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【人】 骸狩り スカリオーネ「……生きてる本人を前に死後の予想か? 生憎死ぬつもりは当分ない。 なんならお前達よりも長生きする予定だ。 安心しろ、蘇ったら再殺してやる」 臨時収入でいい酒を飲んでいるせいか冗談も出る。 (9) 2021/12/15(Wed) 22:57:23 |
スカリオーネは、明日は早い、と呟いて自室へ戻っていった。 (a6) 2021/12/16(Thu) 0:50:54 |
【人】 骸狩り スカリオーネ (16) 2021/12/16(Thu) 1:01:29 |
スカリオーネは、何言ってんだこいつら……みたいな顔で去っていった。 (a9) 2021/12/16(Thu) 1:02:21 |
スカリオーネは、見えない相手に僅かに手を挙げて行った。 (a10) 2021/12/16(Thu) 1:07:08 |
【秘】 羽無し妖精 アイシャ → 骸狩り スカリオーネ「……ツケは、銀貨で頂いたのです。 お薬は、そうではないと思ったので ちゃんとお礼…したかったのです。 スカリオーネ様。いつも、煙のこと気にしてくださって嬉しいのです。 でも、私こう見えて子供ではないのですよ。実は、ちょっとだけ大人なのです」 気にしなくてよいのは、スカリオーネ様も同じなのですよ。 そう言って、花売り妖精は表情を緩めることでしょう。 そして貴方に尋ねられると、小瓶を手に取って。 「これは、お花と植物の成分を使って作製した…リラックス効果のあるお薬なのです。 中毒性のない分、ゆっくり浸透するタイプのものになっているのですよ。 毎日働きづめのように見えるので、少しでもお休みできればなと思ったのです」 尋問の後でも、少女が誰かを気遣う気持ちは変わらないのです。 貴方が扉を閉めないのであれば、小瓶を花籠に戻して それごと差し出すことでしょう。 (-46) 2021/12/16(Thu) 2:13:11 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 羽無し妖精 アイシャ「……はあ……。俺から見れば、子供と変わらん」 大きなため息の後、そう呟いて。 見上げるのも疲れるだろうとその巨躯を、気だるげにゆっくりと下ろす。 片膝をつく形になれば、きっと目線の高さも揃うだろう。 「……煙は俺が、俺の為にやっている事だ。 別に誰かを気にしている訳でもない」 誰への言い訳やら、説明を聞く合間に呟いて。 花籠に手を伸ばし、しかし2本の小瓶だけ抜き取って。……少し迷った後、クッキーも。 「この薬に関してはありがたく貰っておく。こっちは、 甘い物が好きな奴にくれてやるつもりだ。構うまい?」 相も変わらず不愛想な顔と冷えた言葉。 男は平等で、変わらない。そう努めている。 少女の"突然持ち掛けてきた過去の取引の清算"を、 "難航した交渉の末にやや不利な条件で承諾"した。 それがこの男にとってこの場で起きた全てだ。 だから、会話をしようが、何かを聞こうが、 そのまま去ろうが、問題はない。 それらは全て、平等な取引として扱われる。 あなたは、膝をつく男に何をしても構わない。 何をしても、きっと次の日に酒場で会っても、 この男の様子は変わらない。強いて言うなら―― 『花売り』ではなく、『アイシャ』と。 そう呼ぶように、なっただけ。 (-59) 2021/12/16(Thu) 3:44:20 |
スカリオーネは、早朝に起き、いつもの席に陣取り、花が来るのを待つ。 (a20) 2021/12/16(Thu) 12:38:00 |
スカリオーネは、花を手に酒場を出て行く。 (a23) 2021/12/16(Thu) 15:42:48 |
【人】 骸狩り スカリオーネ街を歩く。幾人ものごろつきが姿を見るなり逃げ出し、 そうでない者達は御布令を見たのかそそくさと視線を外す。 口さがない者はその場で「やっぱりね」だとか 「前から不気味だった」だとか、 そんな風に言葉を交わして。 それらの一切に興味がない、と いつもと変わらぬ顔でもって街を歩く。堂々と。 男は、自らにつく 尾行を嫌う 。どうせ後で露見するから。それでいて、 同行に関してはまるで頓着していない 。どこで何をするのに際しても、この男は平等だ。 邪魔にならない者を突き飛ばすような趣味はなかった。 あとは、もし決して気取られない尾行が出来るのなら、 それに関しては、容認しているだろう。 そうして街を、歩く。街を、抜けていく―― (25) 2021/12/16(Thu) 18:26:36 |
スカリオーネは、街を抜け、丘へと向かう。海を見下ろす、あの丘の上へ。 (a24) 2021/12/16(Thu) 18:30:12 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>@1 フェリックス 丘の上の墓所。海を見下ろす、無数の墓石。 一体幾人が、寿命以外で納められているのやら。 そして幾つの死体が、今地上を歩いているのやら。 「……潮風を堂々と浴びる詩人がいるとはな。 喉にも楽器にも悪いと思うが」 まして煌びやかな場所でもなく、寂れた墓場。 こんな所で死体に聞き込みか、とでも言いたげに、 巨漢の男が姿を見せた。 (27) 2021/12/16(Thu) 19:25:57 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>@2 「結果魔女に沈められる船も多かったと聞くがな。 ……そもそも詩人と情報屋のどっちが本業なんだ、お前は」 胡散臭い男はあの都市に少なくないが、 政治の場に根深く食い込む詩人は目の前の男くらいなもの。 こういう時に限ってこういうのと遭う辺り、 御布令の辺りから運は向いていないらしい。 「……何もないから来ている。 ヨルムガンドは喧騒が過ぎる」 上等な靴で墓場の湿った土を踏んでいく。 いずれの墓石の前に留まることもなく、 崖際まで歩いていくだろう。 (28) 2021/12/16(Thu) 19:42:20 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>@3 フェリックス 「…………」 多くの場合と同じように、沈黙は肯定でもある。 ただし、あなたと男では履いている靴が違う。 潮風が撫でつけた髪を僅かに解き、揺れさせて。 もうあと2歩、いや1歩。踏み出せば落ちる。 そんな場所に立ち止まり、 風にはためくコートのポケットに手を突っ込んだ。 「生憎変わりはない。変わらせるつもりも、ない」 抜かれた手には二輪のクモマグサ。 造花のそれは、男の言葉と同じように変わる事なく。 逆風を切り裂くように、海へと放り投げた。 「……それで、お前は何をしていた。 祭り騒ぎの元凶が届くのでも眺めていたのか」 遠くをゆく船を見る事も、詩人に振り返る事もなく。 (29) 2021/12/16(Thu) 20:30:21 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>@4 フェリックス 「仮に俺が死んでも、この仕事は誰かが引き継げる。 無論、空中分解する可能性もあるがそれはそれだ。 どちらにせよ、この街は変わらない」 個人の話が、いつのまにか街の話へと。 そうしてまた、ポケットに手を突っ込む。 「……〈脳刺し〉が行った蟹狩りの船は そろそろ帰港ではなかったか。 それとも既に着いていたか。 悪いが昨夜は忙しかったんでな」 元凶は元凶でも、一般的な賑わいの方。 国ぐるみの喧騒なら、あなたの方が詳しいはずだ。 肩を竦めて、水平線を見る。 崖下を覗き込んでも、もうそこに花は見えないだろう。 花と同じように、何か、手に対してずっと小さなものを ひとつ、ふたつ……海に向かって放った。 手を軽く払い、振り返る。 葉巻を一本咥えて、火をつけようとして、 その背に向けて吹いた咎めるような強い潮風に―― ふ、と。いびつにわらって、葉巻をしまいこんだ。 (34) 2021/12/17(Fri) 0:02:35 |
【独】 骸狩り スカリオーネ「(俺は――死にぞこないだ)」 いびつな笑みの向こうで、男はそう考える。 あの頃のようには笑わなくなった。 いや。もう、あの頃のように、笑えなくなったのだ。 強い潮風が背を押す。 ついさっきまで立っていた崖から遠ざけるように。 まだ来るな、そう言われているような気がする。 男は、たったふたつの宝を同時に失った。 あの戦争の火が燃えていた頃、 警備隊長として指示をしながら民間人の避難をさせていた。 そんな時、気付いたのだ。 自分の家から、煙があがっている事に。 遮二無二走った。避難も、指示も、全て投げ捨てて。 辿り着いた先で見たものは、 赤い涙を流しながら、実の娘を貪り喰らう妻の姿だった。 (-155) 2021/12/17(Fri) 2:18:23 |
【独】 骸狩り スカリオーネどうしようもなかった。 産まれた時に涙を流し、笑いあって、 成長を見守ったあの子が、見開いた目に驚愕を宿したまま。 食い尽くされていく様を、見ていられなかった。 だから、男は、妻を殺した。 どうしようもなかったのだ。 例え分かっていても、殺さなくてはならなかったのだ。 例え、分かっていても。あの屍人が流した赤い涙は、 ――妻が、まだ意識を保っていたから流していたなどと。 しかし自分を造った者の命令には逆らえなかったのだと。 その妻は最後に、言った。 「■■■■。とめてくれてありがとう」と。 「わたしのことはわすれて、しあわせにいきて」と。 それきり……男は、自分の名を捨てた。幸福を、捨てた。 あの日、妻と娘が死んだ日に、■■■■は死んだのだ。 今ここにいるのは、その日の男の怨念だ。 死人のように生きる者。 スカル 《骸》を抱えた名前が似合いだ。 ――男は今は、スカリオーネと名乗っている。 (-160) 2021/12/17(Fri) 2:33:01 |
スカリオーネは、もう、昔のようには笑えない。 (a35) 2021/12/17(Fri) 2:33:54 |
スカリオーネは、死にぞこないだ。 (a36) 2021/12/17(Fri) 2:35:46 |
スカリオーネは、それでも動き続ける。 (a37) 2021/12/17(Fri) 2:36:12 |
スカリオーネは、……屍人と、何が違う? (a38) 2021/12/17(Fri) 2:36:46 |
【秘】 羽無し妖精 アイシャ → 骸狩り スカリオーネ「スカリオーネ様から見たら、皆そうなのかもしれないのです」 ふふ、少しだけおかしそうに少女は笑います。 目線が合えば、ピンク色の瞳が貴方の顔を映すことでしょう。 何だか、そうしているとくすぐったいような気持ちになります。 「では、そういうことにしておくのです。 はい。勿論、美味しく食べてもらえるのが一番なので。 私は、貰い物はその人が好きに扱ってくれればいいと思っているのですよ」 手に取ったクッキーは少し厚めで、ほのかに桃色を帯びています。 少女も、貴方と似て 誰にも平等に接するように努めています。 とはいえ、人生経験も貴方より少ない彼女よりもずっと強固であるその考えに、少女は密やかに尊敬の念を抱くこともあるのです。 揺らがないことは、決して悪いことではありませんから。 アイシャは、持ってきたものを受け取ってくれたスカリオーネに笑いかけます。 「受け取ってもらえてよかったのです。 スカリオーネ様もお疲れでしょうから、私もそろそろお暇しようと思うのですよ。 また、お花を貰いに来てほしいのです。気が向いたらで良いので」 (-163) 2021/12/17(Fri) 2:52:32 |
【秘】 羽無し妖精 アイシャ → 骸狩り スカリオーネ「言われた通り、今日はちゃんと休もうと思うのです。 また明日、酒場に出られるように」 そう言って今日のところは立ち去るのでしょう。 そして、貴方から名前で呼ばれる時には 花のような笑顔を向けるのです。 (-165) 2021/12/17(Fri) 2:54:57 |
【秘】 迷彩掃除屋 ノアベルト → 骸狩り スカリオーネこれはその日の宵闇が訪れる頃。 たった数日現れなくなった彼は、たまに表に顔を出せば何やら掃除屋としての仕事をせず走り回っているそうだ。 そんな男は貴方を探していた、少々顔は合わせにくかったが姿を消していても許してくれているのを知っている。 見つかったのはどこだっただろう、その背中を見つければ。 もしくは見つからなくても。 その場で男は、カチリと音をたて、己の香りを消す煙を焚いた。 「主」 「素直に連れて行かれるつもりですか」 平等とは。 その言葉を告げられてから 頭の中で意味を巡らせたことは何百も。 貴方は知らなくてもいい。 物言わぬ人形になれと命じられて、 喜んでなろうとする人間のことを。 その人形にすら、感情があり 思いもよらぬところに牙が潜んでいることも。 その期待が裏切られるまで、裏切りたくても裏切れないことを。 (-166) 2021/12/17(Fri) 3:04:20 |
【独】 骸狩り スカリオーネ今日は、命日だ。ずっと昔に死んだ3人の。 供える花は2輪でいい。 甘いクッキーは2枚でいい。 美しい景色と、静かな場所は、2人にだけあればいい。 赤い涙に安寧を。 叫ぶ死人に休息を。 あの日に死んだ男には、 あの日に上がっていた煙でいい。 言われなくても、まだそちらには行けない。 だから、そんなに背中を押さないで欲しい。 だから、頼むよ。 あの日を忘れないように、一本吸わせてくれ。 あの日から離れたがるこの俺を、 どうかあの日に縛り付けてくれ。 俺が、変わってしまわないように。 (-168) 2021/12/17(Fri) 3:08:37 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 羽無し妖精 アイシャ「そうしてくれ。 ……気が向いたらな。良い夜を」 そう呟いて、見送るのだろう。 それから少し、日が空いて。 男は気が向いたのだろう、 クモマグサの造花を2輪頼んだ。 そして、あなたが贈った桃色のクッキーは、 男の口にも、……誰の口にも入らずに。 ――きっかり2枚だけ、海に落ちた。 (-171) 2021/12/17(Fri) 3:14:18 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルト男は、昼の間は街から離れていた。 少し離れた、海の見える丘の上にいた。 宵闇が街を覆う頃には戻ってきていただろう。 それでも、いつもの酒場には少し遠い。 猥雑さとも少し離れて、薄暗い路地でも 通っていた頃だっただろうか。 「ああ」 「お前ほど酷い目には遭わないだろう。 連中がいかにバカでも、 俺の手勢は知っているはずだからな」 男は、……男は、いびつに笑う。 そうして、今日は、今日だけは、余計な口が回る日だ。 「なあ、ノア」 「俺は」 「変わっていないな?」 とぎれとぎれに。 あなたの外を知らぬ者が、あなたの内を知るはずもなく。 ただ、重用し、信用する、あなたへの確認の言葉だ。 男は、今日だけは、変わっていた。 (-172) 2021/12/17(Fri) 3:25:17 |
【秘】 迷彩掃除屋 ノアベルト → 骸狩り スカリオーネひゅ、と息を引くような音がした。次いで近づく気配。 本来ならば帽子を吹き飛ぶのも気にせず駆け寄るところを、 押さえなければいけないのこの姿勢はどれほど無様か。 「変わって、いるわけ」 なんで。 一歩近づく。その男の体に目立つ傷はない。 「……、何がありましたか?」 更に一歩。顔も、頭も、無事で。何故か首輪すらつけていない。 「何を考えているんですか。 反乱軍に疑われて落ち込むような方じゃないでしょう。 旧知の仲が傷を負ったことを傷まれているんですか?」 この場所が、貴方をそうさせたのですか? ただし、帽子を押さえる手首を見れば赤い拘束痕がついている。ひどく抵抗したのかその傷だけは目立って見えた。 「……、……今の主は」 「変です。私が、殺したいと思えないほどに」 目の前に立つのは、いつぶりだっただろう。 ほんの数日ぶりのようで、何ヶ月もしていない気分だった。 (-173) 2021/12/17(Fri) 3:50:44 |
【秘】 死にぞこないの スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルト「何もない。……お前は何か、あったようだな?」 予想していたよりずっと、身綺麗な姿。 そこで手首のそれはいやに目立つから、そんな言葉。 「何を考えているか、か。ははは。 この街は変わらない、とそう考えている」 いびつに笑う。顔色を窺うごろつきは多く、 果ては部下ですらそんな風にする事もあるが、 目の前に居るお前がそれを聞くのか、と。 或いは、それを聞かせてしまうだけ変わっているのか。 ……どうやら、答えは後者らしい。 「許せよ、今日……いや、今だけだ。 それにしても殺したい、か。 どうも、やはり主としては失格だったか」 懐を探り、葉巻を取り出す。 室外で吸うのには向いていないのだが、 今は煙が欲しいから。 先端をカットし、マッチを擦る。 この街の深い路地まで、潮風は追いかけてこない。 顔を逸らして一息、煙を吐き出した。 「悪いな、ノア。俺はまだ死ねんよ。まだ、な。だが、」 一度切って、また一口。煙の味を。 (-206) 2021/12/17(Fri) 18:49:22 |
【秘】 死にぞこないの スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルト「いつかその時が来たら、 お前に殺されるのも悪くはないかもしれんな。 ――その時は、お前に《骸狩り》になってもらうか」 煙を纏う。煙管ではない、ただの葉巻だ。 幾つも、幾つも煙を吐いて、その頃になって、 (-207) 2021/12/17(Fri) 18:50:00 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルト「……。まったく、やれやれだな。 どうしようもない日だ、今日は」 やっといつものように、冷静な顔が少しずつ戻ってくる。 それからいつもの通り、手首の痕に塗れとでもいうように、 ポケットから出した傷薬を投げ渡す。 いつもの通り、煙を纏う、骸狩りの男がそこにいた。 (-209) 2021/12/17(Fri) 18:57:49 |
【秘】 迷彩掃除屋 ノアベルト → 骸狩り スカリオーネ「これは……犬に噛まれたんです。 本当に何もされていませんね? 変わってしまっても、変えませんよ。 あなたが望むのなら考えますが…… 寂しくなっただけとか言いませんよね、ああ気が狂いそうです」 腕を忌々しげに眺めながら、表情を隠しきれないことに舌打ちをしかける。 正面に立ち話すような対話はここまで苦手だっただろうか、また一度息を吸った。 慣れ親しんだ紫煙が胸に入り込んできて、香りが混ざる。 男が目の前の彼を主人と決めたときから、 考えてきたのは、その別れの瞬間だった。 「そんなこと言うのは、主らしくないですよ。 変わったんじゃくて、変になっているんです」 信用していないのは私だ。 変わらないことを望んで、 変わってしまうんじゃないかって。 裏切られる前に裏切りたくて、期待はずれを願っていた。 最高の形でその期待はずれは期待通りに起こらないのだが。 「失格……? 馬鹿げたことを」 失いたくないから手にかけたくてしかたない不信の感情。 ふさわしくあり続けて欲しいとと願っている盲信と慕情。 「そんな日、来るわけないです。 あなたは変わらないんですから」 (-259) 2021/12/18(Sat) 12:51:13 |
【秘】 迷彩掃除屋 ノアベルト → 骸狩り スカリオーネ「……二度と言いません」 あなたの数多にいる部隊にだって、 ミズチにだって、路地裏のごろつきにも、 傾国の美人だって、渡らせない。 ナイフを取り出して、スカリオーネの首に刃を添える。 貴方が許せと言わなければ、その後調子を戻さなければ、 そのまま貫こうとして反撃でも食らったのかもしれない。 「殺したいほどあなたを好いているんです 初めてあったときからずっと! あなたが害されるようなことがあれば、 その人を殺してから、あなたを殺します」 「主が望まない"あなたの姿"を晒し続けるぐらいなら あなたを殺して私も死にますから せいぜい好きなように長生きするんですね!」 (-260) 2021/12/18(Sat) 12:55:44 |
【秘】 迷彩掃除屋 ノアベルト → 骸狩り スカリオーネ刃を構えた手を引き、離れる。 傷薬をもらえば少し悩んだあとそれをポケットにしまった。 今よりも使いどころがあるタイミングがこの後にあることを知っているからだ。 一歩下がれば、ここから離れるつもりなのか一瞬渋った表情をしてから帽子を外した。 これは、仕事に行きたくない人間だ。 「でも―――たまには、いいことがあった日ぐらいは。 潰れるまで飲むのに付き合ってほしいです。 今晩でもどうでしょう、私が仕事を終えたあと…… きっと、主にはいいことが起きていますから」 風を受けて、煙の香りが流される。 上着の留め具が外れかけているのを見れば 引きちぎり、また一つ自分の痕跡が残る可能性を排除した 情けない姿は嫌いですが、 信頼の証が見えるのは嫌な気分ではないのが私の難儀な性格なんです。 そして、これ以上はあなたが信じる私達の実力を疑いません。 今日のお別れの挨拶はこの程度でいいでしょう、やはり顔が見れないと気分が上がりませんから。 (-261) 2021/12/18(Sat) 13:12:06 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルトあなたの剣幕。あなたの好意。 あなたの刃。あなたの言葉。 その全てを受け止める。 そうして、思うのだ。 ああ、 やはり自分を再度殺すのはこの男だろうな 、と。そして、それは、自分には随分に過ぎた幸せなのだな、と。 しかしそれを表に出せば、きっと今言った通りに、 この騒ぎが終わる前に、死体が二つ転がる事になるのだろう。 だが、先に言ったように、男はまだ、死ねない。 だから、今は……否。今以外は。この男の主でいる。 だから、いつもの通り。変わらない、スカリオーネは。 「胸に刻んでおく。 ……いいだろう、なら、行ってこい。 今夜は待っていてやる」 そうやって、あなたの期待に応えて見送るのだ。 (-262) 2021/12/18(Sat) 13:41:07 |
【秘】 骸狩り スカリオーネ → 迷彩掃除屋 ノアベルトあなたが仕事へいやいや向かっていった後。 路地裏でひとり、煙を吐く。 「……らしくない、変になっている、か」 瞑目し、そうだろうな、と呟く。 冷静な男。冷徹な男。死人にしか興味がなく、 いずれにも平等で、敵には罰を、味方には礼を。 そんな男には、『スカリオーネ』には、 今日のあらゆるものがあまりに似合わない。 「だとすれば、」 男は、怨念だった。男は、あの日に死んでいた。 そして男は、奇しくも、ノアベルトが"そうなった"と似て、 あの日、ほとんど全てを捨ててきた。 たったふたつ、命と煙だけを抱えて、 人の形にして生きてきた。 「やはり俺はお前の主失格なのだろうな」 かつてスカリオーネではなかった男 は、ひとりごちる。そうして、歩き出す。今夜の祝杯に向けて。 きっと、もうこの腕に誰かを抱けはしない。 死にぞこないに、幸せは似合わない。 ――ノアベルトの幸せすらいつかは壊すだろう、 そんな男は、最後に溜息と煙を吐いて、 酒場へと戻っていった。 (-263) 2021/12/18(Sat) 13:49:16 |
スカリオーネは、望みたかった。 (a47) 2021/12/18(Sat) 13:55:57 |
スカリオーネは、しかしそんな望みは贅沢が過ぎるとも思っている。 (a48) 2021/12/18(Sat) 13:56:21 |
スカリオーネは、故に、スカリオーネである。 (a49) 2021/12/18(Sat) 13:57:26 |
【人】 骸狩り スカリオーネ「…………」 もう、幾らかの時間が経てば。 ここ数日そうされてきたように、 衛兵がやってきて男を連れていくのだろう。 その時間までは、せいぜいいつも通りに。 酒場の中の、窓際の。いつもの席で、過ごしている。 (40) 2021/12/18(Sat) 13:59:52 |
【人】 骸狩り スカリオーネ>>@5 フェリックス 「…………」 また、肯定。 丘を下り、街へと足を向ける。 船の帰還報告に、ならまた騒がしくなるな、と 出かけて行った者達の顔ぶれを思い出しながら。 消えた風に何を思うか、語り口の違う詩人に視線をやって。 「誰だって、夜には静かに寝るべきだ」 墓場の土を踏みしめて、ひとつめの答え。 それから、すれ違っていく頃に、もうひとつ。 「人の域なんてものは、俺にはわからん。興味もない。 それに、お前の言い草だけでは判断は出来ん。 ……人だろうが、獣だろうが、ヒバリだろうが、 蘇り、他者の安寧を奪うなら、俺が出向いて再殺する。 俺が殺すのは、屍人であって、死者ではない。が、」 「自分を死者と思っているような奴は、 『死にぞこない』は、いずれ……もう一度死ぬだろうな」 それで、男は丘を後にした。 騒がしい街へ、帰っていく。 その背は人混みに混じるほど小さくはなかったが、 今日は幾分早く、街に呑み込まれて消えた。 (41) 2021/12/18(Sat) 17:10:17 |
スカリオーネは、居なくなっても仕事は止まらないよう部隊に通達済みだ。 (a51) 2021/12/18(Sat) 17:29:37 |
スカリオーネは、頬杖をついて大道芸を眺めていた。 (a60) 2021/12/18(Sat) 20:51:31 |
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