【独】 中隊長 アーサー[参謀室の一画、 入り浸り馴染んでしまったその観葉植物の傍らは 同じく馴染んでしまった強面の彼女の 特等席のすぐ傍であった。] やっと来たか 手紙を渡して何日経ったと思っている。 [不機嫌さを隠さないその様子は相変わらずで、 だからこそその扱いには 互いに 慣れていて。]一日も経っていないだろう? 最新だと思われる手紙の情報は 本日此方に来てから尋ね聞いた 使用人からの話と概ね内容が一致している。 ………逆に真新しいものが無いようだが? 仕事をサボっていたのか、 ニルレム。 (-107) 2021/04/17(Sat) 6:50:32 |
【独】 中隊長 アーサー[なんて返すのだった。 目の前の女史に言い終われば否や 彼女のその翠眼はきつく此方を睨みつけて来て。 …が、次には薄く口元を緩ませて。 本の隙間から一枚の封書を取り出しては ひらひらと眼前で扇ぎ始めた。 新しい情報だろうか、と此方が口を開く前に 彼女の薄い唇は閃いて。] 第※皇子が動くぞ。 □番目より早かったが、 準備の形跡は認められていたからな、 さして不思議ではない。 [そう自慢げに情報を語り尽くした。] (-108) 2021/04/17(Sat) 6:51:30 |
【独】 中隊長 アーサー………封書で伝えなくて良いのか? そんな情報。 [思わず表情を失くし 更には肩を竦め乍らそう訊ねる。 この参謀室には決して人数は少なく無く、 いくら彼女の特等席である参謀室の隅の この席であろうと、三メートルも離れない 別席には人が座っているのだが。 しかし彼女はそんな事など まるで意にも介さないように言葉を続けて、] コッチに書いてあるのは別の情報だからな。 それに、今伝えた事が真実とは 限らないだろう? [などといけしゃあしゃあと言い退けて。] (-109) 2021/04/17(Sat) 6:52:35 |
【独】 中隊長 アーサー[相変わらず奇天烈な女だな。 そう、いつも通りの感想を抱いてしまったのだった。 そうしてまた追加で嘘か実か分からない情報を 2、3、……10と言い終わらせれば、 彼女は扇いでいた封書を此方へと 差し出した。] (-110) 2021/04/17(Sat) 6:53:23 |
【独】 中隊長 アーサー次は誰の椅子を狙っているのか知らないけれど 精々無様な棋譜を書くなよ? アーサー・ルイス [受け取る前に封書は飛び、 くるりと宙を舞っては独りでに 此方の懐へと入り込んでくる。 手紙の後を追っていた視線を元に戻せば 先程まで五月雨の様に語り続けていた彼女は 席に座り直しており。 此方の存在など忘れたかの様に 執務へと戻っていたのであった。 本当に、相変わらず。 つくづく、と 呆れた様に一笑しては。 仕方なしにと此方も 参謀室の外の静かな廊下へと歩いていくのであった。] (-111) 2021/04/17(Sat) 6:54:46 |
【独】 中隊長 アーサー[彼女は相棒≠ナあった。 貴重な情報源、と云うには 互いに利用され過ぎており関係を表すに欠けていて。 なので相棒≠ニ呼んでいるのだが。 先にはサボっているだの 奇天烈だのと揶揄した相手だが 持ってくる情報は質も速度も確かな物で。 第二、第四皇子の共謀の報せや 王族近衛騎士団の再編成という名の 各皇子への騎士分配とその内約全体図の報せなど、 その有益な情報を何度も利用させて貰っては、 その度礼にと此方も彼女の私用に付き合い 護衛や闇討ちをと手伝っていて、と。 そんな間柄の彼女から得られた情報は今回もまた、 中々に有意義なものであった。 人気の無い通路で先程の封書を 一通り見終わればふ、と 笑いやって ] (-112) 2021/04/17(Sat) 6:55:51 |
【独】 中隊長 アーサー[そう、愉しそうに独り言ちた。 この国の近状はどうにも面白い。 たかが一人の死によって此処まで混乱するとは。 …数多くの皇子を創っていた時点で 今までが平和過ぎた、とも 言えなくは無いのだが。 そんな情勢だからこそ こうした悪徳は嬉々とし駒を躍らせるのであって。 昇格の棋譜≠ェまた一つ仕上がるな 嫌な笑いを浮かべながら、今度は口にはせずに そう己が目論見を言葉にしては 更に愉しんで。] (-115) 2021/04/17(Sat) 7:12:47 |
【独】 中隊長 アーサー[さて、と 用事を終えた足は 次の目的へと進み出したのだった。 足取りは何処か軽やかに。 いつもとなった食事処。 市場の端、川沿いの方角へと。 ] (-116) 2021/04/17(Sat) 7:15:07 |