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【墓】 調律 水銀 莉桜淡い決意は終わりを告げる。 「 え?」 取り繕うことも忘れた空白。 貼りだされたものに対して、 思考が理解を拒んだ。 「やっ、」 瞬間。 「やだ、やだやだやだやだやだ!!! どうして!? どうして、だって、 だって守っ、守ってもらえるって、 あ、これ、違う? ちが、あ、ああぁ、ああ!! やだダメ見ないで見ないで見ないで見ないで お願いお願いだから見な、見っ──ッあ」 半狂乱のように叫び散らして、 息継ぎすることさえも忘れて、 壁のメモを剝がそうと躍起になる。 だが、それは叶わない。 少女は何かに足を引っかけたのか、 派手に転倒し、そして── ▼ (+0) 2022/02/02(Wed) 21:04:53 |
【墓】 調律 水銀 莉桜腕を大きく擦りむいた。 その傷からは一滴の血も出ない。 ▼水銀 莉桜の秘密 『 水銀 莉桜は、人間を模した生体アンドロイドだ。 心を宿すほどに高度な発展を遂げたAIを搭載し、 パーツの定期的な換装で以て、人に溶け込み、 人と共に歩み生きる。 それが可能かどうかをテストするための試験体だ。 人間を模すためのあらゆる機能が実装されている。 センサーの反応による触覚。成分分析による味覚。 計測し数値化された温度感覚。 だからこそ水銀莉桜に『適温』はわからない。 人の主観が含まれるものは理解できない。 加えて、 水銀莉桜に呼吸機能は搭載されていない。 よって会話の際には、自然な……『息継ぎ』がなく、 不自然な──『間』が生まれる。 以上』 (+2) 2022/02/02(Wed) 21:12:27 |
【墓】 調律 水銀 莉桜「あ──、 ── ──、あたし、 ──じぶんで、言うって、 決め、たの に、」 手を伸ばされても、 へたりこんで動けない。 途切れ途切れに再生される声。 より人間らしく見せようとする努力さえ、 もはや砕けて散った。 (+3) 2022/02/02(Wed) 21:24:09 |
【墓】 調律 水銀 莉桜──それは、いつかのお話。 思い出の最初。テスト駆動の1回目。 人間と一緒に遊ぶのが、楽しくて。 信じてくれる気がする友達ができて。 ついうっかり、自分から告げた秘密。 差し向けられた拒絶。 奇異と忌避と怖れの視線。 友情を紡いだ口から零れたひと言。 それは、水銀莉桜という機体の、 芽生えかけていた心を引き裂くには十分で。 『施設』による情報統制が行われて ほとぼりが冷めた後には、 そのパーソナリティ・データは、 大きく変化していました。 誰にも自分のことを知られるわけにはいかない。 堅固な心の外殻は、そうして築き上げられて。 今、それが儚く崩れ去って。 いつかのような日常の終わりを、 少女の精神性を宿した駆体は酷く恐れて── ──いたの、ですが。 ▼ (+58) 2022/02/03(Thu) 21:01:53 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 3年 偉智 要時は移ろって。 昨夜。 「──あ、えと、──偉智さん?」 バルコニーから星を見上げていた。 息を切らした様子のあなたに、驚いた調子で。 /* 大変お待たせしました。 昨夜の時間軸でお返ししていますが、 時系列のすり合わせが難しい場合、 莉桜の秘密開示後として扱って頂いて構いません。 水銀PL (-161) 2022/02/03(Thu) 21:15:00 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 3年 偉智 要「おっ──おいかけて、きたの!? あわわ、ごめんなさい! なんだか、無理させちゃって──」 自分を追ってきたらしいと分かると、 狼狽えて心配しはじめました。 外の空気は刺すように冷たいですが、 少女はあまり寒さを感じていないように見えます。 「あ──ごめんなさい。 盗み聞きするつもりは、なかったんだけど。 とってもすてきな演奏、 邪魔しちゃいけないと、おもって──」 (-164) 2022/02/03(Thu) 21:35:22 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 3年 偉智 要「──あぅ」 おとなしく撫でられる。 きっとまた手袋越しでしょう。 ここに来てから何度かされていること。 正直、嫌いではありませんでした。 「え、──耳コピ、って、 ──楽譜、見てないってこと? す、すごい。それで、あんなにたくさん──」 「──え、──あ。 聴いて、たんだ。 えと、たぶんだけど、あたしだと思う。 ピアノ弾いてるの、あたしと、 偉智さんしか、見たこと、ないから──」 「──あんまり、人前では、弾かないんだけど」 (-182) 2022/02/03(Thu) 22:25:49 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 3年 偉智 要「い、いもうとって、そんな──」 あわあわ。 もう彼女が慌てているのは見慣れた光景かもしれません。 が。 「つ、ツイン!?」 その反応は、今までで一番だったかもしれません。 「ぁ、う、でも── あたしなんかの鳴らす音で、 偉智さんの、じゃまをするわけには──」 俯きがちに、ぽつりぽつり。 どんな理由があるのかは今は知れませんが、 彼女は自分の演奏に自信がないというより、 『人より劣っている』と思い込んでいるきらいがあるようです。 (-202) 2022/02/03(Thu) 23:06:27 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 3年 偉智 要「ぅ、──」 遠慮がちに、あなたを見やります。 硝子玉のような、翡翠の瞳。 揺らぐことも曇ることもない、 その瞳の奥に、確かに宿って見えるもの。 「──、 ん、──あたしで、よければ。 奏でて、みたい。 弾いてみたい、──偉智さんと、ツイン」 そうして踏み出した、ちいさな一歩。 「──といっても、今日はもう遅いし、 明日、とか──もし、よければ──」 (-228) 2022/02/04(Fri) 0:28:16 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 3年 偉智 要「──うん」 ようやく見せた、あたたかな微笑み。 遠慮がちとはいえ、 そこには隠し切れない期待とわくわくが見えました。 「あ、あたしの好きな曲、かぁ。 どう、しよ、かな。考えとく。 ──じ、じゃあ、あたし、もう戻るねっ。 ありがと、偉智さん。 ──また明日!」 そうして、ぺこりと頭を下げて、 ぴゃっと女子部屋に戻るでしょう。 ──そうして迎えた翌日には、 少女の秘密が露呈したわけですが、 そこから先はご存知の通り。 少女は、それを乗り越えられそうです。 となれば、あとはツインを迎えるだけ。 (-276) 2022/02/04(Fri) 8:24:44 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 嘘 氷室 凛乃「──凛乃さん。おふろ、一緒に入ろ?」 互いの秘密が明かされて、 ほんの少し巻き起こった騒動が落ち着いたあと。 きっとここで過ごす最後の夜、 少女はあなたに声を掛けます。 もはや定番となったその流れ。 ですが、主題がそこにないことは、 きっとあなたも分かっているでしょう。 少女は、きっちりと約束を果たそうとしているのです。 (-277) 2022/02/04(Fri) 8:27:00 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 1年 早乙女 咲花「──咲花ちゃん」 返す微笑みは、 きっと今までで、一番柔らかいもの。 「うん。──なんていうか、拍子抜けしちゃった。 まぁ、確かに、 神さまや妖狐さん、なんかが出てきたあとだと、 受け入れやすかったり、するのかもだけど」 (-278) 2022/02/04(Fri) 8:28:14 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 1年 早乙女 咲花「──うん。 とはいえ、ちょっと、慣れるのに時間は掛かると思う。 それに、公にしちゃいけないってことは、 変わってないし──」 「──でも、 きっと、これまでより、 もっと楽しく、頑張れると思う。 ほんとうにありがとう、咲花ちゃん。 これからも、よろしくね」 (-318) 2022/02/04(Fri) 18:16:16 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 嘘 氷室 凛乃「──うん。ありがと」 いつものように。 さっと着替えて、さっと身体を洗って。 きれいな夜空と湯気に煙る月を眺めながら、 ゆっくりと温泉に浸かる。 ほんの数日だけど、 かけがえのない時間だった。 心から──心から、と表現できるほどに── 落ち着く、ひとときだった。 「──ねぇ、凛乃さん」 ぼんやりと夜を見上げたまま、 ぽつりと名前を呼んだ。 (-320) 2022/02/04(Fri) 18:20:01 |
【墓】 調律 水銀 莉桜「──」 「──公にしちゃいけないことは、変わらない。 変わらないけど──」 「──あたし、 ここに来られて、よかったな。 自分が自分のままで居てもいいって いってくれる人がこんなに居るなんて、 思わなかった」 「あたしも撮りたいな、写真。 いっしょに、撮りたい。 あたしの目がカメラだったらな〜」 なんだか、急速に開き直ってきたようです。 (+88) 2022/02/04(Fri) 18:27:42 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 3年 偉智 要しばらくして。 「──偉智さん」 やがて、少女はやってきた。 しっかりと自分自身に向き合って、 踏み出したちいさな一歩を、うそにしなかった。 「ごめん、お待たせしちゃって──。 なに演奏しようかな、って、 あれもこれもやりたいな、って、 考えてたら、遅くなっちゃった」 (-321) 2022/02/04(Fri) 18:29:14 |
水銀 莉桜は、耐久性を褒められたので、防弾とか防刃とか防爆も搭載しようか悩んでいる。 (c40) 2022/02/04(Fri) 18:39:09 |
水銀 莉桜は、早乙女 咲花を見て、薄笑みを浮かべた。 (c41) 2022/02/04(Fri) 18:56:30 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 3年 偉智 要「──ううん。だいじょうぶ。 ひとつに決めた。 そのかわり、いろいろ詰まってるやつ」 促されれば、 遠慮がちにあなたの隣に腰掛ける。 「──偉智さん。 あたしね。ピアノ、ひとに聴かせるの嫌だったんだ。 だって、あたしは機械だから。 機械が音を奏でたって、 そんなのは電子音楽の再生と変わらない。 ──そう、思ってたんだ」 (-329) 2022/02/04(Fri) 19:02:02 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 1年 早乙女 咲花「博士に頼んで、 静音シャッター付きの録画機能を 搭載してもらわないとなぁ──♡」 だめそう。 ──とはいえ。 少し前までの少女からは考えられなかったこと。 いろんな困難にぶつかるとしても、きっと大丈夫。 すてきな友達……友達? 友達が、いるのだから──。 (-330) 2022/02/04(Fri) 19:04:17 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 3年 偉智 要「──わからない。 今までの常識が、 そんなすぐに変わることはないから。 けれど──」 「──偉智さんは昨日、自分を欠けてるって言った。 それがどうしてなのか、あたしにはわからないけど。 欠けてる同士なら、きっと。 少しでも、ほしいものに近づける。 奏でたい音に、近づける。 そんな気がする」 「だから、偉智さん。 あたしと、ツインを弾いてください」 答えは出ている。 けれど改めて、少女はあなたを見やり、微笑んだ。 (-347) 2022/02/04(Fri) 20:10:53 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 嘘 氷室 凛乃「──」 「あたし、凛乃さんの瞳、好きだな」 ぽつりと、いつかの鏡移し。 「 あのね、凛乃さん。 あたし。 人間じゃあ、ないんだ」 あなたをまっすぐ見据える翡翠の瞳。 揺らがず曇らず、いつもそこにある。 「凛乃さんが褒めてくれた、この目も。 ぜんぶ、つくりものなんだ。 あたしは、アンドロイドだから」 「──黙ってて、ごめんなさい」 視線を逸らすことなく、告げる。 けれどその語調から、 悲壮感はあまり感じ取れないだろう。 まだ告げたい言葉には、続きがあるからだ。 けれど今は、あなたの返事を待つ。 (-348) 2022/02/04(Fri) 20:13:18 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 嘘 氷室 凛乃「うん、──それで、ね」 あなたが、その事実を受け入れてくれることは、 すでに分かっている事柄だ。 だからこれは、そんな単純な 確認のための儀式ではない。 「──あたしは、みんなとは、 凛乃さんとは、違うけれど。 ここで過ごして、 あなたと一緒にゆっくりして、 とっても、──とっても、楽しかった。 ほんとうだよ。うそじゃない。 ──あのね。 また、こんな風にできたらいいな、って思う。 できるなら、ずっと。 そうしたいと思う。 あたしの試験稼働がいつまであるのか、 どこまでパーツの換装を行って、 大人への成長をテストするのか分からない。 足並みがずれることもあるかもしれない。 でも、その、いつかが、訪れるまで、凛乃さん」 「あたしと、ともだちで、いてくれますか?」 (-361) 2022/02/04(Fri) 20:47:05 |
【秘】 調律 水銀 莉桜 → 3年 偉智 要「──うん。 お互い、まだまだなんだね。 じゃあ、きっときっと、探していこう。 欠けてたって、瞬いてる、 きれいな、星を」 そっと、鍵盤に指を添える。 「──ちょっと長いし、ちょっと難しいよ。 あたしはばっちりメモリーに記憶してるから、 ついてきてね、偉智さん! ──『きらきら星変奏曲』!! 」 そうして、音が跳ねる。 (-362) 2022/02/04(Fri) 20:49:29 |
水銀 莉桜は、奏でる。欠けたもの同士で目指す星。『きらきら星変奏曲』のツインを。初めて誰かと一緒に。 (c43) 2022/02/04(Fri) 20:51:13 |
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