだって生きていけます。 (-11) 2023/09/20(Wed) 14:16:24 |
【秘】 客人 ジャヤート → 黒薔薇 フィエ[ただ] 私としては貴女の夢を諦めてほしくはないですね。 それ以上に、私と一緒に生きることを選んでいただけるのは、勿論有難いですけれど。 …一緒に、幸せになりましょう。 好きなこと、大切なものを極力切り捨てずに、 全部抱えて、一緒に生きていける方法を探しましょう。 [そのための、約束です。なんて。 微笑って囁きながら、彼女の小指に自身の其れを絡めて。 数年前に聞きかじった、おまじないの言葉を口にする]* (-12) 2023/09/20(Wed) 14:18:14 |
【秘】 黒薔薇 フィエ → 客人 ジャヤート 似合ってるかな?…ありがとう。 [素肌のままに指輪と首飾り2つ。 身に着けているのは少し恥ずかしい気もするけれど、 彼に褒められて悪い気がするはずもない。 掌に口づけを受ければ手を差し伸べ、指先にもキスを受ける。 抱き寄せられて見えた彼の顔は>>-8、ぎこちない笑みで、 どことなく泣いているようにも見えた。] …どうしたんです、ふふ。 ええ、そうかも。 生まれてきたことを祝ってもらうのは… 昔は本当にうれしかったです。 最近はそんな事も忘れていたけれど… 誕生日のパーティ。ろうそく、バースデーカード、 風船…… アイシングケーキ。 [小さい頃、イギリスでいた頃の祖母や、友達との思い出。 あるいは途切れ、あるいは新しく繋ぎ、そして一度は頼りなく切れかけて… けれど、あなたが手繰り寄せてくれたこの縁。 思い浮かぶのはあの時にも言った、あの言葉。] (-13) 2023/09/21(Thu) 0:26:44 |
【秘】 黒薔薇 フィエ → 客人 ジャヤート ……Even chance meetings are the result of karma. うん、ジャヤート。あなたの誕生日、知りたいです。 お祝いを… お誕生会をしましょう!! この世界に生まれてきてくれた事に、私は感謝しきれないから… 生まれてきてくれてありがとうって… 言いたいから。ね。 ありがとう、ジャヤート。 …ここに在ってくれて。 [胸の奥が熱いくらいに温かい。抱きしめあえば、素肌に温もりが伝わってくる。 もう少しで快いまどろみに落ちていきそうな中、腕の中で彼の言葉を>>-10聞いていた] ええ、もちろん。 次の仕事を探す…かどうかは、考えないといけないけど。 明日は何も予定がないから、いつでも大丈夫。 いくらでも付き合いますからね。 (-14) 2023/09/21(Thu) 0:33:15 |
【秘】 黒薔薇 フィエ → 客人 ジャヤート[そうして眠りにつく間際… 少し体を離す彼>>-11を不思議そうに見ていたら告げられたこと。 ふわりと笑みを浮かべ、小指を差し出した。] …ん、はい。 指切り…ね。 うん、本当に一緒になるまでにはもう少し お互い環境を整えないといけないかもしれないけれど… でも、大丈夫。少なくとも私は、今のここでの生活は すぐにでも終わらせられるだろうし。 (-15) 2023/09/21(Thu) 0:47:20 |
【秘】 黒薔薇 フィエ → 客人 ジャヤート …あ、でもね。夢を諦めるのとは違うかな。 昔はこの国で、私のルーツ…イギリス料理の お店を開いて、もう私の故郷の味が不味いとは 言わせないんだって思ってたけど。 今はそういうのとはもう違うから。 人間として生きている以上、 毎日食べる事はついて回るから… その気になればこの世界のどこででも、 料理の腕を振るう事はできるよねって。 だから、少なくともこの国でずっといる必要は、 私にはもうないかな。 大事な人達といっぱい出会った場所ではあるから、 名残惜しくないことはないけど。 今はみんな、それぞれの道を歩いているはずだから。 (-16) 2023/09/21(Thu) 0:47:28 |
【秘】 黒薔薇 フィエ → 客人 ジャヤート それよりは、あなたの今とか、これから掴んで いくものをあなたの傍で見続けていきたいし… あなたのいる場所の傍で、自分の夢を 叶えられたらいいなって、…そう思ってる。 そうね。 お互いの好きなこと、大切なものを切り捨てずに 全部抱えながら。 一緒に幸せになれたらって、そう思う。 だから。 指切り、げんまん。 …約束ね。 [小指を絡めあって、二人で約束を紡いで。そうして、素肌に温もりを直に感じながら、雨の音を背景に、いつしか眠りについていた。] (-17) 2023/09/21(Thu) 0:48:28 |
【人】 客人 ジャヤートおはようございます、フィエ。 はい、とても美味しそうですね。 [出来上がった朝食に、目を輝かせて微笑む。 手早く着替えを済ませ、手櫛で簡単に髪を整えると、そっと彼女の唇に口づけを落とす。] 飲み物…ではコーヒーがあればそちらを頂きたく。 [夜明けのコーヒーというには、少し陽は高くなっていただろうけれど。 そうでなければ紅茶を、或いはフィエの好きな飲み物を同じく頂こうとするだろう] (9) 2023/09/21(Thu) 16:45:00 |
【人】 客人 ジャヤート…頂きます。 [両手を合わせてから朝食を頂く。 カリカリのベーコンとチーズ入りソーセージの塩気で目玉焼きがとても美味しい。 そういえばこの国では片面の目玉焼きをトーストに乗せて食べる人が一定数いると聞いたことがあるがフィエは食したことはあるのだろうか? もし美味しいのであれば今度試してみることにしよう。 フィエと同じくトーストにマーマレードを塗っていると彼女から声をかけられて] はい。 一先ず連絡はしておいたので先方は問題ないはずです。 (10) 2023/09/21(Thu) 16:45:32 |
【人】 客人 ジャヤート…それと。 昨晩からずっと考えていたのですが。 [少し真剣な顔をするとあらためて彼女に向き直る] 私と、一緒に米国に来てほしい。 今更と思われるかもしれないけれど、 きちんと言葉にしないのは筋が通りませんし 貴女を不安にさせてしまいそうだから。 (11) 2023/09/21(Thu) 16:46:32 |
【人】 客人 ジャヤート私の友に食べることが大好きな御仁がいましてね。 彼には何度か貴女の料理の腕前について 話したことがあります。 今の私の家族や、仲間たちにも貴女や貴女の料理を紹介したい。 [彼女の返事はどうだったか。 何れにせよ、食事が終われば、一緒に片づけと出かける用意を済ませて外へ出る。 その頃には、先程呼んでいたハイヤーがアパートの前の道路に停まって私たちを待っていることだろう] (12) 2023/09/21(Thu) 16:47:03 |
【人】 客人 ジャヤートフィエ。 首飾りと指輪をお借りしますね? [どうして?と問われても 内緒です、と人差し指を唇に当てて悪戯めいて笑うだけだろう。 とりあえず、今は] フィエ、お手をどうぞ。 [にこ、と微笑って彼女に手を差し出すと、そのまま恭しく彼女を車までエスコートする。 そうして二人車に乗り込めば、車は目的地へと出発する。 其れから目的地まではさほど時間はかからなかったことだろう。 辿り着いたのは海の見える丘の上に建つとある高級ホテル。 吹き抜けのロビーを抜けて、硝子張りのエレベーターに乗ってやってきたのはホテルの店舗エリア内にあるドレスと宝飾の専門店。] (13) 2023/09/21(Thu) 16:47:35 |
【人】 客人 ジャヤート貴女は覚えているかわかりませんが、 以前、貴女を飾り立てたいとそう、思ったことがありましてね。 此処は、あちらでの友人が経営している店の支店なんです。 せっかくなのでコネクションを最大限利用させて頂こうと思いまして。 [言いながら、彼女の隣に立つとそっと背中を押す] 色々あるのでじっくりみていきましょう。 試着も仕立て直しも問題ないと先方から許可を頂きました。 [彼女の肩に手を回しながら、近くのドレスに手を伸ばす。 肌色としては原色が合うのだろうけれど、私としては彼女に好きな、気に入ったドレスを着てもらえるのがなにより嬉しいと思う。 特に彼女から何か言われなければ、試しにと、少し離れたばかりのところにかけられている鮮やかなレモンイエローのドレスを手にとって。 どうだろうかと彼女の様子を伺ってみよう]** (14) 2023/09/21(Thu) 16:49:25 |
【人】 客人 ジャヤート[ホテルに手配を頼んだハイヤーに、 少し戸惑った様子の彼女>>17] 問題ないでしょう。 今のままでも十分、可愛らしいですから。 というのはともかく。 少なくとも、ドレスコード的に問題ないと思います。 [仮にドレスコードに引っ掛かるものがあったとしても それをどうにかするためにいくようなものですし。 仮に格好で相手をとやかくいう店ならば、 私も連れて行こうとは思わないし、別の店を探すことだろう] 風変わりな人ではありますけどね。 とはいえ、店舗には拘るタイプの人ですから 店の人たちも悪い人たちではないはずです。 [新規で店を開くときは必ず現地で面接を行ってから 従業員を選ぶ人だから。 そういう意味でも、この店については信用している] (21) 2023/09/22(Fri) 20:13:29 |
【人】 客人 ジャヤートそうそう、先程貴女を見つけることができたと 友人と両親には連絡を入れておきました。 彼等からは是非、貴女に逢いたいと。 [私が魔王だったという話は 本当にごく一部にしかしていないが。 それでも、一つ映画を取り終えるごとに 暫くの間、姿を消していることは知られているから。 「運命の人」を探していると知っている身内からは 色々な意味で盛大に祝福された] (22) 2023/09/22(Fri) 20:14:20 |
【人】 客人 ジャヤート[さて。 彼女が店員とともに試着室に入ってから十分ほど経った頃。 少し緊張した面持ちで現れた彼女の姿は>>20] ―――…。 [人目がなければ間違いなく抱きしめていたと思う。 そのくらいには、感極まっていた。 表情に出さないようにポーカーフェイスを装いつつ] とてもよく似合います、フィエ。 職業柄、いろいろな女性達を見てきましたが 私は貴女が一番素敵だと思います。 [恋は盲目とか、贔屓目とか そういう言葉があることは知っているけれど。 それがなんだというのだろう。 私にとっては間違いなく、目の前の彼女が一番美しい。 世界中の誰よりも。 そっと恭しく彼女の手を取って。 賞賛の意味を込めて、彼女の指先に口づけを落とす。 それから、首飾りと指輪を取り出すと彼女の首と指に飾れば。 何方も一層、彼女を輝かせた。] (23) 2023/09/22(Fri) 20:15:36 |
【人】 客人 ジャヤート後で、写真を撮らせていただいてもよろしいですか? 友人たちと、今の私の両親が貴女の姿を見たいとのことだったので。 [彼女の許可を得られたならば、 レモン色のドレス姿の彼女の姿をスマートフォンに収める。 送信は後にしておこう。 今は、彼女の姿を自分だけのものにしておきたい。 そんな独占欲を一人満たしつつ] (24) 2023/09/22(Fri) 20:15:47 |
【人】 客人 ジャヤート此方のドレスは購入するとして。 フィエはどのような色のドレスがお好きですか? [小柄な彼女ではあるけれど、スタイル自体はメリハリがあって決して悪いものではない。 デコルテも美しく、胸が開いたものもそれほど貧相にはならないだろう(無論、本人の好み次第だが) また、サイズが合わないドレスも仕立て直したりイメージにあった新しいものを作ってくれるとのことなのでそういうオーダーメイドもきっと楽しいだろう] …と。 申し訳ない、少し舞い上がってしまいましたね。 [こほんと一つ咳払いをして] …少し、早いかもしれませんが。 ウェディングドレスも、此方で見ていきませんか? [先日、此方のブランドの新作発表があった際、そういうドレスの類も何点か発表されていたことを思い出しながら。 今まで縁のなかった場所で一からドレスを選ぶよりなじみのある国でそういうものを選んだほうがよいのではないかと]* (25) 2023/09/22(Fri) 20:16:50 |
【人】 客人 ジャヤート[ドレスと、他に装飾品を幾つか選んで購入した後。 ホテルのレストランで食事を済ませてから、再びハイヤーで移動する。 やってきたのは港湾地区。 目的の場所に行く前に、少し買い出しをしましょうと彼女を誘ってショッピングモールへ。 流石にハイヤーで乗り付けるのは目立つだろうとショッピングモールから離れた位置に停車してもらうとそのまま徒歩で買い物に向かう。 食品や酒類を取り扱う店から、調味料の専門店まで。 中には特定の地域の物産を取り扱う出店のような区画もあって、なかなかに興味深い。 私はといえば彼女の好みの酒類を聞き出しては興味深くそれらを眺めたり。 調味料やコーヒー、紅茶の棚を眺めてみたり。 それなりに充実した時間を過ごすことができた] (26) 2023/09/22(Fri) 21:48:01 |
【人】 客人 ジャヤート[買い出しが終われば、戦利品を片手にもう片方の手を彼女と繋いで、近くで待たせていたハイヤーへと戻る。 そして再び走り出すこと数分。 窓を開ければ潮の香りと、遠くに鳴く海鳥の声。 そうして、やってきたのはクルーザーやプレジャーボートが多く停泊している区画。 その中の一隻のクルーザーの下までやってくると] どうぞ、フィエ。 今日は天気もいいですし、 私と一緒に船旅にお付き合いいただけますか? …ああ。此方は養父が日本で購入した船なんです。 養父は映画専門の撮影コーディネーターをしていまして。 操縦も、養父から幾らか手解きを受けました。 尤もハワイで親父に、というわけではありませんでしたが。 ああ、船舶免許はとってありますので、そこはご心配なく。 [本当は、このまま船で彼女を連れ帰りたいところだけれど、それは流石に現実的ではないから。 ひとまず、船に乗り込むとしよう。 ――…晴れ渡った空の向こう、水平線が見える。 青と青が交わるその向こうに、今の私にとっての故郷がある] (27) 2023/09/22(Fri) 21:52:05 |
【人】 客人 ジャヤート[この世界に来てから、彼女が生まれ育った世界の広さに驚かされた。 そして、多種多様な人の在り方にも同じように驚かされた。 多くの出会いがあった。 その一つ一つが、今の私にとってかけがえのないもの。 そして、彼女がいなければ手に入れることの叶わなかったもの。] (28) 2023/09/22(Fri) 22:07:19 |
【人】 客人 ジャヤート[生まれてきた最初の夜のことは、今も覚えている。 真っ暗な闇の中、ただひとり其処に生まれ、そして闇の中「魔王」として終わりなく生き続けることを宿命として定められたそのときのこと。 星は、美しかった。 月の光は柔らかく眠る人の子たちを照らしていた。 それから幾千幾億もの夜を超えて、人の子たちは多くの物語を紡ぎ、短くも燃え盛るように美しく眩しい、その命を繋いでいった。 ―――…そして、私は。 彼等のことを愛していた。 人の子の在り方に焦がれていた。 そして、いつしか人と同じものになりたいと無意識に思うようになっていた。 それに気づかされたのは、皮肉にも元居た世界を追われてから。 彼女と、出会ってからだったけれども。 長く、長いあいだ焦がれ、そして諦めていた私の生は、まだ始まったばかり] (29) 2023/09/22(Fri) 22:10:26 |
【人】 客人 ジャヤート…フィエ。 昨夜話していた私の誕生日ですが。 昨日、というのは駄目でしょうか? [老人と孫娘に関しては、特に老人のほうが出逢った日のことをよく覚えていて、毎年取り寄せた大量のケーキを食べようと呼びつけてくる。 養父母も、その日を誕生日として戸籍上登録しているし、二人とも毎年メッセージと花束を贈ってくれる。 その日のことももちろん、誕生日として認識しているけれど] 貴女とこうして再び出逢うことができて。 私は本当の意味で自分の人としての生を歩みだせるのですから。 [だから、昨日こそが私にとって、人間としての本当の一歩を踏み出した日。 貴女と寄り添って生きるという、夢の続きを紡ぎ始めた日]** (30) 2023/09/22(Fri) 22:12:39 |