情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[|<] [<<] [<] [1] [>] [>>] [>|]
【置】 棕櫚の主日 コゴマ「……」 人に、誰かに。託して、それで。 託したものが帰ってこなかった時、人はどのように片割れを迎え入れれば良いのか。 帰り路、つかず離れずの距離で資料室までの道をついて歩き、 その間にどれほど言葉を交わせたものか、おそらくは片手で数えられるものだったろう。 駆けつけるも間に合わなければ、手を貸すことも出来ず。 気にしないで良いことなのだろう、それは当人の資質として出来ないことだった。 「……はい。前線を守っていただいたおかげで、こちらは特には。 状況としては新しいものを見つけられたわけではないですが、まあ。 聞く限り当面の最も警戒すべきには、対処できたのではないかと」 資料室に入り、状況についていくらか言葉を交わす。 これからどうするか。脱出すべき手立ては、どれだけ見つかったか。 歯がゆさのまま、鉄パイプを握り締めて資料室を出た。 果たして自分はどれだけ彼らを慮れただろうか、わからない。 投げ出すだけを投げ出して、この中で負った苦しみを肩代わり出来たか。 暴れるもののいなくなった廊下はどこまでも静かだった。 遠くの方で聴こえる足音は、幾人かの隊員を失って警戒態勢にあるようで、 あまり広範に見回っている様子でもない。 多少なり不用意にふらついたところで、困るようなことはなさそうだ、と思った。 (L0) 2022/06/12(Sun) 18:39:11 公開: 2022/06/12(Sun) 18:45:00 |
[|<] [<<] [<] [1] [>] [>>] [>|]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新