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【神】 銀の弾丸 リカルド【ノッテアジト】 「スナイパーライフル……か」 資料の内容を読み、板についた眉間のシワがより深く刻まれ、大きく息を吐いた。 奇しくも自分が得意とする武器。 つまりは狙撃を受けたということだ。 揉めた様子も無いということであれば、かなり遠くから犯人は狙ったということになるだろうか。 角度や貫通の度合いから、射撃位置はおおよそ割り出せるだろうが―――――。 「全く、具合が悪いことこの上ないな」 得意であるからこそわかる事もある。 一度そこには行ってみなければならないなと、心に決めた。 (G0) 2022/08/12(Fri) 1:42:21 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 風任せ マウロ「赤ん坊がこんなにでかいものか」 3人の内一番でかくなりやがって、と恨めしい目を送った。 一番とはいっても3人共団子のようなもので、その差は1cmずつではあるのだが。 「少なくとも組織を名乗ってる事には変わりない。 邪魔者を消すにも…………向こうに足掻く手段を与えてやる必要はないだろう」 特にボスを嫌っていたような古参の幹部共はずる賢い。 その気になれば本人が戦わずともこちらを潰しに来るような連中なのだから。 そんな者共に、幼馴染の命をくれてやる気は毛頭ない。 「まぁ……、分かってるなら良いがな。 全く、それだけ調子が出たようなら大丈夫そうだな、安心した」 俺がそのようなことするはずがないと返す目は、満足そうに微笑っているだろう。 (-21) 2022/08/12(Fri) 1:53:06 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガあなたの作業場に訪れた一人の男。 手には大きな長いケース。 相変わらず質の良いスーツを身に纏っているが、今日はそれも問題ないだろう。 「約束通り依頼に来た。 スナイパーライフルを1丁。直ぐには必要にはならんと思うが、できる限り早いほうが助かる」 こればかりは部下に任せるわけにはいかない。 自分の愛用武器を他人に触れさせるのは、このメンテナンスの時くらいのものだろう。 (-33) 2022/08/12(Fri) 16:49:13 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 狡兎 ツィオそれはノッテ系列のバーだったか。 あなたがカウンターで酒を楽しんでいるところにでも男は現れただろう。 「フン、また飲んでるのかお前は」 視察を諦めてきたのか、他の用事をすませてきたのか。 隣座るぞ、と声をかけすわる姿はやっぱり身なりの良いスーツのまま、首周りも少し乱したままだ。 「お前に言われた通り屋台でワインを買ったが、ストレガに呆れられたぞ」 おい、どうしてくれると言う目は冗談でもなんでもなくクソ真面目であった。 (-38) 2022/08/12(Fri) 17:23:55 |
【秘】 情報屋 ロッシ → 銀の弾丸 リカルド/* 御機嫌よう、運営です! ヴェネリオ様より魂信の印が付いたことのご報告をいただきました。特に何があるというわけでなく、運営は確認していますよ〜というだけのお知らせです。 そんなところで、それではよき闘窓を見れしものライフを〜〜Ciao! (-39) 2022/08/12(Fri) 17:26:52 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 情報屋 ロッシ/* はい! 1日目の時点で宣言を頂いてちゃんとついておりました。魂窓も見れていますよ。 陣営は変わらず村人のままでしっかり正常に作動しているようです。ワクワクしてきた。 (-40) 2022/08/12(Fri) 17:37:58 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【バー:アマラント】 奇怪なものを見る目にも慣れてきた頃。 情報収集ならバーに入るのも最適かと、適当な店に入ってみた。 あまり飲みになどいかないから、そこが何処の傘下の店などよく調べてもいない。 流石にノッテの傘下であるならば頭に入れてるから、そうではないということしかわからないが。 「アマラント? ……あぁ、ここが」 この島では有名な店だったなと納得すれば、適当にカウンター席に座った。 最初は飲むつもりはなかったが、バーに来て何も飲まないのもまた悪目立ちをするだろう。メニューを確認しホットモーツァルトミルクsakeを頼むと、怪しくならない程度に店内の様子をじっくりと観察を始めた。 (6) 2022/08/12(Fri) 18:28:02 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 銀の弾丸 リカルド「酒が飲まれたいってうるさくてさ。女性と同じだよ。 求められたら断れない、小心者なんだ」 カラ、と手の中の酒精を回しながら、 珍しい場所で珍しい顔と会うもんだと笑う。 同じものを、とマスターに勝手に注文し、 丸椅子の席を回して示し。 「――へえ、ストレガさんに。そりゃ羨ましい。 これは、随分とまたハードな方から行ったもんだ。 いいんじゃないか? 呆れもされないよりはかなりマシだ。 俺の判定じゃ脈ありだね、その反応は。 彼女、いいだろ。人が好くて。敏くてさ。 割と、死んでほしくないなって思う珍しい相手だよ」 多少酒が進んでいるのか赤い頬で言う。 (-42) 2022/08/12(Fri) 18:42:17 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 銀の弾丸 リカルドアジト内の作業場で、今日も何やら機械を弄っている。 同ファミリーの者が2番目に多く見るストレガの姿だろう。 1番多いのは街中のあちこちで神出鬼没にうろつく姿だ。 そちらを見る事もなく片手を挙げて、1本立った指は 『ちょっと待て』のハンドサイン。 キーボードを叩いて、細かな電子取引をしていたのだろう。 それから椅子を回して振り返る。 「いつだってお客様は待ってくれないもんだ。 朝から晩までいつでも呼び出しってのは泣けるね」 その分、他の時間的自由も確約されているのだが。 ケースを受け取ると、早速机の上に乗せて開封。 じっとりと眺めてひとつ頷いた。 「丁寧に扱ってるようで結構。 歪みを直して軽い調整だね、2時間もあれば終わる。 改造だのパーツ換装のご要望があるならするけど?」 『報告資料』に関して何か言う事もない。 昔から手になじんでいる古い銃を使っている、 とかでもない限り、最新銃のパーツなら余っているはずだ。 古い銃にしたってやりようはあるだろう。 流石にマスケットのような骨董品だと話は変わってくるが。 (-43) 2022/08/12(Fri) 19:01:57 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 狡兎 ツィオ「都合のいいことを言うな。酒が喋るわけ無いだろう」 ジト目で貴方を睨み、それから回された椅子を止め腰掛けると、目の前に早々に酒が提供された。 メニューを眺めるのも面倒くさかったから丁度いい。 そのグラスに手をかけ、一緒に提供されたつまみのチーズをひとつ口に放り込んだ。 「仕事の休憩だと言っていたな。 ストレガにはいつも銃のメンテナンスを依頼しているからな……、知らない仲というわけでもない。 脈も何もないと思うがね」 ツィオは直ぐそういう話に持っていくから慣れてはいるが、そういう物にとんと疎い男は、煽るように酒を数口飲んで深く息を吐いた。 (-47) 2022/08/12(Fri) 19:59:52 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガハンドサインを見れば頷き、ケースを丁寧に開いている作業台に置いて取引してる様子を眺めて待つ。 生憎街中をうろつく姿をこの男が見るのは稀だが、アジトでこうして作業したりしている姿はよく見ていることだろう。 「それだけ君の腕が良いということだろう。 俺も今のところ、こいつを預ける先はここしか無いと思っているからな」 同僚のツィオとは違って、歯の浮いたセリフのようなものはとんと出てくることはないが、思ったことは正直に口を出す男だ。 謙遜なく褒めていると受け取っても問題ない。 「ふむ。思っていたより早くて助かる。 改造までは必要ないがそうだな……、スプリングを少し強くしてみたいんだが、調整可能か?」 密輸をしていると海外との取引が多い分、最新の物に触れることが多い。 使い慣れたこの1丁と、最新の使い比べをし、これを少しずつ調整を重ねるといい味が出る。 今日もほんの少し最新の物に近づけるよう、従来よりも数値を10ほど上げてみたいと貴方に伝えた。 報告資料に関して、今日は古参の上役からいろんなことを問われた。 何も聞かずいつも通り対応してくれるのは、少しばかりほっとするところだ。 (-57) 2022/08/12(Fri) 21:38:55 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【バー:アマラント】>>17 コルヴォ 「…………。 そんなに俺はこの場にそぐわないか」 聞けばこの男。 街に出ればツィオに笑われ、言われた通りワインを買ってみればストレガに押し返され呆れられていたらしい。 確かに賑わう祭に似合うような男ではないことは自覚しているが、バーに入るのも違和感しかないのであれば、いよいよもって諜報活動では役立たずということになろう。 どんな仕事も頼まれればこなせるようにしておきたいのだが、と眉をハの字に下げている。 その様からは、至極真面目にこの店に溶け込もとうとしていたつもりだったらしい事が伺えるはずだ。 「あ。あぁ……これは適当に頼んでみたんだが……少し俺には甘すぎたな。 あまり強いのも判断力が鈍るから、弱めのもので頼んだんだが……」 飲んだくれの上司か、はたまたいつも甘いセリフばかり吐いている同僚か。 どちらにせよ、そんなわけあるかと首を横に振った。 (19) 2022/08/12(Fri) 21:52:41 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 銀の弾丸 リカルド「そりゃどうも。どっかの誰かに 天使だなんだと言われるよりずっと耳に良いね」 正しく歯の浮く台詞を吐かれたのだろう、 寒気がするというように身を震わせるふりをした。 「スプリングね。前の余りがどっかにあったな…… 了解。分解清掃矯正で50分、 スプリング交換と確認で10分。 調整確認が1時間……だな。よし、始める」 言うが早いか、メンテナンス用の機器を稼働し始める。 指を飾るリングを外し、代わりに薄手のゴム手袋をつけて。 工具やらパーツやらが幾つも幾つも出て来ては、 万力で固定した状態で外して、つけて…… 分解しては慎重に組み合わせ、清掃しては頷いて。 時に顕微鏡のようなものまで取り出して歪みを正し、 無数のスプリングから強度が丁度良い物を探り…… 機器の為に冷房が随分効いたこの部屋でなお、 汗を流しながらそんな作業を延々としている。 それを眺めていてもいいし、時間まで放っておいてもいい。 どちらにせよ、作業の合間以外に彼女は反応しないだろう。 (-62) 2022/08/12(Fri) 22:38:15 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 銀の弾丸 リカルド「リックももう少し酒か女に愛情を注げば、 すぐに聞こえてくるさ――」 酒杯を回すと、丸い氷がカランと音を立てた。 「相変わらず忙しそうだな。 彼女の頭の中の手帳は分単位で予定が刻まれてるらしい。 こちらも分単位でデートを捻じ込もうとしたら、 秒で値切られたよ。手厳しい」 話題を繋ぐようにして、薄く笑みを零した。 「こんな時世だ。 それこそ、そういう脈を伝手に、 堅気に戻りたいやつも出てくるんじゃないか。 特に俺たちみたいな立場より下は、 抗争の匂いがし始めた時に慌てて山を降りそうだ。 上も下も、進退に関しては緊張高まるな、幹部候補同志よ」 (-66) 2022/08/12(Fri) 23:26:26 |
【秘】 風任せ マウロ → 銀の弾丸 リカルド「分かってんなら、母親みたいな小言はやめるんだな」 小さい頃は抜かし抜かされ、身長一つで一喜一憂していたものだが。 この年になるともうその程度で優越感があったりすることはないのだけれど。 それは持っている者の傲慢な感情なのかもしれない。 だから、この口から出るのは自分のことを棚に上げた言葉なのだ。 「そりゃ困ったな。お前達にそん時は丸投げしてやるよ。 俺は気を回すのが苦手なんだ」 「なんてな―――俺も無計画で動いてるわけじゃあねえ。 情報の精査を得意な奴に任せるくらいのことはしてある」 一人じゃあ暴走して突っ込んで、次に君と顔を合わせる時は首だけになっているような性格だ。 短気で、考えなしの面がある事は多少自覚している。 「話はそれで終わりか? それなら、俺はそろそろ行くぜ。お前と話してちょっと落ち着いた」 煙を一つ吐き出してから、短くなった煙草を簡易灰皿にねじ込んで。 がたんと音を立てながら立ち上がる。行儀の悪さは、子供の頃から変わっていない。 (-69) 2022/08/12(Fri) 23:41:07 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「言われたのか……」 マフィアに天使とは一体どんな皮肉なのか。 歯の浮くセリフを誰彼構わず吐く同僚の顔を思い浮かべて、若干遠い目をした。 「出来そうか。 それなら、後は任せる」 1時間程度なら、どこかにいかずとも良い。 ここでもやれる仕事はあると、手持ちの端末を開いて作業を始める。 お互い表家業で忙しいのは周知の事実だ。 「…………」 ふと、取引先との連絡の合間。 作業中の、真剣な貴方の横顔を盗み見る。 こういう付き合いもあり見慣れてる貴方は、比較的普通に話ができるのでありがたいのだが。 いやしかし、こうした作業が板につく女が、どうしてマフィアとなり破壊工作などを行うようになったのだろうと、少しだけ興味が出てきた。 「……君は、どうしてこの道に入ったのか聞いてもかまわないか」 (-79) 2022/08/13(Sat) 1:14:04 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【バー:アマラント】>>23 コルヴォ 「まぁ、それはそうなのだが……」 流石に街中ほど奇異な目では見られないので、バーというものはありがたいなと思う。 それでいてこういう場所は情報のるつぼであるのだから一石二鳥というものだろう。 「もともとの仕事の方は失敗するはずがないからな。 これはまぁ……同僚の先走りを防ぐためにも自分で調査を進めねばとな……」 だが、なかなかこれが上手くはいかない。 クソ真面目何ていう言葉は嫌というほど聞かされても居るし、実際こういう分野に自分は向いてないことも分かっている。 諜報活動なんていうものは、大人しくツィオあたりに任せるべきかも知れないなと息を吐いた。 「なるほど……。 好みの酒の知識なぞなかったからな……、次からはあまり甘くないものをと頼んで見ることにしよう」 だからといって出されている酒が飲めないわけでもない。 残さず飲むのはマナーだと、グラスを傾けて生ぬるくなった酒を煽った。 ―――あぁ、やはり、俺には甘すぎる。 (31) 2022/08/13(Sat) 1:21:59 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 狡兎 ツィオ「一生聞こえなくても構わない」 ぴしゃりと即否定だ。 誰に対しても特に態度が変わるわけではないが、気安い貴方には容赦がない傾向はある。 それだけ、気遣う必要がないと気を許していると言うことではあるのだが。 「あぁ、常に依頼が舞い込んできているようだからな……。 俺の武器は特に繊細な狙撃武器だから、ストレガのような有能な整備士は手放せん」 「…………、それは、別に忙しくなくとも断られてる気がするんだが気のせいか……?」 多分、気のせいではないに違いない。 そう確信しながら、グラスの中で揺れ泳ぐ丸い氷を見つめて、もう一度酒を口に運ぶ。 甘すぎる酒より、こっちのほうがずっと良い。 「そうだな……。 少なくとも跡目は誰がなんていう争いは必ず起きるだろう。 そこをアルバに突かれてしまうわけにはいかん」 だというのにあの腐った古参ときたらと。 少しばかり愚痴をこぼし、はぁ、と大きなため息を吐いた。 (-81) 2022/08/13(Sat) 1:33:18 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 風任せ マウロ「俺が言わなきゃ他に誰が言うというんだ、全く……」 それでも、最初に見たときより随分と顔色が良くなった貴方の顔をみて、こくりと頷く。 怒り任せでなければ、貴方は十分に理にかなった行動もできるという事はちゃんとわかっているのだ。 「丸投げなんてした日には、その分小言を覚悟しなければならんぞ」 苦手な書類作業でもさせてやると言って、くつくつと笑う。 こうして互いにクールダウンするのも、ぶつかり合ったりするのも常のことだ。 そしてそれは、これからも変わらないのだと男は信じていた。 「あぁ、終わりだ。だが、まぁ……、無理はするなよ。 個々の力で成り立っているとは言え……俺たち3人位は協力くらいできるだろうからな」 全く、椅子くらいきちんと片付けないかと、ぶつぶつ言いながらも機嫌は互いに良さそうで。 貴方と共に会議室を出、それぞれの持場へと戻っていっただろう。 (-83) 2022/08/13(Sat) 2:33:17 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド男が相手の姿を見つけたのはまだ興奮冷めやらない表通りの只中、 あるいはタイミングによってはバーで誰かと話したあとのことだったかもしれない。 どちらにせよ宵の口の、昼間の太陽を人工の明かりが肩代わりし始めた頃。 遠景の暗さは仕方ないにしても、手元の明るさにはそう変化はない。 人混みは点在し、行き交う人々もそれなりに。 そうっと近づくことは出来ても、無計画で散発的には不用意なことは出来まい。 あれだけ漂っていた煙草の匂いは今じゃそう深くはない。 立場上、いつも特徴的な匂いをさせているわけではないのだろう。 男の呑んでいる煙草自体も、シガリロとしては珍しい品物ではない。 少なくとも不自然に気配を消しもせず、控えめな足音があり。 人が近づいてきていることは、感知出来るくらいのものではあったんじゃないか。 「お兄さん! ああよかった、いつも栄養剤取り寄せてくれるお兄さんだよね、植物の。 こんなところにいることもあるんだ、お兄さんも祭りを楽しみに? ダメだよそんな堅苦しい格好しちゃあ、ね、今時間あるの?」 ぶつかるみたいに話しかけてきた顔は、"花屋のソニー"のほう。 見上げる表情は、取引の場とは別人のような人懐っこい微笑み。 顔はほんのり赤らんで、呼気には酒気も混じっている。 相手を見つけるや否や声をかけると、ぱ、と手を広げて喧騒の方へと誘い込んだ。 (-96) 2022/08/13(Sat) 8:51:17 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【バー:アマラント】>>32 コルヴォ 「……ふむ、俺はなにかに怯えることはない」 死ですら、別に厭わない。 とは言え別に命を粗末にするわけではない、この生命は既に上司のもの、ひいてはノッテのものだ。 奇異の目で見られるのは煩わしいが、ただそれだけでもあった。 「…………」 冷めた双眸が貴方を見つめる。 別に、ここで知り合いであることが割れたからと言って困ることはないが、目の前の男にとってはそうなのだろう。 実際ここには対立組織の人間もいるようだし、中立を表向き謳ってるマスターも絶対そうとは言い切れない。 それならば乗っておくのが得策なのだろうと、小さく息を吐いて肩をすくめた。 「そうだな、……見ず知らずの君を急に捕まえて悪かった。 また会うことがあればその時は奢らせてくれ」 (34) 2022/08/13(Sat) 8:56:28 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 銀の弾丸 リカルド「最期に聞いた声が男の奴なんて人生、 願い下げだと思うんだけどなぁ……」 ましてやそれが長い付き合いの相手だなんて想像するのは 軽く寒気がする。それだけは絶対に御免だ。 「分かってないな、リック少年。 女性のNOにはいつだってYESの意味があるんだよ。 本当に願い下げなら、女性はNOすら言わないもんさ」 軽口に付き合ってくれる間は、誰だって芽があると思っている。 しかし。――泥水を啜っていたころに比べれば、 随分と互いに、良い飲み物と服装で肩を並べるようになったもんだ。 ダメだな、こいつと飲むと。昔の事ばかり話しそうになる。 「――きな臭いのはやっぱり、アルバか。 二、三、こっちで調べてみたいことがあるから、 ついでに探っておくか。 明日の朝、俺が湾で俯せに海水浴を楽しんでいたら、 仮説が正しい証明だと思ってくれていい」 ここのところ、対面よりも上下の関係で 疲れていそうな同僚に笑った。 (-113) 2022/08/13(Sat) 16:38:39 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【バー:アマラント】>>33 マキアート 「……………」 「見ず知らずの人ですよ」 堂々と話しかけてくる貴方に、一瞬だけ唖然とした目を送り。 そういえばそういう奴だったと思えば、よそ行きの笑みを浮かべた。 この店には第三者も多いから、掟破りになるわけでもない。 とはいえ、取引をするときのように地で行くわけにもいかないから仕方ないだろう。 「そうですね。ここでは多種多様な人と出会える場ですから…… 今日は祭に行ってみたんですが、何分慣れないもので。 知人に呆れられたという話をしてたんです」 随分親切な人でしたねと笑って、それからまだ少しだけ残っていたグラスを見て、あぁ……と首を横に振る。 「飲めないほどじゃないですから大丈夫ですよ。 とはいえ口直しは欲しいと思ってるところです、何かおすすめとかあります?」 別に邪険にする理由もないが、貴方との関係を間違った方に邪推されるわけにもいかない。 これくらいの距離感で話すのがきっと正解だと思っているようだ。 (42) 2022/08/13(Sat) 17:01:17 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニーそれは、バーを出て歩いていた時だっただろう。 不意に後ろから近づいてくる気配を感じて振り返った。 殺意などは何もなく、特別な気配みたいなものもなかったから誰かと思ったが、顔が見えればそれがすぐに誰かなんていうのはわかるもので。 ――これは、花屋の方か。 花屋の貴方が気さくな少年のような男であることは調べてわかっているが、実際に見るとまた趣が違う。 普段の、マフィアとしての顔しか実際には見たことがなかったから、違和感がすごいのだ。 「な……っ、あぁ。君は、花屋の…… このあたりに来たのは初めてなんだが……思った以上に賑わっていて驚いた」 とっさのことではあるが、若干の苦笑いで応対し、貴方の出方をじっくりと見ている。 何せここには第三者の人間は周りに大勢いるとはいえ、部下を連れ歩いていないのだから。 「時間は……まぁ、なくもないが……?」 吉と出るか凶と出るか。 それでもきっと、こうして互いに顔を合わせに来たということは何かあるのだ。 そんな風に察すれば、行くしかない。 ふぅ、と一つ息を吐いて、それから困ったなと苦笑いのまま、あなたの後を着いていくだろう。 (-116) 2022/08/13(Sat) 17:22:16 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 狡兎 ツィオ「そうか? お前は薄情なやつだな……まぁ、お前たちに先に死なれるのは俺とて御免だが」 先に死ねるのであれば、最期に聞く声は心許せる誰かであればいいとは思う。 そこに性別のこだわりはないが、今であれば幼馴染の貴方達か、上司くらいしかいないかもしれない。 「ストレガが真面目に付き合ってくれる女で良かったな」 こんな風に女性の話などをするようになるなんて、孤児院に居た頃は思いもしなかった。 その日その日を生きるのに必死だったあの頃に比べれば、今は本当に恵まれた暮らしをしている。 仕事が仕事であるがゆえ、金回りの良いリカルドは、上納金はノッテのトップレベルに位置している。 そのため次期幹部候補なんて言われているが、それならば上司にボスについてほしいとも思っている。 マウロも正規のメンバーになって、ノッテを盛り上げていくのが自分の夢であったから。 それまでは命を粗末にする気はなかったが、今となればそうもいかない。 いつ殺し殺されるかわからない状況下だから、せめて、二人には生き残って欲しいと切に願っている。 自分の命は既にノッテに、自らの上司に捧げている。 死の覚悟など、とっくに出来ていた。 「……諜報は俺よりお前のほうが向いてるからな。 それは任せるが……無茶をするな」 上下の関係に苦心してる理由を口にする事は今までしてこなかったが、貴方ならきっと察してることだろう。 (-120) 2022/08/13(Sat) 17:38:36 |
リカルドは、いつでもソレを受け入れる覚悟はできていた。 (a18) 2022/08/13(Sat) 17:39:49 |
【秘】 狡兎 ツィオ → 銀の弾丸 リカルド「情が厚いように見えたならついに眼鏡が要るんじゃないか。 俺の友人はデスクワークで視力が落ちたようだ」 元より自分は、この稼業に脚を突っ込み、 その先でマウロとリカルドと再会することになった時点で、 "正しい最期"を迎えるとは思っていなかった。 それでも。時々こいつが、眩しいと感じる時がある。 この掃きだめの中でも、こいつは上を向いている。 マウロを、俺を、 そこでしか見えない景色の先に連れていこうと、 本気で信じている節がある。 いつかこいつが二人の腕を引き、 孤児院で忍び込んだ監視塔の上から。 孤児院の外の世界を睥睨した時と――全く同じ横顔で。 ――俺は思う。 三人の中で、先に死ぬのはきっと――。 カラン。 氷が回る音で我に返る。 「ああ、餅は餅屋だ。効率よく行こう。 俺は……そんなに勤勉でもなければ家族想いでもないよ。 適当にやるから、期待せずにいてくれ。ああ、そうだ」 乾杯。と今頃、グラスを合わせた。 バーに、グラス同士が打ちあう乾いた音だけが響いた。 (-125) 2022/08/13(Sat) 18:31:20 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 銀の弾丸 リカルド「顔見る度にね。どこでもあの調子なんだろ、アレは」 何度口説かれたのか、ついぞアレ呼ばわりをしている。 仕事が始まれば、互いに黙々と。 「あ゛?」 作業中に声を掛けられると明らかにガラの悪い声。 とはいえ、そこは腕がある女だ。 ミスもなければ、手も止まらない。 「親父の跡を継いだんだよ」 「マフィアとは思ってなかったけどね」 シンプルな答えが返ってくる。 ジャキン、とスプリングの強度を確かめる音が響いた。 (-128) 2022/08/13(Sat) 18:38:41 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 銀の弾丸 リカルド「パソコンはこれを使え。 遠隔操作で情報を消すコマンドも携帯に送ってやる」 とん。 アジト内、上司の部屋に置かれたのはノートパソコンだ。 データを読み取る為の機械が静かに回り続けている。 男はといえばコードが入った鞄を床に投げ、 革張りのソファに横になって天井を見上げていた。 「はぁああ……リック、珈琲入れてくれ。 頭がいてえ……」 (-131) 2022/08/13(Sat) 18:53:45 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド振り返った際に垣間見えた動揺を見てとれば、少しだけ可笑しそうにした気配もあった。 けれどそれだって不自然なものじゃない、取り繕うさまを至って自然に見て取った感想。 まるで市井の人間と同じ目線に立ったことがないかのようだ。 「初めて地上に下りてきた? 下界を案内しましょうか、御使様。 なんてね、普段だったらもう……小指の先ぶんくらいは穏やかだよ。 今は祭りだから安全な範囲が広がってる、ようにみえるんじゃないかな」 やや末尾に含みをもたせるのは、自分たちにとってはそうではないことをお互いわかっているから。 件の下手人についてお互いどれだけ掴んでいるかはまだわからないつもりでも、 "彼"の逝去が自分たちのみならず、民間をどれだけ危険に晒すものかも理解しているからだろう。 本当は安全な場所なんてない、いつもよりも、ずっと。 「だったらさ、オレがちょっと見繕ってあげようか。 人の波にしっかり紛れられる服装、知っておきたいんじゃない? もう祭りの様子は見に来ないってなら関係ないかもしれないけどさ」 発した物言いそのものは、突拍子なく感じたかもしれない。 男の方だって相手が今まであちこちで言われた言葉を聞いたわけではなく、 ただただ今見た所感だけの話だったはずだ。或いはどこか遠くから姿だけ見かけたのかもしれないけれど。 とにかく言葉巧みに言いくるめて、貴方が普段入るよりかは品格もずいぶん違う紳士服の店に入る。 もう閉まりかけの店は多少顔なじみなのか、ちょっと小言を言う以上には止めはしなかった。 「急にラフな格好しろって言われたって無理でしょ。 でも人目に一番つく上だけでもカジュアルに替えたら、ずいぶん印象変わると思うよ。 そのジャケットを羽織ってもいいような色だと、白とか浅めの色のポロシャツとかどう?」 (-132) 2022/08/13(Sat) 19:04:00 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【バー:アマラント】>>44>>45 マキアート 「えぇ、まぁ……なかなかこういった行事に参加する機会はなくて」 仕事一筋で生きてきたこの10年は、自らの意思でそうしてきたとは言え一度も行こうと思わなかった。 おかげで今の自分の地位があるのだが、青春なんて言葉は知らずに大人になったといっても過言ではないだろう。 とっくに冷めきってる酒を傾けながら、指摘されたことについては否定しようもなく頷いていた。 「心理状態を……、へぇ。 酒にもそういう言葉があるとは……まるで宝石や花みたいですね。 確かに商売をしてると感情に流されると損をしますから、いくらでも調節はしてますが」 それが天賦の才かは、わからないが。 いやしかし、この男と話していると、時々相手が本当にマフィアだったのか怪しく思うことがある。 それくらい警戒なく近づいてくることに対してのある種の恐れのようなものかもしれない。 「なるほど、ピッツァは俺も好きな食べ物なのでそれにしましょう。 ついでにあまり甘くないカクテル……あぁ、じゃあスプモーニをお願いします」 目の前にいる店員のソムリエに注文をいれ、やはり甘さを緩和してくてとりあえず水を飲んだ。 ピザが届けば、教えてくれた例にとピザを1枚進呈するだろう。 (52) 2022/08/13(Sat) 20:22:27 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「なるほど。……道理でこちらの姿の方が板につくはずだ」 マフィアらしい行動が似合わないというわけではないが、自分で思っているよりも面倒見の良い姉御肌の女性なのだと、男は勝手に理解していた。 「君は、家族仲が良かったんだな。 俺は孤児だったし、一度は養子になったが家族らしい家族仲ではなかったからな……そういうのはよくわからない」 ノートパソコンのキーボードをカタカタと音を鳴らしながら打ち込んで、そう答える。 お互いがお互いを全く見てもいないが、それがこの二人の距離感なのだろう。 (-141) 2022/08/13(Sat) 20:42:25 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 銀の弾丸 リカルド「別に、マフィアかどうかなんざどうでもいい。 "血の掟"を結んどいてなんだけどね。 あたいはあたいが出来る事をやってるだ、け」 トリガーを引き、重さを確かめる。 引き鉄は軽すぎず。触れただけで暴発するような男じゃ困る。 そして当然重すぎず。幾ら握っても出せない男じゃ困る。 「家族仲ね。好き勝手やって死んだジジイを見て、 あたいも好き勝手にしてる。ただそれだけ。 それを仲が良いってんなら良いんだろうな。 それで?人に聞いたからにはあんたも喋るんだろう? 『俺が孤児からどうやってマフィアになったか……』」 似てもいない声マネをしながら、スプリングを締め上げる。 万力で押さえた銃身を小さな槌でほんの僅か、1、2と叩いた。 (-148) 2022/08/13(Sat) 21:17:05 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 狡兎 ツィオ「失礼なやつだな、俺の視力は2.0だ」 狙撃手が近眼でどうする。などと真面目に言い、少し溶けて薄くなった酒を飲む。 昔はいつも3人一緒にクソガキなんて言われていた。 当時は少しだけ気の弱かった貴方と、当時から怒りっぽかったマウロ、それから正義感が強く夢見がちだった自分。 二人を巻き込んで、いろんな事をして叱られたりしたのが懐かしい。 最初に養子で貰われることになった時の、不安そうな二人の表情を俺は覚えている。 一人だけ幸せになれるかもしれない道へ行くことの罪悪感は、今も忘れることは出来なくて。 今度は。 今度こそ、そんな風にはしたくないから。 二人がひとつも不安にならないで済む席を、用意できる自分になりたいと思ったのだ。 「メンテナンスはストレガに取り付けたからな。 情報が手に入ればいつでも撃つ準備はできている。 お前達が死に瀕しようと……救うだけの力はつけてきたつもりだが、下手なヘマはふまないでくれよ」 カツンとなったグラスとグラスが重なる音は、口に出さない約束のつもりか。 何にせよ、俺は。 今は貴方の無事だけを人知れず祈ったことだろう。 (-155) 2022/08/13(Sat) 21:45:17 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → デッドヘッド ヴェネリオ「へぇ、これ専用に組んであるんですね……」 コマンドは、と。 音の鳴った携帯を確認し、消去してしまわないよう、その通信文にロックを掛けた。 「珈琲ですか? はい、只今」 USBを挿して、中にあるものを見てみたかったが、上司からの要望とあらばそちらが優先で。 後ろ髪を引かれる思いで、常備してあるコーヒーメーカーを使って引き立ての豆に湯を注いだ。 ブラックを好むあなたにミルクや砂糖は必要ない。 だけどこの珈琲の濃さは、貴方の好みを数年かけて完璧にマスターした黄金比率だ。 「酔いの悪影響が頭にだけ来るのはどうしてなんですかね。 はい、どうぞ」 小言を一つだけ追加して、貴方の前に温かい珈琲を一杯差し出した。 (-158) 2022/08/13(Sat) 22:16:17 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー「俺を天使扱いしないでくれないか……」 板につきすぎている眉間のシワを深くしながら、大きなため息を吐いた。 マフィアの男をそのように形容する者なぞ他に居ないぞと思いながらも、それを口にすることはない。 「安全など……普段からあってないようなものだろう。 この国に……悪い人間が居る限りは、な」 それが自分たち自身の事であるなんて、言わずともわかるだろう。 しかしマキアートといい、この男といい。 どうしてこんな街中で、俺に話しかけてくる度胸があるのか、自分には全く理解ができない。 アルバの人間は全員頭に花が咲いているのか、それともなにか思惑があるのか。 この男に関しては後者であることを願いながら、あなたの提案にしぶしぶながらも頷く。 「確かにそれは今知りたい切実なことではあるがな。 …………。わかった……じゃあ、お前に見立ててもらうとしよう」 入ったことがないような一般的な紳士服の店に入り、あたりを見回した。 これはつい癖のようなもので、逃走経路の確認だったり、隠れている者がいないかだったり、そういう物をさっと確認しているだけのものだ。 見立ての服も、言われていることは確かにごもっともなことで。 急に街で遊んでいる若者のような格好をしろと言われても抵抗感しかなくて、「あぁ」と相づちをうって選ばれる服を代わる代わる見ていく。 「なるほど。ポロシャツであれば確かに少しはカジュアルに見えるか」 クールビズなんて言って着ている人も多いから、それくらいなら直ぐにでも着れそうだと頷いた。 (-168) 2022/08/13(Sat) 23:13:54 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「そうか。お前らしいといえばお前らしい」 貴方も、自分も。 やれることをやっているという事実は変わらない。 話をしていても真剣に銃と向き合う貴方を眺め、何を考えているのやら、と目を細めた。 「世の中好き勝手も出来ない人間も居るからな。 いろんな家族というものがあるんだろう。 ……ん、俺か。 俺は……もともと孤児だったからな、お前に語るような家族は最初から居なかった」 再度パソコンに目を向け、カタカタとキーボードを打ち込む。 最初は慣れなかった作業だが、今ではもうお手の物であるらしく、打ち損じをする様子は見受けられないだろう。 「まぁ、一度は医者の家に引き取られたんだがな。 上流階級の暮らしは、……あの頃の俺には合わなかったということだろう。 思想も当然合わなかったし……結局両親に子供が出来れば俺はお払い箱だったからな」 「逃げ出した先で抗争に巻き込まれて、ヴェネリオさんに拾ってもらった……そういう経緯だ」 (-173) 2022/08/13(Sat) 23:35:53 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 銀の弾丸 リカルド「酔ってねえよ残念ながら」 つまり、普通の頭痛。そちらの方が問題なのだが。 座り直して入れられた珈琲を飲む、合格だったのか文句はなさそうだったが何かがくすぶってるのか暫くしてから砂糖を追加するか迷うほどに事態は深刻だった 「リック。 …… 家族 になりてえって男に言われたらそういうことだよな。お前付き合ってるやつとかいるのか」準備万端になったパソコン、神妙な顔をしている上司。 またも嫌な優先順位の話題を並べられた。 (-176) 2022/08/13(Sat) 23:48:11 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 銀の弾丸 リカルド「らしい、ねえ……」 それ以上何か言うでもなく。 視線もまた、やはり銃から逸らす事もなく。 相槌すらも実際の槌の音に任せていた。 「はん。親父はノッテの事についてなんも言わなかったから、 人の話はなんでも新鮮でいいね。 ま、人間的なロクデナシよりは社会的なロクデナシの方が 幾分いいのかもね。運が良かったね、おめでとさん」 聞いておいて投げやりな、そんな返答が転がってくる。 しっかしヴェネリオさんねえ……と、 直近では酔った姿しか思い当たらない幹部の顔を思う。 「あの人が人を拾うってのも中々想像し辛いな。 まあ、そもそもあたいが人を大して見てないのはあるけど」 (-178) 2022/08/13(Sat) 23:57:49 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → デッドヘッド ヴェネリオあなたに淹れた珈琲を、自分のカップにも余りを注ぐ。 こうして一緒の珈琲を飲むのもいつものことで、自分の舌はもう、この珈琲が一番だと思うように染められている。 さて、パソコンを覗いてみようかと思いながらカップを口に運んだその時か。 貴方からの質問に、ぶふ、と珈琲を吹きかけてしまった。 「ごほ……突然何を言い出すんですか貴方は。 俺にそのような者が居ると思いますか。というかそのような者にうつつを抜かす時間があると思いますか」 密輸業と狙撃の仕事と貴方の世話で毎日目が回るほど忙しいんですけどね。 などと悪態をついて、ついつい貴方を細目で見てしまった。 (-182) 2022/08/14(Sun) 0:11:42 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 銀の弾丸 リカルド「俺にもあると思ってんのかそんな時間が」 彼の遊びの時間は常に張り詰めていて、なんならアジトにいるときの方がのんびりなのは言わずもがな。 ここでの恋沙汰は上司の娘のお見合いやファミリー間での数奇な運命でないと起こり得ない。 「愛人ですら作る暇なかったってのに……。 一朝一夕で心とやらが変わるのか聞いてみたかったんだよ……ツィオとか傍にいるからちょっとはわからんか?」 パソコンは無事だな、と慣れた手つきで操作をし始めた。 見知った店や、交差点、数多の情報の海の中にひとつ見知った顔を見つける。 ――サルヴァトーレを追うラウラの姿だった。 ほう、と興味深くみているその瞳は裏切り等は疑っていない。 彼らの間に何ぞしがらみがあったのかが気になる、改めてこの情報網のすごさを実感しただけだった。 (-184) 2022/08/14(Sun) 0:27:16 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「運が良いと言えばそうなんだろう。 同じ孤児院に居た二人ともここで再会できたことだしな。 ……いや、3人が3人共マフィアなのはどうなんだとも思うが」 同じ年で同じような体格の3人は、子供の頃も今も3人で1つみたいな扱いを受ける事があるのは今も昔もあることだから、貴方もリカルド、ツィオ、マウロが同じ孤児院出身であることを聞いたことがあるかもしれない。 馴染みの良い槌の音を聞きながら、取引報告書を仕上げてしまうとデータをしっかりと保存した。 「昔は今ほど飲んでもいなかった……いや、そうでもないな。 あの人も孤児院の面倒を見てるくらいだから、たまたま俺が目に入ったに過ぎんのだろうが。 それでも俺はあの人に育てられたからな……俺の命そのものがあの人の物と言う訳だ」 それは決して色恋なんて生易しい色は帯びておらず。 ただただ敬愛と、何かに対する執着とが折り混ざったかのような、そういう類の物だ。 (-186) 2022/08/14(Sun) 0:28:54 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → デッドヘッド ヴェネリオ「思いませんけどね……。 しかし家族ですか……男に……」 そういう趣味でもなければ、子供でもなければそんな事を言うわけはないだろう。 相手は誰か知らないが、そういう告白ととっても良いのでは? とそう答えながら、あまりに慣れない話題に頭を抱えた。 「ツィオは常に色んな女に気を向けてますから、また知らない女に声をかけたところでそれを心変わりというかは難しいですね」 落ち着いて、もう一度珈琲を飲んで幼馴染の常日頃を思い浮かべたが、自分まで頭が痛くなったのでやめた。 あまりにも自分と正反対の男の行動は、どうしたって理解できないものだからだ。 流石に珈琲をパソコンに吹きかけてはいませんよと。 そう言いながら、貴方の後ろからそのパソコンを覗き込むと、確かにそこにはいろんな映像とともに見知ったマフィアの姿をほぼ同時に捉えただろう。 男の方はアルバのコンシリエーレ、女の方は……マウロの部下。 マウロがまた無茶をしているのではないかと、そんな風に心配の表情を浮かべて二人の様子をじっくりと眺めるのだった。 (-188) 2022/08/14(Sun) 0:39:50 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 銀の弾丸 リカルド「は?3人まとめて拾われたんじゃなかったの? 全員マフィアとかその孤児院呪われてんじゃないの」 思わず一瞬手が止まった。暴言に等しい発言だが、 これにとって『驚いた』以外他意はない。 「ふーん……幹部候補殿は優秀そうで。 まあなんでもいいや。 重要なのはウチのファミリーは優秀なのが多いって事と、 出身なんざ何の役にも立ちゃしないって事だし。 あたいのとこに面倒が回ってこないように頑張りな」 言いながら、調整していた狙撃銃のパーツを 機械にセットして組み立てる。 簡易分解清掃では到底できない、 狙撃銃の精度を守る為の精密な組み立てだ。 それも見る間に完了し、取り回しやスプリングを 簡単に確かめると一度頷いてあなたに差し出した。 「終わったよ。スプリングはこんなもんでどう。 言うまでもないけどゼロインは自分でやりな」 (-193) 2022/08/14(Sun) 0:49:05 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「それぞれ別の家に引き取られていた間は会ってないからな、たまたまだ」 ありえないような偶然が起こったからの奇跡だが、それについて驚かれるのは仕方のないことだろう。 自分自身、最後に合流したマウロを見た時は、とても驚いたのだから。 「そもそもツィオとは同期になるが、マウロは数年遅れてる。 孤児院にとっては呪われてるのかもしれないが……上手くいかないような家に簡単に引き渡し続けていた結果だろうさ」 優秀と言われて悪い気はしない。 そろそろ調整が終わりそうな気配を感じて、保存を終わらせたノートパソコンを閉じると立ち上がった。 貴方のそばまで近づいて、銃を差し出されれば、それを大事そうに受け取って、指のかかりの感触などを確かめてしまうだろう。 「ふむ。今日もいい仕事だ、感謝する。 スプリングも……あぁ、注文通りだな、いい具合に撃てそうだ」 ゼロインを自分でやらない客がいるのか? と不思議そうに問いながら、ライフルをそっとケースに仕舞い貴方を見た。 「……。 そういえば君は、俺に問わないんだな。 ボスを狙った武器もまたライフルでの狙撃だというのに、何も」 (-196) 2022/08/14(Sun) 1:17:23 |
【秘】 デッドヘッド ヴェネリオ → 銀の弾丸 リカルド「そうだよなあ……何年も恋沙汰もやってねえ。 お前たちぐらいの頃は女は一人いたんだがな」 ぼろっと溢して、しまったと思ったがこの部下なら不躾に根掘り葉掘り聞かないだろう。長く話していないのだからそういうことだ。 「……今はそんな風に心揺さぶられるなんてことは ……ないん、で、…ね!すぐに引き下がらなくて驚いた。 俺に惚れてるって言われても困ったが……困るなあ」 飲み終わったカップをおいて再び寝転ぶ。悩みの種が多すぎる、片付けなければいけないことが多いのに仕事の引き継ぎまで。 かたや次期首領の選定を急ぐ動きすら出ている。アンダーボスがまとめてくれているとはいえ、いつ爆発してもおかしくないのだ。 感傷的になるわけでもないが、気のおけない連中を増やしても弱味を晒して邪魔な荷物が増えるだけ。平穏な人生になど戻れやしない、地獄に落ちていくだけの船に誰がのせるものかと。 「リックも気を付けろよ〜。 真面目に向き合った方がこういうのは敗けだ。 誠意なんてここでは通じない 、 Fidarsi è bene, non fidarsi è meglio」 (-208) 2022/08/14(Sun) 3:25:04 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → デッドヘッド ヴェネリオ「……女は苦手です。 俺もここに入る前は……親にあてがわれた女が一人いましたけど」 リカルドがあなたに拾われたのは15の頃だ。 それより前となれば言わずもがな、なお幼い頃ということになる。 それで女が苦手になるというのは、つまりはそういう事だった。 「家族なんてものはもうここだけで十分なんですよ。 だからそうですね……俺から言える事といえば…… 俺は貴方に命をかけている。他所に浮気は許しませんよ?」 貴方の右腕は、信頼を得て数年貴方と共にあり続けた。 野球で言えば女房役。つまりは夫婦みたいなものだ。 悪い笑みを浮かべそう告げて、まだ熱い珈琲を一口喉に流し 「ってとこですかね」 としれっと言いのけた。 「俺に火遊びは向きません。 かといって、色恋なんてもっと向きません。 今向き合ってるものだけで十分なんですよ」 貴方と、幼馴染と。 それ以上の大事な物なんてあるものかと、そう言外に言い含んだ。 (-215) 2022/08/14(Sun) 8:44:34 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 銀の弾丸 リカルド「偶然にしたって出来すぎだろ……。 マフィアの斡旋所かなんかなんじゃないのか、その孤児院」 よっぽどだぞ、と言いながら、仕事の出来に満足気に頷く。 ゼロインに関しては「バカと変態はどこにでもいるもんだよ」 そんな一言で切り捨てた。 「聞いてどうすんのさ。『犯人ですか?』『はいそうです』 『じゃあ死んでください』そんな風になるわけ? 兵士達にも言ったけどね、あたいは探偵でもなんでもない。 犯人を捜すのはそういうのが得意な奴がやりゃあいい。 あたいは仕事をして、バカ面が出てくるのを待つさ」 「それに、祭りの場であんなツラしてるような奴が 犯人なら、放っておいても勝手にボロ出すだろ?」 (-221) 2022/08/14(Sun) 11:13:09 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「そんなわけないだろう。ただの治安の悪い孤児の掃き溜めだ」 ゼロインも自分でやらないような奴はもはや狙撃手ですらない。 そう言ってこちらも切り捨てれば、満足そうに頷いている様子が見えて、再度一言”助かった”と礼を言う。 「まぁ、そもそもバレて困る身内殺しを、足のつきやすい自分の得意分野でやるわけがない。 少し考えて欲しいものだが、何処にでも突っかかってくる愚か者はいるものだな。 それに……身内に犯人が居るならば、そのうち自分の力を誇示しそうなものだがね」 下剋上とはそういうものだろう、と呟いて。 やれやれと肩をすくめて貴方を見やった。 昨日も、今日の今も対して変わらない仏頂面をしているが、幾分今のほうが穏やかだろう。 「ああいう場はどうにも慣れない……、そう言ってくれるな。 次からはポロシャツくらいは選ぶとするさ」 (-236) 2022/08/14(Sun) 13:15:20 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド「冗談だよ、でも生まれた時から宮殿暮らしなわけじゃないでしょ。 祭りに参加したりするのは、はじめて?」 何気ない、そう聞こえるようにイントネーションを抑えた言葉。 果たしてどれだけ相手のことを調べているのか、そうでなくとも例えば上層の血縁ではないとか、 順当に功績を積み上げて今の立場にあるというのは、ある程度情報を仕入れていればわかることか。 何も相手の出自の如何まで、相手のファミリーの中で噂される以上には知らない筈だ。 「急にデニムのパンツ履いて足元スニーカーにして……なんてやったら動きづらいでしょ。 人が多いから、目の行かないところまで変える必要はないし。 少し体裁整えておきたい場所に行くなら、祭りから離れたらジャケット羽織ったらいいよ」 白からアイボリー、ジャケットに色相の近い青のデニム生地のまでぱっと当ててみたりする。 相手の方が背が高いぶん、宛てがうのにも手を上げ下げして、ちょっとした運動だ。 あくまで目の前で店のものを、なおかつ相手も選ぶ権利のあるものを手に取っているのだから、 何かしら仕込みをしている……とは考えづらい、と思う。 「気に入ったのあったら、着てみたら? 肩の動かしやすさとか色々あるでしょ。 お兄さんは顔立ちがいいから、何でも似合わないってことはなさそうだけどさ」 何枚か持たせて、評価の渋かったものは元の棚に戻して店員に任せたり。 試さずに買うのもなんだから、と試着室の方に背中を押し出す。 ふつうだったら容易に接させはしないだろうけど、それとして。 もし進言のままに試着室に入るのであれば、ひょいと。その後ろからついてくる。 口元に人差し指を当て、"Shh"と合図までご丁寧にして、だ。 (-238) 2022/08/14(Sun) 13:40:51 |
【秘】 冷たい炸薬 ストレガ → 銀の弾丸 リカルド「バカと変態がファミリー内にもいると困ったもんだね」 くつくつ、喉を鳴らすのは散々誰かに馬鹿と言われたからか。 「ま、精々気張るんだね。あたいの仕事は終わり、 次の仕事まではのんびりいつも通り過ごさせてもらう」 椅子にどっかり座り込んで、PCに向き直る。 電子の海へ海水浴に出かけるようだ。 これ以上の用向きがなければ、 ストレガは貴方を引き止めないだろう。 (-242) 2022/08/14(Sun) 14:17:44 |
【人】 銀の弾丸 リカルド【バー:アマラント】>>65>>66 マキアート 「楽しめるように……ですか。 えぇ、そうなると良いですがね」 諜報活動を自らも行おうと思ったのは、今回の狙撃があったからだ。 でなければ調査は別の部下に頼んでいただろうし、この祭に顔をだすことはなかっただろう。 今後とて、調査が終わればこういう場に出向くことは二度とないかもしれない。 「様々なものにそういった言葉がついてるんですね。 生憎俺は花言葉すらほとんど知りませんが……貴方は随分詳しいようだ」 ではこれは何というのでしょう? と、ソムリエが持ってきたスプモーニのグラスを軽く揺らす。 ほろ苦さがあるさっぱりとしたカンパリのカクテルは赤く、ピザにはもってこいの爽やかなカクテルだ。 いつだったか。 貴方には抗争の場でもにこやかに挨拶をされ、顔が引きつった記憶がある。 あの時はただの馬鹿なのか、それとも油断させる作戦なのかと勘ぐったが、その謎が解決したことはついぞ無い。 「はは……流石にお客様に案内をさせるわけにはいかないでしょう。 ですがまぁ、またこういう機会があるとしたらゆっくり接待をさせていただきますよ」 敵対組織の人間と取引を望んでやろうとする人間は、どうであれ肝が座っているものだろう。 その思惑を探るのもまた、自分のような仕事を持つ人間の役割だと、そう決め込んでカクテルで一口喉を潤した。 (71) 2022/08/14(Sun) 16:27:12 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー「昔は孤児だったからな、院の外に出ることは殆どなかった」 今でこそ金回りは良いが、当時からすると逆にこのような店や祭は敷居が高かった。 医者の家に養子で入ってからは教養を身につけるための勉強漬けだったし、急にいい服を着せられたから、何分中間、普通を知らない。 家出をしたあとは直ぐにノッテに拾われて、そこからは死にものぐるいであったから、青春らしい青春を経験したことはない。 「それでも一番、普通に遊べたのは孤児院に居た頃だったかもしれないな」 幼馴染の手を引いて、夢を語ったりしたあの頃が懐かしい。 デニムを身体に当てられ、その新鮮さに「ほぉ」と相槌を打ち色々な服を代わる代わる見せられた。 余りこだわったことはなかったが、服の合わせ次第で十分に上品に見えることを初めて知っただろう。 「随分軽い生地だな……。 試着、ここで着替えるのか……?」 一瞬迷いを見せたが、ここに見張りなどはどうやら居ないらしい。 とはいえ、試着室は他の目のない狭い場所。 無防備に服を脱ぐのはいかがなものか。 いや……銃は肌見放さず持っている。 このような場所で騒ぎを起こすのは互いにとって本望ではあるまい。 そう思えば一言「わかった」と諦めた様子で頷き、試着室へ入る。 一緒に入ってくるのがみえると「おい!」と声を上げかけたが、その寸前で飲み込んだ。 (-249) 2022/08/14(Sun) 17:15:03 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「全くだ。……まぁ、狙撃場所くらいなら直ぐに割り出せたからな。 いくつか候補地点があるから、視察には行くつもりだ」 敵が油断でもしていようものなら痕跡が残ってることだろう。 同じ狙撃手であるからこそわかることを探すのは務めではあるはずだ。 「ふむ、君もいつも忙しそうだからな……休めるときには休むと良い。 正直、君を失うのは惜しい。どうか命は大事にしてくれ」 それは腕のいいメンテナンスの技師としてなのか、同じファミリーの者としてなのかは甚だ不明な言い方だが。 少なくとも、余り緊張せずとも話せる数少ない女であるという認識ではあるからこそのねぎらいだ。 こちらに背を向けた貴方に「ではまた」と言葉を残し、男もまた背を向ける。 ライフルの入ったケースを持ち、静かに部屋を出ていったことだろう。 (-253) 2022/08/14(Sun) 18:10:19 |
【秘】 花で語るは ソニー → 銀の弾丸 リカルド「そっか。じゃあちょっとくらい、楽しみ方でも教えようか? 馬の走る時間は過ぎてるけど、次の日の出走馬の様子くらいは見れるかもね。 トライアル・ランを何度か走るし、夜はビアガーデンが出てる頃かな」 わざとらしくならないよう、知っていることへの反応は簡素に。 毎日続く祭りを毎夜深くなるまで楽しむ元気な者自体はそう多くはないものの、 それぞれにまばらにあれば、結局のところ夜まで祭りは続いているのに等しい。 外から聴こえる楽器の音や人の声なんかも、きっぱり遮断することは出来ないようだ。 「別に全部買っていってもオレは困らないけど、まあ、荷物にはなるんじゃない? ちゃんと着るなら馴染みのブランドのでも見てあげたら」 カジュアルなものだからといって皆廉価なわけではないし、ブランド物となれば一見同じようなものでも数百ユーロする。 きちんと見立てて普段遣いするのであれば、河岸を変えないほうがずっといいだろう。 さて、着替えができる程度にスペースを取っているとは言え、二人は居れば試着室は狭い。 当然離れて立つなんて芸当は出来ないし、そうするつもりもないようだ。 手は、向こうの壁について。囁く声が漏れないように、耳のある方に唇を寄せる。 「 ――……ヤサに現れなかったのは、カルロ、アルミオ、ピーノ…… 」こうしてふざけた態度を取っている割に、一応わざわざ時間を取るだけの仕事はあるよう。 名前が上がったのは末端がほとんどだが、構成員の名前なのだろう。その数は、十数名。 おそらくは騒ぎがはっきりと情報となった日、昨日のうちにアジトに顔を出さなかった人間だ。 とはいえ同国の人間としては多少ありふれた名前。それに顔と照合できねば、意味がない。 それでもその中にはいくらかもっと、重要な名前も紛れていたかもしれない。 例えばある程度功績を残したメイドマンやソルジャーなどのような。 そのくせ、同じ小声で胸元から見上げて囁く。 「脱がないの? 時間掛かったらヘンだよ」 (-274) 2022/08/14(Sun) 20:42:24 |
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