【人】 封じ手 鬼一 百継>>3:52 氐宿 絆取得 === 継置。 誘蛾。 一葉。 徽子。 そして……氐宿。 儂はずっと自分が周囲の誰よりも幼いことに劣等感を持っておった。 皆は立派な大人で、余裕があり、鬼一の名に膝をついてくれることはあろうとも、それぞれ儂より自分に自信を持って立っているのだと無意識に信じて疑わなかった。 だから先日、(>>21>>22>>23>>24)は驚いた。 はじめは、陰陽師に気安く"占い"を請うた自分の迂闊さに呆れ、同時に氐宿の技の緻密さ、鋭い知性と感性の融合に驚いていたものだが。 段々と、彼が発する言葉に心がざわつく心地がしておった。 その時は何故自分がそう感じるのかわからなかった。 今でも確信は持てぬ。 ただ、推測ならできる。 氐宿は、あの物静かな陰陽師は、儂が思うような"超越した立場から世界を見下ろし、悠然と構える"ような性格ではなかったのではないか。 (42) TSO 2021/04/24(Sat) 20:45:22 |
【人】 封じ手 鬼一 百継あの時氐宿が儂に寄せた感情には、確かに劣等感が含まれていた。 儂は、ただ面食らった。 こんな、名ばかり背負わされ常に精一杯の子供に感じる類のものではないと、否定してしまった。 だが、実際、氐宿がはっきりと示した意見は、それだけだった。 彼は、「強い意志を持った儂」と、「家を失い虚ろに漂う自分」を比較して見せて、笑った。 そう、それだけは言ったのだ。 氐宿は、自分には強い希望があるなどとは、終ぞ言わなかった。 儂の言うことに一部同意できる故、ここにいる、らしい。 あれから、隙を見て氐宿と話をしようとしているが、どうにも難しい。 それこそ何か術でも使っておるのかもしれん。 そのくらい、氐宿と相対することが叶わぬ日々が続く。 氐宿を強引にここに招いてしまった責、と云うより、純粋に、今一度、好機があるのならば。 今度は、探り探りではなく明確に聞きだしたいことがある。 胸倉を揺すってでも、伝えたい思いがある。 氐宿には、目を離せばふらりと消えていってしまうような危うさがあるのだ。 ゆめまぼろしのように、そう、百鬼夜行の只中へ。 [こちらからは〆] 感情書き換え:なし (43) TSO 2021/04/24(Sat) 20:46:46 |
【人】 封じ手 鬼一 百継「あ、"あか"?」 誘蛾から返事があったと喜んだのも一息の間で、直ぐに彼女の言葉に面食らうこととなった。 "あか"とは何のことだろうか。 赤色? 赤子? いや、何かあやかしのことだろうか。 儂はさぞ間抜けな顔をしていたのだろう。 誘蛾は、言葉を知らぬ幼子に教えるように、奏を続けた。 儂は、ただ広く深い宵闇のもと ちいさな誘蛾が無限に展開する世界に その時ばかりは、吞まれていた。 百鬼夜行に魅せられた姉も、このようなふわふわとした、しかし色彩あふれる世界を垣間見たのだろうか。 (44) TSO 2021/04/24(Sat) 21:16:02 |
【人】 封じ手 鬼一 百継誘蛾は絵巻物を取り出した。 そこに散りばめられた、色、色、色。 彼女曰く、どれもあかいろであり、どれもあかいろと呼ばず。 見えるものに名前をつけ、定義の檻に閉じ込めたのは、人だと云う。 ――我の見ゆもの 当主殿には知れず ――我もまた 当主殿の"いろ"知れず 間違っているかもしれないが、誘蛾が訴えていることの一端は、解る気がした。 そして、常日頃から、誰しもが疑わぬ共通言語を是とせずに、万人がそれぞれ身勝手に世界を定義する中で、世界そのものを愛する誘蛾の精神に触れ ぞっとするほど、 美 しいと思った。不可能だ……そんなものは。 しかし、"あちら"の世界には、まさにそれがあるのかもしれない。 (45) TSO 2021/04/24(Sat) 21:17:36 |
【人】 封じ手 鬼一 百継"交わらず"と云われ置かれた、2本の絵。 この世とあの世のことだろうか。 儂と彼女のことだろうか。 そのほか総てのことだろうか。 「ありがとう。聞けて良かった。 儂がお主のおとやいろに魅了されたことは、大いに意味があったのだ」 誘蛾は、首をかしげて唇のはしを上げた。 世界の"まこと"に魅了されぬ者などおらぬ……と、嗤っているように見えた。 [〆] 感情書き換え 百継→誘蛾 劣情 (46) TSO 2021/04/24(Sat) 21:20:22 |
封じ手 鬼一 百継は、メモを貼った。 (a15) TSO 2021/04/24(Sat) 21:23:36 |
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