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【人】 ずっといっしょ レグナ――夢を見た。 この世界が本当ではない、夢の世界であるという夢。 手を汚し、皆をその夢から覚まそうとした夢。 二人でひとときだけの幸福に浸った夢。 痛みと赤の中、ふたりきりの最期を迎えた夢。 (2) 2024/04/19(Fri) 3:03:27 |
【人】 ずっといっしょ レグナマオが目を覚ましてから、暫くして。 うーん、と概ね普段通りの若干寝苦しそうな声の後に、ぱちりと目を覚ます。 夢の中。そこでなにか、とても重要な事を知っていた気がする。 けれども思い出そうとしても思い出せない。 思い出そうとしても、思い出されるのはただ、 赤 に染まった視界と。狂おしいほどの若草色 。それだけ。「……。……どうした、マオ?」 普段は「人を布団にするな」と文句を言う所から始まるのだが。 不安げな様子に、もしかしてマオも夢を見たのだろうかと思い。 そう声を掛ける。 (3) 2024/04/19(Fri) 3:04:02 |
【人】 ずっといっしょ レグナ「うわっ!? ちょっ、な、何だ!?本当にどうした!?」 セクハラされるのはままある事なのかもしれないが 突如さわさわまさぐられて、かなりびっくりした。 その身体には。傷も、血も、残っていない。 ――見ての通り、本人も其処に残っている。 「…………?いや、俺はいつも通りだけど…… って、 泣……!??本当にどうしたんだ?!? 」ぼろぼろと涙を零したのを見て、慌てて近くに置いてあるタオルを手に取って拭き取ろうとする。 こっちの方は夢の出来事はかなり朧げになっているらしい。 (5) 2024/04/19(Fri) 12:19:27 |
【人】 ずっといっしょ レグナやな夢と言われれば覚えがある、ような……気はするが。 それはそうと拭いても拭いても泣き止まない様子に、ティッシュも一緒に取り出して来たかも。ちーんしな、ちーん。 「あーーーっ、わかった、 わかったから勝手に脱がせんなって!!!」 服を剥がれそうになれば一旦静止して、自分でいそいそ脱ぎ始める。 見てみるならば、背にも、腹にも。勿論それ以外にも。 傷もそれが付いていた痕一つ、見当たらない筈。 (7) 2024/04/19(Fri) 16:12:27 |
【人】 ずっといっしょ レグナ振り払われた手に「あっ、こら」と声を掛けるが。何処となく深刻そうな様子に、それ以上叱るのはなんとなく気が引けた。 ……とはいえ、丁寧にぺたぺたさすさす触られるのは中々こう、くすぐったい。 「……どんな夢を見たのか知らないけど、夢は夢だろ。 俺はちゃんと、ここにいる」 あなたが擦り寄って来るのを、宥める様に頭をぽんぽんとする。 不意にその首元に視線が行く。こちらも当然、なにもなく綺麗なままだ。 何故気になったのかは――やっぱり、よくわからない。 「どこ見てんだ」 尚、マオハラには案の定ツッコミが入った。 (9) 2024/04/19(Fri) 20:31:55 |
【人】 ただの青年 レグナ「全部!???」 それはマジで当分は寝れない。 ……やれやれとひとつため息。 「行かない」「今更放っておけるもんかよ」 なんて、いくら口で言った所で納得しないのは予想通りか。 背に手を回されるのを合図に、頭にやっていた手をこちらも背に回し、強く抱きしめ返して。 ひとつ髪に口付けを落とす。 「なら、……どうしたら納得してくれる?」 (11) 2024/04/20(Sat) 1:33:02 |
【人】 ただの青年 レグナ「もうちょっと信じてくれても良くない?」 猫じじいだけにツンデレのつもりだと思いたい。 文句を言われれば「これが分かりやすいかと思ったんだけどなあ……」と言い訳しつつ、少し力を緩める。 それからあなたの提案に、暫くの硬直。 「………………」 「ちょっと待て、それって」 意味を理解すれば面白いぐらいに顔が赤くなる。 マオはそのつもりで言っているのだろうか。いや、かといっていくらなんでも冗談でそんな事は告げるものじゃない、だろう。 だって、それは。 「…… プロポーズ のつもりか?」 (14) 2024/04/20(Sat) 11:39:36 |
【人】 ただの青年 レグナ「…………、」 「そうかあ……」 触れた体温も分かりやすく上がっている。 もう既に番のようなもの、と言われればそうなのだろうけれど。改めて意識するとこの通りだ。 折角のプロポーズだというのに格好がつかないな、だとか。後で家族に話しを付けてくるか、だとか。思いつつ。 「遊びでここまで付き合わないっての」 苦笑しつつ言って、付いていく事だろう。 「首輪」 猫か?それともそういうプレイか?? 突っ込まれればもしかして指輪の事を言いたいのか?と返すぞ。 (16) 2024/04/20(Sat) 17:43:56 |
【人】 ただの青年 レグナ「そりゃ、いくらその…… 愛し合ってる相手だからといって、 プロポーズなんてされたらこうもなるって…… ……なる、よな?俺だけじゃないよな??」 「っとお!?いきなり乗ったら危ないだろ!」 言いつつもキャッチ。成人男性が成人男性をおんぶしている図、傍から見ると割とシュールかもしれない。 外に出掛けて少し歩けば、辺りはビルや駅、それと色んな店が立ち並ぶような、大きな街だ。 道行く人はそこまで多くも無く、比較的過ごしやすい程度。 空を見上げれば、一筋の飛行機雲が映るだろうか。 「こわい。」 「……こう、せめて、チョーカーとかじゃダメか? ネックレスと首輪の間みたいなやつ」 (18) 2024/04/20(Sat) 20:37:21 |
【人】 ただの青年 レグナ「そりゃ、常日頃から仕返しはしてやりたいとは思って…… み"ゃっ!?」 いたずらされて猫みたいな声が出た。後で覚えてろよ……!!!になったかもしれない。 尚、街中おんぶでもあんまり人に見られる気配がない。不思議だね。 「首輪に近いのもあるよ、確か。 見掛けるのだと、首輪の真ん中にアクセサリーが付いたのとかかな」 そうやって話しながら「こっちだ」と、ある一つのアクセサリーショップに入っていく。 複数階建ての建物で、指輪やネックレス、ピアスなどはもちろん。首輪……改めチョーカーもいくつかの色や種類がある。 キラキラした宝石が付いていたり、猫の様な鈴が付いていたり。 棘や鎖が付いているのまである。 (20) 2024/04/21(Sun) 1:51:56 |
【人】 ただの青年 レグナ「誰がレグニャだ!! 度が過ぎると下ろすぞこの猫じじい!!」 何となくこちらもこのやりとりにデジャヴを感じたのは気のせいだろうか。 もしあの時よろしく猫耳尻尾が付いていたら、尻尾をぷくぷくにさせていたかもしれない。 「だーかーらー、俺は猫じゃないっつーの! あんたの方こそよく似合うんじゃないのか? すぐどっか行くし、かと思いきや潜り込んでくるし、 鈴が付いてりゃ場所が分かっていいと思うんだけどなあ?」 両手が塞がっているので避けようにも避けられないぞ。代わりにそちらの方を振り返ってジト目をしておいた。 そのまま付けられると、動く度にちりんちりんと音が鳴る。ネコチャンの出来上がりだ。 (22) 2024/04/21(Sun) 11:51:38 |
【人】 ただの青年 レグナ「玉ねぎ嫌いに風呂嫌いの布団に潜り込んでくる気まぐれ、 相当猫だと思うんだけどな?」 等と言い合いをしていたが、決定権を握らされれば今度は真剣に商品たちを見ながら考え込み始める。 一つ、小さなダイヤの付いたもの。結婚というぐらいなのだから何となくそれっぽさを感じるかもしれない。少々お値段が張るけれど。 一つ、シンプルに後ろで止めるだけのタイプ。……自分で付けてもあんまり恥ずかしくはないが、結婚っぽさは低いかも。 鎖付きのものにも目は行きはしたが、プレイにしか見えないのでこれは除外。 「……あ、こっちならまだ」 と、手に取ったのは……やっぱり鈴付きではあるが、少し風変わりな、神社で売ってそうな銀と金の鈴のもの。 普通の鈴よりは猫らしさは薄れるし、どうだと聞いてみる。 ちなみに爆発は付いてないと思われるが、夢パワーで後から付けられるかもしれない。 (24) 2024/04/22(Mon) 13:10:20 |
【人】 ただの青年 レグナ普段なら「滅茶苦茶わざとらしくなってるぞ」等とツッコミを入れそうな所だが。相当真剣だったのか、呼び止める時まで暫く無反応。 「俺は結構いいなと思ったんだけど」 「マオにとっても悪くないなら、これにするか? ……見ての通り二種類あるけど、どっちがいい?」 あなたにも見える様にチョーカーを差し出す。動かすと共に、ちりんと涼し気な音が鳴る。 それぞれ、銀色の鈴には月の模様、金色の鈴には太陽の模様が彫られているだろう。 「一体何する気なんだよ」 おまけの方は却下の姿勢。でも粘られれば落ちるのをあなたは知っているかも。 (26) 2024/04/22(Mon) 19:41:28 |
【人】 ただの青年 レグナ「なんだよ、言い出しっぺの癖に」 言いながら片方ずつ、比べる様にあなたの首元に鈴を翳していく。 翳しつつ、ふいにちらりと髪を見る。夜空に登るまあるいお月様の様な髪飾りが、今も其処にある。 背伸び云々を除いても、似合うと思っているのは。……或いは、自分が好きだと思っているそれは、月の方なのだけれど。 「……いや、」 「似合う方って基準じゃないけど。 敢えてこっちにする方が、らしいんじゃないか。 いつも付けてるそれとも合うし」 そういって、金色の――太陽の方の鈴をあなたに付ける。 マオが自分をどう思っているのか、はたまたどっちが似合うと思っているのかは置いておくとして。 なんとなく、マオに似合う方を自分が付ける方が"誓い"としてはそれらしいのではないか、なんて発想。 ▽ (28) 2024/04/23(Tue) 1:08:29 |
【人】 ただの青年 レグナ「ばっ」 「なんでそういう勘はやたら鋭いんだよ……」 ひそひそこそこそ。大声で返すのは何とか免れた。 繋ぐにしても、繋がれるにしても。それはもう面白い姿が見られるだろう。 もう一つの意図には、納得している様なしていない様な。 「…………」 「ちなみに、爆発は?」 (29) 2024/04/23(Tue) 1:08:59 |
【人】 ただの青年 レグナ「なら、はっきり言ってやるよ」 「誓いなら誓いらしく、マオらしいのを俺が付けたい」 あなたが月の鈴を手に取るなら、そのまま付けられるのを待っている。 お揃いの涼し気な鈴の音が、小さく響いた。 「……。店ん中でやるより、もうちょっと風情ある所がいい」 「支払いして来るから、少しだけ待ってな」 そう言ってレジまで向かい、購入手続き。 何と無く店員にニコニコ微笑まれてる気がしてちょっと恥ずかしくなったとかならなかったとかは、また別の話。 「いや、だってさ。……鎖は大分絵面が、その。あれだろ」 監禁は流石に勘弁してほしいし、そんな事をしなくても別に何処かに行くつもりはない。 仮にこの先"現実"の事を思い出したとしても、最早今のレグナはあなたの元に居る事を選ぶだろう。 購入後、手を引いて向かうのはまた別のビル。 エレベーターに乗って、屋上まで。到着の音が鳴り扉が開けば、辺りは澄んだ青い空が何処までも広がっている。 (31) 2024/04/23(Tue) 13:17:15 |
【人】 ただの青年 レグナ「俺が羞恥心に耐えられる気しない」 「……。マジでやりたいなら止めねえっていうか、 止める手段なさそうだけど」 そう話している内に目的地に着く事だろうか。 夢の中の出来事は、きれいさっぱり……とまではいかないものの、殆どを覚えていない。故に胸の内に抱えた不安には、きっと気付かないまま。 「そ。景色が綺麗な所の方がいいと思ったんだ」 「あんたが気に入るかは分からないけれど、俺の好きな場所だよ。 空が、良く見えるから」 風が二人の髪と、首に付けられた鈴を鳴らす。 「あんたは知ってんのかな」 「普通の人間が契りを交わして誓う時、神の前で告げるんだよ。 病める時も健やかなる時も、共に過ごし支え合う事を……みたいな内容だったっけ。」 ▽ (33) 2024/04/23(Tue) 19:43:55 |
【人】 ただの青年 レグナ少しだけ遠くを見てから。改めてあなたに向き直る。 「……いや、難しい言い回しするよりも。 分かりやすく答えを言う方が俺達らしいか」 教会ではなくどこぞのビルだし、指輪ではなく首輪だし。 何と無くその状況が面白くなって、苦笑交じりの笑みを零しながら。 若草色を見る。そして、その細い手を取って。 「――受けるよ、そのプロポーズ」 (34) 2024/04/23(Tue) 19:44:36 |
【人】 ただの青年 レグナ「……なーんだ。 結構この手のは退屈するかもな、とか思ってたけど。 その心配は余計だったか?」 それとも、また背伸びをしているつもりなのか。 絡められた手を握り返す。 「何か色々増えてるぞ。けど、」 「……誓うよ。俺は"あんたの"、だろ? そして、それはこの先も変わらない」 「他には指輪……今回はチョーカーだけど、その交換をする。 だから、らしいかなって言った」 「あと、……それから、」 鈴に口付けを、誓いを落とす様子を見届けてから。 頬に触れる。そして、改めてあなたへ視線を送る。 自分に送る視線が、あまりにも熱く感じたが。自分があなたに送る視線も、大概なのだろう。 そのまま、その唇に自らの唇を、触れさせる。 ――誓いの証である口付けを。 (36) 2024/04/24(Wed) 1:35:29 |
【人】 ずっといっしょ レグナ「そっか。まあ、そこから先の事は、 俺もよくわかってないんだけど」 「はいはい。……ここまで言ったからには、 最後まで付き合ってやるよ」 激しいものではない、触れ合うだけの。けれども長い、長い、口付け。 暫く共に幸福に浸った後、そっと唇を離し、その柔らかな髪を軽くぽんぽんとする。 「んじゃ、出立の準備してこないと」 「持って行きたい物もあるし、家族に説明もしないとだし。 ……あんたも一緒に来るか?それとも、先に待ってる?」 (38) 2024/04/24(Wed) 16:29:13 |
【人】 ずっといっしょ レグナ「言い出したのはマオの方だろ」 そうは言いながらも満更でも無さそうな声色。 擦り寄って来たあなたを、軽くだけ抱きしめて背を撫でる。 おんぶの所望を受ければ「しょうがねえなあ」といつもの口癖を告げつつキャッチ。二人分の鈴の音がちりんと響いた。 そのままエレベーターを降りて、街中を歩く。 「あのビル程の高さってなると……相当な大きさになるな?」 「けど、そうだな。ちゃんと止められるところがあると、やっぱ嬉しい。あんたも一緒に乗せて、どっか出掛けるのもいいし」 足音と、楽し気な会話の声。少し日の高くなった空が、二人を見ている。 ――これからもこの夢は、幸せな日々は、続いていくのだろう。 時が二人を分かつまで、もしかするとそれより先も。ずっと。 (40) 2024/04/24(Wed) 19:02:21 |
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