ネコジマは、乾いた声でわらって、 (a19) 2022/07/17(Sun) 12:42:47 |
【秘】 気狂 ネコジマ → 夢中 ユメカワ「生きてる人を生きてる人から遠ざけたいから、」 「猫島はそうしました」 「でもまたやるのはなかなか難しいものです。 猫島、なるべく普通に生きる前提で考えていましたから」 この際、もうそうでなくていいかなとは思っている。 「死んだ人が何かするのを止めたいならー……」 「んー、…どうしましょう。 思い浮かぶ人が、そもそもが会いたくねぇんで」 「殺しても死んでくれないなんて、やっぱりだめですよ」 それがほんとうにすごくこわくて。 「あとー…」 「…あと、今の父さんは来ないだろうけど、 兄ちゃんは来そうで。何するかわかんねぇんすよあの人」 「別に死ぬ気だったわけでなくて、 連れ戻す気で来ちゃってたとか、全然ありそうで」 「生きてる人と、死んでる生きてる人とがいるんなら、 猫島はこわくてどこにもいられませんね」 その通り、終わりの先が続くなら、 生きても死んでも猫島はたすからない。 (-32) 2022/07/17(Sun) 12:45:13 |
ネコジマは、いろんなものが綯い交ぜになったこころでわらって、 (a20) 2022/07/17(Sun) 12:45:33 |
【秘】 気狂 ネコジマ → 夢中 ユメカワ猫島には生きてる理由があるし、生きたくない理由もあるし、 死ぬ理由があれば、死にたくない理由もある。 「さて、猫島はどの幸福を選びましょう」 皆が言ってくれている守るとか、助けるとかを信用していないわけじゃなくて。 そういう可能性も、全部ひっくるめた上で、猫島はこう言うのだ。 (-33) 2022/07/17(Sun) 12:46:12 |
ネコジマは、ただ、わらった。 (a21) 2022/07/17(Sun) 12:46:21 |
【秘】 気狂 ネコジマ → 夢中 ユメカワ「……なんて。大丈夫です、ちゃんと考えられますよ」 「こう言いながら、決まっているんです。 今すぐ決められないだけです」 「ああいや、んー……今決まっていないところが 決まらないと決められなくて……?」 「それだから、はっきり言えないだけで。 口に出したら、そうならなかった方の答えが さみしくなっちゃうから。それでも、」 「夜が明けてしまうまでには答えは出ているから」 「だから、大丈夫です」 (-34) 2022/07/17(Sun) 12:48:05 |
ネコジマは、猫島はほとんど迷っていない。道を決める要素は、あとひとつだけ。 (a22) 2022/07/17(Sun) 12:48:34 |
【秘】 陽炎 シロマ → 気狂 ネコジマ「……んん、花火かぁ。 まあ……、やっても構わないよ。 私は後ろで見てるからさ」 管理状況も悪い建物である。 これから急に保護をしたとしても、もう遅いだろう。朽ちるのを待つだけだ。 それに、この校舎自体に執着があるわけでもない。 「くれぐれも、自分が燃えないようにね。 焼け死ぬのは苦しいから……」 もう己が燃えることは無いと、わかっていても。 炎の雨は、どうしても。 「全員集めるのかい?」 しかし先生が暗い顔をしていては、心配させてしまうかもしれない。努めて平静を装って。 生者、死者、幻……それらを含めて『全員』と呼んだ。 (-35) 2022/07/17(Sun) 15:29:47 |
ネコジマは、先生の許可をもらえて、息を吐いた。緊張していた顔が少しゆるむ。よかった。 (a23) 2022/07/17(Sun) 16:46:41 |
【秘】 気狂 ネコジマ → 陽炎 シロマ>>-35>>a23 「んー……いない人は、いないんじゃねぇすかね。 猫島も、栗栖ニイがいなかったらいませんし」 猫島 稔という奴は、今日に起こった非現実的なことを 受け入れているようで、目を逸らしていて、 そして現実から逃げきれないでいる。 「ほんとうに、みんなみんながいるだなんてことに なるんだったら。それなら」 「……猫島が、くるしいくるしいになっても、 みんな、みんなで花火をするのがいいです」 経験したことのない苦しみを軽く見ているわけではない。 ここを運命のわかれ道だと決めているだけだった。 あなたの努力は実を結んでいるようで、 猫島はあなたが火を恐れているだなんてちっとも思わなかった。 (-36) 2022/07/17(Sun) 16:48:41 |
【秘】 夢中 ユメカワ → 気狂 ネコジマああやっぱり、できる事なら君の傍に居てあげたいなと思ってしまう。 きっと大丈夫じゃないのに、笑って大丈夫を言う君が寂しくて。 それが死者の傲慢だという事に気付いているのかいないのか、 きっと誰も聞きはしないし、語られる事も無いから定かじゃない。 「……ねえ、稔。俺は稔が頑張ってるの、邪魔したくないから」 隣を歩く君の頭にそっと手を伸ばして、 触れられたなら、やっぱり優しく髪を梳くみたいに何度か撫でた。 触れた手はきっと冷たくはなくて、血で汚れてもいない。 「応援してるから」 それから、いつか君がくれた言葉を返した。 きっと今の君は自分と同じで肯定が欲しいわけじゃないから、 いつかの君と同じ、これはただ身勝手な言葉だ。 (-37) 2022/07/18(Mon) 4:27:42 |
【秘】 夢中 ユメカワ → 気狂 ネコジマ「だから俺、ちゃんと待てるよ」 君達が答えを出すまでにもう少し掛かるなら、待っていられる。 君達が生きてしなければならない事があるなら、待っていられる。 ずっとは待たない。君達がこれからを生きていく限り、きっと自分達は いつかは記憶に埋もれて色褪せて、遠い過去のものになってしまうから。 いつか大人になってしまう君達と、大人になれずに終わってしまった自分達が その時も友達のままで居られる保証なんて、何処にも無くて。 「ここに来てくれた皆の事が好きだから。ずっと」 君達には、たくさんのものを手放させてしまったけれど。 そんな自分が多くを望むのは、きっと高望みなのだけど。 それでもやっぱり、できる事なら皆一緒が良い。 皆と過ごしたあの日々が、かけがえのない時間の事が、ずっと好きだから。 皆もきっとそうなのだと、信じて疑っていないから。 (-38) 2022/07/18(Mon) 4:28:37 |
【秘】 夢中 ユメカワ → 気狂 ネコジマ「また会いに行くからさ」 だからきっと、夢川はまた君達の前にやって来る。 『また』が来るのがすぐの事でも、少し先の事でも。 何れにしてもその時は、やっぱりちゃんとそこに居るはずだから。 「みないふり、しないでね」 だからその時も、目を逸らさないで、と。 寂しがり屋を免罪符にしてちょっと強引なお願いをするあたり、 やっぱり昔から、なんにも変わっていなかった。 (-39) 2022/07/18(Mon) 4:29:10 |
ネコジマは、「しませんよ」 ひとこと、それだけ言っていた。 (a26) 2022/07/18(Mon) 6:00:12 |
【秘】 陽炎 シロマ → 気狂 ネコジマ「……そっか。 稔が苦しいのは、私も苦しいけれど……。 君がその方法を選んだとしても、私は止めないよ」 まるで境目をぼんやりと見つめているような子だ、と思った。 両方に足を着けている、と言った方が良いだろうか。 一言で表すならば、『狂い』になってしまうが。 その様に、何だか親近感さえ抱いてしまう。 苦痛だと知っていても尚、選んだとしたら。 貴方の想いは、それ程強いのだろう。 もしくはそれ程に、狂っている。 ああ、来てくれないかなあ。 君のような子にこそ、この いとま で笑って欲しい。「──みんなで一緒にいたい気持ちは、わかるつもりだからさ」 少女はそっと微笑んで、肯きをひとつする。 その横顔は、今までの笑顔とは違って。 ほんの僅かに、憐れみが滲んでいた。 (-40) 2022/07/18(Mon) 12:04:53 |
ネコジマは、わかってもらえてうれしい。 (a27) 2022/07/20(Wed) 21:25:03 |
ネコジマは、滲んだ程度のその憐れみを、心配なのだと思った。だから、 (a28) 2022/07/20(Wed) 21:25:08 |
ネコジマは、わらって頷いて、それで先生と別れていたのだった。 (a29) 2022/07/20(Wed) 21:25:48 |
【置】 友達 ネコジマ【屋根裏】 「──そすね。長かったと思いますよ、猫島も」 「君は猫島よりも我慢がたくさんできるいい子なんですね」 「はい、考えておきます」 「考えておくだけですって」 (L2) 2022/07/20(Wed) 21:33:18 公開: 2022/07/20(Wed) 21:35:00 |
【人】 気狂 ネコジマ【みんなの教室】 と、と、と。 お骨のかんかんを抱えて、猫島は教室に戻ってきた。 教室には誰がいるだろう。誰もいないだなんてことは、きっとない。 「ただいま」 きょろ、室内を見回して。 真ん中あたりの空いてる席に缶を置く。さみしくないね。 それから教室に置いていた花火の袋を開けて、何本か缶の横に添えた。 続けて、動かない身体たちの──確か利き手だったと、 猫島が記憶している方の手に花火を持たせて。 抜き取った靴紐なんかで、落ちないように結びつけていく。 (16) 2022/07/20(Wed) 22:22:45 |
ネコジマは、笑顔で別れを告げて、みんなの教室を出て行った。 (a31) 2022/07/20(Wed) 22:27:20 |
ネコジマは、みんなの自転車を昇降口に運んだ。鍵がかかってた都会組のはちょっと大変でした。 (a36) 2022/07/20(Wed) 23:27:39 |
【神】 友達 ネコジマ──花火が始まる直前頃、メッセージ。 『教室で花火、しますか? しませんか?』 『みんなにはしてもらうんすけど』 『しないんだったら、帰りましょう』 『猫島は昇降口にいます』 『花火が始まったら、 来なくっても猫島は帰っちゃいますからね』 (G1) 2022/07/21(Thu) 6:42:43 |
気狂 ネコジマは、メモを貼った。 (a39) 2022/07/21(Thu) 13:16:31 |
友達 ネコジマは、メモを貼った。 (a40) 2022/07/21(Thu) 16:40:05 |
【置】 気狂 ネコジマ【屋根裏】 「でもなぁ、もうすぐ花火が始まりますから」 そう言いながら、切り口をピッ。 小さく開けてあげる。 切りきらなかった端っこを、 花火を結んだ残りの紐で、 投げやすそうな木材に結んで、 屋根の穴から外に放り投げた。 できる限り、遠くへ、遠くへ──。 猫はおやつを追って飛び出すだなんて 命知らずなことはしませんから、 ただそれを見送りました。 にゃあ。 ひとつだけ鳴いて、とことこ、屋根裏を後にします。 外に落ちているおやつを少し舐めたら、 ぐいぐい引っ張って切れ端を千切って、 誰かのところに持っていくのでしょう。 (L4) 2022/07/21(Thu) 18:23:06 公開: 2022/07/21(Thu) 21:00:00 |
【置】 気狂 ネコジマ【屋根裏】 屋根から射し込む光は月明りよりも陽の光がもうほとんどで。 少しドキドキしながら、猫島は鏡にかけた布をはぎ取った。 「……ああ、なんだ」 鏡にはまた、あの日の猫島がいる。 「間に合っちゃいましたね」 間に合わなければ、それでもよかったのだけど。 (L5) 2022/07/21(Thu) 18:23:43 公開: 2022/07/21(Thu) 21:00:00 |
【置】 気狂 ネコジマ【屋根裏】 「はい、いなくって」 「見つからないだけかもしれないけど」 そう思いたいけど。 「たぶん」 そうじゃないだろうから。 「だから」 猫島はもうたすかりません。 「…君が言った通りになっちゃったのは、少し癪ですけど」 そうなっちゃったんだもんな。 (L6) 2022/07/21(Thu) 18:24:53 公開: 2022/07/21(Thu) 21:00:00 |
【置】 気狂 ネコジマ【屋根裏】 「嘘にしたら怒りますからね。 悪魔だって約束は守るんですよ?」 「猫島がただ単に騙されたならいいんすけど。 ……いやよくはねぇけど。 そんな揚げ足取りの話でもないでしょう」 「うん」 「しあわせじゃなくてもいいです、 しあわせだって思えていたら。 覚めたらそれでいいです。 運命がそう決まっていただけだから」 「それじゃあ」 (L7) 2022/07/21(Thu) 18:25:43 公開: 2022/07/21(Thu) 21:00:00 |
ネコジマは、待っている間、そんなことを送っていた。特にオチはないよ。思いついたからくらい。 (a41) 2022/07/21(Thu) 20:03:44 |
友達 ネコジマは、メモを貼った。 (a42) 2022/07/21(Thu) 20:04:45 |
ネコジマは、友達と一緒に帰りますよ。猫も一緒。 (a43) 2022/07/21(Thu) 20:51:39 |
ネコジマは、花火をちゃんと見なかった。 (a44) 2022/07/21(Thu) 20:52:57 |
【置】 気狂 ネコジマ麻弓ネエが大きい音をさせた方が勝ちとかルール作って、 栗栖ニイが当然のように受けて立って、 牧ニイも面白そうだからってやり出して。 こずネエが参加と一緒にもう少しルール整備して、 夏ニイが一回審査員にされかけたけどそれはフリだから、 雪ニイがふつうに花火持たせてくれていて。 裏ニイもこれくらいになっていたら誘われてくれて、 かなネエもなんか、もちゃ…ってしてたら引っ張られてて、 明日香ネエが最終的に審査員になっていました。 猫島も、当たり前にそこにいるんです。 (L10) 2022/07/21(Thu) 20:58:08 公開: 2022/07/21(Thu) 21:00:00 |
気狂 ネコジマは、メモを貼った。 (a45) 2022/07/21(Thu) 20:58:32 |
ネコジマは、おそらへとんじゃった。すっとんじゃって、もうみえない。 (a46) 2022/07/21(Thu) 20:58:50 |
ネコジマは、あしたのあさにもおりてこない。 (a47) 2022/07/21(Thu) 20:58:55 |
ネコジマは、ずっと猫島! (a48) 2022/07/21(Thu) 20:59:05 |
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