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【独】 吟遊詩人 フェリックス手に持っているリュートも、 身を包む深緑の外套も、変わらず。 〈吟遊詩人 フェリックス〉は、 数百年に渡り、歴史の端に、その足跡を残している。 あるいは、後世。または変わり者は、 その詩人の名を聞いて、 思い当って調べれば、 彼をこう形容しただろう。 (-10) 2021/12/19(Sun) 1:54:21 |
【見】 不死の詩人 フェリックス「さあて………。」 リュートと外套。 それだけを携えると、それなりに荷が置かれた部屋を眺める。 あるいは、硝子職人の少年が作ってくれた花瓶。 あるいは、花屋の少女から購入した花。 あるいは、厄介な呪いの品を購入し、祓った寝所。 くすりと微笑み、背を向けた。 「行くとするかあ」 (@0) 2021/12/19(Sun) 1:57:38 |
【独】 不死の詩人 フェリックスその詩人が姿を見せるのは、 決まって、物語の在るところである。 (とはいえ、それは、彼が詩にそれを残すからなのだが――) そして彼が度々残すのは、 華々しい喜劇。 そして、語られざるべき、悲劇のどちらか。 つまりは、この詩人が目的をもって訪れる場所は、 そのどちらかに見舞われる――、という逸話もあった。 (-12) 2021/12/19(Sun) 1:59:19 |
【見】 不死の詩人 フェリックスヨルムガンドは、 予想外だった。 「どちらかといえば、悲劇にて終わると思っていたのだが。 これでは、緩慢に幸せになっていくほかないだろうな」 ひとりごちて、宿の部屋を出る。 それから、魔女に「暫く出るよ」といつものように声をかけて、数百年前に手に入れた古い精霊石を渡す。 魔女はためつ、すがめつ。 ゆっくりと微笑んで、 「せいぜい頑張んな」と声をかけた。 「そちらも。また百年後に来るよ、元気で、”キティ”」 遥か年下の女性に微笑みかけて、 静かに宿を、いつものように出ていく。 (@1) 2021/12/19(Sun) 2:03:05 |
【見】 不死の詩人 フェリックス道端を歩く。 パン屋の少女が頬を赤らめて手を振ってくれば、 笑顔で会釈する。 このパンも食べ納めになると思うと、 少々硬かったり、焦げたパンも惜しく感じる。 「人が勝ちえた、僅かな勝利。 尊いものだが、詩にしてもどうにも映えない。 やれやれ、だ。商売、あがったりだな」 往来を鼻歌交じりに歩く。 太陽が眩しく、雲間から差し込んでいる。 「本当によかったなあ」 悲劇であれ、喜劇であれ。 それを語り継ぐ。 魂の衝動だ。 彼らが悲嘆の海に沈んでも、 きっと自分はどこかで、 それを笑顔で語っていただろうから。 (@2) 2021/12/19(Sun) 2:06:36 |
【見】 不死の詩人 フェリックスあとは、恨みを買った貴族連中に見つかる前に、 早めに立ち去るだけだ。 少々、コネを使って無茶をしてしまった。 まあ、姿を消したものを追うほどでもあるまい。 「配達屋には悪いことをしたが、まあ」 配達屋には、届くように「配達」を頼んである。 「すまん、もう行く」 と書いた手紙。それから、幾何かの金貨を同封。 彼があの封筒を開けた時、 どんな顔をするかだけは見ておきたかった! (@3) 2021/12/19(Sun) 2:08:24 |
フェリックスは、くっくっく、と喉を鳴らして笑った。 (t0) 2021/12/19(Sun) 2:08:28 |
【見】 不死の詩人 フェリックス>>5 オーウェン 「……………」 「おやぁ?」 わざとらしく振り返り、微笑んで首を傾げる。 「オーウェン!いや〜〜〜、奇遇だな。昼食を食べに行こうと思ったところだ。どうかな?ところで、俺からの封筒」 相手が手にしている。 間。 「………話が早いことで」 両手をあげて観念した。 「だがまあ、こうして無事終わってしまってはなあ。お前さんも、遠くまで行くのは大変だろう?俺なりの、気遣いという奴だったんだがなあ」 (@4) 2021/12/19(Sun) 2:25:13 |
【見】 不死の詩人 フェリックス>>7 オーウェン 「報酬を渡されたのに見逃すわけにはいかないとは、これいかに?」 愉快そうに笑いながら、 引き裂かれる手紙に「それ、紙だぞお」と面白そうに、呆れたように言う。 まだまだそれなりに高いものなのに。 「そうかな?お前さんほど、俺は色々はしてないさ。 詩人とは、あくまで外野で見守るだけの存在だ。 観劇をして、後は1人で編纂するのみ。 お前さんは、れっきとした俳優だったぞ」 片目を瞑り、顎を撫でながら、 「劇的な展開にはならなかったようだが。浴場でも」と、 それらしいことを口にする。 「やれやれ……。構わんがな。俺が次に行くのは、 アウズンブラだぞ?」 ――『アウズンブラは、すべてが白に染まる。』。 そんな逸話を持つ、常に白い灰が降り注ぐ場所。 ミスガルド帝国、エムブラ聖王国、ムスヘル共和国。 覇を競う三雄の接するそこは、 戦時級魔法の傷跡により、未だにそんな呪われた場所となっていた。 最近では、随分ときな臭い噂もあるぐらいで――。 => (@5) 2021/12/19(Sun) 2:40:42 |
【見】 不死の詩人 フェリックス>>7 オーウェン 「だからな。気乗りはしなかったのだ。お前も危険な目には合いたくなかろうよ。」 「俺だってな、短い間とはいえ。ともに暮らした者を考えなしに危険に晒す気はない。 俺が行くのは、必ず危険な場所となるだろうよ。 英雄譚か、悲劇か。 それが噂される場所にしか行かんよ」 (@7) 2021/12/19(Sun) 2:43:11 |
【見】 不死の詩人 フェリックス>>8 オーウェン 「世界の何もかもがお伽ではないが、 世界の何もかもを、お伽として語ることはできる。」 ふ、と目を細めて、笑みを少しだけ潜めた。 「それが、どこまで行っても俺達詩人というものさ。 ……流石に、往来で言うのはまずいんじゃあないか?」 ポロロン、と静かにリュートを鳴らす。 あなたが魔法の力を感じ取ることができるなら、 これは「認識阻害」と気取って言うこともできるし、 〈ガヤガヤそわそわにする魔法〉とも言える。 他人から、これは取り留めのない雑談にしか聞こえなくなる。 「…………怖い男に捕まってしまったなあ」 溜息交じりに、少し困ったように言った。 腕を組んで、空を仰ぐ。 大鷲ははるか高く、 空の先へと消えていく。 => (@8) 2021/12/19(Sun) 3:06:57 |
【見】 不死の詩人 フェリックス>>8 オーウェン 「ま、そこまでいうなら、頼もうか。ただまあ、荷物として箱に詰められるのはちょっとな。そこまで送り届けて貰うことにしよう、普通に。 ――ちなみにな、弾圧が盛大に始まった時、実はお前も俺も、入るのは〈棺桶〉の予定だった。葬儀屋に伝手があってなあ。それを運び出すのは、そんなにうるさくは言われないのさ」 笑顔を戻して、肩を竦めた。 「生きたまま堂々と出られるんだから、楽しく行こう」 => (@9) 2021/12/19(Sun) 3:09:21 |
【見】 不死の詩人 フェリックス>>8 「それで? 船かな、海か。それとも、馬車か? 路銀はあるとも、任せたまえよ。 君を信頼して、あえてこう言おう。 厳しい道のりだろうが、 若さゆえの勢いと、 身の程知らずと、 そして。雄々しい魂の輝きを俺は頼ろう――」 => (@10) 2021/12/19(Sun) 3:13:29 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス──朝を迎えるよりも前のこと。 ミズチはフェリックスの姿を探していた。先送りにしていた情報工作依頼の報酬の話をするためだ。事は一先ず、少なくともミズチにとってはつつがなく終えられていた。首輪も外れ、晴れて自由の身である。 さて、あなたの姿は見られるだろうか。 (-20) 2021/12/19(Sun) 4:37:30 |
【見】 不死の詩人 フェリックス>>9 >>10オーウェン 「どうやらお前さん、無用な恨みを買っているようだからなあ。 衛兵連中だって、通報されれば捕まえざるを得んよ」 くたびれた様子の衛兵が遠目にも見える。 それはそうだ。 捕まえたところでいいことがあるわけでもなし。 気苦労の方が多い衛兵もいただろう。 「ご機嫌取りだよ。殴られると、当代の『俺』の顔がきずついて可哀想だ」 ▼ (@12) 2021/12/19(Sun) 16:00:00 |
【見】 不死の詩人 フェリックス (@13) 2021/12/19(Sun) 16:00:08 |
【独】 不死の詩人 フェリックス ――「期待してる!」。 愚かな子供だ。 数世紀を生きる『私』からはそう見える。 安寧を捨てて、刺激を求める。 ヒトの愚かな性としか言いようがない。 ようやく、ここは人が住まうに相応しい場所になったというのに。 (-24) 2021/12/19(Sun) 16:01:08 |
【独】 不死の詩人 フェリックスだが、もし、もしも、だ。 これが偽りではない言葉だと、信じたなら。 "愉快な物語を見届けるために、平穏を投げ捨てられる"のならば? (-26) 2021/12/19(Sun) 16:01:46 |
【独】 不死の詩人 フェリックスそれは、『私達』と同じだ。 我が名は詩人フェリックス。 旧き不死鳥の呼称と同じく、 灰から蘇り、どこにでもいて、どこにでもいない不死の詩人。 魂と記憶と詩を継承する、詩を紡ぎ続ける無限機構。 何人もの『フェリックス』が紡ぎ続けてきた、人類史を愉快に見守るこの旅路。 観劇者が二人と現れることは無かった。 が、こうして、隣にそれが現れたのならば―――― (-27) 2021/12/19(Sun) 16:04:31 |
【見】 不死の詩人 フェリックス (@14) 2021/12/19(Sun) 16:05:52 |
【見】 不死の詩人 フェリックス (@15) 2021/12/19(Sun) 16:06:23 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチとなれば夜だろう。 フェリックスは自室にいた。 戸を叩けばあなたをゆっくりと迎え入れる。 少し憂鬱そうにも見える顔で、葡萄酒を傾けていた。 とはいえ、深刻でもなさそうだが。 「やあ、ミズチ。どうやら、あの悪趣味な首輪は外れたらしいなあ」 (-28) 2021/12/19(Sun) 16:07:56 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス 部屋に足を踏み入れたミズチは、平時となんら変わりない様子だった。心身ともに無事と言って問題ないよう。 「ああ、一息付ける程度には落ち着いた。お前の方に今時間はあるかフェリックス? 報酬の話をしに参上したのだが」 そうした表情をしていることは見て取れても、ミズチはその真意は大抵わからない。ひとりで黄昏れたい気分だったりしたら、また日を改めてでも問題ないのだ。ミズチの方は。 (-29) 2021/12/19(Sun) 18:01:01 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「勿論だとも。ま、本当は無理に貰わずとも……。と思っていたのだがなあ。こうして出向いてもらったからには、貰っておこうか」 なんてな、と笑いながら、部屋に招き入れた。 それから「酒の方も問題ないんだったか?」 と尋ねながら、杯をもう一つ取り出して葡萄酒を薦めた。 「明日にはここを出ようかと思っていてな。少し、思い出を懐かしんでいたところさ」 (-30) 2021/12/19(Sun) 19:47:31 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス 飲酒は問題ない。ミズチは酒で酔いはしないが、味や雰囲気をたのしむことは出来る。作法に慣れているわけではないので、『これ、乾杯とか…する、のかな……?( '-')』みたいな雰囲気をかもしつつ杯を持っている図はあった。 「善意だけで受け取るには十二分な働きをもらってしまったので? 小生の方が収まらない、求めた働きに対価はあるべきだ」 「それに、興味もある…? 情報工作の類の一般的な価値は以前に教わったが、お前が何にどの程度の対価を取っているかは秘密にされてそのままだ」 人々が話すものが何某かあるのなら、ミズチはそれを聞いていないわけではないが。少なくとも昔にあなたに聞いた時にはそう話して終わっていた。ある意味でよい機会だと思ったのは確かだった。 「……街を出るとは随分と急だな。何かあったのか? 近くの騒動に区切りはついたが、そのあたりの関連だろうか」 (-32) 2021/12/19(Sun) 20:25:29 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ杯を渡してから、待つ様子にくすくすと笑った。 「さあ、乾杯!ヨルムガンドの夜明けに」 自分の杯を小さな音を鳴らしてぶつける。 乾杯を済ませてから、あなたの言葉に愉快なものを見るような、 にやにやとした笑顔を浮かべで葡萄酒を傾けている。 上から下まで、矯めつ眇めつ。 「そこまで言われると、俺もよく働いたような気がしないでもない。 ああ、そうだなあ。俺は受け取るまでは、対価についてもよく秘密としている。 お前さんにも秘密にしていたか。まあ、なら、今日はじめて教えるわけだ」 そういいながら、くるくるとグラスを少し回しながら、 椅子に座り直してあなたに向き直る。 「いや?逆さ。詩人は、騒々しい動乱を好む。ここはこれで、一区切り落ち着くだろう? だからな、次なる戦地へ巡ろうかと思ってなあ」 ▼ (-40) 2021/12/19(Sun) 22:25:09 |
フェリックスは、ミズチの顔に近づいた。よく、その顔の造詣(つくり)を見ている。 (t1) 2021/12/19(Sun) 22:25:34 |
フェリックスは、目を細めて、何かいいものを見つけたように笑った。 (t2) 2021/12/19(Sun) 22:25:54 |
フェリックスは、ミズチの頬に手を宛がい、瞳を覗き込むようにするだろう。 (t3) 2021/12/19(Sun) 22:26:20 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「俺が貰う対価は、少々気恥ずかしい――と、言われることもある」 リュートの弦を撫ぜる繊細な指先で、あなたの顔に触れようとする。 「金銭で対価を貰うことはない。そんなものには興味がなくてなあ」 微笑みはそのままに、小さな声で続けた。 「それでも、”対価”を支払うか?」 (-41) 2021/12/19(Sun) 22:28:02 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス「金銭や単純に価値のある物が対価だったなら、現在手持ちにないので改めて先の約束にさせてほしいと言うところだった」 ミズチは、煙の魔女との取引後である。安く済んではいなかった。 「対価は、支払う。無理難題と言うわけでもあるまい。可能であることを小生側の都合で為さないことの方が、小生はいやだ」 「気恥ずかしいと言われるというと、身体的な接触や性交渉の類か? もしくは所謂愛の告白や、単純な賞賛などをおくること」 「それらであれば、小生は不都合はない。お前の要求する水準に達するか否かは保障できないが」 (-76) 2021/12/20(Mon) 0:53:22 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「まあ、そういう者を要求したこともあるが………、俺の場合はすこし、違うな」 からからと笑いながら、それらを否定した。 身体的な接触や性交渉の類。 愛の告白、単純な賞賛――。 求めているのは、そういうものではない。 その奥の、もう少し先。 内臓よりも奥深いところだ。 「記憶を、貰っている。」 ▼ (-89) 2021/12/20(Mon) 1:31:35 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「恥ずかしかったこと、 悲しかったこと。 怒り狂ったこと、 楽しかったこと。なんでもいい。 劇的な、印象深いものを、俺に教えて貰いたい。 その口で語り、 俺にそれを〈譲渡〉する。 どこでもいいが、相手に触れて居れさえすれば、 この金糸雀は」 リュートを撫ぜる。 「同意があれば、その記憶をまるで俺のもののように、正確に記憶することができる。 魂の旅路。人生の残滓」 ▼ (-90) 2021/12/20(Mon) 1:33:53 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「それらの一部を俺が貰い、 あるいは、語るかもしれない。 ま、よほどだな、と思えば、名は伏せるなりするから安心してくれ。 ――ただ、その記憶を本当に正確に貰い受ける。 ある意味、暴き立てるという点では、 少々はしたない向きもある」 ふう、と溜息を吐き。 「お前さんが、怯えて嫌がる素振りを多少見せるぐらいの色気があれば、俺もやる気になったかもしれないがなあ。……理由がある。お前さんにそういう事をする気はないさ。どうかな?」 (-91) 2021/12/20(Mon) 1:36:29 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス 口を真一文字に引き結んで沈黙の後、呟くように話し出す。 「小生は、ミズチには、そうしたものは、少ない」 「まず、それが、ものさみしい」 「人の、それが、見えると。なんとはなしに、落ち着かない」 「息が詰まるような気分になる。何も口をついて出ない」 どこか震えた声だった。 そうして、一息。 次の言葉からは、震えは治まっている。 「恥ずかしかったことは、思い当たらない」 「悲しかったことも、思い当たらない」 「怒り狂ったことは、直近に一度」 (-97) 2021/12/20(Mon) 2:43:37 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス「御上がもとより性根の腐った部類であるためにその思想や目的通りのことを為すことにはまだ納得がいくことはいく故に怒りという程でないと思うが、革命派の行動には理解が及ばなかった。世間に言われる所謂弱い立場の者が寄り集まって蜂起するに至る思想を持ったところまでは理解出来るが、その掲げた理想を叶える為に為したことはなんだ? 実行力のない内に行動を起こし悪戯に世間を騒がせ小生の狭い世界の人々に不利益を被らせた。成し遂げたという結果が出ていたのならまだ受け取り方が違ったやもしれないが小生はそうは思わない」 圧。雰囲気が擦れている。一先ず事は終息したと言えるが、怒りは鮮明らしい。ケッ( '-') (-98) 2021/12/20(Mon) 2:46:02 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス「……たのしかったこと。たのしかったこと自体は、手指の数を優に超えると思う。劇的と言える程のことはないが」 「己の技術を磨く時間、書を開いて生成したことのない薬毒を作る時間、人々の日常の話を聞く時間、ああでも──」 「日常の話の中でも、思い出話は先に言ったように、 たのしいよりもさみしいが先に来る」 (-99) 2021/12/20(Mon) 2:49:30 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ沈黙を待ってから。 「そうか……」 目を、伏せる。 「ないか。記憶は」 ――やはり、なあ。 「ない故に、焦がれ、求めている?」 ――死者が生者に惹かれるように? ――不足したものを求めるのは、すべての存在の渇望であるからして。 ▼ (-126) 2021/12/20(Mon) 12:37:55 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「あ、うん、そうだなあ、うん。全く持ってその通りだ……♪」 そうだな、うん。もちろんそうだとも、と、珍しく相槌を打ち続ける側に回った。 葡萄酒をまあまあまあと注ぐ。 杯から零れそうだ。 ▼ (-127) 2021/12/20(Mon) 12:38:05 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「ふむ」 視線を宙に彷徨わせて、微笑みを僅かなものとしながらも、 少し逡巡したようだった。 「………それらは、まだお前さんにとっては”思い出”ではなく”現在(いま)”なのだろう。 となれば………。」 「ミズチよ。……お前さんがそこまで悩むことを、きっとお前を作ったものは望んでいなかった。 とはいえ、この”方法”を用いても、悔やむことになるかもしれんが。」 ▼ (-128) 2021/12/20(Mon) 12:38:17 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス「 いや…ある、のか……? 戻すという語が使われる程度だ 」数度否定の語を吐いてから、思い直す。 「 小生の、ミズチの記憶…… 」 (-131) 2021/12/20(Mon) 13:30:05 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス「興味はある。見てみたい。 ほしいかほしくないかで言えば、ほしい」 「が、要らない。小生は元々過去の記憶を求めているわけでもない。小生は国の為に作られ、滅んだ故に意義をなくした絡繰だ」 「それ以上の何が必要だろう」 ふ、と息を吐く音がした。 首巻は下げられている。口は弧を描くと言う程でなく、 端がわずかにだけ上がっていた。意識して笑おうとして、笑えなかった。 「強いて言うなれば、……」 「なぁ、フェリックス」 伏せられていた瞳があなたに向けられた。 (-133) 2021/12/20(Mon) 13:34:44 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス「それを与えられても、小生は小生で在れるだろうか」 「ローダンセの花言葉を贈られたミズチでいられるだろうか」 「いられると、お前が思うのなら、戻してくれ」 「思わないのなら、戻さないでくれ」 「どうだろうか」 (-134) 2021/12/20(Mon) 13:36:02 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「あるとも。厳密には――まあ、ちと違うが」 彼のものではないが、 彼のものでもある。 答えに、小さく溜息。 微笑みのまま、頷いた。 「そうか…………。ああ、それに、俺は応えよう。」 ▼ (-145) 2021/12/20(Mon) 18:01:35 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「結論から言えば、”そのままでいることはできない”。」 「人は、少しのきっかけで変質してしまう」 ▼ (-146) 2021/12/20(Mon) 18:01:57 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「不変、永遠などない」 「ローダンセの花言葉を想う気持ちも」 「滅んだ国の為に仕えた忠義も。」 目を伏せる。 「お前は――”お前を作ったもの”と同じ選択肢を選んだのだな」 (-147) 2021/12/20(Mon) 18:02:11 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス「成程」 「なれば、ああ、やはり要らないな。戻されなくていい」 「カガチが言うには、小生を作った以前の主人は、 ミズチに好きに生きろと言ったらしい。 主の立場でなく言ったとのことなので、 いまひとつ受け取り切れてはいなかったのだが」 「そうだな、小生はお前の言う、“現在(いま)”にいたい」 「“現在”の、ミズチでいたい」 ふ、と息を吐く音がした。自然に零れた笑みだった。 (-149) 2021/12/20(Mon) 19:32:28 |
【秘】 錆鉄御納戸 ミズチ → 不死の詩人 フェリックス「お前の言う変化は小生にもあるのだろうが、 小生の言う変化はないのだろうなとも思う」 「お前との今のやりとりで、小生の思想は話す前と変わったが、 小生は、小生の在り方は変わっていないと言う」 「小生は、ミズチは。 ミズチがミズチだと思う、ミズチとして在り続ける」 「ミズチは、人の話すことを聞いて、 それを取り入れたり取り入れなかったり、 変化を持って、変わらず在り続ける」 (-150) 2021/12/20(Mon) 19:33:02 |
フェリックスは、ミズチに、ただ「そうか」と微笑んだ。 (t4) 2021/12/20(Mon) 20:24:57 |
フェリックスは、ミズチの記憶をそっと置き直す。記憶の奥深く。いずれか忘れ去られるところまで。 (t5) 2021/12/20(Mon) 20:31:21 |
【秘】 不死の詩人 フェリックス → 錆鉄御納戸 ミズチ「………ではまたな、ミズチ。 生きていれば、”また会うこともあるだろう”よ。」 これを言うのは二度目だ。 なんて、笑いながら葡萄酒を傾ける。 「思い出がない、というが。いつか、出来る日が来る。 楽しさや忘れ互い記憶が、色褪せながらお前の証跡となる日が。 今日という日が、いつか思い出になるさ。 だから、どうか恐れたとして、歩みを止めないでおくれ」 ―――そう告げて、楽しい酒を飲んで。 翌朝、早々にフェリックスは宿を発った。 (-158) 2021/12/20(Mon) 20:35:08 |
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