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人狼物語 三日月国


104 【R18G】異能遣い達の体育祭前!【身内】

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【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

>>-53 (昨日)


ぎこちない動きで歩いてくあなたを見送って。
自分もまた、丸一日ぶりに寮の自室へと戻る。
外泊許可なんて別に取らなかったけれど、異能が異能だ。
予想通り何も露見してなかった様で、その事には驚きも無い。
そのまま、いつも通りに過ごしたけれど。
ほんの少し、違和感があった。
此処の所の疲れや無理が祟ったのかとも思ったが、少し違う。
それは、小さな疑問。

あなたのものになったのに、どうして自分は此処に居るのだろうか。


湧いた問いの答えを深く考えてはいけない気がして、常より
少し早めに眠る事にした。
(-54) 2021/11/07(Sun) 5:50:23

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

……どこかの休憩時間、ぽん、と前触れなく、
透明な袋へ梱包されたクッキーの写真が送られてくる。

『あげたい』『学校終わったらとか、会えそう?』
『二人分あるから、その片方』
箱を持った犬のスタンプも出しつつ。

『あまり人が居ないとこがいい』
『あるかわかんないけど』
(-103) 2021/11/09(Tue) 5:33:25

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

送られて来た写真と文面に、軽く目を瞬く。
どう見ても手作りのそれだ。
騒動は一段落したのだから、薬を警戒する必要は無いとして。
自分にあげたいという意図を、鏡沼は今一つ掴み切れずにいる。

『ええ、勿論会えちまいますよ』
『二人分あるって、誰かから貰いやがったんです?』

こういう時に、送れる様なスタンプの持ち合わせは無いから
簡素な文章が続いてしまう。
やはり、何か買うべきだろうと思いつつ。

『そういう事なら、校舎裏で構わねぇですかね?』
『放課後なら、そんな人も居ねぇと思いますんで』

自分が喫煙する時によく使っている場所を指定する。
自分自身の臭いや姿は、異能で幾らでも誤魔化しが効くけれど
それ以外は残ってしまう為、屋外で人目に付かない場所を
選んではいる心算だ。これでも。
(-111) 2021/11/10(Wed) 3:09:16

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

『作ったの、オレ。創の分と自分の分。お礼、自分で作ってみたかった』
『校舎裏、いいよ。会ったら渡す』『割ともうすぐではあるけど』

メッセージに添えて送るのはコック帽を被った柴犬。
「……えっと」
次に"伝えておきたいこと"をどう書こう、と暫く考えてから、
再び文字で言葉を送っていく。

『あと、あの 一回接吻したやつ』
『人前でするのは、これからは だめ 大丈夫なとこなら、してもいい』

『嫌じゃないよ』『嫌じゃないんだけどさ』
『されたらオレおかしくなるから、なんか身体うまく動かないし 恥ずかしいから だからしてもいいけどだめ』
(-113) 2021/11/10(Wed) 5:19:19

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

送られてきた言葉は、驚くに値するものだった。
趣味云々の話は確かにしてたけれど、まさか本当に自分の為に
作るだなんて、予想してなかったから。

『作ったんです? 静が?』
『そりゃ、絶対に受け取らねぇとですね』
『授業終わったら、待ってますんで』

終わったらと言いつつ、既に以降の授業をフケる気だった。
どうせ居ても居なくても居るのだから、騒がれる事も無い。
出欠はGPSで管理されてるので、流石にバレるにしろ。

校舎から出ようとした所で、通知に気付く。
続きがあるのかと開き、思わず口元を押さえた。

「……人が居ねぇ所がって、そういう意味でやがります?」

これじゃ、期待してると捉えられても仕方ねぇでしょうに。
そんな事を思いつつ、自分にはほぼ無い恥という意識を持つ
あなたを可愛らしく思う。
(自分に関する事なら何だって書き換えて“無かった事”に
 出来てしまうのだから、鏡沼に恥なんてあろう筈もない)

『ええ、承知しやがりましたよ』
『人前じゃなきゃ、構わねぇんですね』

そう返信を打ちながら「会いたい」と思ってしまってる自分に
気付き、慌てて行ってしまわない様に気を引き締める。
……これは、近い内に柏倉先輩に泣き付いて、異能をちゃんと
制御する方法を身に着けざるを得なくなるかもしれない。
(-114) 2021/11/10(Wed) 5:57:20

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

応急処置として、あなたが来るまで一服して待つ事に決めた。
場には臭いが残ってしまうだろうが、自分からはしなければ
どうとでも誤魔化せるだろう。
(-115) 2021/11/10(Wed) 5:57:53

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

『うん』
返答はそれだけ、続けてメッセージが送られてくることはなく。

貴方が校舎から出て待っていれば、少し経ってから、
未だ放課後からはある程度早い時間に青年は姿を現すことだろう。

「……あ、う。……創……?
 創のとこ、勉強、終わった……?」
周りを見回して気にしつつ、隠すように自分の鞄を抱え込んでいる。

やたらと頻りに視線を意識しているせいか、大分不審になりつつある。
その様子や時間から、青年が授業から抜け出したことに
貴方は気付ける、かもしれない。
(-116) 2021/11/10(Wed) 6:27:04

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

思ったより早く出て来たあなたに、まだ長さの残っていた煙草を
秘かに落として踏み消した。
一連の動きは認識されてないとは思うが、自信はあまり無い。

「……ええ、まあ。
 ちっと早く終わっちまったんで、待ってようと思いまして。
 静んトコも、早めに終わった感じでやがります?」

抜け出して来たのだろうと当たりを付けつつも、態々言及は
しなかった。
きっと同じ気持ちだろうから、とやかく言うのも野暮だろう。

「そんな周り気にしねぇでも、こんなタイミングで此処に人が
 来る事はそうねぇですよ。
 心配でやがるんでしたら、どっか移動しちまいます?
 外でも、何なら僕の部屋でも構わねぇですよ」
(-118) 2021/11/10(Wed) 6:42:31

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「いや、それ……は、その……」
落とされた煙草には気付かず、バツが悪そうに貴方から顔を逸らすと、片手で長い白髪を弄り始めた。

「……終わってないけど……調子悪いって、抜け出した」
「サボんの、悪いことだって分かってても、アンタの事気になって……こ、こういう事初めてしたから、バレてるかもだけど。体調のこと聞かれた……」

……発言とは逆で、入学以降一度も仮病を口にしたことがなかったからか、易々と信頼され抜け出せたようだ。
鞄から件のクッキーを取り出しつつ、極力外から見えないようにと建物の陰へ早足で潜り込む。

「う、うー……いい、こ、ここで……。アンタが言うんなら大丈夫だろうし、オレは、菓子渡しに来ただけ、だから……」
(-119) 2021/11/10(Wed) 7:00:48

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「……全く、静は正直でやがりますねぇ。
 これじゃ、本当の事言ってねぇ僕の立場がねぇじゃねぇですか」

くつくつと、気を悪くした風もなく笑う。
自分も同じ様に抜け出して来た上に、今も他人の認識を通じて
授業を受けてるだなんて、あなたが知ればどう思うだろうか。

「僕の事、信用しすぎじゃねぇです?
 そういう事なら、早えぇトコ受け取っちまいましょうかね」

はい、と渡し易い様に両手を差し出した。
(-120) 2021/11/10(Wed) 7:13:55

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「だって、周りに嘘、吐いたし……アンタには本当のこと言ったほうが、いいって思って…………」

差し出された掌へと菓子入りの袋を乗せ、
……そのまま、菓子ではなく貴方の方を見た。

「…………で、あの、さ。……ここ、人目とか、ない所じゃん」
そこまで言って、唇を一度噛み、緩々と再び開く。
空いた自分の両手で鞄を持ち、盾にするように顔を隠そうとする。

「前にしたの、少しだけで、その……創がしたかったら、
 もうちょっと、き、キスしても、いい、ですけど……」
(-121) 2021/11/10(Wed) 7:30:45

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「ありがとうごぜーます……?」

受け取った菓子をよく見ようとした所で、あなたからの視線に
気付き、首を傾げた。
そのまま待ち、出てきた言葉に笑いを噛み殺しつつ、菓子を
鞄へと仕舞って、その場に置いた。

「そう言われましても、そうやって顔隠されちまったら
 出来るモンも出来ねぇんですよねぇ。
 静が僕にキスされてぇんでしたら、その鞄もーちょい下げて
 もらって構わねぇですかね?」

そう、一歩あなたとの距離を詰め、目の前に立った。
(-122) 2021/11/10(Wed) 7:44:17

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「……あ、…………」
びく、と青年の肩が揺れた。
貴方の言葉に反応してか、そっと外された鞄の下にある顔は、林檎みたく真っ赤に染まっている。

「そ……そう、……言うの、なら…………」

鞄を足下へと半ば落とし置き、自身の上着の裾を掴んでじっと立ち竦む。
自分から求める言葉を言うのを躊躇い、羞恥で潤み色味の増した蒼眼は、閉ざした口の代わりに欲求と感情を滲ませている。
(-123) 2021/11/10(Wed) 8:00:54

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

言葉にこそされないものの、こうして鞄も下ろされ、強く欲求の
滲む様子を目にしてしまえば、あなたの気持ちは明らかだ。
逃げる心配をする必要も、逃がす心算も無い。
赤く染まった両頬に手を添えると、唇を重ねた。

「…………ん」

さて、『もうちょっと』というのはどれ程だろうか。
訊ねる様に、誘う様に小さく舌を出し、あなたの唇をなぞった。
(-124) 2021/11/10(Wed) 8:15:17

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

ひ、と短く息を呑む。頬に手を添えられ、それを振り解く必要も、それ以前に度胸も足りない青年は、ただ触れられた唇の感触に固まる。

「ぁ、や……」
ただ、あんな言葉を送って口に出して、そうして回りくどく求めたのも自分からで。実際に体験して、ぐわりと胸の奥で燻る熱が揺らめいた。

「…………足んねえ、」

低く呟いて、……そのまま抗われなければ、青年は貴方に深く口付けをしようとすることだろう。
本心が望むまま、欲しいものを欲しいだけ手に掴む子供みたく。
(-125) 2021/11/10(Wed) 8:37:09

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「っ、……!」

驚くほど低い呟きに、ぞくりと背を震わせる。
欲されている。
はっきりと伝わる欲に、ペースを乱されそうな危機感を覚えた
ものの、抗う理由も無く。
そのまま、深く口付ける。
貪欲に求められながら、自らも舌を絡めた。

────いいですよ、全部持って行っても。

あなたが離れるまで、満足するまで、自分から終わらせようと
する事はないだろう。
自分もまた、あなたを欲してるのだと気付いたから。
(-126) 2021/11/10(Wed) 9:02:44

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

足りない。足りない。おかしくなってる。
思っていたよりももっと、思考がぐらぐらして落ち着かない。
理性と欲求が噛み合わなくて、何一つとして固まらない。


「……っは、あ、」
そのまま暫く触れ続けて、混乱と知識不足で呼吸の仕方が分からず、それでも限界まで求めてから青年は漸く数歩離れた。

「や……だめ、やっぱり、オレおかしいよ、足んない……」
「こんな事考えたり、したいって頭一杯になんなかったのに。
 アンタとしてもいいって思ったら、ずっとしたくなる……」

息を荒げて赤いままの頬はそのままに、口元だけを今度は手の甲で隠して顔を背けた。
身体がこれ以上は限界だと呼吸を求めていても、頭の中はずっと別のことを欲している。
(-127) 2021/11/10(Wed) 9:40:04

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「……は、」

呼吸こそ出来ていたものの、流石に頬が熱くなり、息も
上がっているのを実感する。
ここまで情熱的に求められたのは、流石に初めてだったから。

「おかしかねぇですよ。僕はしてもいいって思ってますし
 静がしてぇなら、ずっとしたって構わねぇんです。
 僕は、静のものになっちまってるんですから。
 ……ただ、これで全部でも、終わりでもなくて。
 そういうの、全部教えていいかは悩ましい所でやがりますね。
 静がパンクしちまいそうですし」

顔を背けるあなたを、じっと見つめる。

「……今、どうしたいか聞いても構わねぇです?」
(-128) 2021/11/10(Wed) 10:05:26

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「は、え……? おわりじゃ、ない、のか……?
 これ以外、すること、あるか……?」

案の定というべきか何も知らなかった青年は、不思議そうに疑問符を浮かべている。
呼吸を落ち着けようとする中、貴方の言葉を噛み砕いて飲み込み、ようやっと口を開く。

「―― 全部、」
ほしい、と掠れた声が、思わず出てしまった。
どうなろうとも貴方の全てが欲しい。
それは青年の本心を直接流し込むような、熱と欲の滲んだ音。
(-129) 2021/11/10(Wed) 10:35:47

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「あるんですよねぇ、実は」

困ったな、と苦笑する。
教える心算は無かったのに、気が付いたら先を仄めかしていた。
先がある事を知れば、無垢なあなたはきっと。

予測は出来てた筈なのに、熱と欲に中てられたのか胸が脈打つ。
こうまで欲されては、逃げられない。
いや、違う。自分が逃げたくないのだ。
全てを与えたくて仕方がない。

「────わかりました。
 でも、流石に此処でじゃ色々とマズいですから。
 場所を変えましょう? 僕の部屋でも、静の部屋でも」

どっちだっていいですから、其処まで我慢出来ますよね?と。
子供を宥めるが如く、耳元で囁いた。
(-130) 2021/11/10(Wed) 11:01:08

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「あるんだ…………」

あるとは全く思ってなくて素で驚いている。
突然降ってきた未知の知識に、よくわからず首を傾げた。

「場所? ……びっ! や、耳元だめ、背中びりびりする!」
囁き声に慌てて自分の両耳を手で覆うと、ぷいと再び顔を背ける。
「じ、じゃあ、創の部屋行く。迎えの車、学校終わるまで来ないし……一回教室も抜け出したから、迎え来るまでは部屋にいる」
(-131) 2021/11/10(Wed) 11:22:18

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

「耳元は駄目でやがりますか。
 こりゃ、先が思いやられますねぇ」

なんて、いつもの調子で笑ってみせて。
自分の鞄とあなたの鞄を纏めて拾うと、空いた手を差し出した。

「……それじゃ、行きましょうか?」

あなたが手を取るなら、そのまま自室へと案内するだろう。
(-132) 2021/11/10(Wed) 11:33:45

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「あ、鞄……ありがと……」
「……ん、うん、今度はオレがアンタの部屋行く番だな」

熱がある程度落ち着きはしたようで、幾許か好奇心で輝いた瞳を向けながら貴方の手を取った。

実家暮らしの身では寮に行くことも殆ど無く、貴方の後ろをちょこちょことついて回り、案内されて辿り着けばそわそわと緊張と興味で落ち着かない様を見せ始める。
(-133) 2021/11/10(Wed) 12:00:29

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

無邪気な様子を見せるあなたに、微笑ましげな視線を向けながら
一歩先を歩く。
そのまま案内を続け、自室の扉を開けた。

一見すると、普通の部屋に見えるだろう。
同室者は元より居ないのか、一人分しか使われてなさそうだ。
あなたの部屋の様に、一切の物を排してるという訳ではない。
教科書や参考書、筆記用具等。在るべき物は全て在る。
なのに、部屋の主の趣味・嗜好を読み取る事は困難だろう。
『比較的片付いている男子高校生の部屋』以上の情報が無い。

……その不自然さに、あなたが気付くかはわからないけれど。
部屋に入ると、鏡沼は荷物を下ろし、ベッドへと腰掛けた。

「普通は、飲み物の一つでも出すべきでやがるんでしょうが。
 別に構わねぇですよね?」

そう言って、あなたへと手招きした。
おいで、と言わんばかりに。
(-134) 2021/11/10(Wed) 12:19:56

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

自分の部屋と比べれば明らかな差に、目を瞬かせて興味深そうに室内を見回した。
一般的な学生の自室と、青年自身の環境はあまりにも異なっていて、その影響からか不自然だとは全く思っていなさそうだ。

「おー。すごいな、色々置いてある……。
 ……ん? なんだー?」
手招きされると、大人しく貴方の方へと近寄っていく。
(-136) 2021/11/10(Wed) 12:31:12

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

鏡沼は、近付いて来たあなたへ手を伸ばしたかと思うと
そのまま倒れる様にして、ベッドへと引っ張り込んだ。
どこか悪戯っぽい笑顔を向けつつ、抱き寄せようとするだろう。

「捕まえた、なんて。 ……冗談でやがりますが」

捕まったのは、きっと自分の方だから。
(-137) 2021/11/10(Wed) 12:44:47

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「わぷ……!」
ぼすんと倒れた痩身、青い眼が不思議そうに貴方を見つめる。

「捕まったぞー。……この前みたいに寝るのか?
 今度はオレが添い寝すんのか?」

ふと過去に自室で添い寝をしてもらった日のことを思い出したようで。
また首を傾げつつも、面白そうな子供っぽい笑みを浮かべた。……ころころ、ぐるぐる、青年は喉を鳴らして笑っている。
(-138) 2021/11/10(Wed) 13:08:44

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

無垢な笑みに、何だかそれでもいい様な気がして来た。
あの欲と熱が治まっているのなら、急く必要も無いだろう。

「……そうですねぇ。それでもいい気がして来ちまいました」

一度、触れるだけの口付けをして。
抱き締めたまま、あなたの後頭部へと手を伸ばし、ゆるゆると
撫で始めるだろう。
まるで、寝かし付けるかのように。
(-139) 2021/11/10(Wed) 13:23:53

【秘】 人魚姫 透 静 → 鏡沼 創

「っん……創、」
軽く触れた熱に、物惜しそうに僅かばかり蕩けた目線を向けはする。

……するのだが、青年はそうやって頭を撫でられ、寝かしつけられることに慣れきってしまっていた。

「んに…………」

くう、と小さく一鳴きして、そのまますぐに入眠。
他人の部屋であることもすっかり忘れ、望んだ相手の居室という感覚に包まれながら眠りに就いた。ぐっすり熟睡。
(-140) 2021/11/10(Wed) 13:38:48

【秘】 鏡沼 創 → 人魚姫 透 静

あっさり熟睡してしまったあなたに、思わず苦笑する。
きっと、例の運転手からの連絡で起きるまで、このままだろう。
それでいいと思った。
熱が誤魔化せる内は、今のままの関係で居たい。
この先を望む気持ちと優劣が付け難いほどに、これもまた
素直な自分の気持ちだ。

うっかり自分まで寝入ってしまわない様に気を付けながら
あなたの温もりを享受する。
……きっと、これが“幸せ”というものなのだろう。
そんな事を思いながら。
(-141) 2021/11/10(Wed) 13:52:36