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【秘】 狡兎 ツィオ → 風任せ マウロ名前を呼びかけられ、すぐには気付かなかった。 ふと、振り向くとそこには知り合いが立っていて。 手に持っていた資料をテーブルに置いた。 「おっと――今日は随分と機嫌がいいらしい。 美味しい餌の隠し場所でも見つけたか?」 昔から、このリカルドとマウロの寡黙さに対し、 補って余りあるほど自分が言葉を口にしてきた。 「そろそろ来る頃だと思ってたよ。 下手人を探すにも手当たり次第じゃ 行き詰まるところはあるだろうと思ってさ」 相手の思惑には気づいていないのか、 わざと気づかない振りをしているのか。 テーブルの上の写真を指さしながら見当違いのことを言う。 (-36) 2022/08/14(Sun) 23:59:10 |
【神】 狡兎 ツィオ【ノッテアジト】 「………」 振り返り、リカルドの方を向き。両手を広げ。 ふざけるようにおどけてみせる。 「――Ciao、リック。 良いニュースと悪いニュースがあるんだが、 どっちから聞きたい?」 (G8) 2022/08/15(Mon) 0:20:16 |
【神】 狡兎 ツィオ【ノッテアジト】 "良い方"。リカルドが答えると、 ――片腕で抱くようにして、相手の背中に手を回し。 耳元で、相手にだけ聞こえるように囁いた。 「―― 俺がまだ、生きてる。 」――長年一緒に居ると嫌になる。 声の震えは、この距離では同期には見抜かれただろうな。 ▼ (G13) 2022/08/15(Mon) 0:41:21 |
【神】 狡兎 ツィオ【ノッテアジト】 「……まだ、やることも、やれることもある。 もう少し、膝を折らず、地獄に付き合えよ、相棒。 動揺も絶望もは、下へも上でも伝えてやるな――」 それは、かろうじて保っている組織内の均衡を破りかねない。 酷なことを言っていることは分かっている。 だが、この酷なことは、俺なら言えて、俺しか言えず―― 俺以外には言わせない言葉だ。ならば、俺から伝えるしかない。 それにまだ、この目で見たわけじゃない以上、 その情報の全てを信じる必要もない。 身体を離して、息を一度だけ吸った。 「――少し、市井でこの件について情報で体を汚して来る。 風呂を沸かして待っててくれ」 言うと、相手の肩を叩いた。 (G14) 2022/08/15(Mon) 0:41:49 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 風任せ マウロ「ああ、怪しきを調べられる程度には頭が冷えたかい。 会議中のキミは、上に鍋を置いたら そのままアルデンテが茹でられそうだったからな」 いつものように揶揄うような口調で言う。 自分なりに案じてはいたが、やはり独力で立ち上がれる程度には、 鉄火場慣れもしているようだ。藪蛇だったな。 「まぁね。その辺は、リック(リカルド)辺りが、 政治的な部分も含めて上手くやるだろうさ――。 俺が心配してるのは、むしろ下手人が内側にいたときに、 打算もなにもなく仇とでも思って 迷わず引き金を引くやつなんだけどな」 心当たりはないか? と尋ねた。 (-46) 2022/08/15(Mon) 0:47:51 |
【神】 狡兎 ツィオ【ノッテアジト】 追いかけて来た問いに。 ナイフを片手に持った状態で、部屋の出口に片手を置く。 その掌の、爪が食い込んだ跡から――血が滴った。 「決まってるだろ。 ――言わすなよ」 ――俺もこれ以上は。 少し、"人間の顔"を保てない。 (G20) 2022/08/15(Mon) 1:22:16 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 無風 マウロ「俺がマウロを頼むぞってベビーシッター扱いしたときは 眉間にシワ寄せてたのに随分と律儀なやつだな、あいつも」 ある意味、あいつが居ることが、俺たち三人の鎹でもある。 俺たちのバランスはそうやってできていて、 何か一つでも欠けたり食い違えば別の形になってしまう。 昔から――そういう関係性だった。 「もし、そういう奴に会ったら伝えといてくれ。 そういうヘマをして潰されたやつに流す涙はないし、 俺も、リックみたいなやつも、大して動揺もしないし、 指さして笑ってやることになるってな……」 軽く笑って、付け足す。 「大丈夫、か――俺はともかく、リックは――。 その3人でやるために、随分と本気みたいでな。 お前をメイドマンにするために、色々やってるみたいだぞ」 愛されてるな、子猫ちゃん、と笑う。 (-132) 2022/08/15(Mon) 22:12:03 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 無風 マウロ「幹部になったとき――右腕がお前で。 左腕が、俺だとさ――。 随分、マフィアが抱く夢にしちゃ大きいって笑ったが」 そのバカみたいな夢に、 真剣に向かおうとしているバカのことを、 俺は少なくとも嫌いになれないが。 (-133) 2022/08/15(Mon) 22:13:49 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 無風 マウロ「あいつは、あいつにどうして周囲が甘えたがるか、 あいつが迷惑を掛けられた時にどういう顔をしてるか、 一度確かめてみろよとは言ってる」 そういうのが楽しいやつらが、 ましてや幼馴染に居るなんていうのは、 あいつにとって不幸であり幸福なことなのだろう。 いつだって、俺とマウロの貧乏くじを押し付けられるのは、 一番面倒見のいいあいつだった。 「今どき、女と寝た後の寝物語でも、 もう少し現実的な夢を語るだろうにな。 頭の出来が俺たちと違うのかリックはそれを本気で信じてる 古い知り合いとしては冷たい水を浴びせてやったほうが、 あいつの為かは今度議論しよう」 マウロも。 丁度らしさが戻って来たような笑みがこぼれ。 少しだけ安心をする。 ▽ (-240) 2022/08/17(Wed) 0:11:51 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 無風 マウロより、大きな大言壮語を聞くと、 珍しくぶはっ、と昔のように屈託なく笑い。 「おいおい。 同じ釜の飯を食ったくせに、 どうして俺以外のやつらはこう 自分の未来にロマンチストに育ったかなー」 目元の涙を拭い付け加える。 「生憎、俺は女意外にロマンを語らない主義でな。 賭けにしよう。 そのお前のでかい夢が叶ったときは、 俺がお前に煙草を一箱奢る。 お前の夢が頓挫した時は、 ――お前が俺に煙草を一箱奢りなよ」 きっとその煙草の味は、格別なものになるだろうと思ったから。 (-241) 2022/08/17(Wed) 0:12:15 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 無風 マウロ「よし、決まりだ。火までとは随分サービスもいい。 リピートしたいところだな お前の屈辱に歪んだ顔で吸う煙草は、 また格別だろうな――」 また一つ、人生に楽しみが出来た。 くだらない世の中だ、くだらない楽しみ方をして、 然るべきだ。 キティちゃん 「そっちも餌場に困ってもゴミ箱漁るなよ、不機嫌子猫」 笑って言うと、マウロが尋ねて来る。 付き合いたての男女の機微か? と揶揄いたくもなったが、 ここは大人として、ぐっとこらえて。 一言だけ。 ▽ (-259) 2022/08/17(Wed) 2:51:04 |
ツィオは、誰にも見つからないところで、不味そうに煙草を吸う。 (a28) 2022/08/17(Wed) 14:36:14 |
ツィオは、今日も、自分で、煙草に火を着けた。 (a29) 2022/08/17(Wed) 14:36:39 |
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