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【秘】 花で語るは ソニー → 無風 マウロ/* まうまう〜〜〜〜〜 取り急ぎ業務連絡ですが、 ・殺害時のシチュエーションは拳銃一発のため、生きているのはおかしくない状態 ・弾丸は回収しておらず。貫通しなかったのかもしれない。 拳銃と照合すれば状況証拠的に一致する可能性がある程度 となります。 また、これはお答えいただかなくても問題ない話ではあるのですが、 今後何らかの窓でソニーのことを告発する予定はありますか? レギュレーション上問題ない範囲であればそれはOKかな……と思っているのですが、 別口進行中のロールに関わってきそうなので一応お伺いできたらうれしく〜 (-11) 2022/08/20(Sat) 21:11:35 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ/* そんな気がした そんな気がした 一応早い内でのご確認なのですが、 ・ヴェネリオさんの殺害を行った人間は決まっていますか? ・ヴェネリオさんの死体を発見することは可能ですか? その辺り既に相談済みであればお気になさらず……こちら問題なく…… 上はおそらく話がついてる気がするので…… (-14) 2022/08/20(Sat) 21:15:41 |
【秘】 無風 マウロ → 花で語るは ソニー/* はいまうまうです〜〜〜 状況把握しました、辻褄が合う形で蘇生していただいているので問題ないかと思います!ありがとうございます。 今のところは告発の予定はありません! 敵対組織の者だと分かっていればエピローグあたりでもしかしたら……くらいの気持ちでいます。今のところは大丈夫かと! 言うとしてもツィオ辺りにこそっとお話するくらいです。幹部クラスまではいかないものと思っていただければ〜 (-16) 2022/08/20(Sat) 21:17:23 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 花で語るは ソニー/* 来るような気がしてました。 死亡報告書を秒で取り消しました。 ・今回の死因は事故のつもりでテキストを作成済みですが、 一切の他PCとの死因に関係するロールの予定はついておりません。また、確定もしておりません ・死体は病院に連れて行かれる予定なので、見つかります。 早期のご連絡をありがとうございます。 (-19) 2022/08/20(Sat) 21:19:27 |
ソニーは、『キリストの血が天空に流れている』のを見た。 (a0) 2022/08/20(Sat) 21:22:29 |
【秘】 花で語るは ソニー → 無風 マウロ/* 了解いたしました! であれば状況如何は多分そちらで自由に作っていただいてOKかな……と思います! まだ殺すところまで行ってないからつじつま合わせがしやすい OK ソニー自体は暗殺者なのであんまり情報屋にも知られてないほうかな…… (別にフレーバー以上の意味はない 顔バレヒットマンはかっこ悪すぎるから) と思うので、エピローグで合併後……みたいな形になりそうだな〜と思いました。 引き続きロールのほうもよろしくお願いします……! (-35) 2022/08/20(Sat) 21:36:24 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ/* 苦悩苦悩of苦悩になってしまいました。 理由としては3日目夜の時点でどちらかが死んでいたなら、 もうちょっと踏み込んであれやこれやをする覚悟がソニーにも強筋にもあったのですが、 そこで両者生存となったためにそこまで至らず引き返してしまったんですよね…… なので改めて殺しに行くという行動に出る線が薄く、 事故ということなら、事故になるな……という結論に至りました。勝手に? そうしたら病院に忍び込んで会いに行こうかな 死体に 仇失い精神グラグラ崩壊寸前男の駄々っ子を見せてやりますよ ご回答いただきありがとうございました。 おそらく既に作成いただいている死亡報告書に変更加えていただくことはないかな? と思います。 報告書出次第改めて秘話お伺いしにいく予定ですが、 病院や監視の様子なんかが食い違うとご面倒な場合はそちらからいただいたほうがいいのかなとも。 こちらからは以上になります。 (-43) 2022/08/20(Sat) 21:51:27 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー「匂いが気になるか。 ……何、一人瀕死の男の手術をしてきただけだ」 俺は医者並の腕があるんだよ、と嗤う。 だからやるべきことはやってきた、という顔だ。 「気が変わる前にやらないと、俺とて何をするかわからんぞ?」 耳たぶを好きに触れられようとも、タイを外されようとも抵抗はせず。 飲みかけの酒をそろりとテーブルに置いた。 首筋まで官能的に撫でそわされた手付きが、ぞくりと肌を刺激してきて、ふるりと震える。 「そんなわけないだろう……俺は。 別に、嫌ではなかった」 言われるがまま、口をあけ、何かを待つ、 なにか音が聞こえたけれど、気にもとめない。 何を飲まされようと、今日は受けるつもりだった。 「お前の私怨も、想いにも、最後まで付き合ってやる。 だからもう……俺で最後にしろ。全部、受け止めてやる」 誰が受け止めてくれずとも、俺であれば、好きなようにできるだろう? (-44) 2022/08/20(Sat) 21:55:33 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー/* ロールの最中にすいません。 死亡報告書を書かねばならないので、死因はどうするか話し合えればと思います。 こちらは、特に抵抗する素振りは見せませんので、好きなようにしてもらえればと思っています。 (-47) 2022/08/20(Sat) 21:57:13 |
【秘】 花で語るは ソニー → 永遠の夢見人 ロッシ/* お疲れ様です。強い筋肉の描き方です。 本当はロール挟みつつやりたかったけどGo For Nowで纏まらんので報告です。 5日目の投票先は『ソニー』 5日目の監視対象は『コルヴォ』 になります。 あの世〜(PLの壁打ち) このシステムメッセージといいPLからロッシさん経由で来た連絡といい推測される流れといい、 これヴェネリオさんが死之商人でリカルドさんが死んだからシステム自害したんじゃんけ リカルドさんを殺したのはオレやんけ 前日の時点で二人共死期悟ってるやんけ おれのせいやんけ おれの オオアオ ヴェネリオさんはあの〜〜〜お別れ〜〜〜したけど〜〜〜〜〜 おれの〜〜〜〜〜育ての親で〜〜〜〜〜好きな人で〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 三日目で殺すか殺されるかするルートを考えていたのに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 不発で〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜今死んで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 終わりや 終わり 終わり終わり終わり いまはじめて人間にこの話をしました 終わりや (-53) 2022/08/20(Sat) 22:05:39 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド/* お疲れ様です。強い筋肉の描き方です。 一応死亡状況の筋書きはあるのですが、程度問題的に受け入れられない部分があるかな……と思い、 数パターン用意させていただきました。 選んでいただいたものにそってロールも合わせる予定ですので、 リカルドさん側の状況や都合を加味して選んだりアレンジしていただければ幸いです。 また、どれも蘇生される可能性を加味しているものですが もしエピローグ開始時に蘇生された場合にはその過不足相談していただいても大丈夫です。 1.交渉中の死 死因:自動拳銃による射殺、頭部を狙ったもの 遺体の様子:こちら側で遺体はある程度不自然ないようにした後、衣服を着せたものになります。 交渉の際に相手とのやりとりが決裂したなどの理由で死んだように見せかけたものです。 手には拳銃が握られており、握った手元に硝煙反応が確認されます。 2.闇討ち 死因:自動拳銃による射殺、頭部を狙ったもの 遺体の様子:こちらは遺体を清めたりせず、情事の痕跡の残ったままの状態になります。 状況証拠的には、VIPルームでの性行為のあとにその相手or第三者に撃たれて死んだように見えるかと。 司法解剖などを行えば、消化管からセックスドラッグ(初日に購入したものです)が確認されるでしょう。 また、手には拳銃が握られており、握った手元に硝煙反応が確認されます。 3.薬物投与 死因:薬物の過剰摂取とアルコールによる急性中毒、心不整脈 遺体の様子:上記と同じく、情事の痕跡の残ったままの状態になります。 性行為の際にセックスドラッグとアルコールにより絶頂と共に死亡した、ように見えます。 遺体の様子自体もあまり綺麗なものではなく、争いの形跡は無いものとなります。 また、リカルドさんの衣服からは普段携帯いただいているものとは別に拳銃が一丁混入しています。 たぶんこれが一番不名誉なものになると思うので、無いかな……と思いつつ一応添えておきます。 どちらかというとアレンジの際の参考文献として書いたものになりますね…… (-65) 2022/08/20(Sat) 22:30:14 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド/* 発見場所は共通して、このクラブのVIPルームとなります。 また、握らせた/懐に忍ばせた拳銃はマウロを撃ったものであり、 なおかつ初日に購入したもの=リカルドさんが取り扱っている商品となります。 照合すれば彼の体または撃たれた場所から回収された銃弾と一致するでしょう。 不明点や訂正したい点、要素の追加/削減など、お申し付けいただければこちらも考案いたします。 悔いの無いよう、一緒に考える材料となりましたならば幸いです。 (-66) 2022/08/20(Sat) 22:31:41 |
【秘】 永遠の夢見人 ロッシ → 花で語るは ソニー/* ロール挟みたかったのありがとう〜〜〜〜 いやこんなんロール力どっか行っちゃうよ様々がドカドカ起こりすぎ。 前日の時点で二人とも死期悟っていたのはそうだけど、 ヴェネリオの絶望死は実はお前が原因ではないよ〜〜〜 (リカルドは邪気陣営ではない) そう、そう。三日目で殺すか殺されるかルートを見ているのは報告もらった時に見えていたけどヴェネリオ死之商人でよ〜〜〜運営も「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」って言っていました。そして昨日の諸々の処理報告を聞いた時も「ま゙っっっっ!!?!」ってなっていました。その辺りの役職絡むこと人に言えないねぇ〜〜〜〜運営は見ているよ聞いているよ、は〜〜〜〜世界〜〜〜〜〜〜〜〜 それはそれとしてあのシステムメッセージは 本当に罪だから取り締まった方がいい。 閑話休題。報告ありがとうございます、確認しました! ウワァ自殺票…PCが引き寄せている感あって苦しくなる…。 投票先そのままで日付変更をお待ちくださいませ、え〜〜つらい〜〜! (-68) 2022/08/20(Sat) 22:36:15 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 花で語るは ソニー/* 幹部なもので客は多いかも知れませんが静かな時間もあると思います。一番泣きそうで離れなさそうな部下も、おおよそ其方が始末して下さっているので大丈夫でしょう。 病院でソニーという名を名乗った男は通すように話は通して降りますので、気にせず入ってきて下さい。 あまりノッテファミリーと顔を合わせないように心がけて下さるとヴェネリオも浮かばれます。 連絡ありがとうございました、事故で死にました。 (-70) 2022/08/20(Sat) 22:40:23 |
【秘】 ノーモアベット マキアート → 花で語るは ソニー少なくない回数の経験がある尻穴は、念入りに擦ってやれば、さほど時間もかからずに緩く解れていく。 奥を探ろうとされれば拒むように控えめに締め付けて、けれどじんじんとした内臓の疼きを感じれば耐えかねるように拡げ、今度は咥えて離さない。 張り付いていた下着が引き剥がされて一物を直接触れてもらえたら、悦びに震えるように腰が躍った。重くないように、という気遣いなんてもうない。体重を支えられるほどしっかり足を伸ばせなくなって、背凭れに寄りかかる。 「な、ソニー……鍵は、かけたけど、 もし何かの、手違いで、ッあ── 扉が……開いちまったら、さ? こんな格好して、ァ、きっとすごく、 恥ずかしい目に、遭うんだろうな……」 髪の香を肺に入れて、粘膜の音と羞恥を煽るような言葉を耳にし自分でも口にして。顎を引いて自分の身体を見下ろすようにしたら、愛撫を与え、受けているたくさんの肌色が視界に入って、五感の殆どから犯されているような気がする。 マーキングされるごとに、文句の一つを言いたい気持ちと、それを塗りつぶすような快感と被支配欲が湧いて出てきて、閉めるのを忘れた蛇口みたいに喘ぎと吐息が溢れていった。 (-71) 2022/08/20(Sat) 22:42:14 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー/* もったいないおばけです。 案それぞれ読ませていただきました。 マウロ殺しまで押し付けられててひどくて笑っちゃった(最高ですね) 3も大変に良いかと思いますがツィオが泣いちゃうので。 2を選ぼうかと思います。 性行為の後は残しましょう、そうしましょう。 そのような感じで報告をあげます。 ロールの方はどうぞ最後までお付き合いください、よろしくお願いします! (-74) 2022/08/20(Sat) 22:52:58 |
【神】 花で語るは ソニー【アルバアジト】 男は、普段こうしてそれぞれの顔があることを確認する、いつもの時間には訪れなかった。 有事の状況に備えるためにある程度人が集まり、捌け始めた頃にようやく足を踏み入れるのだろう。 連絡の一つも無し、死んだのじゃないかと邪推され、 端末に掛けられた連絡をすぐに落とすその動作でやっと生存が確認されたくらい。 冷静でもなければ、賢くもない。取り乱したような残響だけがあった。 (G3) 2022/08/20(Sat) 22:58:26 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド/* 凶器の偽装の為だけに貴方の元から銃を買い付けました マジで悪い ボケナス 改めてお引き受けいただきありがとうございます。 こちらこそ、引き続きよろしくお願いいたします。 (-76) 2022/08/20(Sat) 23:00:54 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ/* 了解しました。 すみません、感情がメチャクチャの男を全力で寄りかからせていて…… 改めて面会ロールの方は秘話にてお送りさせていただきます。 他の方の白茶・秘話での面会とは齟齬のないように致しますので、 ゆっくりにはなるかと思いますがお付き合いいただければ幸いです。 ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。 (-81) 2022/08/20(Sat) 23:14:16 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニー男は家族を愛している。きっと誰よりも。 彼はアルバの名の下に集う全てを愛した。全てに心を割いて本当の家族のように接した。誰よりも彼らを思っていた。 けれどそちら側として身体を許したのは君だけだ。 ぎらぎらと瞳が光を増す。焼き付けるようにゆっくりと瞬くさまは、まるで映画のスローモーション。 ────消える直前の火は、一際強く輝くという。 男は、君の頬に手を伸ばした。 指の背で触れる。右の頬を撫で、それから左の輪郭を同じ優しさでなぞる。 ▼ (-91) 2022/08/20(Sat) 23:43:25 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニー「ソニー」 形のいい唇が君の名を紡ぐ。男は眉を下げて目を細める。 それは眩しさに目を細める表情に似ていた。 或いは痛みに耐えるようでもあった。 「僕は、君のことも愛しているよ」 すり、と撫ぜる手が後頭部に回る。梳かれた髪が軽い音を立てた。風の音だけが聞こえる。地上の喧騒は届かない。 赤に近い紫の瞳。すみれ色の瞳。燃えるような夕焼けの後の、夜闇の一つ手前の色。 ただ穏やかに誘う色が、何もかもを抱いて包む色が、君を見ていた。 (-93) 2022/08/20(Sat) 23:53:31 |
【秘】 花で語るは ソニー → 墓場鳥 ビアンカ/* オオオオオアアアアアくたばってたけど急いで駆けつけてしまった 嫌だ そんな凄惨な状態を仲間にも敵にも見せられへん 死体の発見に挙手したいのですが大丈夫でしょうか? 丁重に 丁重に 丁重に扱います…… (-95) 2022/08/21(Sun) 0:41:42 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → 花で語るは ソニー/* ありがとうございます。 想定だと、ヴェルデが殺られたので下手人探しであちこちに首を突っ込む⇒裏社会で目立ったせいで、他国のマフィアがファミリー同士の抗争を煽る目的で拉致って(いろいろしたあと)殺す⇒娼婦とアルバを侮辱するメッセージを体に書いてゴミ捨て場に遺棄 なのですが、死体の状況や過程ふくめ 自由に描写してくださってかまいません。 死化粧はお任せいたします。 (-96) 2022/08/21(Sun) 0:45:45 |
【秘】 花で語るは ソニー → 墓場鳥 ビアンカ/* ウーッ(苦)(苦)(苦) 了解しました。 死亡報告書を加味した上で、後日改めて秘話にて投下いたします。 整合性チェックなども踏むので多分のちのちになるかと思います。 お受けいただきありがとうございました、おやすみなさいませ。 (-98) 2022/08/21(Sun) 0:52:00 |
【秘】 無風 マウロ → 花で語るは ソニー煙草に火を点けて、ぼんやりとした風にゆっくりと煙を吸って。吐いて。 それを2度繰り返したら。 口の中にビールを流し込んで、火照る感覚に身を任せる。 いつもよりもずっと、酔いが回るのが早い気がした。 「……さあな。 ただ、胸に穴があいたような気持ちだ。何も返せないまま、あの人は死んだ」 「癒すために、ひとりの時間を増やしてはいたんだがな。……お前も?」 そうは見えなかった、と意外そうに視線を向ける。 君は楽しそうで、すごく明るく見えたから。 楽しいことで紛らわそうとしていたんだろうか。 もう一度、口の中に瓶を傾け。 中身が半分ほどなくなってきたところに、君の足音。 人とこんなに近くで接するのも、滅多にないことだ。普段なら、すぐさま距離を取っていただろうけれど。 きっと君の言う通り。自分は弱っているんだろう、と思う。 「………」 泣いたりはしないだろうけれど、それでも。 君の手を振り払う事はなくて。ただ無言で、受け入れていた。 何となく、そうしたい気分だった。 (-100) 2022/08/21(Sun) 1:11:16 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド「アンタの立場って、そんなことまでしなくちゃならないの? 出世頭の扱いだったって聞こえてくるけどね。それとも、それがお気に入りられなのかね」 意外だとは感じたものの、思い当たるなにかというのは今はまだ、無かったらしい。 それに気づいていたなら何か変わりはあったかもしれないが、さして伝えるべき話でもないだろう。 解いたタイを片手にくるりとまきつけ、ジャケットとベストの釦を外して肩をぬいていく。 いつかの時にも同じことをしたのに、まるで勝手も手付きも違う。 ただただ情交を想起させるだけに留まっていた時よりもずっと手の平は膚に張り付き、 アルコールの摂取の為に上がった体温が僅かに掌を湿らせる。 それがまた乾いた皮膚とはずいぶんと違う密着と、人間の気配を神経を喚起させるようだった。 シートから錠剤を外す音。死角にあった片手に錠剤をいくらか握り込む。 本当は隙を見てそれを飲ませるつもりだったのだろう。唯のお楽しみなら、不要なもの。 されど最終的に至る目的の為には、相手を弱らせる必要があった、それまでだった。 それが、耳に聴こえた囁きのために動きを止める。僅かに顔を離し、見合わせて。 → (-115) 2022/08/21(Sun) 2:23:10 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド「――私怨も、だって?」 反射光と間接光に照らされる顔が、一層暗く陰になった錯覚さえあった。 せせら笑うような声は一瞬、強い怒気を混じらせて震え、 首のあたりで未だきっちりと締められたシャツの釦を外していた手はほとんど反射的に、 相手の首に指を掛け、締め上げるように掴んだ。ほんの一瞬、一瞬のことだ。 「調べたのか? それとも、ああ! あの人に聞いた? そうだよなあ、アンタはお気に入りだもんな。それくらい聞かされて当然か。 オレのことを話して、それで面倒な生き物の飼い馴らし方でも教わったわけ?」 瞋恚、或いは悋気。歪んだ口角に乗せられた激情はおよそ尋常のそれではなかった。 それくらいで相手が怯んだりしないのだとしても、動揺しないのだとしても。 およそ今までの取引の中で、よく変わる表情の内の一片も今とは重ならないだろう。 威圧の為ではない。脅迫の為でもない。意図的に感情を表出させたのではない。 煽られたからカッとなった、そう言うのが一番近いものだったかもしれない。 息を大きく吸い、己を抑え。指の力はすぐに剥がされ、相手の呼吸を阻害する時間は長くはなかった。 己が冷静でないのを自覚して、衝動に任せる自分自身を制止して。 それでも相手を改めて見るジェイドの内側には、凍りついたアイスブルーがあった。 「……ああ、もう。いいか。 全部受け止めるっていうのなら、そうしてよ。リック」 舌の上に乗せるように錠剤を口に含む。溶け出す前にすぐさま、相手の唇に己のそれを合わせた。 唾液の絡んだ舌がぬるりと粘膜の内側を撫ぜ、下顎に寄り添っているだろう舌を掬い上げる。 舌下に、パステルカラーの薬がねじ込まれる。自らに影響を及ぼすのも構わず、唇を食んで閉ざす。 メタンフェタミン、MDMA、カフェインの混合剤。発汗や喉の乾き、性欲の増進と勃起不全。 共感性と多幸感が脳を占め、神経への刺激を過剰に増幅させる。 瞬時には効かずとも、舌下から吸収されれば自ずと変化を感じるだろう。 (-116) 2022/08/21(Sun) 2:23:30 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー「そりゃどうも。 ま、運悪く酔っ払いに絡まれたってだけの話です」 以前と変わらない調子で、表情で、平然と嘘を吐く。 ある程度駆け引きに長じているなら、詮索の余地はあるだろうが。 望み好んで諍いの元へと寄り付く人種ではなくたって、 不意に降り掛かった災難に巻き込まれる事はある。よくある話だ。 たとえ裏社会に故有る者であっても、立場が低ければ尤もらしく。 とはいえ、この時あなたが何処までこちらの事を把握しているか また、対するあなたが何処でどのような立場にあるか。 なんてのは、互いに語った以上の事は今はまだ知らぬこと。 「……俺には少し明るすぎますね」 そうは言っても、有無を言わさず花は手元へ押し遣られる。 それを粗末に扱う理由も今は無いのだから、 このままなら、恐らくは手向けの花となるのだろう。 花束が片手を埋めるのと入れ替わるように、 もう片手にあった煙草はそれとなく地面へ落とされた。 その花言葉も、掃除屋は知らぬ事。 もしも知っていたならば、 皮肉交じりの一つや二つ吐いただろう。 (-119) 2022/08/21(Sun) 2:48:40 |
【秘】 花で語るは ソニー → ザ・フォーホースメン マキアートぎしと肩から背中に掛けて掛けられる体重で椅子が軋む。それでも多少であれば問題なく。 そう上背の高いほうではない体は、組織内での役割を十二分に果たせるくらいには引き締まっている。 間に挟み込んだ手で陽物を磨り上げ、掌の窪みに先走りの薄っすら貯めてそれで亀頭を擦る。 滴る程に濡れているわけではないから優しく丹念に、包み込むようにして扱く。 体の間から立ち上る熱気は微かに喉を詰まらせて、呼吸が浅くなるのが余計に興奮を煽る。 少し汗ばんで湿気を帯び始めた髪に触れるもの、柔い感覚にふ、と息が漏れた。 ささいなくすぐったささえ、不随意の刺激となって喉の奥底をくすぐるよう。 見上げるジェイドは、膚に透けた血色を目に留めて。甘えるように鼻筋を寄せる。 「鍵、ん……閉めちゃったの? 開けっ放しにしてたら、もっと興奮した?」 無責任な仮定は子供の空想みたいだ。それにしてはずいぶんと悪戯が過ぎるけれど。 指の腹を埋めるように中に押し込み、内側までローションを擦り込む。 無理のないように一本、二本。拡げきる前に、一番奥まで届く指の形のうちに、 わずかに指の先で感じられる感触の違いをなで上げ、位置を確かめる。 往復する指の間で糸を引く水気の音が、吐息の合間を縫うように耳まで届くのを聞き、 やがて、差し込む指の本数をもう一本増やして捩じ込む。これくらい入れば、もう十分だ。 「ねえ、カフェ、もう挿れてもいい? とろとろになったココに、早く包まれたくてたまんない……」 (-136) 2022/08/21(Sun) 11:59:25 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー「そんなわけないだろう。 俺を引き取った家は医者として有名な家だったからな。 詰め込まれた知識を利用して腕を磨いてただけにすぎん。 この事は、今まで上司にすら一度もしゃべってはいなかったくらいは、秘密裏に準備していたんだ」 一度使えば秘匿も何もない。 ぺらぺらと喋る様は、もう特に隠すこともないと思ってるかのようだ。 ぱさり、と落ちるシャツの音が嫌に耳についた。 張り付いた手は熱くじっとりとしていて、試着室の時とは全く違うということを感じさせてくる。 貴方が懐から出した見覚えのある薬は、間違いなく自分が売ったドラッグだ。 薬に耐性などつけてない己の身体には、さぞ覿面の効果が出るであろう。 ▼ (-142) 2022/08/21(Sun) 15:32:51 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー「―――ぐっ、そ、うだ、私怨もだ」 「どんな私怨かまでは知らん。 上司は、自分の尻拭いをさせてすまないと、言っていた」 「貴様は、あの方に正しく贔屓をされていたはず。 俺がその事を貴様にも、あの方にも言わずにいたのは……そこには情があるのだと思っていたからだ」 首を締められれば流石に苦悶の声を上げるものの、 違うのか? と、真顔の瞳が貴方を捉えた。 自分が、幼馴染達に情があるように、同じような子供を出したくなくて子供に情けをかけているように、 あの方が俺を拾ってくださったように。 貴方にも、心の何処かにそういった物があったはずだと、この期に及んでも信じている。 「貴様を飼いならすつもりなど、ない。 俺がそんなことをしたところで……貴様は救われるのか? ただ、これ以上重ねれば、貴様はどこにも戻れなくなる。 アルバファミリー、とは、大事な家族なのではなかったのかっ」 俺とて、大事な物を傷つけられて、殺してやりたいと思った心を必死に耐えている。 口移しで飲まされてゆくドラッグが、じわりじわりと思考を破壊していくのはまだ少し先のこと。 「は……ぅ、」 持ち前の強い精神力でどこまで耐えれるかはわからないが、 俺が、俺である間は、決して目の前の男を見放さないと、心に誓った。 (-143) 2022/08/21(Sun) 15:34:12 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 花で語るは ソニー/* 特に問題はありません! ヴェネリオ自身もあの日追うべきだったか今でも悩んでおりました、素晴らしいやりとりをくださりありがとうございます。 RPも楽しく遊ばせていただいております。おそらくPC等による面会予定も問題ないので、そちらの都合に合わせていただいてゆっくり無理なく過ごしてください。 (-146) 2022/08/21(Sun) 17:15:13 |
【秘】 花で語るは ソニー → 家族愛 サルヴァトーレクリスティーナのための兵となった時、青年はまだチンピラあがりのごろつきでしかなかった。 それが、何かの折に伝手を辿って推薦されたのだ。勧めてきたのは、孤児院だった。 ノッテの私腹を肥やし、人員を育てるために作られた、およそまともなばかりではない施設だ。 施設へと預けた両親の情報から、血筋についての断定が為され今こうしてメイドマンとして属している。 敵対する組織の庇護下から逃れてきた人間がどれだけ、好意と信頼に値するのだろうか。 「……オレも。 みんなの役に立てるよう、頑張りたいよ」 触れる手を振り払ったりはしない。心地よい人の熱を受けて、細めるように瞼を緩め。 火の着いた煙草を灰皿に立てかけるように片手を机に預け、残った体はもう一歩相手の方へ。 自分よりもずっと高い位置にある肩に額を預ける。くったりと体重が掛けられた。 声にも、目にも、嘘があるわけではないのに。 身の内に秘めた何かは、誰にも言おうとしない。きっと、これからも。 「ありがとう、サルヴァトーレさん」 (-171) 2022/08/21(Sun) 20:47:25 |
【秘】 花で語るは ソニー → 無風 マウロ「目標があって。……ずっと追いかけてたんだけど、それが失くなった。 また別のものを追いかけていけばいいんだろうけれどさ、 気持ちの切り替えはできても、これからどうしていけばいいのかわからないんだよね。 ……普段どおりのことをしてると、特にそう思う」 同じ、とは言わない。深く傷ついている心に安易に共感するわけじゃない。 程度の差はあれどそれでも、重なるところがある。そう言うように言葉を重ねる。 本質的には嘘を吐いているわけではない。 その全てが心よりの計算でないものかはわからない。 見上げるように覗き込んだ目は、月の光が映り込んだ。透き通った、ジェイドの瞳。 柔く頬の輪郭を撫で、指を添えて。酒気で熱を帯びた顔を、自分のほうを見るように引き寄せる。 ほんの少しだけ、許可を求めるようにまばたきをするだけの間があった。 背筋を伸ばして、唇に触れる。少し酒のせいで乾き始めてきた唇を濡らして、重ねて。 まだいくらでも引き返せる内に、柔く食み合わせた熱を手放す。 見上げる目は甘えるように丸められて、僅かな潤みに包まれている。 「……マウロはこういうの、初めて?」 (-178) 2022/08/21(Sun) 21:49:05 |
【秘】 花で語るは ソニー → 永遠の夢見人 ロッシ/* お疲れ様です。 強い筋肉の描き方です。 驚かせちゃったナ…… お伺いのあった点に関しては全てお伝えしていただいて問題ありません。 せっかくなのでエピローグ後のお楽しみということで、ロッシから伝達していただければ。 ご連絡いただきありがとうございます。 (-197) 2022/08/22(Mon) 0:29:25 |
【秘】 永遠の夢見人 ロッシ → 花で語るは ソニー/* あ〜〜お早いお返事ありがとうございます〜〜! 「@樹木子 Aアルバ」を伝えさせていただきます。 エピローグがもう遠くないね。時が過ぎるの早いんよ〜〜〜〜! そんなところで、残りの時間もおたのしみくださいませ〜〜〜Ciao! (-200) 2022/08/22(Mon) 0:47:28 |
【秘】 無風 マウロ → 花で語るは ソニー「それが生きがいで、日常になってた。 ……俺の場合は、他の目標もある。けど、やっぱ失ったもんは返ってこないと分かると、しんどいもんだ」 「もうこれまでとは違うんだ。嫌でも気付かされる」 計算であろうが、なかろうが。 青年は、素直にその言葉を今日は受け取って。 心を許してしまう。酒が回っているせいも、あるのだろう。 君も自分も、寂しい者同士なのだ。今は。 唇に触れる感触は、全く経験がなかったわけじゃない。 何か感じるものがあったかと言えば、それもYesとは言わないのだが。 少なくとも、驚いた様子は見せるものの 強く拒絶したりはしなかった。 君を抱き締めるでもなく、突き飛ばすでもなく。ただ、迷ったように手が空をかくだけ。 何を、といった顔だ。しかしそれもいずれ、勢いに飲まれていくのだろう。 「……いや。親しくないような女にされたことはある。 誰かを抱く時には、したことなんてない…けどな」 (-217) 2022/08/22(Mon) 3:39:31 |
【秘】 花で語るは ソニー → 鳥葬 コルヴォ「それならいいけど。最近、物騒だからさ」 ぽつ、とこぼしたような言い回しの中には、一つ引っ掛けを残して。 祭りの熱気で湧く街は、騒がしくあれど物騒な話が出回っているわけではない、少なくとも多くにとっては口にすべき話でない。 今、どうしたことが起こってファミリーが解体されつつあり、それを臆面なく口にできる人間はいずれか。 簡単なひっかけは、意図するものがわかれば知らんふりも出来るだろう。 ソレを指摘した時点で、己も何を指しているか言い示しているようなものだ。 「そう? けれど墓地に添えるなら、悪くはないでしょ。 季節の花だし、きっと気に入ってもらえるんじゃない」 陽の下に照らされる鮮やかな色が意味するものも、指摘されることがないのであれば知らんふり。 笑って、隣に並ぶ顔は以前に比べると少しばかり表情にも翳りがあった。演技にさえ、精彩を欠いている。 口を開き、閉ざす。迂遠なやり方では届かなくなってきた。少しだけ、焦りが混じる。 「昔にさ、この辺りで友達が死んじゃってね。 なんでも取引現場に遭遇しちゃって殺されただとか言われてるけど、本当のことはわかっちゃいないんだ」 (-221) 2022/08/22(Mon) 8:35:27 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド唾液を流し込むようにして唇を重ね、歯列の生え際を尖らせた舌先が丁寧になぞる。 は、と呼吸のために口を離したならば、混じり合った体液が橋をかけるように糸を引いた。 官能的な思考の霞がかかり始める、その視界の先にあるのは赤い舌と、対照的に輝く翠の瞳だ。強い、強い憎悪を抱えて。 それが恐らく、相手に抱いていた感情の反対なのだろう。 取引をし始めた時。接触した最初の機会から。あるいはそれより前から、ずっと。 「……アンタはいいよな。オレが欲しかったものを全部持ってるんだから。 そんなふうに利いたふうな口ばかり利いてさ。何がわかったつもりなんだ?」 掌が相手の首の付け根をソファに縫い付けるように押す。自分もジャケットを脱いで、テーブルに放り投げる。カシャンとグラスの動く音がした。 相手がテーブルに置いたドリンクを代わりに取って口に流し込み、先と同じく目の前の赤い唇に合わせる。 ぬるく体温の残った酒を口移しで含ませると、喉を反らせて無理やり嚥下させた。口内に残る薬が胃の腑に落とされるように、 熱っぽい体とは裏腹に、冷えた感触がやけに冴えて感じる。 体の小ささとは裏腹に指の長い手が、体の上を這って回る。薬の回りを、確かめているかのようだ。 あらわになった肌の上を、性感帯を探るようにゆっくりと動く手と同じように。相手の返事も聞かず、返事も碌にしないままに己の話を続ける。 対話をしようってつもりは、ハナから無いのだろう。 「4年前。オレには親友がいたんだ。日がな悪いことの真似事してばっかのチャチなチンピラだよ。 アンタらみたいなマフィアからも市民からも煙たがれるような木端の屑だ。居なくなっても、誰も困らない。 ……その存在価値の通りにそいつは死んだ。殺されたんだ。 お前達の海運取引の現場に、運悪くアウグストが視察に来た日に。偶然鉢合わせて」 (-224) 2022/08/22(Mon) 8:59:41 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー僅かにつかえを残すような言葉に、心の内で嘆息した。 あなたはそれを話題にするほど浅慮な人間ではないと、 そのように思っていたけれど、見当違いだったらしい。 或いはそれほどまでに状況が変わってしまったのか。 「へえ。そりゃ知らなかったな 物騒なのは、俺が出入りする場所くらいのもんだとばかり」 掃除屋は面倒が嫌いで、まどろっこしいのはもっと嫌いだ。 だから敢えてこれまでの探り合いを台無しにするような事をする。 不穏な気配は、祭りに賑わう市井に滲み出してはいない。 少なくとも、この時点では、表社会の人間には、まだ。 「行き付けのバーが閉まっててね。 ほかをあたったら、見ての通りってわけだ」 良い迷惑だ、とでも言いたげに空々しく笑う。 確かにこの男には表通りのバーは似付かわしくないだろう。 けれど今やそんなのは薄っぺらで見え透いた嘘に過ぎない、 なんてことは、わかっていてそうしている。 「とはいえ物騒ないざこざも、死んだ人間も 俺はこれまで飽きるほど見送ってきたんです。 あんたの友達の事も、心当たりがあるかもしれないな」 でもまあ、よく考えてもみてくださいよ。 あなたが自分の言葉に反応する前に言葉を重ねて、牽制ひとつ。 隣に並ぶ距離感は、あなたにとっても少々リスクの高いもの。 (-238) 2022/08/22(Mon) 12:16:20 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー「俺はこれを手向けて来なきゃならないし、 あんたも話を聞くなりの準備ってものがあるでしょう?」 なんてのは、結局の所は心にも無い事。 別に今ここで何をしようと、どうだっていい事だ。 けれどどうせどっち付かずの距離感は終わってしまったのだから。 今更回りくどいやり方をする気にはなれないものだ。 「込み入った話は明日にしません?」 どうせなら、少しでも確実な方が良いだろう。お互いに。 言外に持ち掛けるのは、そういった提案。 港は、船の出入りする時間を過ぎてしまえば静かなものだ。 けれどまったく他人の耳目が無いとも言えはしない。 今はまだ、そんな場所で面倒事を起こそうと考えるほど あなた達も逸ってはいない事を願いたいものだけれど。 (-239) 2022/08/22(Mon) 12:19:14 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー/* RP中の相談、またまた失礼します。 この度匿名魔女お嬢様より、蘇生の連絡が入りまして……(まじかよ) RPの方向次第となりますでしょうけども、実はギリギリ致命傷を与えることが出来なかった風に持っていくことは可能でしょうか。 状況が状況なので、ソニーの手心や気の迷いみたいなのがなければ厳しいだろうなと思っての相談です。 どうにも難しそうであれば、お断りも考えていますのでご一考くださると幸いです。 (-242) 2022/08/22(Mon) 12:35:20 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー/* ここで一旦切ってから五日目時空に再突入してもいいし この次のレスでやだ!!!!!今にしろ!!!!!って言われたら その場合はこの会話を五日目時空という事にして対応します(歴史の修正力) 敬具 (-243) 2022/08/22(Mon) 12:42:38 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド/* やったね!(本音)かわいそう(他人事) 了解しました。 蘇生がある可能性を加味して組んでいるので、こちらは特に変更点等ありません。 発砲も一発ですので、発見が早かったり運が良ければあり得る範囲でしょう。 幼馴染三人揃ってよかたねえ…… (-246) 2022/08/22(Mon) 12:47:19 |
【秘】 花で語るは ソニー → 無風 マウロ/* 取り急ぎ連絡です。 2日目夜の襲撃の際に ・親友が偶然取引現場に居合わせてしまい、アウグストに殺された話 をすると思います。 エピローグ時空まで襲撃者を黙っていただくことについての理由づけになるかと思い共有いたしました。 (-256) 2022/08/22(Mon) 14:08:43 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー/* えーん!! お互い生き残ったら救いにいくからな。いくからな! ありがとうございます、では匿名魔女お嬢様には蘇生を受ける旨連絡いたします。 無事に成功したなら、そのような感じで進めさせていただきます。 幼馴染……最終日にあの2人が生き残ることはできるのだろうか……(不安しかない) (-257) 2022/08/22(Mon) 14:11:42 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー男の中にあるのは、幼い頃から忘れぬ小さな正義感と、夢だ。 相手のことを知るたび、このままにはしておけぬという感情が湧いて出た。 敬愛する上司のため、大切な幼馴染のためならばその生命くらい惜しくはないと考えるほど忠義に厚く情にもろい。 そんなだから、調べれば調べるほど、刃は鈍くなった。 上司から話を聞けば、何があろうと見放さぬ決意をしてしまった。 殺してしまいたいと思った感情と混ざり合って、耐えてしまうほどの決意は。 貴方のことを存外気に入って想っていた事実にほかならない。 取引をし始めた時。接触した最初の機会から、ずっと。 「――確かにわからん。 俺とお前は、辿ってきた人生全てが全く違う人間だからな」 舌の上で溶けただけでもゆるやかに奪われてきていた正常な思考は、酒で嚥下してしまうと更に加速するように失われていく。 押されれば何の抵抗もなく倒れた身体が、だんだん熱を持ってきてきたようだ。 普段なら多少触れられても何の反応も見せずにいられるのに、言うことを聞かず、面白いように波打った。 耳も、胸も、太腿も、全てが性感帯に作り変えられてしまっているのだろう、きっと。 「……っ、ぁ」 それでも幾らかまだ残っている羞恥心が、思考が、必死に堕ちるのを耐えている。 貴方の過去の話を朦朧としてきた頭で聞いて、確かにあの方が視察に来たことがあったなと心の何処かで考える。 女子供は逃がす方針である自分とて、救えぬ命はいくつもあった。 きっと、その親友のことは、手も届かぬ人間であったのだろう。 「そ……うか、お前も……」 同じ思いをしたのか、と。 その言葉は、どうにも言葉にならない。 (-259) 2022/08/22(Mon) 14:54:35 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニー君が何者であれど。何処に所以を持てど。如何な秘密を持てど。 男は君を愛しているのだ。 かつて敵対組織の庇護下にあったとしても、いつか男の傍を離れていくのだとしても。今君が家族であるのなら、それだけで男は君の全てを愛しただろう。これはそういう男だった。 そしてそれを、君が知らないはずもなかった。 それでも告げなかったのは見栄だったのか、怯えだったのか、或いは信頼だったのだろうか。 そのいずれだったとしても、きっと。 それを男が知れば、眉を下げて言ったのだろう。 「そうか。僕が足りなかったね」────…… 君が弱音を零せば、男は朝まで君を抱いていた。 君が涙を零せば、それが止むまでに頭を撫ぜた。 君が一言呼べば男はどこまででも駆けつけたし、 君が袖を引けば何をしていても振り向いたろう。 君が傷だらけだったなら男は自分の肌を切り取って与えただろうし、 君が渇くなら、飢えるなら、その肉を分けることさえ厭わなかった。 ほんの少しでも求めたのなら、きっと全てに応えてくれた。 受け入れるのではなく能動的に、何もかもを与えてくれた。 全て夢物語だ。何一つ叶わなかった。 男は愛することだけは何より得意で、 隠しごとを見抜くことは苦手だった。 ▼ (-264) 2022/08/22(Mon) 16:29:28 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニー「十分だよ、よく頑張ってる」 預けられた体温をしっかりと受け止めその背を抱く。 上背のある男に対し、君は長身とは言えない。どうしたって目線を合わせるには君が顎を上げるしかなくて、けれどその差は抱き締めるのに都合がよかった。 知った手が髪を撫でる。首筋、耳から頬、背中。落とされるキスは慈しむそれであり、労いの意味も込めて。 「ああ、もう……」 「トトーだってば。それじゃ他人行儀じゃないか」 毎度の嗜めるような声音。 「一番に、自分の身体を大切にね。君がいなくなってしまうのが一番寂しい」 「何か欲しいものはないの? 何かあげたいな。それとも、久しぶりにドライブでも行こうか」 (-265) 2022/08/22(Mon) 16:32:57 |
【秘】 ザ・フォーホースメン マキアート → 花で語るは ソニー「してたら……問題、だろ、 ッ、ア、そこ、……っ!」 敏感なところを同時に擦り上げられると、強い快楽に惑わされるように腰を引いたり突き出したりして、無駄な抵抗だとは分かっていても逃れようとする動きが増える。 どこまで逸らしても離れてはくれない掌や指に、水音が響くたびヤバいだとか、拙いとか泣き言を漏らして、やがて観念するかの如く脚をもう半歩ほど開き、僅かに膝を曲げてはより淫猥な姿勢に落ち着いてしまって。 内壁を探る指の本数が増えるごとにアナルを締めたり、弛めたりする動きが意識してのそれから反射的なものになる。蕩けそうで、何かを考える余裕なんてない。 口を開いてしまえばそのまま引き摺られるように嬌声をあげてしまいそうで、どうしても言葉数が少なくなってしまった。 きっと耳まで真っ赤だ。それは答えられなかった問いへの肯定ともとれる。 「オレも、待ちきれない、よッ……! はやく……来てくれ、キミごと、めちゃくちゃに、なりたい……」 尻肉のひとつやふたつ、押し広げてでも言うべき台詞なのだろうけど、とてもじゃないが背凭れから手を離せない。感じるものの何もかもが身を苛んで、支えてくれるものがなければどうにかなってしまいそうだ。 がく、がくと卑しく身体を前後に揺すって、直接穿ってもらうことを乞いて望んだ。 (-271) 2022/08/22(Mon) 17:27:35 |
【秘】 花で語るは ソニー → 無風 マウロ嫌がるような素振りが無かったことに、安堵したように肩の力が抜けた。それも半分くらいは演技だ。 まるでそれこそ、見た目通りのハイティーンの子供みたいな素振りだ。あどけなく、辿々しく。 見上げる表情さえ稚気を残して見える、これから相手を引き込もうとしているのはもう少し色情的なものなのに。 嫌じゃない、と目線で問いかけて、もう少しだけ唇が触れ合った。伸ばした片手は相手の顔を引き寄せた。 もう片方の手で、迷うような手を指を組み合わせるように引き受ける。大したことでもないと言うように。 一歩踏み出して相手との距離をピッタリと寄せる。街路からの光は一層に届かなくなってしまった。 浅く触れ合わせた粘膜は段々と噛み合わせを大きくして、水音が大きくなる。誘うように舌先が唇をつついた。 じ、と見上げる瞳の色が交差する。 「そう、……少し堅い感じする。もうちょっと力抜いたほうが、気持ちいいよ」 瞳は逸らさず、触れ合う唇は離れないまま、時折、鼻筋や顎をすりあわせて。 口元に意識を集中させるようにしながら、相手の手を巻き込んだ手は腰の方に。 ぼんやりと熱のこもったままの手は、相手の裾をたくし上げて指を這わせていく。 アルコールで感覚の平時と違う肌に、するりとやけにくすぐったように指の腹を添える。 触れ合う面積が増えるごとに、体に逃れようのない感覚が溜まっていくように。 (-289) 2022/08/22(Mon) 19:57:12 |
【秘】 花で語るは ソニー → 鳥葬 コルヴォ「オレも知ってる場所かな。マスターと話が出来なくって困ってたんだ。 あの人は"誰にも"優しかったからさ。そういうところが招いた結果なのかな、って思わなくもない」 それだって、聞く人間に聞かれたならばすぐに悟られてしまうような言葉だ。 危ういことをしているとも思えるだろうけど、自分だけが安全圏のまま探れる物言いなんてのものない。 コレを訝しんだ時点で、相手の立ち位置が何かというのは知れるものだ。 ――それでも。普段であればきっと慎重にやってきたからにこそ、この歳でこの立ち位置だろうに。 結局のところ、焦燥に追われて足並みを乱しているのは、変わりないのかもしれない。 「……四年も前の話に、どうして無関係なアンタがこだわるんだろ。 せいぜいアンタがその頃にもココに出入りしてたって、ティーンエイジャーくらいだろ? 知ってる話なわけないじゃない、さ」 そんなつもりでは無かったか、或いはそれも鎌掛けの一部だったのだろうか? 僅かばかり表情に、市井の人間らしからぬ歪みが滲む。嘲弄めいた、平時には必要のない貌だ。 それさえすぐに疲弊に代わる、憔悴が打ち寄せる。 提案を受け取ったならば、そう。多少張り詰めたものを打ち破るように口端を緩めた。 両手を挙げるのだって一歩間合いから離れて、己の無害さを保証してから。 「わかったよ、それまで待っててくれる? 約束しておいて来もしないなんてのはナシにして欲しいね。 ああ、でも。……否定してくれれば、こんなふうに。 」牽制し合うような言い回しなんて、しなくて済んだのにね 踵を返しざまに力なく笑って、吐息に混じるように零した言葉なんて貴方は聞きやしないだろう。 もう少しばかり耳を傾けてくれる人間だったなら、いざ知らず。けれどもう、どうすることもできない。 相手にとっては不明瞭で無関係だろう目的だけを抱えて、その日は港を後にした。 手渡した花束には何も罪もなければ、仕掛けもない。誰かに手向けるのに、過不足は無い筈だ。 → (-317) 2022/08/22(Mon) 22:24:41 |
【秘】 花で語るは ソニー → 鳥葬 コルヴォ――……そうして、次の日の夜。 埠頭は夕暮れ時の栄えも逃して、いっそうに静かになっていた。 波の音が祭りの音さえ呑んでしまうのだろうか。あれだけの騒ぎが、ずいぶん遠くに感じられる。 このときのための蓄えだってあるのか国民性か、相変わらずどこまでも暗くて先も見えない。 いつか、かれらが活発であった時であったなら、夜闇に紛れて取引が行われていただろうに。 月の光に照った人の影の揺らぎさえ、今はなんにも。 現れた男は、表情の演技にさえも精細を欠いていて。 どこか、ひどい夢を見たあとのように、面は色を失っていた。 その中で、ジェイドの輝きだけがまだ、アイスブルーを抱えたまま酷く冷たく凪いでいる。 それを向けるべき相手は、少なくとも此処に居るわけではないのに、それでも、まだ。 「……パスカル?」 人の命を狙いに来たのだと言うのなら、ずいぶんと頼りないものだ。 最盛期の輝きはない、見る影もない。己の目標としていたものを、全て失ってしまったが故に。 わざとらしく立てられていたかすかな足音さえ今はなく。 砂利の起伏の上でさえ、ひとつきりの音も立てずに、貴方を探してあるき回る。 (-318) 2022/08/22(Mon) 22:24:59 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド/* なんでこんな男を……もっと手を差し伸べるべき人間がいるよ 絶対いるよ やめときなよこんな精神グラグラヤリモク男 救われたがってる人はほかにいるよ (-319) 2022/08/22(Mon) 22:26:32 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー/* 貴方が一番重症だからだよ……! 地の文にまわりくどく好意をそっと置くんじゃない。 PLが死を迎えるところだったでしょ! (-321) 2022/08/22(Mon) 22:36:27 |
【秘】 花で語るは ソニー → 名もなき医者 リカルド舌先は胸板の上を這う。乳輪の外側をくるくると尖らせた舌がなぞって、焦らすように転がした。 愛撫が優しいのは、耐えているからだ。皮膚を引き裂くことが無いのは、それでは意味がないからだ。 どれだけこの場では踏み躙って憎悪を刃に変えてしまいたくても、見かけは工作しなくてはならないから。 「アンタはその時何をしてたんだ? アイツと一緒に、ジャンニを殺して楽しんでたんじゃないのか? 」余った酒を、腕に絡んだシャツに浴びせかける。咄嗟に防御姿勢が取れないように。 コカレロの独特の匂いと色素も、すぐに汗の匂いに紛れてなんだかわからなくなる。 片手は相手のベルトに掛けられ、いつでも手に取れるようにテーブルの上に残置された。 打ち掛け釦を外して、ファスナーを手の甲で下ろすようにして下着の中に手を入れる。 「ねえ、アンタは先生からオレの両親のことも聞いたの? ずっと教えてくれないんだ、先生はオレに優しいからさ。 本当は、気付いてた。ずっと、花の送り主が父さんと母さんじゃなくなったことも」 貴方にとっては、全て身に覚えのない話だろう。初めて聞いた話がほとんどだろう。 誰にとっても記憶に残しておくほど大事ではない話というのはいくらでもある。 きっとそれだって、その中の一つだったに過ぎない。耳にしたとて、聞き流す程度のこと。 心当たりのない恨み。つまり、妄想症だとさえ言ったっていい。壊れかけの人間の、妄想だ。 貴方は、自分に仕事を教え引き継いだ人間のことは覚えているだろう。 では、その更に前の代の人間のことは? 覚えているはずがない。普通に考えれば、そうなのだ。 「そのポストについているアンタが、前々任者が誰だかを知らないはずないだろ。 父さんと母さんはアウグストに殺されたんじゃないのか? アンタは父さんと母さんがどうなったかを知っていて隠蔽してるんじゃないのか? 」両親の、親友の仇を失って、刃を向ける先を失って。 目の前の男は、貴方をアウグストの代わりに仕立て上げようとしているのだ。 そうしたら、大切だった人たちの仇を討てるから。 (-342) 2022/08/22(Mon) 23:13:29 |
【秘】 名もなき医者 リカルド → 花で語るは ソニー「ぁ……、っく」 舐められて、転がされて、だんだん呼吸が苦しくなってきた。 喉の奥がからからで、何かが詰まっているような気さえした。 何かが欲しいと、喉の奥から叫び出したいような、何かを食いちぎりたいような、何があるのかはわからないけど、とにかく。 ――――飢えている。 身体中が、何かに飢えている。 「楽しんでなんか、ないっ。 俺は何も、知らなかった…………」 その時自分がアウグストの側に居たなら、なんとか止めることが出来ていたかもしれない。 けれども、居もしなかった時の上の指示は、流石のリカルドでも何の処置も出来なかったはずだ。 悪酔いもしやすいコカレロの匂いが鼻について、少しだけ目を顰めた。 だがそれも、下着の中で直接的に触れられてしまえば、もう全く気にもならなくなってしまった。 ただただ飢えが、思考を奪っていって、全てを快楽へと変えていた。 「ん、んぅ……っ、俺は、あの方からは、何も、聞いていない……っ! 一体、何の話をしているっ、前々任者、など」 あの人が花を送るのはきっと、貴方だけ。 二人の事情に首を突っ込もうなどとだいそれた事は一度も思ったことはなく、ただ見守っていた。 だから貴方の両親のことだって、何一つ知らない。前々任者など、名前を聞いたことある程度だ。 「……っ、なら。 何故お前は、マウロの命を狙った。 最初から、俺だけでよかった、だろ……っ」 (-356) 2022/08/23(Tue) 0:18:43 |
【秘】 無風 マウロ → 花で語るは ソニーマウロ自身、経験が全くないわけではない。 但し、それは追い詰める手段として。攻撃的なものでしかない。 恋だの何だのとは無縁の生活であったし、興味もなかった。 誰かと触れ合うことも、殆どなかったわけで。 だからこそ、今。 年下に見える君に、全く接点のなかったからこそ、素直に甘えてしまっているのだろう。 慣れていない同性との触れ合いに、口付けに。 であったとして、されるがままというのは性に合わないものだから。 舌先が唇をつつくのなら口を開き、絡めるように君の舌を追いかける。 お互いの吐息が混ざり合うのが、どうにも昂りを煽っていく。 「、……っおい……お前、外で」 外気に晒された肌に、生暖かい空気がまとわりついて。 酔っている頭にも、ここがそういった行為に適していない事は分かる。 誰も通らないのであるなら、それは気にすることではないのだろうけれど。 だから、気にしないで行為を進めていくことは出来る。 クソ、と悪態のようなものをつき 青年も空いている手を君の頭へ伸ばす。 指先で耳の後ろを、くすぐったさから扇情をあおるように撫でている。 (-379) 2022/08/23(Tue) 4:56:37 |
【秘】 花で語るは ソニー → 家族愛 サルヴァトーレ思えば、どうしてこんなことをしたのかなんて。 先走った愚か者、背信に狂った裏切り者が誰かなんて。 言葉にしてもよかったのかもしれない。あの会議の場でも。どこでも、なんでも。 "マウロ"と呼ばれた男が誰に殺されたのか。組織の益にならないとわかっていて、なぜ。 誰のせいでもない。男は己自身の我意と傲慢によって、地獄の底まで落ちるのだ。 本当は誰かが止めてくれることを望んでいたのかもしれない。 本当は誰かに裁かれることを望んでいたのかもしれない。 けれどももう、たらればでは意味がない。 友人も、追う背中も、連れ立つ小さな手も、見守る瞳も、全部一度に失って。 見据えるべき明の金星さえ失った男はいずれ、自分自身さえ手放してしまうだろうから。 みなが貴方という傘の下に身を丸めて体を寄せ合う、その中に在れたなら。 ひょっとしたら、誰のことも失わずに済んだのだろうか? 「……うん」 寄せられる唇の柔さ、体温の暖かさ。優しさの帳の中に隠れるようにして、口を閉ざす。 丸まってあやされる子供のようだ。抗うこともなく、腕の中で目を閉じて。 己が組織の中で用立てる為に、その体はしっかり鍛えられたものだったけど。 それでも、どこかで立ち止まってしまったままのような面立ちはあどけないままだ。 「ドライブがいいかな……車の中でするの好きだから。 ……ね。もうちょっとだけ甘えてても、いい?」 首筋に頭を擦り寄せながら、煙草を手にしていた手は火口を灰皿に押し付けて手放される。 ほんのすこし、最後のひととき。貴方が居なくなってしまうその前までは。 短い安寧に身を委ね、失われるものがないようにと願い続けているのだろう。 全部手遅れだ。 (-381) 2022/08/23(Tue) 7:20:59 |
ソニーは、かつては《天使の子供(Sonny Amorino)》だった。 (a28) 2022/08/23(Tue) 7:22:20 |
ソニーは、けれども己の中の悪魔が囁く言葉に耳を傾け、復讐に己の人生を売り渡してしまったから。 (a29) 2022/08/23(Tue) 7:24:15 |
ソニーは、マルガレーテの居ないフォースタスには、祈りによる救済が与えられることはない。 (a30) 2022/08/23(Tue) 7:25:06 |
【秘】 家族愛 サルヴァトーレ → 花で語るは ソニー男は家族を愛している。 愛する家族を、この世全ての残酷さから守りたかった。 降りかかる痛みを一つ残らず取り除いてやりたかった。 そうするにはきっと愛するだけではきっと足りなかったのに、 こんなところに繋ぎ止めておくのは一番の間違いだったのに、 男はそれでも愛だけを与えて、与えて、与え続けた。 それしか知らないように。 それだけが呼吸のように。 祭りの活気が地上から立ち上る。熱となって空気を揺らめかす。陽光が周囲に金色を振り撒く中、柵の極近くで隙間なく身を寄せ合う二人の姿は、どこか接吻にも似ていた。 「もちろん、僕のソニー」 いつだって、彼は君を愛おしんでいる。 「あそこは少し、僕には狭いんだけど────」 「いいよ。少ししたら車を回そうか。それとも、今日もお仕事?」 我儘にも満たないそれに少し笑った。首筋に空気が通って震える。長い指が髪を撫ぜる。愛してる、囁きが降る。 この温度を、君はいつまで覚えていられるだろうか。 いつまでも、彼は君を愛おしんでいる。 (-413) 2022/08/23(Tue) 15:13:36 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー夜に沈みつつある埠頭は、ただ波の音と静謐な空気に満たされて。 日中のそれとは遠く別の世界の光景のようだった。 「ひどい面構えだ」 時折揺れては光を映す水面を除けば、視界に入るのは黒ばかり。 そんな景色の中に、その日も変わらず喪服姿は佇んでいた。 他に誰を伴う事も無く、ただ夜の薄闇が人の形を取ったように。 変わった事と言えば、その装いくらいのもの。 常の軽装と違い、血を通さない上着は随分と重苦しく厚ぼったい。 そんな仕事着の中に、何を隠し持っていないわけもなく。 「まるで死人みたいじゃないか」 音も無くそちらへ向き直って、皮肉交じりが静かな空気を割る。 以前よりも随分と窶れていて、けれど眼差しだけが未だ明朗に。 幽鬼か、彷徨う野犬のようなあなたの様子に視線と皮肉を向けて ごとり。重く鉄板の入った靴音をさせて、一歩そちらへ歩み寄る。 一歩、今もそう近くもない所にある海からまた離れる。 「Buona sera. あんたの夢見は最悪だったようだが。 仕事の話をするなら、コルヴォと呼んで欲しいもんですね。 ……前置きはこれくらいでいいか?」 (-414) 2022/08/23(Tue) 15:13:55 |
【秘】 鳥葬 コルヴォ → 花で語るは ソニー懐に忍ばせた拳銃もナイフも、今は手にする事は無い。 とはいえあなたの出方次第では、 いつでもそれらに手を掛ける事はできるけれど。 殺すな。そんな上のお達しを思えば、銃は少しばかり扱いづらい。 痩せ細った捨て犬じみたあなたの様子は、随分と弱々しい。 それは命のやり取りをする者には似付かわしくないものだろう。 けれど、死に損ないはよく知っている。 全てを失った人間ほど、何を仕出かすかわからないものだと。 「約束通り、込み入った話をしよう。 そうは言っても、話があるのはあんただけだと思いますがね」 掃除屋には、あなたにすべき話があるわけでもない。 結論としてはそう、この男はあなたの話に耳を傾けるような 優しい人間ではないし、他者を気に掛ける余裕があるでもない。 最初から、誰に手を差し伸べる気も無かった。そんな人間だ。 人様の何を知った所で何をできる人間でもないのだと。 いつだってそのように自分を見限って生きてきた。 何よりも、仮に互いの後ろ暗い所を抜きにしたって。 結局は一度、二度、言葉を交わした程度の間柄であって。 互いに相互理解など期待してもいないだろう。 少なくとも、掃除屋はそのように考えていた。 (-415) 2022/08/23(Tue) 15:19:51 |
【秘】 花で語るは ソニー → ザ・フォーホースメン マキアート上がる嬌声を呑むように、背筋を伸ばして首筋や顎に何度もキスをする。 自らの手を受けてこうも反応してくれる、相手がとても愛おしく感じる。 快楽を分け与え合い、熱を交換するだけの作業でこれだけ胸の内が満たされるのだから堪らない。 触れ合いたいと、そう願う。そんな行いの甘やかな優しさが、男は好きだった。 肌の感覚さえもが邪魔するような焦れったさに、抑えきれない己を宥めるように肺から息を吐く。 「……かわいい」 懇願する言葉さえも、どうしようもなく歓喜を呼び起こすのだ。 深く吐き出した息でそれに返事をして、相手の陰茎からするりと落ちるように手を離す。 僅かに濡れた手で二、三自分の陽物を扱く。少しの興奮でも十分に固くしていたのだから、 準備のために掛かる時間だってそう長くはない。足と指とで引っ掛けるように渡してゴムを手に取る。 封を開け、自分のものにするするとかぶせる。薄いゴムの擦れる音が響いた。 片手で照準を合わせ、揺れる相手の体をそっと誘導するように下ろさせる。 指が抜けてもまだ平時のように締まりきっちゃいないのだろう後孔に指を添えて、 角度を合わせて相手の尻をゆっくりと下側に導く。亀頭が包まれて、く、と喉を鳴らした。 はじめはなじませるように奥までじわじわと挿入していって、姿勢であったりも含めて落ち着かせて。 深く深く、息をして。軽く呼吸を整えてから添えた手で誘導するように腰を動かす。 ベッドの上だったならもっとあちこち構えもしただろうけど、今は一点集中でお預けだ。 「は、ぅ……あったかくて、とろとろしてる……どう、……気持ちいい?」 (-419) 2022/08/23(Tue) 16:19:44 |
【秘】 花で語るは ソニー → 墓場鳥 ビアンカまだ、朝も明けたばかりの早い時間のうちだった。 花屋に顔を出して、草木の準備をしながら電話を取る。内容は、娼館からの伝達だった。 ソニーが努めているのは何も知らない表の店ではなく、裏稼業のものとのやりとりもある店だ。 資金洗浄の窓口であったり、連絡役との伝達だったり。仕事に事欠く立場ではない。 だから直接組織の人間から店に対して連絡が来るのだって、不思議な話ではなかった。 「……カテナ? なんでこんな時間にウチに……」 電話先の女性の声は、まくし立てるような速さで喋る。焦っているようだった。 従業員の一人が、不穏当な話を小耳に挟んだということ。 まだ、組織の方との橋渡しとして顔役を請け負っている女性と連絡が取れていないこと。 不安を掻き立てるような噂の実際が、確認出来ていないということ。 焦燥のせいか脈絡もなく前後してまとまらない話を、頭の中で整理して、 息を、呑んだ。 宥める言葉もそこそこに電話を切り、店主に短く事情を説明して店を出る。 通報とどれだけ前後したのやら。いずれにせよ朝の街はまだ、呑気な風景を広げているだけ。 ひょっとしたらこの街の中で何人かが消えたということも、耳にしてはいるのかもしれないけれど。 死んだマフィアの人間のことなんて、市井は気にしてやくれなかった。 花の積まれていない配達車を走らせ、目撃情報を精査して。 その間に、通報された下半身の話も耳に入り、車が通ったのだろう道筋を精査する。 ひとりきりで探しているのでよかった。みっともない顔を誰かに見せずに済んだから。 最終的に車を走らせた先は街の漁場、何度か訪れていた埠頭のすぐ傍。 おそらくは、きっと。"使いで"のない上半身は、下半身よりひどい状態なんだろう。 探し出してやっと対面した頃には、元の形を想像するのも難しいのかもしれない。 それでも、ジャケットで包んで、震える手で、持ち帰った。 ……誰にも見せず、荼毘に伏そうかと。そう、わずかに頭をよぎった。 (-423) 2022/08/23(Tue) 18:03:02 |
【秘】 花で語るは ソニー → 墓場鳥 ビアンカ/* お疲れ様です。諸々連絡が遅れてしまい申し訳ありません。 上半身についてなのですが、ひとまず提示のあった漁場で発見することにしました。 あともう一往復で終わるとは思うのですが並行して確認したく、 ・上半身はどんな状態でしょうか(これはロールで返答いただいても構いません) ・他の方々に見せず、こちらで処分することは可能でしょうか (想定される今後の話もあると思いますので、誰かに渡す予定があれば従いますし、 ふつうにクリスティーナのところに持ち帰るのでも構いません) 手が空いたときにでもご返答いただければ幸いです。 (-425) 2022/08/23(Tue) 18:06:30 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → 花で語るは ソニーいつも海辺を通るたびに耳にする海鳥の声が、空々しく埠頭に響く。 港に身を寄せ合うようにして停泊する小型の漁船の一艘。 その舟艇に引っかかるように、彼女だったものは漂っていた。 いつも外出する時は結っていたはずの髪はばらばらに解けて、波にさらわれた海藻のように髪の毛だけが水面に浮いている。 朝早く動く漁師たちが騒いでいないところを見れば、まだ放り込まれてそれほど時間もたっていないのだろう。 絶望の中に希望を見つけることにどれほどの意味があるかは分からないが、 幸い、死体の状態は水死体としてはそれほどひどいものではなかった。 衣類はない。両手首はダクトテープで何重にも締め上げられ、いつも気を使っていたネイルは根本から剥がれ落ちていた。 全身の肌は、悍ましい程に白い。そこかしこに痣や煙草を押し付けたような痕があり、右腕はあらぬ方向に曲がっている。 腹部から電動の工具かなにかで荒々しく寸断され、血や内臓はほとんどが流れ落ちてしまったようだ。 その顔だけが、まるで武装するかのように施された耐水性のメイクが意地をはるように残る。 歯のいくつかが折れ、左頬が醜くはれ上がってはいたものの、少しだけ、見慣れた顔色をしていた。 内蔵を損傷するような負傷を何度も負ったせいか、鼻や口元にはどろどろとした血のかたまりがこびり付いている。 血の気の失せた唇を、どす黒いルージュが彩っているようで。 そのありさまは、不器用な娼婦の死に様、そのものだった。 海鳥たちの声が、悍ましさすらもなく埠頭に響く。 力の抜けきった顔の中で、瞳だけが力いっぱい閉じられている。 ――死の間際、彼女はどんな顔をしたのだろうか。 ↓[1/3] (-439) 2022/08/23(Tue) 19:28:06 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → 花で語るは ソニー死体を引き上げるならば、まず目に入るのは乳房の間に書きなぐられたメッセージだろう。 『女の穴で金稼ぎする、名誉ある男たちへ。 下だけあれば続きができるだろ? 返しておくよ、チャオ。 ↑下も不良品だ、9mmを一発挿れたらもう壊れた!』 ビアンカ・ロッカの直接の死因は、下腹部に打ち込まれた弾丸による大量出血とショック死だったという。 下半身にも、同じメッセージが描かれていたらしい。 それは彼女とファミリーを、著しく侮辱するメッセージだった。 ――そんなものを生前書かれたなら、もっと怒りちらしていただろうから、 きっとそれは彼女が死んで、物になったあと描かれたのだ。 ↓[2/3] (-440) 2022/08/23(Tue) 19:29:59 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → 花で語るは ソニー/* お疲れ様です、ご配慮ありがとうございます。 上半身はこのような状態です。 処分していただくのも問題ありません。店の娼婦たちはみな見つかったら教えてくださいとは言いますが、彼女たちには埋葬の伝手などもないので結局はファミリーに泣きつくことになるでしょう。 ほかは、ご自由に。 なにとぞよろしくおねがいいたします。 (-441) 2022/08/23(Tue) 19:31:43 |
【秘】 花で語るは ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ非常灯だけが病室を照らす、深夜を回って明星さえ落ちてしまった宵の内。 足音を立てずに歩くのも、人のいない間を縫って歩くのも得意だった。 けれども朝になってしまえば、何かがあったというのは知られてしまうのだろう。 何処かで誰かと交戦をして、手傷を負った体からは長い間隔で血が滴っている。 死ぬことは出来なかった。死ねないだろうとは思っていた。 それでもどうしても今、此処に来なければならないと決めて、足を踏み入れた。 既に冷たくなって久しい体は、生きて笑っていた時とは同じようにも違うようにも見えた。 乏しい明かりの中に横たわる貴方の傍に立って、見下ろして。何も言えずに佇んでいた。 もうあと一歩もない場所に貴方が居る。だのに突き放しさえ、してくれやしない。 自分以外に動くもののない部屋の中で、しばらく自分の心臓の音だけが聴こえた。 幾許か振動にも似た音の鳴った頃にやっと動いた手が、かすかに貴方の指先に触れた。 熱のない感触をたしかめた瞬間、肘を伝って肩まで震えた。ひどく、恐ろしかった。 死んだ人間に触れるのだなんて初めてでもなんでもないのに。 「、ふ」 少し喉が動いただけ。ちょっと呼吸をしただけだったのにも関わらず、たったそれだけで、 それまで抱えていた何もかもが崩れ去ってしまったかのように、瞼の内から涙が零れた。 痕跡を残すヒットマンだなんて、その有り様としては失格だ。 誰にも知られず、悟られずにこの場を後にすべきだった。そのはずだった。 けれども溢れて顎まで伝う涙を拭うことさえ忘れたように、寝台に手をついて。 まだ夏の気温の下、死体の置かれた部屋はもっとずっと管理されているだろうか。 どちらにせよまだ死後硬直の緩解しない指先を握る。蝋のような感触だった。 「先生、」 → (-442) 2022/08/23(Tue) 19:48:34 |
【秘】 天使の子供 ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ喉から溢れ出した音は涙声のせいで不鮮明だった。耳のある者が居たとて、聞き取れやしなかったろう。 ほとんど崩れ落ちるように、白いシーツを握り込む手に体重が掛かった。小さく寝台が揺れる。 行き場を失くした涙が落ちて、床に僅かな血が溜まり始めてそれでも尚、何も起こらない。 動くものはない。誰一人。自分以外は、何も。 堰を切ったように泣きじゃくる顔はひどいものだったろう。息をするのも苦しいほどだ。 泣いて、泣いて。そのせいでやっと、凍りついた喉が開いた。吐いた息は全て嗚咽に替わった。 「……先生、なんで、……置いていかないでよ、頼むよ…… オレを傍において、連れて行ってよ。どうしたら、よかったんだ……」 あの日、貴方に最後に会った日。本当は貴方を殺すつもりだった。又は、殺されるつもりだった。 貴方が最後に見るものが自分であればいいと思ったから、もしくは、逆ならばいいと思ったから。 幼稚で独りよがりで、相手の都合など何も考えてやしないろくでもない考えだ。 けれども本気でそう考えるほどには、誰が死ぬかもわからない状況下で追い詰められていた。 耐えられなかった。ほかの誰か、何かに貴方を奪われてしまうことが。居なくなることが。 固まったままの指を何度も握り直して、手を添える。いつか握り返されたときのように。 そうすれば、熱を移せばまた動き出すのじゃないかと試すように何度も、何度も。 手の中でろくに動きもしない関節を包み込んで、頬を寄せて。指先に口付けた。 思慮深い頭の働きなど、もうほとんどしてやいないのだろう。泣いて酸欠の頭では手一杯だった。 ただ、目の前の貴方がもう二度と動かないことを受け入れられないように触れ続けた。 それだって稚拙で弱々しく、自分のことばかり考えているのがわかるような行動だ。 けれどもそれ以上の何にも踏み出せない、馬鹿馬鹿しいほど些細なものだ。 「何も、手に入らなくったって、いい。もう望んだりや、しないから。 生きて、あってくれるだけで、……それとも、オレが、殺せなかったから?」 結局は貴方にとって満足の行く終わり方だったのだとしても、男には伝わらなかったから。 ただ勝手にこうして己の不足を責めて、苦しんで。動かない体に、瞼に唇を寄せて。 生きている間に伝えられなかったものを今更に語るように、乾いた唇にも、同じようにした。 (-443) 2022/08/23(Tue) 19:50:22 |
【秘】 天使の子供 ソニー → 墓場鳥 ビアンカ引き上げた体を腕の中に抱く。タオルでも持ってくるべきだったろうか。 こうなってしまった貴方を見てすぐに、どうするべきかなんて考えられるほど男は冷静じゃなかった。 せめても彼が大事にしていた彼に見せることにはならずに済む、それが幸運か幸いか、なんて。 彼らひとつひとつの末路を考えれば一概に言えるものでもないのだということさえわからないほどに。 引き上げた体は、濡れたままジャケットに包まれた。それだって十分じゃない。 人目をはばからずに配達車まで引き上げると、助手席に渡すように彼女の上半身を寝かせた。 顔に這うように固まった血をアルコールの入っていない使い捨てのウェットタオルで拭いた。 メイクの上からでも使えるリフレッシュシートだ。香水みたいな、いい匂いがした。 ダッシュボードの中から櫛を取り出して、あの綺麗だった髪にいつも通りに通そうとして。 海水でからまった髪は、無理に引っ張れば柔い皮膚ごと離れてしまいそうだったから、やめた。 少しずつ、少しずつ丁寧にきれいにしていった。無心で、無言のまま。顔貌には表情も無い。 ただ、それだけが出来ることであるように、出来る限りのことをした。 クーラーを効かせた車の中に満ちていた花の残り香は次第に死臭に追いやられていった。 時折通りかかる漁師が車の中を覗いている気配があっても、気にもとめないまま。 ベルトに着けた隠しポケットから、Tハンドナイフを取り出して肌の上にすべらせる。 書き殴られたメッセージを、ナイフで削いだ。それは彼女には相応しくなかったから。 刃を通しても、血が出ることはなかった。 外の気温の安定してくる頃には、最初よりはずいぶん見栄えするようになった死体を見下ろす。 あの日相談を受けたその日に、彼女と彼を外へ逃がせばよかったのだろうか。 呆然と考える。合理性や確実性を加味する余裕もない、思考の逃避でしか無かった。 「……綺麗に、……しなきゃ」 働かない頭のままに考える。誰かに、こんな彼女は見せられない。ただ、それだけの考え。 何度も体を合わせた彼女との間にあったのは友情に近いもので。果たさなければならない義理があって。 だから、彼女のことを。誰よりも死体に対して礼儀を向けてくれそうな彼に、託すことにした。 マフィアの烏に渡したなんて言ったらきっと夢で悪態をつかれるのだろう。力なく笑いながら、配達車のエンジンを掛けた。 (-452) 2022/08/23(Tue) 20:25:41 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 天使の子供 ソニー同じ景色を見られないならば。 隣にいることが許されないのならば。 昔の馴染みに託されたその命を守ることが生き甲斐だった。 顔は綺麗なまま、男は終わっている。 しっかりと調べると死ぬ直前に薬物を服用していた痕が見られたが、死因に変わりはない。 ファミリーに嘘をついてまで貴方を守ってやりたかった。 一人でも生きていけるとその小さな背中に期待をかけすぎて、 もうその心が擦りきれてるなんて思いもしなかったんだ。 「 」 死人は何も語らない。 静寂が部屋を包み込み、墓場のような冷え冷えとした気温はあなたの熱を奪っていく。 その心は俺だけのものに出来なかっただろう? 若くもない、力に歯向かえない家族一番の男が。 たった一人ですら手に入れやしない。 あいつには、家族も友達も子供たちも仕事もあって その生活が、合ってるんだと思い込むしかなかった。 男は酷く狡い賭けをしていたのだ。 食事のあとは家にでも招いてやろうかと思い、貴方が寝床で背を見せたならその背中に銃を向けるつもりで。 しかしあの日もし本当に共にありたいと願われたのなら、命ごと全部やろうと。生きるか死ぬかすら委ねてやろうと。 本当に、愚かな賭けの向こうでこんなことになるなんて思っていなかった。奇跡はどこかに転がっていたのかもしれない、しかし、そうじゃなかったのがこの世界だ。 (-453) 2022/08/23(Tue) 20:32:37 |
【秘】 デッド・ベッド ヴェネリオ → 天使の子供 ソニーこんなに小さな手も握り返せない。 こんなに小さな体も抱き返せない。 それは男にとって無念であったが、 その体は語らず沈黙をしている。 もし辺りを見る余裕があったのなら、サイドテーブルにくしゃくしゃの紙が広げておいてある。 そこには"何か"を予約している領収書があり、 孤児院の住所、あなたの誕生日とされている日付の羅列が向こう20年分記載されていて、それは遠い各国の"店"から届くようになっていた。 あなたへの遺書も愛の言葉ひとつ送らなかった男は 未来の花に全ての想いを込めて眠りについていた。 (-454) 2022/08/23(Tue) 20:33:53 |
【秘】 天使の子供 ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ胸に灯った火がいつからそこにあったのかはわからない。初めは見えないほど小さな星火だった。 けれどもこの瞬間に至るまで、その命の尽きるまで、ずっと男の心は貴方のものだった。 貴方だけのものだった。絶えず、揺れることさえなく。ひとつきりの持ち物だった。 だからきっと、そこに違えがあったのだとするのならば。それは隠し続けた青年のせいだったのだろう。 交わした口付けはほとんど触れるだけのものだった。それで精一杯だった。 或いはあの日手を引かれていたのならば、重ね合う熱はもっと暖かなものだったかもしれない。 涙が皺に滲みてうっすらと水気を増す。それも僅かな隙間に吸い込まれて、失くなってしまった。 ほんの小さな現象でさえも、まるで二度と青年が貴方に与えられるものなど無いことを示すようで。 唇を重ね、指を触れればそうするほどに、もう異にされた幽明境を感じられるようだった。 もっと移り気で、気軽で、只々の別れとして思えるくらいのものであれば良かったのだろうか。 そうであればこんなふうに貴方を心配させ、呆れさせてしまいそうな別れをせずに済んだのか。 ぎゅうと、最後に指を握り込む。もう血の通わない指の肉が、少し潰れて痕がついた。 「……、こんなことしたら、怒るかな……」 ぼんやりと、浮かされたように曖昧な言葉が唇から出る。涙を吸って、息がし辛い。 懐から取り出したのは、いつか街中で誰かと交わした話題の中にあったもの。 アーモンドの花の枝を象った、プラチナの指輪だった。 小さく散りばめられたジェイドは己の瞳の色。それもまた、独善的で幼稚なものだ。 貴方の指にそれがあったなら、いつでも貴方を感じられるかもしれないと、そう思っていたのだ。 少し、貴方の指にはほんの少しだけ小さな指輪。きっと合わないと、買った時は思い返していて。 やっぱり上手くはまらないそれを無理やり、左手の薬指へと添えた。 誓い合わずに一方的に押し付けられたものに、どんな価値があるというのだろう。 (-464) 2022/08/23(Tue) 20:50:38 |
【秘】 天使の子供 ソニー → デッド・ベッド ヴェネリオ部屋の中の僅かな光が、貴方の薬指で輝くほんの小さな色を照らしてキラキラとしていた。 それで、何か区切りがついたように、終わりを見出したかのように。 指輪に、唇に。もう二度と開かない瞼にもう一度ずつだけキスをして。 去り際に見たのは、サイドテーブルの書き置きだった。 小さく、けれど長く、今までの多くが書き綴られていたのだろうくしゃくしゃの紙を手に取る。 「……知ってたよ。遠い国から、あんなに正確にこの国の季節の花がわかるわけないんだ。 花屋の店主さんがさ、そう言っていたから。そう、教えてくれたんだ」 貴方から託されたものは、本当は気付いていたはずなのに。 この結果はいずれ伝えるべきものを先延ばしにしていた罰なのだろう。 見下ろした表情に、最後に一度だけなんとか笑い返そうとして、うまく笑えなかった。 「さようなら、……先生。オレの、ヴェネリオ」 最後まで果たして、青年の声は大気を震わせられただろうか。 自分じゃ聞けなかった、わからなかった。貴方が教えてくれたならばいいのに。 もう叶わないことを思い浮かべて、貴方の部屋を後にした。 (-466) 2022/08/23(Tue) 20:55:11 |
【秘】 墓場鳥 ビアンカ → 天使の子供 ソニー死体は何もしゃべらない。 死体は何もうったえない。 寂しさも、哀しさも、 苦しさも、嬉しさも、 悔しさも、愉しさも、 怒りも、 幸せも。 彼女はいつも全てを内包して、あの店先に立っていた。 そんなすべては流れ出してしまって、 もうどこにも残っていない。あなたが最後に施した死化粧が、醜い死体を僅かに彩る。 もし、彼女が生きていたのなら。 ――なんだかやと喜び、けれど余計なことをするなと唇を尖らせたかもしれない。 もし、彼女が生きていたのなら。 ――綺麗でしょう、こんなになっても? なんて、冗句になっていない冗句を飛ばして、子供のように笑ったかもしれない。 もし、彼女が生きていたのなら。 ――ありがとう、ごめんね、最後まで迷惑かけて。 けっこう、あなたのことは嫌いじゃかったの、なんて、ほんとうかうそか最後までわからないことで微笑んだかもしれない。 もし、彼女が生きていたのなら。 もし、彼女が生きていたのなら。 ――君の前で、笑顔以外をうかべることはなかっただろう。 彼女は、意地っぱりだから。 だから、彼女はもう死んでいた。 くしゃくしゃになった髪がぺとりと肌に張り付いて、 がたごとと揺れて、眠っているように傾いた。 (-467) 2022/08/23(Tue) 20:56:20 |
【置】 天使の子供 ソニー小さな部屋の中に、音楽が流れ続けている。子供のための祈り、子守唄の伴奏だ。 締め切った部屋は蒸し始めて、細く流れる血の匂いが壁に塗り込められるように充満し始めている。 バスルームの壁を背にして、乾ききっている空のバスタブの中に座り込んでいた。 此処までに至る幾つもの部屋には鍵が掛けられている。辿り着くまでには、時間が掛かるだろう。 ぼんやりと天井を見つめていた。そこに楽譜があって音符が踊っているかのように、指で辿る。 目線はタイルの色をほとんど形も判然としないままに見つめている。ジェイドの色が輝いていた。 僅かに差し込む月の光はちょうど目元を映し出していて、瞼に嵌った宝石を照らし出す。 考えていた。自分に何が残っているのかと。 親友と親の仇、そう思いこんでいた人税の目標のような誰かを失った。 仰ぎ見るように心の中にあった、甘い匂いのする眩しい明星を失ってしまった。 たった一人きりの友人を失い、己が助言を仰ぐ優しい手を失い、 己が先に順番が来たとしてもその背にして守るはずだった目上の彼を失い、 この街から逃がそうとしていた友人も、彼女が大事にしていただろう脆い存在も失ってしまった。 此処に残り続ければ自分の手に何が余るのか、何が出来るのか。考えた、筈だった。 ぼんやりと麻痺した頭は、死臭に囚われてしまったように眩んでしまって。 自分の中には何も無いのだと、ようやく気付いてしまった。 「……♪……♪……」 手の中にはくしゃくしゃの紙。手の中には一丁の拳銃。 それは誰かから買い付けたものではなくて、隠し持っていた虎の子の一丁だ。 思い出の中のメロディを鼻歌でうたってみて、それを耳で聞く。けれどもそれは、自分の声だ。 本当に欲しかった誰かの声ではない。それはもう、得られはしない。 (L8) 2022/08/23(Tue) 20:56:43 公開: 2022/08/23(Tue) 21:00:00 |
【置】 天使の子供 ソニー「……ああ、約束。果たしておけば、よかったかな」 ほとんど抑揚のない声が思い出したようにこぼした。誰に向けるでもない声だ。 けれども一度言葉にしてみたなら、誰かが聞いているような気がしてしまって。 叶いもしないことを、口にしてみた。 「ねえ先生、最後に。オレに、――……」 最後に口にしたのは何だっただろう。 誰も聞かない。聞こえない。届かないだけのもののまま。 その声も、心も。命も。思い出も瞳も、花の匂いも何もかも、一人のもののまま。 どこかそれに安堵しながら。 拳銃の引き金を、引いた。 (L9) 2022/08/23(Tue) 20:59:44 公開: 2022/08/23(Tue) 21:00:00 |
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