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【雲】 トト主催者に手配? そんな筋書きなのかしら。分からない。 「 ………… お金と感情が比例するとでも 思っているの? 」 高そうなワンピースを着ていたら 心配する家族がいるだなんて、なんて浅はか。 身代金に期待できなくてガッカリしてるのかしら。 (D0) 2021/07/07(Wed) 8:50:46 |
【雲】 トト彼が願いを言い終わると同時、 エレベーターが到着を知らせる金属音を鳴らす。 お金は要らないって言ったり要るって言ったり。 そのくせ願いは私ときっと同じ ──── 「 貴方は何を持っていて、 何を持っていないの? 」 絨毯に足を沈めながら廊下を歩く。 他に誰もいないのかと思うほど静かな空間。 無理に何かをしようとするでもなく、 私に背を向けて歩く彼に投げ返す。 (D1) 2021/07/07(Wed) 8:50:55 |
【雲】 トト「 三月うさぎ …… 『不思議な国のアリス』ね。 」 うさぎはうさぎでも、物語の案内人ではなく 狂った方のうさぎだなんて、変わってるわ。 「 私は、トトよ。 勿論本名じゃない。 好きに呼んでちょうだい。 」 (D2) 2021/07/07(Wed) 8:51:16 |
【雲】 トト有名なアニメ映画に出てくる、 森の奥に住む灰色の化け物ではなくて、 『オズの魔法使い』の主人公ドロシーの飼い犬。 別にそこに深い意味なんてないけれど。 (D3) 2021/07/07(Wed) 8:51:25 |
【雲】 トト「 いいわ。貴方のこと信じるわ。 お話ししましょ。 私も私の知らない世界を知っている誰かと 話がしたくてここに来たのだから。 」 そうしてルームキーをかざして、 1010の扉を開いた。** (D4) 2021/07/07(Wed) 8:51:50 |
【雲】 トト私に価値を感じて?>>D:5 「 ………… 違うわ。 金額に見合う価値にならないといけないの。 」 この違いが彼に伝わるかしら。 私に価値があるから高貴な暮らしをしていたわけでは 決してないの。 (D12) 2021/07/07(Wed) 23:10:31 |
【雲】 トト「 ── …… 幸せって何? 私には、分からない。 どうやって測ればいいの? 」 近くの椅子に座った彼に投げ返す。 私は隣でも向かいでもなく、 彼と90度で向き合うソファに腰を下ろして。 「 貴方は何も持ってないって言ったけど、 貴方の欲しいものはお金で買えるものなの? 貴方は今、幸せではないの? 」 質問には答えられず思い付くままに、 彼への疑問を尋ね続けた。 ** (D15) 2021/07/07(Wed) 23:13:07 |
【雲】 トト「 ………。 貴方とは分かり合える気がしないわ。 」 私に価値があるとはひと言も言っていないのに、 なんて勝手な解釈をするの? だけどそうね、価値があったのかもしれない。 私にも。でもね、今は もう ………… (D21) 2021/07/08(Thu) 20:29:35 |
【雲】 トト「 ─── 分からないわ。 幸せなんて曖昧だもの、 さっきも言った通り、測り方が分からない。 例えば私が2回人生を過ごしたら、 どちらが良かったか比較できるかもしれない。 だけど生憎、前世の記憶はないわ。 それか ………──── 」 (D22) 2021/07/08(Thu) 20:29:44 |
【雲】 トト「 幸せを感じたことがないから、 分からないのかもしれないわね。 」 自分で口にして、納得していく回答が見つかった。 だって知らないもの。そんな感情。 (D23) 2021/07/08(Thu) 20:29:52 |
【雲】 トト自分とは真逆の境遇にいる人との会話を望んだ。 望んだのは私だけれど、噛み合わない。 この価値観のズレは環境から生まれるものなのかしら。 それとも、単に私と彼が別の個人だから? 分からないけれど、彼も会話を望んでくれたわけだし 知ることから理解を深めることしかできない。 普段であれば、発言の適切さを常に意識する。 TPOに合わせて自分の立ち位置を見極めて、 求められている正しい発言を探した。 だけど今は、そうじゃない。 トトという名の面をして、私の声で会話をしてる。 嗚呼、こんな感覚は久しぶりだ。 (D24) 2021/07/08(Thu) 20:30:08 |
【雲】 トト「 私も結局、ひとりだったから。 」 不謹慎にも、漸く言葉が交わったと感じた。 もしかすると結局、人は誰しもひとり っていうことなのかもしれないけど。 (D26) 2021/07/08(Thu) 20:30:32 |
【雲】 トト言い終えて立ち上がると部屋の隅へ。 「お茶でも淹れるわ」とティーセットを並べて ポットのお湯でティーカップを温める。 茶葉は未開封。これなら味も悪くはなさそうね。 2人分の紅茶とミルクと砂糖をトレイに乗せて 私も彼の座るちょうど角に置かれた、 ローテーブルまで運んだ。 そうして先程までの続きを。 「 貴方の持っていたものは、 誰のものだったの? 」 ** (D27) 2021/07/08(Thu) 20:30:39 |
【雲】 トト湯気のたつカップを手に取り ゆっくりと口をつける。 まだ熱い紅茶が喉を通ると、 少し残っていた緊張が俄かに解けた。 「 名前も、顔も知らない? 」 しかも女の子というのが意外だった。 一般的におさがりといえば衣服を主とした 身の回りのものだと思っていた。 例えば同性の兄弟や親戚、もしくは知人から 着られなくなった衣服や使わなくなった 玩具や、文具などを譲ってもらうとか …… (D38) 2021/07/09(Fri) 8:37:54 |
【雲】 トト「 ご両親のお知り合い、 とかなのかしら。 」 本人が知らないということは ご両親が譲ってもらってくるのだろう。 そうであれば名前も顔も知らないことは 不思議でもない。 (D39) 2021/07/09(Fri) 8:37:58 |
【雲】 トト彼がこほんと咳払いをして よく分からない提案をしてきた。 「 …… 探すって、どうやって? 探して、見つかるものなの? 」 だって測り方もわからないのに。 私が幸せを感じることなんて、 あるかどうかも分からないのに。 (D40) 2021/07/09(Fri) 8:38:07 |
【秘】 三月ウサギ → トト「 …… 贅沢は言わない。 たったひとりでいい。 誰かに、人の代わりではない。 ─── “俺”を必要としてほしい。 」 (-53) 2021/07/09(Fri) 20:30:43 |
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