【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → イル・マット フィオレロ放っておいてくれないものが多すぎる、もっとも離れるのであれば連絡はしない。 まだ命に執着してはいる自分にいやけがさす、己の命に執着してると言うことは 他社の命に執着していることと同等だからだ。 「極端なんだよお前は。 家族の愛とやらの育みに面倒な男へ、こんな時に口説きやがって」 「……悪かったそこまで評価をいただけてるなんて思いもしなかった。 改めて遠慮はするが…… お前の得たい夢が叶えられるようにその立場ぐらいなら買ってやる。せいぜい役に立ち続けろ、裏切り者じゃない舞台にたつんだ」 (-83) 2022/08/15(Mon) 8:34:10 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → イル・マット フィオレロ「ノッテが居場所なんだろ。 誰でもよくないのなら尚更……見ててやるから」 考えることなど到底出来ない、とは言えないのは、情などではなく己に残っている思い出のせい。 「次はその命、まともに生き残らせてから言うんだな」 明日が来ることを疑ってなどいない。 あなたを失うことも己が失われることも、最悪の事態が来るのは一瞬。どうか悪運に恵まれないでくれと、神にでも祈ってやりたくなるほどには大切な一員だった。 仕事の重さだって伝わっていると信じていた。 だからこそその夢に向き合ってやりたかった。 どんな形でも、見守ってやろうと決めていた。 それなのに、いつだって死は平等で起きた混乱は正常な判断を失わせる。 なあ、 、あまりにひどいと思わないか。 こんな運転が最後になるなんて。 (-84) 2022/08/15(Mon) 8:37:29 |
【秘】 暗殺屋 レヴィア → イル・マット フィオレロマフィアにお墓は立てられるのだろうか。 便宜的に弔われた場所があれば、そこへ。 なければ、アジトの、貴方が良く居た場所へ。 それもなければ、きっとどこか、人気のない場所で空を見上げて。 女は、貴方とそれほど関わりがあったわけでもない。 ただ、同じファミリーの一員であったというだけ。 墓参り、なんて、する間柄でもなく。 でも。 「…………………。」 「………馬鹿ね。」 少しだけ目を伏せて、冷え切らない言葉を呟いて。 そうして、誰も来ないうちに後にした。 女はノッテ・ファミリーの事を愛してた。 (-94) 2022/08/15(Mon) 10:38:34 |
【秘】 イル・マット フィオレロ → piacere ラウラ「ラウラくんはいい子だねぇ……騙され……いや、 ……強いから大丈夫と信じたいんだけど……」 貴方の言葉と仕草を見て少し何かを言い淀んだが、 むむ、と考えはしたが 「マウロさんがいるから平気か」 と小さく呟くだけで、その悩みは回避された。 この男の中では問題は解決した。それで終わっている。 根拠とした上司が死んだのが同時期なら、認識は最後までそうであっただろう。 「……うん、でも今くらいが一番いいのかも。 "できればいい"と淡い夢くらいが幸せなんだろう。 でもまあ……見つけちゃったら報告してよ。 結構勝手に仲間意識、抱いちゃって気になってさぁ。 君が幸せな何かをその目で見つけるのを祈っているよ」 渇望まで行くと、幸福と絶望の総取りになりかねない。 それは何より、この時の男が悩んでいた事なのだが。 そんな暗い話は今はいいだろうと避けた。 何の因果か。 この後に自分と同時期に彼女の上司が殺害され、 貴方に軽率な事を述べたと悔いることもなく、 「それじゃ、また機会があったら飲もう」 去り際に伝えた言葉が交わされることも、二度とない。 (-114) 2022/08/15(Mon) 16:45:55 |
【秘】 イル・マット フィオレロ → 鳥葬 コルヴォ「俺が死んだら?まあ煩いだろうな。 喜ぶ奴が多くいるのは容易に想像できるし、 それを覚悟でアジトや町への露出も増やしてたしな」 つまりは何か目的がある上で顔出しも増やしていたのだろうが。 その理由は特別語る事もない。話した人も最後までいなかった。 「ほんとわがままだな君…… 俺と一緒は嫌。相手を先に殺して死ぬのも嫌。 一人で死にたいと言いつつ積極的に死なない」 「わがまま言ってないで、 自殺幇助 を受け入れとけよ。今度こそ本当に生き残っちまっても知らないぞ?」 「まさか今更、好きな人間に殺されたいなんて言わないだろ? 嫌いならちょうどいいじゃないか。 なあ、 面倒くさいラスティちゃんよ。 俺に被せても何も痛むものもないんだろ?」 別段被されるものがあるとも思っていないのだが、 彼の言動の節々にそれが感じられた気がしたのだ。 嫌いな奴「と」、なら、 嫌いな奴「に」くらい我慢しろ。 昔から何もかもお前は足りないんだよ。 (-116) 2022/08/15(Mon) 17:05:34 |
【秘】 piacere ラウラ → イル・マット フィオレロ「……いい子、ですか。………そうとも言えません、が。 大丈夫です。ラウラが何かをするのは、ノッテの為だけ ですから」 胸に置いた指先はするりと胸を辿りながら落ちて。 空のグラスのふちをなぞり口紅を落とす。 その指先を傍にあるナプキンで拭い、満足気に頷いた。 「…わかりました。もしも見つけることが出来たならその時は。 …どうか、フィオレロ様が一番に ラウラの話を聞いてください、ね」 約束です、と微かな笑みを口元に浮かべて呟く。 それが叶わない約束になることをこの時はまだ、知らない。 去り際の言葉もまた、叶わないものだ。 機会があるなどと思い込んで、未来を当たり前に想像して。 残されるのは、どうにもならない思いだけ。 息苦しくて、はくと口を動かした。 この思いが何かを問いかけることが出来そうな相手は……もう、いない。 (-124) 2022/08/15(Mon) 20:56:41 |
【秘】 永遠の夢見人 ロッシ → イル・マット フィオレロ/* 御機嫌よう運営です。 ロールフックを得られる席をもぎ取ってしまった奴でもあるので、「ロール欲が有り余っているけどここまで関わりなかった生者に新しく声をかけるのもな…」という状況でしたらロッシがお相手しますよの御声掛けに参上しました。 気の回し過ぎでしたら聞き流してね。「現在までの関係性で十分楽しんでるよ!」とか「遠慮なく生者に凸っているよ!」とかなら、あ〜よかった〜( ´▽`)って夢に去っていくので。 そんな感じです。黒いマシュマロ様におかれましてはいかがなものでしょうか? (-130) 2022/08/15(Mon) 22:03:29 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → イル・マット フィオレロ随分久しぶりに聞いたその愛称に、一度僅かに眉を顰めた。 その意味を知らなかった頃は当然何を思う事も無く、 自らその呼び名を名乗ってさえいたけれど。 再び相見えた時その名をあなたが呼ぶ事があれば、 昔馴染みをその名前で呼ぶのか、と呆れた目を向けた事だろう。 「 嫌だね。 俺は選ぶ余地さえ無いクソみたいな人生に耐えて、 漸く自分の生き方を自分で決められるようになったんだ」 「路地裏のゴミは、我儘一つ通す事さえ許されませんかね?」 路地裏のゴミ、炉端の石塊のような、野良猫以下の存在だ。 子供の頃は生きるか死ぬかさえ選ぶ事はできなかった。 ただ理不尽に振り回されて藻掻いていただけだ。 殆ど人生の半分近くをかけて、何もかもを自分の責任で、 そして自分の意思で決められるだけの場所まで辿り着いた今。 予てよりの、たった一つの我儘を通そうとしているだけだ。 「Che palle. 何をどうやったって結局は文句を言われるなら。 もうどうでもいい。俺は俺の好きなようにするだけだ。」 「嫌いな奴の言いなりになるなんざ、ごめんだね。」 突き付けるようにそう吐き捨てて、今度こそ立ち去ろうとする。 それを止めようとする者があれば強行突破も辞さないだろう。 その選択を後悔したかどうかは、今は誰にもわからない事。 (-139) 2022/08/15(Mon) 22:59:01 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → イル・マット フィオレロ/* ア"ァ"ー"ー"ー"ー"ー"ー"ー"(既に墓落ちしてる相手にこんなレスしたくない) でも多分きっと恐らくこの会話はそろそろ〆時だと思うので、 断腸の思いでこう……しました……何かあったら背中を撃ってください。 或いは、PLが腹を切って詫びます。 また、こちらの役職が夜魔なので宜しければ後々お話に伺いたいのですが こう……その辺で遭遇して大丈夫でしょうか?死後、何処に居られます?(?) (-140) 2022/08/15(Mon) 23:18:53 |
【秘】 イル・マット フィオレロ → 鳥葬 コルヴォ「そうかい。……好きにすればいい。 だが俺もおカワイソウな境遇には間違いないんでね。 君が好きにするのを止めやしないが、俺が止めるのだって勝手さ」 とはいえ、と。 「こんな状況で抑え込みはしないさ。 帰りな。路地裏に戻らなくてよくなったんだろ。 死ねば、それこそ路地裏以下になる。 俺に殺されたくないっていうなら、な」 部下も持ち場に戻るように下がっていく。 本気で殺す気だったのなら、 先程の発言の時に銃口だって突きつけられた。 それをしなかったのは、ただのブラフで本気じゃなかったのか、あるいは言葉通り準備をすすめる気だったのか、わかるものももういないが。 「うんざりでもまたが来るかもしれないけどねぇ」 なんせ会議では顔を合わせるし、業務として単純な依頼も多かった。 此度彼が絶縁の意志が固くとも、全てを断ち切るには導線が多すぎた。 だからこの日も、過度に落ち込みすぎることはなく。 しかし普段より違う別れを感じ複雑な面持ちで扉を締め、業務に戻った時にはまだ、「なんとかなるか」なんて考えていた。 最も──そんな日が来ることは終ぞなかった。 望む形でも、望まなかった形でもない。 ただの死という終着点に、一人先に辿り着いてしまっただけ。 昔馴染みだなんだの終わりは、過去と同じく、ただただ唐突だった。 (-142) 2022/08/15(Mon) 23:48:57 |
【秘】 愚者 フィオレロ → 鳥葬 コルヴォ/* 興奮しました。 失礼、仲違いした直後に死体で見つかったの、 しかも本来うまいこと言ってれば望みを埋められたのにこれで終わりになるの、こう……ゾクゾクしますね…… これも失礼な気がしました。とにかくお気になさらず! 夜魔さん大歓迎ですよ。如何せん墓下は手が空いているので… 場所は……死体発見現場か自宅でしょうか。 本人にはそのように見えてないのですがそのうち理解するので遠慮なく話しかけていただければと思います。 (-146) 2022/08/16(Tue) 1:05:14 |
【秘】 愚者 フィオレロ → 永遠の夢見人 ロッシ/* 運営さまお気遣いありがとうございます。 お言葉に甘えて、死後のあとだらだらと会話してもらうロールをしていただけたら幸いです。 またここではじめましてもシュールですし、お店も別の子との秘話で利用させていただいていたのですでに知り合いだったことにしてもよいでしょうか。 こちら諜報員なために、弟子などは行かずともコツなど未熟な頃は聞いていた…など、もしよければ検討いただきたいです。 またこちら、死後しばらくは幼少期のトラウマがこびりついて常時幻聴を聞いている状態で、ロッシさんのもとに行けそうにないメンタルです。 死体現場辺りの路地裏にもたれかかって座りながら(鐘の音の)幻聴に苛まれてる不審者がいるので、何らかの形で声をかけていただけると助かります。よろしくおねがいします( ´▽`) (-147) 2022/08/16(Tue) 1:27:36 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 愚者 フィオレロ/* みんな大好きなやつだしちょっと覚悟してはいたけど こんな綺麗におしまいになると思ってなかった (美味しい激辛料理を泣きながら食べる時のような心境) 死後時空のお話、ご快諾ありがとうございます。前置きとして、 こちらは死者の声は聞こえるし姿も見えてOKな霊感持ち……なのですが、 死後の世界の存在を信じない無宗教者である事も相まって 見聞きする死者の全てを自分に都合の良い幻聴や幻覚の類だと解釈しています。 あなたはそこにいます。本物の幽霊です。多分。でもこちらのPCの認識としてはそれが実在性のあるものだと思っていません。こう書くとひどいな… なのでお話した事はあんまり本気にしない……かもしれないです。 また、生存者への伝言なんかもPLとしては物凄く承りたいのですが それを伝えた所で信じる奴が居るか?という顔をPCはすると思います…… 頼む場合は上手く説得して頂けたらと思います。こちらも最大限譲歩はします。 声が聞こえる、姿が見えるなどこちらが何処まで認識できるかは そちらに都合の良い感じにしてくださって大丈夫です。個人差があっていい。 触れられるかは……PC視点ではこれまでは一度も無かった事だと思うのですが、 その辺りはそちらの解釈にお任せしますということで……? こちらから事前にお伝えすべき事は以上となります。多分。 寝て起きて生活をしたらそんな感じで秘話でお伺いしますね。 人生は死んでからが本番だって事を証明してやる……… (-155) 2022/08/16(Tue) 3:25:11 |
【秘】 永遠の夢見人 ロッシ → 愚者 フィオレロ/* おっけーいいよ!(様々) 不審者しているのかわいいね。続けてRPを置きます、よろしくね! (-181) 2022/08/16(Tue) 15:58:12 |
【秘】 永遠の夢見人 ロッシ → 愚者 フィオレロ人としての生のその最期の記憶を持ちながら、 ロッシは未だこの世に存在していた。 いわゆる幽霊だなんてものになって 物理法則を無視することができるようになりはしたが、 地に足をついていないのもなんとなく落ち着かなくて。 そうしてあてどなく歩いていれば、小さな声を聞いた。 誰かが苦しむ声。……いや、それは誰かではなく。 辿り着いた路地には、考えた通りの者の姿があった。 バーでは見たことがないような様子ではあったが。 このロッシという男はまるきり善人というわけでもないものだから、 しばらくの間は何某かに苦しめられているあなたの声を聞いていた。 ともすればそれは、あなたが苦しむ理由を知る一端にもなり得る。 これ以上得られるものはないだろうと判断した頃に、 ようやく彼はあなたの方を叩いた。 (-182) 2022/08/16(Tue) 16:01:11 |
【秘】 愚者 フィオレロ → 永遠の夢見人 ロッシファミリーに何もすることができないまま、■■だ。 せめて敬愛よりももっと上の、まだ言葉にすらできない その感情を抱いたあの人を守りたかった。 おこがましいにも程がある。狙われていたのは自分だ。 何もできないのに、ファミリーだなんて。家族なんて言えない。ノッテと言う帰る場所がなくなった今、自分が存在できる場所なんて──でもいたかった。側にいたかったんだ。例えそんなに長い命じゃないと薄々察してはいても。 ねぇ■■■■、■■■■■さん、■■■さん、まだ話したかったよ。 どこ? 真っ暗で凍える寒さの建物内をふらついた足で歩く。 ゴンゴン、キンコンコンコン。 とっくに固形物を飲み込める年齢でありながら、流動食しか与えられない。服なんて下着、ひどければ裸の中でベコベコにへこんだボウルを抱えて、その下水めいたスープとも言えないそれを待つ。 こんな子供が我慢を覚えられるわけがないから、食事を知らしめる鐘の音と共に、野蛮にもさらにボウルを凹ませまいと言わんばかりに鳴り響く。 劣悪な環境。己が昔いた孤児院。 居場所なんてもう、ここに戻るしかなかったことに絶望した。 せめてそのまま死ねればいいと、食事も暴力も拒絶してひたすらに耳を塞いだ。 無意識に、 うるさいだとか、もう鐘は散々だとか、帰りたい なんて言葉が漏れているのに気づかぬまま、突如肩を叩かれようやく貴方と目が合う。「 ……■■■■? ……ぁ、あ?……ロッシ、さん?何で、ここに」 (-192) 2022/08/16(Tue) 17:49:27 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 愚者 フィオレロ人気のない路地裏。 たった一人の葬列は、今日も薄暗い道を行く。 一定の間隔で、重苦しい靴音を鳴らしながら。 あなたの遺体が発見されたと報告された場所。 烏か、鷗か、或いはそれ以外か。 何れにしても何者かの手が入り、 今はそこに何も残されてなどいないのだろうけど。 「だから嫌だったんだ。 死ぬ時は一緒だ、最後まで一緒に居る、誰も彼もそう言って。 それでも生きてる奴は皆、俺を置いて行く……」 だから生きている人間は嫌いなのだ。それは嘘ではない。 けれど、だからといって、死んで欲しい訳でもなかった。 誰にも死んで欲しくはないから、一人で死にたかった。 それでも誰も彼も皆、先に死んでいく。 そうして、後には自分にとって都合の良い虚構だけが残る。 否定的な言葉は、自分が死者に罰されたいだけ。 肯定的な言葉は、自分が死者に許されたいだけ。 死者の形を模った幻覚は、今なお止む事は無い。 「……お前もそうなるのか?シルヴィ…」 ふと、何かが聞こえた気がして。 ある所で足を止め、路地裏の暗がりを見遣った。 (-205) 2022/08/16(Tue) 20:57:00 |
【秘】 愚者 フィオレロ → 鳥葬 コルヴォ男はそこに座り込んでいた。 幻覚の過去に要求するのだけは不愉快だが、不快感は変えられず。 夏に大怪我を負い集り湧く虫を潰すような悪寒から気を紛らわすものもないうちは、ただ無心で耐えるのが関の山で。 漠然と微かに言葉になったような、 うるさいだとか、もう鐘は散々だとか、帰りたい…違う、出て行きたい、 なんて言葉が漏れているのに気づかぬまま、ふと。もう呼ばれる事もないと思っていた 名を呼ばれ、暗く光を通さない瞳が貴方を見上げ、網膜に情報を焼き付ける「……あぁ……、ようやく死んで清々したか? けど君……そこまで言いに来るの、むしろ凄い執念だぞ」 死後なのか、夢なのか、貴方の妄想なのか。 照明する手段はなにもない。 現実、死ぬ間際のこの男が貴方に対して本当にそう思っていたのかすら定かではない。 ないとしても、今こうして口を開く男は、そう苦笑した。 (-234) 2022/08/16(Tue) 23:48:48 |
【秘】 愚者 フィオレロ → ”昼行灯” テンゴ ──シルヴィオが死んだ数日後、 貴方のもとに一つの花が届けられる。 鉢に入るそれはアンドロメダ。 日本で言うならアセビ。馬酔木に近いそれは、洒落た手紙一つなく、差出人の名もない。 元々死後には送るように手配していたのだろうそれは、ふと昔を思い起こさせるかもしれない。 「俺実は、本当は紅茶とか日本茶より、」 「葉を煮詰めたり焦がした物じゃなくて、花がいいんです」 いつの日だったか。 遠い昔。下手をするとまだフィオレロがフィオレロじゃく、 『シルヴィオ』と呼ばれていた頃。 「理由ですか。そうですねぇ。 じゃあ、縁起のいい花言葉とかあるやつを 飲み込んだほうがいい気がするからってことで」 ファミリーだから名前も知っていれば、雑談だって間があればする。 特徴も言えるし長所短所も軽くなら述べられる。 そんな、関係の悪くない上司と部下が、親しいと言えるようになったきっかけと言えば、この時期のこの辺りの話ではなかっただろうか。 (-238) 2022/08/17(Wed) 0:06:13 |
【秘】 愚者 フィオレロ → デッドヘッド ヴェネリオ「昔、俺のいた孤児院の環境ったら酷いものじゃなくて。 俺の中では孤児院って負の象徴だったんですよ」 「そこは鐘が鳴るんですね。 飢え切った時に、 健康診断とは名ばかりの値段付けの前に、 冷え切ってこのまま二度と目覚めたくない時に、 ゴォンゴォン、キンコンコンコン。って。 ずーっとそれが鳴るから、もうそれを聞くたび身が竦んで」 いつの日だったか。 遠い昔。下手をするとまだフィオレロがフィオレロじゃく、 『シルヴィオ』と呼ばれていた頃。 「でもヴェネリオさん……の仕事を見てたら、 こんな来るたび体を強張らせなくてもいいのかなぁ、とか。 あんなに負の集合体みたいだった孤児院が、 誰にでも未来はあるんだよなぁってちょっと思えてですね」 「俺の記憶の債務をひっくり返してきたヴェネリオさんって、 やっぱ凄いなぁって思ったんですよねぇ。 俺ももしここで育てられてたら、まあ何ていうか……」 気恥ずかしくなってきたのか、所在無さげに髪に触れつつ。 まあ、こう。だの煮え切らない事を散々呟いたあとに。 「死ぬ前には話しますよ」 (-269) 2022/08/17(Wed) 11:56:17 |
【秘】 愚者 フィオレロ → デッドヘッド ヴェネリオ──シルヴィオが死んだ数日後、 貴方のもとに一つの花が届けられる。 鉢に入ったカランコエ。 元々死後には送るように手配していたのだろうそれは、洒落た手紙一つなく、差出人の名もなかった。 答え、言いそびれてましたからね。 (-270) 2022/08/17(Wed) 11:56:59 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 愚者 フィオレロ座り込む男を見下ろして、その譫言のような言葉を聞く。 誰にもその真実を証明し得ないこの全てが、 たとえば虫のいい幻覚や妄想の類であるのなら。 自分にとって都合の良いかたちというものが、これだとは。 いったい自分という人間はあなたに何を望んでいたのだか。 「お前がそれで後悔してないならな」 口にした言葉は、清々したか、という問いに対してのもの。 こちらの認識としては返答というよりも、 殆ど自問自答の独り言のようなものにはなるけれど。 当然あなたが後悔していないなんて思ってはいない。 確かに最後に交わした会話の内容は、何れかの死、 或いは両者の死を前提としてはいたけれど、少なくとも。 あなたがあの後すぐに死ぬ気で居たようには思えなかった。 「清々するわけもない。 こんな事になるなら、あの時殺しておけばよかった。 誰だって生きられるなら生きていて欲しかった。 それでも死にたいと思った形で死ぬ自由だってあったはずだ。」 「お前だってこんなのは望んじゃいなかっただろう」 あなたの知る幼少期、ラストリカートという子どもは 無口で、慎重で、けれど善良で素直な子どもだった。 その人間性は結局の所、厭人的な態度で糊塗されただけで 本当の所は、今も何一つとして変わらないままだ。 (-275) 2022/08/17(Wed) 12:24:14 |
【秘】 永遠の夢見人 ロッシ → 愚者 フィオレロ理由を問われて、肩をすくめてわらう。 何でと言われてもなぁ。 口が利けたとしても、状況から想像できる以上のことは この男は言わなかっただろう。 あなたとしても思わず口に出た程度で、 さして重要なことでもないはずだ。 彼も死んでいるという事実は大変な情報かもしれないが。 とん、とん。一定の間隔であなたの背を叩く。 落ち着かせることと、もう大丈夫かの確認を兼ねて。 彼は店を開いている間は殆どカウンターの向こうにいたものだから、 こうして触れてくるようなことも大よそなかった。 あなたがアマラントで酔い潰れたことがあるのなら、 覚えのあるやさしい手付きだったかもしれない。 (-288) 2022/08/17(Wed) 17:23:18 |
【秘】 ”昼行灯” テンゴ → 愚者 フィオレロ「……。」 花を軽く撫でれば、思い出す。 その面の下の表情は誰にも分からないが、悼むように零す。 「どうして先に逝ったんだ、お前は。」 そしてさらに思い出すのは、あの日のこと。 「花茶は扱ったことがなかったな。ふむ。馴染みが無いわけでは無いが、折角なら取り寄せてみるか。」 と興味のままに言ったっけ、と。 (-297) 2022/08/17(Wed) 19:15:49 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 愚者 フィオレロ「孤児院ったあそんな印象が主だろ。 ほお。鐘の音ねえ。 だからあんな態度の割に嫌そうにしていたのか」 「こんなの俺の功績じゃねえよ、先代のもんだ。 俺の性格がまるくなったのも全部な。 ここで育っても行き先は誰かさんの手足になる場所、 いいともわるいとも限らねえよ」 褒められているとは思いつつ、返すのは苦笑い。 当然だろう、何を言われるにしても答えは同じなのだから。 「だったら一生聞けなくていい」 「いつか地獄で聞かせてくれ」 (-303) 2022/08/17(Wed) 20:16:06 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 愚者 フィオレロカランコエの鉢植えを置いて届いた手紙にため息を吐く。 すぐには誰から宛てかは直ぐには思い当たらなかったが、何かをするのなら数人。 「……読みたくねえなあ」 最悪のことを考えて、一人自室でその手紙を開いた。 (-306) 2022/08/17(Wed) 20:22:15 |
【秘】 愚者 フィオレロ → 鳥葬 コルヴォ「ない訳ないだろ……まだ何もしてないってのに。 誰一人、死ぬならせめて代わりになるくらいがよかったね」 半目で顔を少し上げて、視線も上げて。 見つめる視線は不満をありありと含んでいる。 「急に素直になるじゃん。 ……それ、最後に会った日に聞きたかった。 俺は君の本音……とまでは言わないが、 少なくとも言葉通りとは言ってなかったと思ってなかったのに。 ……さすがにあの日は堪えた。連続で振られてた日だったからね」 だからといって、信じられなくなったと言い切らない辺りが、 つまりはそう言う事なのだろう。 貴方の後ろに常に遠い日の懐かしい彼を見ていた。 貴方が今行っているように会話の裏を呼んだ意味を 考えていたけれど。それをするには情緒も知識も共感も、 何もかもが足りなかったから。 結局こんな場所に至るまで気づけなかった。 「で、ここどこ? さすがに死んでないとまでは楽観視してないけど」 (-311) 2022/08/17(Wed) 20:52:16 |
【秘】 愚者 フィオレロ → 永遠の夢見人 ロッシ「……俺、死にました?」 何も言わないけれど温かみは……わからないが、 少なくとも触れられるたびにどこか心は温まる。 大丈夫ではないけれど、弱音を余り見せたくない。 正確には本来諜報員は見せてはいけないのだ。 それを学んだのは貴方からか、他の誰かか、 自然にかはわからないが、少し無理をしてそう笑いかける。 笑顔も、苦笑に近いものになってしまったが。 「でも何でロッシさんが……殺しても死ななさそうなのに」 それは“なのに死んだのか”と言うよりは、 “だから死んでないだろうにどうしているのか”の響きに近い。 (-315) 2022/08/17(Wed) 20:57:38 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 愚者 フィオレロ「……これを飾れってか? いつの間にか花だらけになるんじゃないか」 ため息を吐いて鉢植えを窓辺に飾れば、背を向けて立ち去る。 「水やれなかったら悪いな。 ……無事に帰れたらどうにかしてやるよ」 /* 完全に読み間違えていました。手紙は無かったです。 誰宛かわからないですが、何かを感じ取って思い当たる場所はあるそうです。 (-316) 2022/08/17(Wed) 20:58:29 |
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