【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ/* チョコラテリア時空は墓でもいいと思います! その後の会話は秘話でしましょうか……!! (-108) 2022/08/18(Thu) 10:55:22 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド/* 了解しました! あとすみません質問事項が増えてしまうのですが……高校からの知り合いならワンチャンアベラルドさんの本名知ってるんじゃないかと思いました。よろしければ本名で……呼びたいな……! 当時から偽ってたとかだったらこのままアビーで行きます! (-118) 2022/08/18(Thu) 12:30:01 |
【墓】 家族愛 サルヴァトーレ>>3:45 アベラルド 「君の方こそ。流石だね、ぴったりだよ」 「きっとあの子も気に入ってくれる。ありがとう」 笑みと共に尋ねられた問いには、苦笑にも似た微笑みをもって返した。 「……参ったな」 「色男にそう勧められちゃね。頂こうかな、お願い」 降参! と示すように大袈裟に肩を竦める。おどけて、砕けたた仕草だった。 なめらかに品物をラッピングしていく手元を見つめながら財布を取り出す。一瞬だけ往来に目をやって、また戻した。 「勿論、お手本のようなお祭り騒ぎさ。君は?」 (+7) 2022/08/18(Thu) 17:08:10 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → piacere ラウラ/* 穏やかでしたね! ラウラちゃん、礼儀正しく可愛かったです! 了解しました〜! あまりにも探られ続けたら今度はこちらから口を出す可能性もあるなと思っていたんですが、死人に口はないので……言う前に死んだんだろうな! と思います。なのでこちらからも特に、ですね。勿体ない気もしますが…… では、ひとまず締めということで宜しいでしょうか。お付き合い頂きありがとうございました! (-136) 2022/08/18(Thu) 17:11:14 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → ノーモアベット マキアート/* こんにちは。 再び日を跨いでしまってすみません。どうしようどっちも死んじゃったなという気持ちです。 よければバーでお話するくらい出来ないかなあと思うのですが、どうでしょうか。相変わらず返信速度はあまりはやくないと思うのですが、それくらいなら出来ないかなあ、という気持ちです。 (-137) 2022/08/18(Thu) 17:14:53 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 小夜啼鳥 ビアンカ花咲くように君は笑う。 朝露に濡れる薔薇のような、完璧なまでの笑みで君がこちらを見る。整ってあでやかな、隙のない表情に、男はいつもまず目を見張る────それが血の通ったつくりものだとわかっているのに。 「そう見えなくなったなら、僕は自分の目がおかしくなったのだと信じて疑わないだろうね」 男に夢を見せる女の仕草。 これに溺れた哀れな誰かのことを、よく知っている。 「はは。わかりきったことを言うじゃないか、ビアンカ」 「少しでも、なんて寂しいこと言わないで。愛してるよ、心から」 気まぐれな猫のようにころころと変わる君の言葉、態度、表情。計算、打算、心算、そこにも一抹程度、本当の気まぐれは混じっているのだろうか。 男は乗じて享じる。つれない女を一途に想う男として君を追う。二人の距離が少し離れて、けれど靴音ばかりは確と耳に届いた。 「お眼鏡に適ったなら光栄だ」 視線につられて自分の靴先に目を落とす。 ぴかぴかに磨かれた黒い革靴。立場柄趣味柄そう安物を履くわけにはいかないし、草臥れた服装も宜しくない。手入れはしっかりしているけれど、拘りがあるとは言えなくて。 君の足元に視線を滑らせた。 ▼ (-148) 2022/08/18(Thu) 18:38:52 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 小夜啼鳥 ビアンカ「確かにね────」 ヒールが地を蹴る。華奢な足元に不似合いに硬質の、つっけんどんな音が響く。 君が硬い音を立ててアジトの廊下を歩いてくるのが、男は好きだった。背筋をぴんと伸ばして、口許をきっと結んで、畳んだ日傘を細身の身体に添えて。真っ直ぐに要件を告げる凛とした姿が、好きだった。 無骨な石畳には、尚更よく映える。 そんなことを考えていたものだから。 その小さな声を、あと少しで取り落とすところだった。 ▼ (-150) 2022/08/18(Thu) 18:39:51 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 小夜啼鳥 ビアンカ小さく息を呑む。 動揺未満の驚きがあって。 一足。 上背の差があるから、一足伸ばせば君に追いつく。 身を屈めて、声を潜めた。 「不安かい? ビアンカ」 「だけど、大丈夫。ボスが君たちを見捨てるなんて、あるわけないだろ?」 「僕たちは家族だもの」 その言葉は酷く陳腐だ。 けれど子供だましでも誤魔化しでもなければ強がりでもなく。 確かで当然な根拠あっての発言であると、そう響く。 (-153) 2022/08/18(Thu) 18:51:05 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 家族愛 サルヴァトーレ多少は、生来の顔立ちもある。 けれどやっぱり、その美しさは作り上げたものに違いない。 だから女は、自分が美しいなんて本当は思っていなかった。 ただ、それが価値あるものであると誇り、 引き金に指をかけ続けなければ、 生きてこれなかっただけだ。 「ふふ」 「ありがとう、あなたといるとお姫さまになったような気分」 「こう見えて、女の子だからね──……」 虚ろな言葉がうわ滑る。 ただ一夜の夢のように、かたちのないものばかりを織り上げて共有する。 それが恋だとしたら、この世界に確かなものなんて何もなかった。 それが恋でないなら、この世界に美しいものなんて何もなかった。 「愛されるのも、褒められるのも好き」 すきよ、と。 女の唇は、濡れたように艶のあるリップを纏う。 かつん。高く鳴る靴音が、あなたの視線を朝靄のように曳いた。 ↓[1/2] (-164) 2022/08/18(Thu) 20:01:46 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 家族愛 サルヴァトーレ↓ 本当に聞き間違いであったかのように、女はその歩幅にも、姿勢にも、一切の違いを見せなかった。 ただ、あなたの語る陳腐な言葉に。 「だといいけど」 笑う。 「もし、私の大切なものがなくなったら、 私とても悲しいわ。 トトー、守ってくれるよね?」 水平線の向こうで輝く太陽のように、にんまりと笑った。 [2/2] (-165) 2022/08/18(Thu) 20:02:08 |
【秘】 花で語るは ソニー → 家族愛 サルヴァトーレ【三日目朝・アルバアジト】 まだ、混乱のうちにある中。誰も、自分たちの擁する内の誰も傷ついていないうち。 敵対するファミリーの人員が二人落ちたことで、警戒する空気がある頃だ。 表の仕事がはじまるのが早い人間だとかが捌けた後、様子を見て相手のほうへ近づいて。 「ちょっと。先にサルヴァトーレさんには、聞いておきたくて。 今の状況、どう思いますか。やっぱり向こうのボス含め、こっちの誰かがやったんでしょうか。 ……空論をこね回すことはいくらでも出来ても、やっぱり確信はなくて。 ひとはどう考えるのか、聞いて考えておきたくって」 小声とはいえ言ってみてから、周りを見て考える。 まだ、誰が何を考えているのだかも判然としていないうちだ。 「廊下にでも出ましょうか。喫煙できるところだとか」 (-197) 2022/08/18(Thu) 23:35:15 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → どこにも行けない ヴェルデ>>3:=4 スープも飲む、と君が口にすれば、男はまた君の頭を撫ぜた。先程より少し強く、よしよし、それでいい、と言った感じに。 「そうかい」 「よく食べられるようになったね。偉いぞ」 食が細い、とは言え。 口にしよう、と思えるほどには変わってきている。それが、男にとっては嬉しかった。 「おや、辛いのも食べられるの? 大人だねえ。……っと」 「こら。全く」 少し茶化したりしてから、財布に手を伸ばす君を軽く制止。店主に微笑んで目配せをして、悠々と自分の財布を取り出す。 「こういう時は、大人に甘えてればいいの」 先程君を形容した言葉を簡単に剥奪してしまう。 長い指で長財布の中を探って、紙幣を一枚。受け取った店主は後ろを向いて、ソーセージを二つ手に取った。鉄板に乗せればじゅうと音がして、当たりを肉の焼ける香りが包む。 (-211) 2022/08/19(Fri) 0:50:52 |
【墓】 家族愛 サルヴァトーレ>>+9 アベラルド 「もちろん、是非ね。聞いてくるさ」 「一番最初に喜ぶのを聞くのは僕だけど、それを聞けるのは君のおかげでもあるのだし」 バレていないよな、と伺う先にはいつもの飄々とした笑顔。 どうせどちらでもこの男は笑うのだ。気づいていてもいなくても、瞳の中に君がいるというだけで楽しそうに。 いたずらを仕掛けられれば嬉しそうに引っかかる。 冗談で強請ったものを本当に買い与えようとする。 そういう男だと、きっと君は知っている。 「ああ、そうなの? 意外だな。もうとっくに見に行ったのかと」 「よければ僕が、エスコートさせていただくけれど」 またそんな風に、懐っこく笑うのだ。 (+10) 2022/08/19(Fri) 1:09:57 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 小夜啼鳥 ビアンカ娼館の女たちは籠の鳥。 みんな各々に事情を抱え、或いは夢を持ち、或いは破れて、春をひさぐ。 彼女らが持つのは己の身体ばかり。華奢な脚と柔らかな羽根ばかりだ。くちばしを武器にすることは許されず、ただ甘いまやかしを囁くためだけにそれは使われる。 一夜の夢の延長線を白昼の下で紡いでいる。 誰も見ない戯曲の終わりが悲劇でも喜劇でも気にする者はない。 売って買われる身体。切り売られる性。都合のいいことだけを謳う唇。 それでも本質的なものを明け渡す気はないと言うように、いつも冷えた目の底。 だから男は君が好きだった。全くの本心、心の底から。 「なら、もっと強請ってくれればいいのに」 「これじゃ召使いにもなれやしないな」 微笑う男は、嘘などつかない。 男は、白馬の王子様ではない。 君の手を引いて連れ出すことは、ない。 ▼ (-224) 2022/08/19(Fri) 1:56:43 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 小夜啼鳥 ビアンカ「もちろん」 いつもの調子で男は言う。 「僕はそのためにいるんだよ、ビアンカ」 微笑う男は、嘘などつかない。 つくことは出来るのだろう。 誤魔化しも出来るのだろう。 隠すことも出来るのだろう。 そのどれも、いつでも、男はしなかった。 いつもただ、真実だけを口にして笑った。 それは浅慮だったのかもしれない。 (-225) 2022/08/19(Fri) 2:01:59 |
家族愛 サルヴァトーレ(匿名)は、メモを貼った。 2022/08/19(Fri) 2:13:28 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → ノーモアベット マキアート祭りの喧騒から二人、逃れるように遠ざかる。 人混みにあてられた身体は、一口も飲んでいないのに火照った。 「少し飲みたいな」 男がはにかんで、真っ直ぐに君の目を見た。 細めた瞳の真ん中に、誰でもない君だけが映って。 「どう? 今から」 (-227) 2022/08/19(Fri) 2:17:33 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニーアジトの隅で全体を見晴はるかす。すれ違うもの、出ていくもの、入ってくるものに声をかける。この子は変わらない、変わった、あとで話を聞かなきゃあ。さて、どうしようか────組んだ手に顎を乗せた、ちょうどその頃だ。 「ン。……」 「やあ、ソニー。ご苦労さま」 近づく君を見て、片眉を上げてご挨拶。見上げるように首を傾げた。 「君はいつも熱心だね。立派だったよ」 言いながら撫でようと頭に手を伸ばす。汲みとって屈んでくれるだろうか。くれなくても問題はないだろう。君の言葉を最後まで聞いた男は緩慢に立ち上がって、今度は上からその頭をぽんぽんと軽く叩く。衣服をぱっぱと正して、向き直った。 「そうだね。吸うなら出ようか」 「僕も少し、考えていたところなんだ」 (-253) 2022/08/19(Fri) 11:16:52 |
【秘】 ノーモアベット マキアート → 家族愛 サルヴァトーレ「オレでよければ付き合いますよ」 真摯な瞳にあてられれば、 勿論断る理由もあるわけがなく。 「明日は夜まで目立った予定がないので、 そちらの気が済むまでお供します」 何せちょうど自分も、 静かに飲み交わしたいと思っていたのだから。 (-264) 2022/08/19(Fri) 13:57:54 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → ノーモアベット マキアート「あは、本当? 嬉しいな」 君の返事で、声音に素直な歓喜が混じる。 つい、と半歩の距離を詰めれば、その腰を引き寄せた。そのままの距離で歩き出す。 「おすすめのバーがあるんだ」 「まだ誰も連れてっていなくてね」 街明かりを離れて裏の方へ。 街灯はあるけれど、皆祭りの方へ行ってしまっているから、人通りは少ない。いつもより寂しい街を歩く。 通りを曲がって入った路地を、また三度くらい曲がったところ。 灯りすらつけない簡素な看板が出ている店が、どうやらそれらしかった。 (-275) 2022/08/19(Fri) 17:39:00 |
【墓】 家族愛 サルヴァトーレ>>+11 アベラルド 「五日目は最終日だから忙しそうだね。四日目あたりにどう?」 ナンパにも冗談にも、けれど本気にも聞こえるような誘いをかける。勿論断ってもいいし、受けてもいい。ここでの二人はただの店員と馴染みの客であって、それ以上でも以下でもないのだ。どんな答えを返したって誰も気にしない。 手を出して商品を受け取る。小さな袋を大切に提げて、一歩下がった。 「それじゃあね。本当にありがとう。直にまた来るよ」 「楽しみにしていて」 (+12) 2022/08/19(Fri) 17:49:22 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド受け取る際に男は君に顔を寄せた。 特に不自然さはない動き。荷物を受け取るのにおかしくはない距離。それよりは僅かに、ほんの少しパーソナルな距離に踏み入って、囁く。 「今夜、空いてる?」 (-278) 2022/08/19(Fri) 17:51:01 |
【秘】 ノーモアベット マキアート → 家族愛 サルヴァトーレ「おっと……毎度のことだけど、 あんまり近いと。困っちゃいますよ」 口ではそう言えども退く様子はない。 仕方ないな、とでも言いたげな雰囲気が滲み出てるようで。 「へえ、アマラントじゃないんですか? 何分行きつけのところ以外に足を運ばなくて…… オレにだけ特別、ってことなら、嬉しいです」 本当に誰も、なのか、その真偽を明かすことに意味はない。 気持ちよく乗せてもらうのが誘われる側のマナーだ。 肩を並べて暫く歩き、目的だろう店を見つければ、 少し興味深そうな目をあなたと店の看板交互に向けた。 (-281) 2022/08/19(Fri) 18:57:35 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレチラ、と貴方の瞳を見る。 それから薄く笑って、「ああ」と肯定を。 「空いてる。どうしたよ」 普段は客に向けない、いつも通りの言葉遣い。 (-286) 2022/08/19(Fri) 19:45:19 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「bene.」 短く。 「そのまま開けておいて。部屋に行く」 告げて。 自然な緩慢さで離れる。パーソナルスペースより少し広い、従業員と客の距離。 そのまま、場は後にした。 ××× (-323) 2022/08/20(Sat) 0:18:55 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド××× その夜。 ノックだかチャイムだかインターホンだか、とにかく君は来客を告げられる。 一応の警戒をするも、平然と迎えるも君の自由だ。結局最後に男が訪ねてくることには変わりないのだから。 (-324) 2022/08/20(Sat) 0:21:16 |
【秘】 花で語るは ソニー → 家族愛 サルヴァトーレ「うん、……オレは特になにも、してないけど」 子供のように扱われると、どうしても弱い。ほとんど反射的に顎を引いて頭を差し出す。 立ち上がった後にも頭を撫でられ、ストレートの髪は頭に沿うようにくしゃりとなる。 それだけならまるで世話をする側、される側のほほえましいそれのよう。 並んで歩き、ついていくように喫煙所まで行く。 建物のベランダか非常階段か、外を見下ろすことは出来るが、地上の声は届かない。 逆もまた然り。扉を閉めれば、風の音しかしなくなった。 「……此度のこと。仕組んだのは自分たちの内部なんでしょうか。 それともやはり、外部の人間による撹乱なんでしょうか?」 (-327) 2022/08/20(Sat) 0:45:23 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → ノーモアベット マキアート毎度のことだから、にこりと笑って誤魔化す。ずるい大人の仕草だった。 「『アマラント』、ね」 「いいところだ。一人で飲むには」 あれがどういうところか、このあたりに住んでいて知らない人間はいない。 だから居心地が良いのだろう、大抵の場合、あそこに行けば顔見知りと出会う。一人寂しくグラスを傾けるなんてこととは無縁でいられる、けれど。 「今日は君と酔いたいんだ。いいだろ?」 つまり二人で飲むには野暮だと。 君の髪を撫でて、小さな木戸を押し開けた。 やはりそう広くない店の中は薄暗かった。それが深い青のライトで照らされていて、幻想的な雰囲気を醸し出している。飴色に光るカウンターの向こうで、初老のマスターがこちらに会釈をした。手で席を示すに従って、カウンターに座ろうか。 (-339) 2022/08/20(Sat) 3:31:36 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニー「おや。謙遜も上手くなったね、驚いたよ」 昔はもっと些細なことでも褒めさせてくれた、と。 もしかしたら口にしたかもしれないけれど、べつに惜しいと思っているわけではないのだ。多少遠慮を覚えようと、年齢に相応しい振る舞いを身につけようと、君が男にとって可愛い子どもなのは変わらない。謙遜したところでこちらは勝手に褒めるのだから関係ない、ということでもある。 喫煙室、というほど上等なものではないが、二人で話すには好都合だ。柵にもたれ掛かるようにして陣取り、君が嫌煙家でないなら男は愛用のシガレットケースを取り出すだろう。ひとつ咥えて、君にも差し出す。君が煙草嫌いなら遠慮しておこうか。家族の健康は何よりも大切だから。 「まだどちらだとも断定できないな」 答えは当たり障りない。しかしそれは慎重さの表れでもある。 「どちらの可能性も捨てきれない。確かなことは、仕組んだのがアルバの人間だとしても、家族の意向ではないってことだけだ」 (-341) 2022/08/20(Sat) 3:56:36 |
【秘】 ノーモアベット マキアート → 家族愛 サルヴァトーレ「そういうことなら。悪い気はしませんよ」 堅い口調とは裏腹に、よく懐いた犬みたいな仕草で、 その優しい手つきを追う。 扉を開けばはっとして、真面目な出立ちを取り繕った。 店内の装飾や照明に目を向けつつ席に着いて。 「……いいムードですね。 確かに二人で飲むにはこの上ない場所です」 僅かに音量を絞った声ではにかむ。 こういった場の雰囲気に慣れてない訳でもないが、 それでも信頼できる相手と二人で、となれば緊張するものだ。 (-344) 2022/08/20(Sat) 4:24:01 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ貴方がアベラルドの部屋の戸をノックして、数秒。 カチ、という音は鍵を開けた音だ。 そのまま扉は少しの隙間を開けて、それから開いた。 「よお。いらっしゃい」 「入れよ」 そのまますい、と貴方が部屋に入りやすいように避けた。 (-363) 2022/08/20(Sat) 12:04:29 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → ノーモアベット マキアート少し殺したような君の声から緊張が見て取れるだろうか。安心を促すように軽く肩を叩いた。 「だろ?」 高い椅子の座面は柔らかく、座り心地もいい。 「こうしているのも久しぶりだね。君は何が好きだった?」 「僕はチェリーロワイヤルsake。お願いね」 カクテルメニューを受け取る。マスターの方を見もしない慣れた手つきだ。よく来るのだろう。 (-367) 2022/08/20(Sat) 13:12:32 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「うん。お邪魔します」 つい、と遠慮なしにお邪魔する。なんの警戒もない、気安い態度だ。 「冷蔵庫、借りるよ」 入るなり、そんな声をかけて。 止められなければ、そのままキッチンへと直行。 冷蔵庫をぱたん、開いて。ぱたん、閉じて。 どうせ君の好きな酒でも買ってきたのだろう。この男はいつもここに来る時、何かしらの土産を買ってくる。 (-370) 2022/08/20(Sat) 13:28:11 |
【秘】 ノーモアベット マキアート → 家族愛 サルヴァトーレ「オレはアンダルシアsakeを頂こうかな。 ……最近はどうも忙しくて、こうしてゆっくりする機会もなかなか珍しくなってきましたからね。 とはいえ辛気臭いお話はやめにしておきましょう。 酒の席には必要ないものですから」 若干のぎこちなさは残るものの、 気遣いに心が緩んだのか、穏やかな笑みを見せた。 (-377) 2022/08/20(Sat) 14:33:00 |
【秘】 花で語るは ソニー → 家族愛 サルヴァトーレファミリーの下っ端となったのは4年前。それから駆け上がるようにして今。 入りたての頃は路地裏のドブネズミに等しかった灰色の獣は、 多少は見栄えするものにはなっただろうか。それでも未だに、青さは見え隠れするのだろう。 この国は喫煙率の低い国ではない。だからほとんど、席を外す口実のようなものだ。 軽く礼を言いつつ受け取った煙草に火を着け、煙を吸い込み舌の上を転がす。 普段呑んでいるものとの違いがあるのか、別の理由か。肺の内側までは入れない。 貴方であれば時折、指先や襟元から煙に混じった甘い着香を嗅いだことがあるかもしれない。 「それは、そう。ボス殺しとそれ以降が同一のものとも、わからないし。 使われているのは銃ばかりだ。手軽で成功率が高く、銃弾をしっかり回収できれば見つかりにくい。 模倣するのは、容易い」 貴方は本来自らが指示を仰ぐ立場の相手ではなく、組織の運営に対する補助的な立ち位置だ。 だから、他者の目のあるところで聞くのは避けたのだろう。余計な混乱を招かないため。 互いの煙の混じり合うような距離で、ジェイドの目が相手を見上げる。 「もしも先走った裏切り者を見つけたら、どうしますか?」 (-378) 2022/08/20(Sat) 14:33:29 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ部屋の中は物が少ないなりに生活の色が見える。 落ち着いた色の内装の中に、壁に貼った花の栞や古ぼけた蓄音機など趣味の物も見られる。 そんな風景も貴方には見慣れたものだろうか。 冷蔵庫の中には、いつも最低限度のもの。あとお酒。 ……今日は一つチョコラータの箱もあった。 「あ、おい。……なんだよ、毎度毎度いいのに」 そう言う声も、嫌そうな雰囲気はない。 こちらもこちらで慣れている。 「適当に座れよ。何飲む?」 (-380) 2022/08/20(Sat) 14:46:32 |
【秘】 どこにも行けない ヴェルデ → 家族愛 サルヴァトーレ撫でられるとやはり、きゅっと目を瞑る。 何と答えればいいのかわからなくて、開いたり閉じたりする口は。 「……選り好みなんかしてられないだろ」 迷った末に、そんな生意気な言葉を吐く。 大人だなんて言われるのは、こども扱いされているからこそだろう。 その証拠に、すぐに取り上げられてしまうのだ。 翠の瞳が、じとりとあなたを見上げる。 「ああ、またそうやって――」 「これぐらい、べつにヘーキなのに」 なんて、文句を言ったって、もう遅い。 じきに焼き上がるそれを、店主から手渡されることだろう。 「……なんかしてもらうとさ、何も返せるものないのになって思う」 「それこそ仕事するぐらいしか」 (-381) 2022/08/20(Sat) 14:48:02 |
【秘】 小夜啼鳥 ビアンカ → 家族愛 サルヴァトーレ「ゆさぶって出てくるようなものは、女の子が欲しいものじゃないの」 くす、くすと零れる笑みは、喉の奥のふるえ、筋肉の動き、そしてこみ上げる喜びすらもてずから作り上げたつくりもの。 手を引かれることを、本当は望んでいたの かもしれない。 けれど、手よりも先を預けるつもりはなかった のかもしれない。 本心は、自分だけ。 どれだけ血とごみと、裏路地の泥にまみれても、籠の中の薄汚れた小鳥一匹だけを抱えて離さない。 ――そのことを彼女は誇り、そして蔑む。 そのままに付き合ってくれるあなたを、彼女はわりと、好きだった。 「理想はね、何も言わずともくれるものだし」 塗り固めたような笑みが、透き通るような微笑へ変わる。 瞼が僅かに伏せられて、あなたの笑みを受け止めた。 「――ええ。 信じてる。 もちろん、次はたっぷりサービスしてあげるから」 次、なんて言葉に。 いつだって、甘えていた。 (-390) 2022/08/20(Sat) 15:54:34 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニーきらりと光を捕まえるジェイドの瞳。それを男は可愛く思う。 男は君を子どものように扱うが、その実君が最早ただの子どもではないことをきちんとわかっている。 それでも、だからこそ、少しでも変わらぬところを残していてほしいと思いながら。 陽光を跳ね返すその翠に目を細めた。 「裏切り者がいたら?」 対照的に深く息を吸う。馴染んだ味を染み渡らせる。 「どうだろうね。僕は────」 男は、少し笑って。 「家族を殺したくはないな」 甘い言葉を吐く。 「そうならないために、僕がいるのだから」 顧問。 ファミリーの一員でありながら、それらの立場から少し浮いたところにいる存在。 直接的に何かを行うことは本来少ないはずのその立場にありながら、男はまるで中間管理職でもあるかのようにせっせと現場に足を運ぶ。 「なにか苦しいことはないか」 「なにかつらいことはないか」 「なにかいやなことはないか」 「家族が裏切り合う前に、どうにかできないか」 「それが僕の役目だからね。……参ったな、どうしよう」 ▼ (-407) 2022/08/20(Sat) 17:56:56 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニーファミリーの仕業なら、僕がみんなを見られていなかったってことだ。 そんなことを暗に滲ませる様は、なんとなく楽観的に見えるだろうか。 組織を家族に例えるのではなく、もっと親密さを持って。そのまま家族だとするような口調は、似つかわしくない温度を持つ。 「君は、どうしたい?」 (-408) 2022/08/20(Sat) 17:57:08 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → ノーモアベット マキアート「なら、それを」 マスターにオーダーを告げる。マスターの手つきは流麗で、カクテルを作る音もほとんど立たない。 「確かに忙しいけれど、僕は楽しくさせてもらっているよ。可愛い家族に会えるわけだし」 「君のところも、上々のようだね。よく話を聞く」 やがてやはり静かにグラスが差し出されれば、軽く持って乾杯を。 (-410) 2022/08/20(Sat) 18:04:09 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「いつ来ても片付いているね、ここは」 「そういえばどうだったの? 行くって言ってただろ、新作のオペラ」 君の人となりがわかる調度品。こじんまりとして、しかし確かな存在感を持った趣味の品。 そう代わり映えしないそれらを、来る度男は面白そうに見遣った。何かが増える度にこれは、と聞いたものだ。時には勝手に持ってくることも。 「いいもの飲んでるね、ドニ」 冷蔵庫におさまったワインのラベルを指でなぞる。 「うん?」 それからチョコラータの箱に目を留めた。 見慣れないパッケージだったのかもしれないし、それがこの冷蔵庫に似つかわしくなかったからかもしれない。 「試作品?」 軽やかな口調で問いかけながら振り向いて。 二人でいる時、この男は普段より少し早口だ。 (-412) 2022/08/20(Sat) 18:19:12 |
【秘】 花で語るは ソニー → 家族愛 サルヴァトーレ「その目的がファミリー同士の混乱を招くことでなくとも、 こうして向こうを焚きつける理由になりえるのだったら、放置はできない。 それが上からの指示ではないとわかったなら尚更、その責務は背負わされるべきだ。 味方の首に手を掛けておらずとも、誰の命に背信しているかを識らしめないといけない」 冷たい判断、ではない。そうあるのが必然だ。 それがわかっているからにこそ、蛮勇の主は名乗りを上げてこないのだから。 未だ自分たちの中から被害は出ず、明日の結果を知らぬうち。 水面下の動きをいくらも想像してはそれが空論であることを、己に叩き込んでいる。 酷く、酷く優しい言葉を受けて、しばし耳を傾け口を閉ざした。 眼下遠くに見える街の彩りと霞ませる煙のゆらぎに目をやって。 まだ火の着いた煙草の先には、薄暗い灰色が伸び始めている。 「オレは、オレなら……見せしめのために、殺すでしょうね。 互いの停戦の理由としてこの上なく相応しい。 首一つの扱い如何でコレ以上の被害を増やさずに済むのなら、それでいいと思います」 どうしますか、と男は言った。どうすればいいですか、ではなく。 自身に対する指示を仰ぐのではなく、貴方ならどう対処するか、と聞いたのだ。 おそらくは無意識の言葉選びだ。何か狙いのあったものではない。 であれば何が、深層心理の水底から表層へ上がってきたものなのだろうか。 (-413) 2022/08/20(Sat) 18:37:31 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ「散らかるものがねぇんだよ。物が多いと面倒臭え」 「ああ、あれな。良かったよ。評判通りだ。 もう一度見に行ってやってもいい。お前の分のチケットも取ってやろうか」 面倒臭いだの怠いだの言う割に、片付けを放り投げる真似はしない。 プライベートでも仕事でも本当に面倒な事になる前には動く方だ。 部屋に並ぶものは人に貰ったものも多い。 それこそ、貴方がそうやって持ってきたものも並んでいる事だろう。 「それなぁ、バーのマスターに譲ってもらったんだよ。いつも来るからって。飲みたいなら出すぞ」 「……何? あー、それ」 冷蔵庫の中を後ろから覗く。何の話かと思ったが、すぐに合点がいって。 「今度売り出す新作。ルチアが気に入ったらしいんでな」 またやるんだ、と。 ……アベラルドも、貴方と話す時は口調も態度もいつもよりは軽い。 (-415) 2022/08/20(Sat) 18:40:05 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → どこにも行けない ヴェルデ君の言葉を、男はじっと聞いていた。 赤に近い紫の瞳は慈愛を宿している。 ────高い位置から降り注ぐそれは、やや翳って見えるかもしれない。きっと気のせいだ。 「返してほしいものなんて何一つないさ」 男が身を折る。君の上に影が落ちる。空気を含んだ柔らかい声が、君だけに聞こえるよう囁いた。 「愛してるよ、ヴェルデ。どうか、ただ受け取っていて。 ────君が僕に、何かをしたいと思うなら」 そのまま、君の頬にキスを落とすだろう。もちろん嫌がられなければ、の話だ。僅かにでも拒むのなら、にこりと笑って引いてくれる。それから何もなかったように焼きあがったものを受け取り、店主に礼を告げた。 どこかに座るにしろ歩くにしろ、ひとまず店からは離れなければいけない。店頭は先程より賑わいを増している。 「行こうか」 「選り好み、すればいいじゃないか。どうにも君たちはわがままってものが苦手みたいだけど」 (-416) 2022/08/20(Sat) 18:44:47 |
【秘】 ノーモアベット マキアート → 家族愛 サルヴァトーレ「仕事に託けて会いに来てるんだ?……ふふ、 悪いことばかりでもないのは救いですね、本当に」 軽快な音を立てグラスを打ち合わせて、 琥珀色を唇から舌に乗せ、飲み込む。 「……はい。おかげさまで。 やはり家族も客も皆あの賭博場を愛してますから。 間違っても噂話のお陰じゃないと信じたいですが」 (-421) 2022/08/20(Sat) 19:08:03 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 陽炎 アベラルド「違いない」 「へえ、じゃあお言葉に甘えようかな。連れて行ってよ」 笑みを含んだ同意。それから素直に誘いに乗る。 先導して何かを与えることが好きな男は、しかし君からの厚意はいつも素直に受け取った。こうして音楽鑑賞に出かけたことはこれまでもあっただろうし、食事を共にしたこともあるだろう。 男は食事も娯楽もなんでも、君に提案されたものをそのまま喜ぶ。だからこそ、本当に好きなものが見えにくくもあった。 「飲みたいなぁ。やっぱり赤より白だよね」 こんな、簡単な二択が時々零れることはあれど。 「へえ、ルチアか」 思い出そうとするような素振りは見せず、すぐに名前を反芻した。多くいる構成員の全てを、男はほとんど完璧に把握している。よくアジトに顔を出す者であればなおのこと。 名前と顔を一致させる手間なんて必要ないのだ。 「可愛がっているね、随分」 「わかるとも。家族は大切だからね」 冷蔵庫の前を君に譲る。準備してくれると言うなら任せよう。 手頃なソファにでも座って、もてなしを待つだろう。 (-427) 2022/08/20(Sat) 19:15:45 |
【秘】 陽炎 アベラルド → 家族愛 サルヴァトーレ「進んで物買う性分でもないしな」 「それじゃあ今度連れてってやるよ。席の広さも悪くなかったし、 聞いてる途中で疲れるこたぁないだろ」 親しい人には、アベラルドも施したがる方だった。 貴方から貰う事も、貴方に渡す事も、きっと前から好きだった。 以前、『嫌なら断ってもいい』と声を掛けたことはあるかもしれないが。 「だよなぁ。俺も同意見。なら用意するか」 そう言って冷蔵庫からボトルを取り出し、 栓抜きを取り出してコルクを抜く。 ポン、と小気味いい音が響いた。 「そりゃあ……まあ、な。放っては置けないし」 「色々あんだよ。懐かれてるし……」 モゴモゴとそう言いながら、ワイングラスを二人分。 透き通ったリースリングが品の良い香りを立てて注がれていく。 それから、隣に座って片方を貴方に差し出すだろう。 (-435) 2022/08/20(Sat) 19:30:14 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニー「……」 男が君の言葉を遮ることはない。 君が話す時、男はいつも黙って君の瞳を見つめる。慈愛、親愛、友愛、諸々のあたたかなものを湛えて、じっと見るのだ。 指先だけが軽く動いて灰を落とした。 「そうだね、ソニー」 「君は正しいよ。昔から賢明だとは思っていたけど」 最低限の犠牲を払って大きな利益を手にする。 残酷でも無情でもなく、当然に普通のことだ。大きな組織では平然と行われることだし、ことこの社会では特に珍しくもない。末端を切って中枢を守れるなら誰だってそうするし、避けられる争いは避けるが道理だ。 「きっとそうなるんだろう。本当に下手人が僕らの中にいるのなら」 「ファミリーが抱えているものはあまりに大きい。全員が全員、自分の身を自分で守れるわけでもないし」 首一つ。たかが首一つ。 それで収まるなら、確かに安い話だ。 ▼ (-437) 2022/08/20(Sat) 19:37:27 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニーされど首一つだ。 「逃がしてあげたいな」 「……だけどね、僕は今回ばかりは、そうじゃないと思ってる」 「だって、ね。真っ先にいなくなったのは、アマラントのマスターだって話じゃないか」 彼の遺体は見つかっていない。しかし誰もがわかっている。 「あそこはある種不可侵の領域だった。ここいらのマフィアにとってはね。もちろん、ノッテにとっても」 「そこをわざわざ潰すっていうのは、もっと大きな意図を感じる。この島自体に対する宣戦布告、みたいなもの────」 (-438) 2022/08/20(Sat) 19:47:23 |
サルヴァトーレは、家族を愛している。 (c6) 2022/08/20(Sat) 19:49:48 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 小夜啼鳥 ビアンカ「おや。これは手厳しい」 くっくと喉の奥で笑みを転がす。君の靴音と相まって愉快な調べを奏でた。 「君たちはよく似ているよ、本当に」 『君たち』と。 男がひとまとめにするのは、金の髪のあの子のことだ。素直で従順な彼もまた、男に対しわがままを言わない。 もう少し甘えてくれるといいのだけど、そんなふうに小さくごちる。 「────そう言ってくれるなら」 舌の上で転がす言葉。 ただの音は君の唇を滑って、甘やかな魔法になる。 「裏切るわけにはいかないな」 魅せられずとも、男はそう答えたろう。 (-441) 2022/08/20(Sat) 20:01:16 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → ノーモアベット マキアート「その通り!」 クイズ番組の司会者のようなおどけた言い方で肯定して、朗らかに笑う。 「全くだよ。知ってるかい? ブルーノなんかは子どもが産まれたんだってさ」 「何が欲しいかって聞いたらベビー用品だって言うんだ。おかしいだろ? あんなにお酒が好きだったのに」 愉快そうに喉を鳴らして笑う。しかしその笑顔は馬鹿にしたものではなく、愛おしむそれだった。グラスをカウンターに置いてから、靴下がこんなに小さいんだ、と片手で円を作って見せる。 「あは、あの噂か。誰が流したんだか」 「妙な輩に絡まれたりはしていない? まあ、そんな無謀をする奴はいないと思うけれど────」 男の視線が君のかんばせに注がれる。そのままなぞるように下へと視線を滑らせた。 着込んだ布の下のその肌を、男は知っている。 「君は美しいから」 (-446) 2022/08/20(Sat) 20:12:46 |
家族愛 サルヴァトーレ(匿名)は、メモを貼った。 2022/08/20(Sat) 20:52:40 |
【秘】 花で語るは ソニー → 家族愛 サルヴァトーレ見詰め返すジェイドの輝きは、太陽の下にあって尚その深さを増した。 いつだってその中には輝きがあった、若く無謀な、足元の危ういものだ。 ここ数日、その色は強く冴えている。まるでその有様を表すかのように。 「そう、ですか。的はずれなことでなければいいいんだけれど。 いつでもオレは、場の全てを見ていられるわけじゃないから。 違えがあるのなら正してほしいとそう思ってますよ」 だからこそ、ああして発言をするのだろう。皆の前、推理をするように。 導くものの口先と手先に引かれていれば、どんなにか楽だろう。 嗚呼、貴方の言葉は優しい。きっとすみれの色は円満な解決を願うのだろう。 手を伸ばせば届きそうな距離で、まばたきがひとつ、ふたつ。 カメラのシャッターを切るように、はっきりとしたものだった。 何かを心に秘め、決意するように最後にもう一つだけ目を閉じ、開いた。 「……貴方が、そう言うのなら」 秘跡が成立しないのならば、やはり自らの罪は己の内に仕舞われるべきものなのだろう。 声音は安堵するように柔らかく、諦めるように堅苦しかった。 魂の呪縛から解放されたように、滑らかな動きで灰皿の中へと灰を落とす。 (-454) 2022/08/20(Sat) 20:55:52 |
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