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【雲】 トト「 知っていた、はずだった? 」 これまでとは違う、冷たい声に、 胸の奥がざらりとした。 どうして私が苦しくなるのだろう。 ・・・・・・・・・・・・ 私はなんの関係もないのに───。 (D0) 2021/07/10(Sat) 14:48:28 |
【雲】 トト「 満たされている、か …… 私はそんな風に感じたことがないわ。 」 きっとそこの認識から異なっていた。 そして彼も満たされては見えないのだけれど。 満たされたのなら、その先に幸せはあるのかしら。 「 私たち、 相手選びを間違えてたかもしれなわね。 」 だって全然、望むものを持ってないのだもの って、冗談混じりに苦笑いを浮かべた。 それから ──── 沈黙の後の答えにまた、何かが震えるのを感じた。 (D1) 2021/07/10(Sat) 14:49:48 |
【雲】 トト「 この一夜、 お互いを必要として過ごさない? 」 必要とし、必要とされれば、 満たされて幸福は訪れるのか。 それを確認するために、私たちは今 ここにいるんじゃないかって。 (D4) 2021/07/10(Sat) 14:50:10 |
【雲】 トト「 分かったわ。 この部屋にいる間だけは、 私と貴方は特別な存在。 今の約束は、魔法が切れるまで忘れてちょうだい。 ……… 有意義な夜になることを、願ってる。 」 言い終わると立ち上がり、 部屋で一番大きな窓へと手を掛けた。 いつの間に空は彩りを消して 替わりに街の灯りがまだ今日は続くと 夜を照らしていた。 高すぎないこの場所からの眺めは、良い。 (D15) 2021/07/11(Sun) 11:42:58 |
【雲】 トト「 夜のはじまりね。 」 必要とし、必要とされる。 それがうまくできるかも分からない。 更にはその先が見つかる保証なんて何もない。 だけど ……… 「 一緒にみない? 」 少しだけ勇気を出して、彼の服の袖を引いた。** (D16) 2021/07/11(Sun) 11:43:06 |
【雲】 トト「 愛っ ………!? 」 形だけとは言ってもよ。 そんな歯の浮く呼ばれ方をしたのは 生まれて初めてだったのだから。 冷静に …… 冷静に ならなきゃ………… 「 ありがとう、 ………愛しい人。 」 口にしてみて本当にこれが正しいのか 疑問に思いながら、差し出された手を取る。 ここは舞踏会ではない。 誰もいない、ふたりだけの世界。 目の前には夜景が広がる。 こんなロマンチックは夢を見てはいけなかった。 (D23) 2021/07/12(Mon) 8:34:11 |
【雲】 トト「 ……ウサギくんが必要とされたいのは、 家族?友達?それとも、恋人? 」 名前をフルネームで呼ぶのは諦めて、 確認の問いかけを。 だけど重ねた手には、ぎゅっと力を込めて。 「 私はね ……… 」 (D24) 2021/07/12(Mon) 8:34:20 |
【雲】 トト「 誰でもいい ……… 誰でもいいの。 だけど、家族は私を必要としていないし、 貴方とも家族にはなれない。 友達とも損得でしか付き合ってこれなかった。 本当の意味で必要とし合える存在なのか、 分からない。 」 そうなると、選択肢はもうひとつあるけれど…… 「 恋人は、もっと分からない。どんな存在なのか。 恋愛はロマンチックに見えて愚かだと。 そう教わってきた。 だから私は、恋も知らない。 」 こんな状態で身勝手な提案をしてごめんなさい。 (D25) 2021/07/12(Mon) 8:34:53 |
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