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【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオぬるり、と。 口内に暖かく柔らかいものが滑り込む感覚。 常であれば不快でしかないのに 熱に浮かされた体には甘い刺激になってしまう。 しかし絡めようとすると、舌は逃げる。 「ゃ、め…っ…んんっ……」 貴方が咎めるように下肢を撫でるなら やはり震えて、体は堪える為に強張るのが分かるだろうか。 瞳は蕩けそうになるけれど やはり貴方を睨むのは止めない。 ほんの僅かに残った理性をかき集めて、堪えようとしている。 もし布越しにソコに触れられたならば 途端にその理性も瓦解するだろう。 昂り切った体に、その刺激は猛毒すぎるから。 (-4) 2023/09/26(Tue) 22:59:18 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロそこまで頭が回らなかったのか、 それだけ貴方を侮っていたのか、 それとも必要ないと判断したか。 男は貴方の口を固定することはなかった。 だからその舌に噛みつくことだってできたろう。けれど貴方がした報復はそれ以下のもの。抵抗はそれ以下のもの。 柔らかな千草色が濡れてこちらを睨む。それだけ。 それでさえ男は笑って受け流した。喉を笑いがのぼった。 愛しさではない。愉しさだった。 指がするすると撫であげる。一度みぞおちあたりまで、そうして腹、下腹部。同時に頭を支えた手は耳朶を擽り、舌は舌を捕まえようと口腔内を這った。 何も言わない。 促すような言葉は必要ない。これは睦み合いではない。 ただ屈辱的な快だけを与える手が、そのままの速度で貴方の粋の形をなぞった。 (-15) 2023/09/27(Wed) 15:50:37 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ嬲られて、辱められて。 愉し気な貴方と対照的に、快楽と羞恥の間を行き来する。 もう我慢は、出来なくなっていた。 与えられる快楽に従順に反応して、息が上がり その手が形をなぞり上げれば、溜まらず腰が浮いた。 「っ、ぅ…ふ……」 固く限界まで熱を持ったそれは 何度か強く触れてしまえば、果ててしまいそうなほどだろう。 睦み合いであれば、さぞ扇情的にも映ったろうが 与えられるものに縋るような様はいっそ滑稽だろうか。 (-22) 2023/09/27(Wed) 17:19:10 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ求めるものを与えてやる。 それは今この瞬間、今この一瞬だけのもの。 熱に浮かされて踏み外し、正気に戻った瞬間嫌悪と後悔と慙愧が襲うようなもの。その布石。 手錠で戒められた手はさぞ不自由だろう。 自由ならばそれは男の身体に縋っただろうか。 行き場なく震える手は自分の身体を僅かも押し返すことがない。それだって愉快に感じられた。 湿った唇は離れれば僅かに音を立てた。そのまま男は貴方の耳元に囁いた。 「良いんですよ。」 「我慢しなくて。」 触れる手は無骨な男の手。 恋人のそれでなければ女のものですらない。 けれど同性同士だからこそわかるものもあるというもので。 この辺りかな。 張ったところに手を添わせて、そのまま。 耐えられないような強さで触れてやる。 (-27) 2023/09/27(Wed) 18:13:35 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「ぅ、あ…っ…!」 ひと際大きく震えたのが、伝わる 堪え切れずに、ついに、落ちたのだと、分かるだろうか 屈辱に顔を歪める様は 貴方にとってさぞ気分が良いかもしれない けれど…解き放たれれば 理性は徐々に、戻ってくるものだ 熱い息を吐きながらも ようやっと、意識が多少はっきりしてくる 「く、っそ…」 顔を反らしては、貴方から表情が伺いづらくなるように そう仕向けるだろう (-31) 2023/09/27(Wed) 19:23:42 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「あはっ」 身体の下に震えを感じて男は笑った。やっぱり愉快そうだった。声ばかりは無邪気だった。 悪意なく他者を貶める、幼い子どものする笑い声だった。 一通り満足したらしい瞳が貴方の表情を確かめる。 悔しそうな様は心地いいらしい。偽物の上下関係を確かめるような暫しの間があるだろう。さて、と次の行動を考えつつ、最初の目的に立ち返る間だ。 この間は隙である。 離れた空間を利用して頭突きをするなり、自由な足で蹴飛ばすなり─────反撃をするなら、通るだろうが。 (-70) 2023/09/28(Thu) 8:51:05 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ息を整えている間に 貴方の方も手が止まって、考えているのが伺えた。 ――今だ 頭を軽く振りかぶって その額へと頭突きを喰らわせようとする。 当たり、怯んだのであれば 少しでも自分の身体から距離を取らせるべく 右足で腹を狙って蹴り飛ばそうとするだろう。 (-74) 2023/09/28(Thu) 9:25:20 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ猛威と理不尽を振るった法が失効して 多くの囚人が日の下へと送られる中。 ニコロ・カナールは未だに牢の中に居た。 というのも、拷問で負った怪我のせいで、動けないのだった。 右腕、右足の骨折に肋骨も何本か。 顔や身体には打撲痕もある。 そして何より、拷問時に薬を2種類同時服用したことで 体が怠さと熱っぽさの不調を訴えているのだった。 それでも、意識だけはきちんとあるのだけれど。 薬そのものの効果がきちんと調整されていて 且つ量も大して飲まされることが無かったのは幸いだった。 もし調整されていないものであれば 意識すらも危うかっただろうから。 そんな訳で。 どうしたものかなぁ、なんて考えながら 動く気にもなれず、ぼんやりと時を過ごしているのだった。 (-86) 2023/09/28(Thu) 13:22:38 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → リヴィオ法が失効してから。 貴方もまた、牢から解放されて 病院送りになったろうか、それとも自宅療養だったろうか。 ともあれ、動ける程度になった頃合いに 運命共同体を謡っていた狼を探してみれば どうも病院に放り込まれたという話が聞こえてきた。 ちょっとでも様子を見てやるか、と思ったのか 話したい事があったのか。 貴方は彼の病室を訪れる事を決めたのだろう。 ニコロ・カナールの病室は個室になっていて それもそこそこ怪我の程度が重い人向けの病床だ。 重体、とまではいかないけれど、重傷なのは伺えるかも。 けれど実際訪れてみれば、当人は無事ではある様子で。 腕と足を吊った状態でベッドに横になって 点滴の管に繋がれている以外は、意識もあって元気そうだ。 (-87) 2023/09/28(Thu) 13:28:33 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロぐらん、と。 貴方の頭が傾ぐのが見えた。見えただけ。 避けるに間に合わぬ近い距離。ごん、鈍い音と共に脳が揺れる。 「ッ────」 勢いはそうなかったはずだが頭骨は硬い。それは怯ませるには、かつ貴方の反撃の意志を伝えるには充分なものだった。 次いで蹴飛ばす足も入る。ずぐ、と男の硬い肉を、貴方は膝か脛かに感じたはずだ。しかしだからこそわかるだろう。 命中したわけではない。 男は目が良かった。 外している時の方が良いのだ。だから、反応が遅れることもなかった。完全な一撃として食らう直前、距離を取って避ける。 チ、と舌打ちが聞こえた。 一転、表情に不機嫌の影が差す。 (-88) 2023/09/28(Thu) 13:40:14 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ>>-87 「Ciao,ニコロ」 快活な声色だが気だるげな態度で声をかけるのは首までしっかり着込んだ貴方の友人色男だ。 「……はあ。 なんでこうなってるんだ? 説明はするな、どうでもいい。大変だったなあ」 鍵が開けられた牢の中に入れば貴方の目の前に行ってしゃがみ込む。 目の前の男の傷は見ているだけで痛々しい、その上何か飲まされているらしく扱いが厄介だ。 俺が背負っていかなくちゃならんのかもしれない。それは怠い。 「――問いに答えてくれえ。 手は、貸してほしいか」 (-89) 2023/09/28(Thu) 14:02:28 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ貴方が距離を取ったのが見える。 頭突きのせいで此方まで脳が揺れたが、誤差だ。 「っつぅ…浅かったか。」 息を切らしながら身を起こして 袖で唇を拭う。 「薬で動けないからって好き勝手にしやがって…… これは立派な犯罪だぞ。分かってんのか? 躍起になって検挙しようとしているマフィアと変わらねえ。 いい加減に無意味だって気付けよ。」 如何に薬そのものがシンプルで副作用がないものだとしても 個人の体に掛かる負担は別問題だ。 少しは落ち着いたが、くらくらするのは変わりない。 しかしこれ以上手を出せば、 今度は抵抗するという意思を見せるだろう。 (-111) 2023/09/28(Thu) 20:49:50 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノゆる、と貴方の方を見た男は 笑みを浮かべて、無事な方の手を挙げて見せた。 「Ciao,ルチアーノ。 このくらい、なんて事ねえよ。 そっちも随分苦労したんじゃないか?」 なんて、軽口を叩く余裕はまだある。 ただ、気怠いし、動けないのは事実。 「ああ、貸してくれ。 どうやって此処から出るか、考えてたところだったんだ。 お前が来るとは、思ってなかったけどな。」 アリーチェやテオドロでなくて良かった、などと。 零しながらも貴方の問いに答えただろう。 (-114) 2023/09/28(Thu) 20:58:01 |
【秘】 リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ何があっても入院はしたくない。 医者に怒鳴られながらもこの男ははっきりとそう告げた。 友人がもし付き添っていたならば、恐らく、 誰にとっても予想のしやすい表情を浮かべていたはずだ。 それから数日後、あるいは数十日後。 風の噂で君の入院を知った男は、その病室を訪れた。 ガッ。………ガラガラッ! 「……やぁ、 ニコロ 。随分と素敵な装いになっているね。君ってやつはあんな場所でも大暴れしていたのかな?」 片腕を吊り片手を包帯で巻かれている男は、 ついでに耳にもガーゼが当てられている。 自分のことは棚に上げ、若干おかしなボリュームで君を煽る。 そんな男の後ろでは、 勢いよく開けられた扉が緩やかに閉まっていくのだが…。 その扉が完全に閉まるよりも前に足を挟んで。 「……さて、満足した。帰ろうかな」 帰ろうとしている。 何をしに来たんだという話だが、 ただ大変そうな君を煽りに来ただけらしい。 これは嘘。…その様子を見に来た、というのが真実だ。 (-118) 2023/09/28(Thu) 21:51:33 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「犯罪者がまともぶるなよ。」 たたん。靴底の音。 「躍起にならざるを得ないだろう。何度同じ説明をさせる。」 たたん。苛立ちの音。 「強引にでもしなければ後手に回る。」 「お前たちは嘘と隠し事だけは上手いからな。」 たたん。たん。 鳴らしながら貴方の様子を伺う。ふらついている。警戒している。 けれど難しい相手ではないな、と思った。それは半分事実であって、半分は状況も含めての侮りだ。 息を吐く。溜息のようだったろう。貴方への哀れみだ。 「自白剤がなかったのは不運でしたね。」 「続けます。座ってください。」 取った距離を一歩で詰めて、足首目掛けて蹴りが飛ぶ。 (-122) 2023/09/28(Thu) 22:13:47 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → リヴィオ「んっ!?リヴィ、来てくれたのk…いやいやいや。 お前も大概えらい事になってねえか!?!? 」来てくれた貴方に目を瞬かせて。 嬉しそうにしたのだけれど、一瞬で心配する表情に変わる。 自分もそれなりの怪我だが、貴方も相当酷く見えたから。 「ちょ、待てって! 折角来たんだから話していったって良いだr… うおっ!? 貴方が足を挟んで、帰るか、なんていうものだから。 止めようと反射的に身を乗り出して ベッドから落ちそうになっているだろう。 ガタン!とベッドが揺れてけたたましい音が鳴る。 (-123) 2023/09/28(Thu) 22:20:27 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「犯罪者はお前だろ、イレネオ。 一体何人をそうやって問い詰めて来た。」 靴底の鳴る音が聞こえる。 「お前らが正しく尋問していれば 何度も説明する事なんてないんだよ。一度で済むかもな。」 ああ、苛立っている。 「一理はあるが、正論とはとても言えねえよ。 自白剤や拷問で引き出した言葉なんて、それこそ嘘だ。」 違うか?と笑う。 此方も、貴方の様子を伺っていた。 警察に属する以上、最低限の体術は身に着けている。 主に護身用ではあるけれど。 足首を狙った蹴りは 数歩後ろへ下がる事で位置をずらして避けるだろう。 これ以上貴方が手を出すならば、反撃の構えをしながら。 「拷問に付き合う趣味はねえよ。 話す事もねえけどな。」 (-125) 2023/09/28(Thu) 22:38:42 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロよくよく素直な男だった。分かりやすい男だ。 犯罪者と声をかけられればあからさまに表情を変えたろう。顔を顰める。眉間に皺が寄る。 「拷問じゃない。」 「仕事です。」 詭弁だ。 物分かりが悪い人間の相手をしている。そういう億劫さでやれやれと首を振る。蹴りが避けられればまた口の端を引き攣らせた。たたん。落ちた靴底が音を鳴らす。 ガードが邪魔だ。 ならばそこを砕こうか。 次には左腕が貴方の腕を上から、同時に右膝は下から。上下方向からの勢いで骨に衝撃を食わせようと。 抵抗せずともこの暴力が止むことはなく、 抵抗すればなお止むことはない。 障害があれば人は乗り越えようとするもので、 男は殊更、そういう時に周りが見えなくなるたちだった。 目的がずれていく。 (-149) 2023/09/29(Fri) 1:29:08 |
【秘】 リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ君は何を言っているんだ? そう言いたげに傾く首はまるで、 自分は怪我をひとつも負っていないというような態度で。 しかしまぁそこに事実はあるしおかしな反応ではある。 「待たない。俺の目的は達成したん──」 だ、言い切るよりも前に足が動いて、 扉はぱたりと閉まり、代わりにその片足は 落ちかける君の支えとなるように差し出された。 その代償と言うのもなんだが、 「……………早く、ベッドに、戻ってくれないか??」 体重のかけられた足は一瞬でも体全体に響いて、 痛みに顔を顰める代わりに満面の笑みを君に見せる。 若干その笑顔が引き攣っている気がするのは気のせいだ。 …多分。 (-150) 2023/09/29(Fri) 1:37:31 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「よく言うぜ。」 顔を顰めて それでも仕事だと言い切る貴方。 男は今度は避けなかった。 貴方の左腕と右膝が、利き腕である右腕を捉える。 ミシ、と嫌な音を立てたのに呻き声を漏らしながら けれどこの状態ならば、貴方は避けられまい。 「これのどこが、拷問じゃないって言うんだ?」 相手の腕をへし折ろうとするその行動。 どう見たって、尋問の仕事ではないだろう、と。 目を覚ませ、と言わんばかりに 貴方の頬へ、左手の拳を振るうだろう。 (-152) 2023/09/29(Fri) 1:53:13 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → リヴィオ「お前…その顔は自分の両手を見てから言えよなぁ…」 どう見ても両手が無事じゃないし、なんなら耳もちょっぴり。 不思議そうな顔をしてもダメなのだ。 「おーう…悪い。ちょっと足と腕がこれなの忘れてた。 あと、俺の目的が達成されてないんでやっぱ待ってくれ。」 片手で何とか、戻ろうと藻掻いて。 体の大半をベッドに乗せる事に成功するだろう。 そしてベッドに戻るついでに ちゃっかり貴方の袖を掴んで引っ張ろうとしている。 行かないで欲しい、とそちらを見るだろうか。 (-156) 2023/09/29(Fri) 2:05:02 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ押し問答だ。 貴方は正しい。けれど男は肯わない。 その言葉をあくまで否定する。男にとって、これは正義の行いだった。 「正当な手続きを踏んでいる。」 その通り、踏んでいる。 机の上の書類こそその証拠。貴方の名前とその嫌疑、何をもってしても自供させよと令の刻まれたその紙面。 これは男の勝手な判断ではなく、 趣味や高揚を得る手段でもなく、 飼い主に下賜された仕事だった。 男の骨の抵抗。それがぐいと引き攣って僅かに薄れる感触。治る傷だ。問題ない。 けれど、だからこそほぼ同時。ほんの少しだけの時差での攻撃は避けきれず。 右頬に攻撃を食らえばぐるん! と顔が横向いた。ぐら、と視界が揺れてたたらを踏んだ。追撃がないのならそれは運よく踏み込みに変わるだろうか。必然的に低い姿勢、下から顎を狙って肘を振り上げる。命中すれば、そちらの視界もまっすぐなままではいられない。 (-162) 2023/09/29(Fri) 2:37:59 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「だったらその飼い主がクソって、事だな…っぐ… この場合は、署長代理殿か?」 腕が軋む。 骨が、筋が圧迫で押しつぶされ、嫌な音がした。 同時に拳で感じる、確かな感触。 「あ、がッ…!」 そして次の瞬間には、貴方の肘が顎を撃ち抜いて 自分の脳が揺らされていた。 同じように、たたらを踏んで 一歩、二歩と下がり、首を横に振る。 お互いにほんの僅かな隙となる、かもしれない。 「そんなくそ野郎に従ってたら お前だけじゃねえ。家族も大事な奴も何もかも。 全て地の底へと落とされることになるぞ。」 言葉を紡ぎながら 次の一手へと構える。 顎を打ち据えた貴方の肘を狙って、蹴りを一つ見舞おうと。 足を振り上げた。 (-164) 2023/09/29(Fri) 2:56:57 |
【秘】 リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ「はは、なんの事だか分からないな」 左腕は治療すれば治るし、指先は動く。 右手も同じ。…いや、こちらは動かすのは辛いが。 左耳は半分もいかないくらい削がれただけだ。 人間の体というのは便利で、きっと何とかなる。 ということにしている。医者にも見せているので。 戻ろうと藻掻く君の体重を片足で受け止め、 笑顔は徐々に引き攣りを増す。 ようやく戻り離れようとする頃には、 「…………だから、近付きたくなかったんだ」 掴まれている。ついでに引っ張られている。 やれやれというように 首を横に振るのはさて、何を思ってか。 「…それで、目的ってのは何だい? もしかしてお見舞い品のことかな? それなら両手が塞がっていてね、俺としたことが」 「あー……。……… やめよう、まずは素直に聞くから とりあえずその手を離すのとその目はやめよう」 個室の中、閉まった扉は外との隔たりで。 貼り付けていた笑みをふっと落とし、 ひとつ、大きなため息を吐き出すのだった。 (-166) 2023/09/29(Fri) 4:08:49 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → リヴィオまるでその様は大型犬のようだったかもしれない。 貴方が仮面をかぶる手を少し緩めたのが見えたら ようやっと、手は離して。 「俺が見舞い品を強請る為にわざわざ引き止める がめつい男に見えるか?」 可笑しそうに笑いながら、けれどとても嬉しそうなのだった。 「ずっと会いたかったんだ。 一人にしちまったし、手が届かない場所に居るのって こんなに不安なんだなって初めて思った。」 自分が受けた時点で 拷問を貴方が受ける事自体は想定内だった。 だけど、離れている以上 知らない間に何処か遠くへ行ってしまう可能性を ほんのちょっぴりだけ考えると心配で。 会いたかったし、こうして会いに来てくれて 本当に心の底から安堵したし、嬉しかったのだ。 「リヴィが生きててくれて良かった。 終わったな、俺たちの“仕事”。」 本音を言えば、拷問を受けている間、牢に居る間は 酷く心細くて、気を張り詰めていて。 貴方の前でくらい、抜いても良いだろうか、と思うけれど。 つい、兄貴面をしてしまいそうになるのは、性だろう。 (-178) 2023/09/29(Fri) 9:25:48 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ深く息をする。心拍を落ち着けようと試みる。 早く鳴るのは身体を動かしたからでもあった。刷り込まれた暴力、肌に感じる肉の感触でアドレナリンが分泌される。それから、やはり、怒り。 好んで従う者をこき下ろされたことへの怒りだ。瞳の温度がかっと上がった。 「くそ野郎はどっちだ」 「随分口汚くなりましたね」 貴方の言葉を男は一向に受け入れない。悪人の愚弄に乗らない。犯罪者の口車に乗らない。そんなものでは動揺しない。だって、法に従っているのはこちらだ。 言葉と共にゆるやかに落ちた視線が貴方の背後を浚う。机の位置を確認してそれを使おうとした思考は、きっと隙になった。 力を込めていなければガードにはならない。 攻撃後に緩めていた腕が蹴りを食らってそのまましなる。身体から離れていた分遠心力は強く、後ろ向きの動きに前進気勢を僅か削がれる。 舌打ち。また舌打ちだ。ガラの悪いのはこちらも同じ。徐々に苛立ちは募る。 どうすれば止まるだろうか。 あの口もうるさいな。 テーブルの縁の部分。あそこに叩きつければ止まるだろうか。思考と共にまた足を払いにかかった。 (-187) 2023/09/29(Fri) 12:44:55 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「少なくとも俺はくそ野郎に成り下がった覚えはねえな。 それと、この口は元からだ。」 元々口が良い方ではない。 警察官だからある程度の体裁で、直しているだけで。 だから此方が、この男の素であり 今まで隠してきた、獣の部分なのだ。 男は犬は犬でも、狂った狼だ。 例え貴方が法の下で、男と同じ法の執行を目指していても それが従うべきものでないと判断すれば。 容赦なく噛み付き、食い殺す事を厭わない。 蹴った後の体勢を戻していれば 足払いが飛んできて、避けることは適わないだろう。 けれど足を払われながら 体勢だけは崩しきらないように体を捻る。 貴方の次の一撃に対応出来るように。 (-192) 2023/09/29(Fri) 16:28:42 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「俺はほぼ無傷だなあ……。 ……一番きつかったのは幼馴染からの言葉だった」 牢屋の生活はむしろ快適に過ごしていた、何処でも寝られる男はそういうが。 やはり時々出てくる幼馴染に世話を焼いているらしい。 そういいながら話す様子は穏やかで嫌がっている様子は見せていない。 「素直でよろしい、それじゃあ車に運んで適当な病院にぶち込んでやる。 んあ? なんだ俺がくる理由なんて簡単だ。 確認だよ、お前がどれぐらい無事かの。それですることを考えていたんだ」 「無理だと判断したからはっきり言ってやる。 リヴィオが俺が持っていくからな。 貰っていくじゃあない、この様子のお前じゃ連れていけないと判断した。 あいつも怪我をしているらしいから医者に掛からせる、会うなら後にしろ。 大分死にそうな感じがするのでな、少々世話を焼いてくる。 これぐらいは許せよ、俺たちは友達なんでね」 (-194) 2023/09/29(Fri) 17:04:44 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ「ハハ、そりゃあご愁傷様だ。 傷が無いなら何よりだよ。」 ケラケラ笑いながら 体に伝わる振動でいてて、なんて言う。 「そうだな。助かる。 俺もこんな無様な成りじゃ会えねえと思ってた。 アイツのことはお前に任せるよ。」 貴方が思うより素直に、男は頷くだろうか。 自分の体の状態が分かっていて 且つ、貴方になら任せられると思ったのか。 「死にそうってのはあれか。精神的な方か。」 それでも、心配そうにする。 (-219) 2023/09/29(Fri) 20:35:34 |
【秘】 リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ「 見える 、ということにしておこうと思って。その方が帰りやすいだろう」 男の目的は既に果たされ、ここにもう用はない。 冷たいようにも見えるが、単に、 追われると逃げたくなる性質が出てしまっているだけの話。 それでも、男がここへ訪れる選択をしたのは確かだった。 「……その台詞は幼馴染に言うべきものじゃないか? それに俺は別に不安じゃなかったよ、俺はね」 本当は君が出てくるよりも前に姿を眩ませて、 それで、居なくなるつもりだったのはひとつの道で。 予定が狂ったのは君と友人の 物好き さのせいだ。同僚とはいえ、友人とも言えなかった関係で。 今回もただ、同じ立場で"仕事"をしていただけで。 それなのに、手を掴もうとする君の心が分からなかった。 そしてそれはきっと、今後も曖昧な形のままなんだろう。 だからこそやはり、どうしてだと思う心は消えない。 そんなにも誰かを思える人間は、 その人を思える誰かと幸せになるべきだと考えているからこそ。 「…本当に君は、まんまとやられてしまったものだ」 「………あぁ、だけど。お疲れ様と返しておこうか。 "運命共同体"ってのもこれで終わりだね」 (-222) 2023/09/29(Fri) 21:02:11 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → リヴィオ「アイツらのこともそれなりに心配はしてたけどな。 それ以上に、お前のことが心配だったんだよ。 拷問の事より、どっか行っちまわないかなって。」 変わらない言い草に何故か安心しつつ。 まあそうだよな、とも思う。 「ま、想定内と想定外、半々だが。そうだな。 A.C.Aとして運命共同体になるのはこれで終いだ。 なあ、これからどうするつもりだ?」 だから貴方とお別れだ、なんて その表情は語っていない。 今度の休みどうする?くらいの気軽さで 貴方に尋ねるだろう。 (-227) 2023/09/29(Fri) 21:29:40 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ貴方の足を捉えた。 身体が崩れた。 その腕を、男は落ちる途中で取って、 身体の向きを変えさせた。 机の角に叩きつけるのは身体の前面。 自重と落下の速度で肋骨に傷を負わせようとする 成功するなら貴方は呼吸すら難しい激痛に襲われるはずで、 踏ん張れずに落ちるならさらに床でバウンドする形になる。 そうなれば当然噛み付く追い討ちで痛むはずだ。 男がこうまでするのはある意味で貴方のせいだ。 大人しくしていれば後遺症まで残す気はなかった。 なんて、身勝手な話。 (-252) 2023/09/30(Sat) 1:44:46 |
【秘】 リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ心配されるような人間ではないと、 喉まで出かかってしまうのは変えられない性分で。 僅かに口ごもって、また、ため息ひとつ吐き出した。 「……こうして生きている、それが答えだよ。 でもね、ニコ。君は俺よりもまず、彼らを心配するべきだ。 それに君が色々と話をするのは大事だと思うんだが」 話したかい?話せたかい? これからのこと、今回のこと。どうするのかって話。 俺に問うよりもと思うのは少しのお節介。 だから、これから先を当たり前に語る君にもう一度、 深めのため息を敢えて零すのは、仕方のないこと。 「…さぁ、特に何も考えていないよ。 適当にもう暫く──…生きてみる、だけだ」 それが長く保てるかと言えば、分からない。 だけど出来れば、 その時は誰も彼もが手を離して欲しいと思う。 首にかかった縄はいつだって、ここにあるままだ。 誰かとともに落ちるのはきっと、耐えられないから。 (-254) 2023/09/30(Sat) 1:52:03 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → リヴィオ「大丈夫だよ、あいつらは。」 此処に来ていても、来ていなくても 話をしていても、していなくても。 同じ言葉が、男からは返ってくる。 もう彼らは上手くやれるから。 そこに己は関係ない。いや、関係ない側に置いて欲しい。 A.C.Aに身を置く時に既に決めていた事だ。 大切ではあるが、手を離れて欲しいからこそ、なのだろう。 「むしろ今の俺に、あいつらは関わるべきじゃない。 余計なもんが降り掛かりかねんだろ。」 何を選ぶにせよ、どうするにせよ、だ。 「そうか。適当にもう暫く、な。 警察…は続けなさそうだよな。やっぱり辞めるのか?」 きっとルチアーノが何か言ったのだろう。 少なくとも死ぬ気が今はなさそうであることにホッとする。 緩みそうになる本音を、そっと抑え込んだ。 (-287) 2023/09/30(Sat) 9:15:58 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「っ…!?」 それは、一瞬のことだった。 読みを違えて受け身に走っていた身体は 容易に引っ張られて、その勢いのまま、机の角へ。 バキッ 鈍い音が、胴から響く。 1本は確実に折れ…周りの数本も罅くらいはいったか。 もしくはまとめて折れたかもしれない。 息が漏れ、衝撃から遅れてやってくる激痛に まともな受け身も取れずに床に叩きつけられるだろう。 「あ゛、がはっ、ああああっ!」 胸を抑え、蹲る。 脂汗が滲み、止まらない。 一時だけ、その口は言葉を失うだろう。 そして、抵抗する余地も今少しは、ない。 (-289) 2023/09/30(Sat) 9:27:30 |
【秘】 リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ「……いいことを教えてあげよう、ニコ。 大丈夫だと、そう決めるのは君じゃない」 何を思うであれ、アリーチェの姿を見ていた男は、 あれを大丈夫などと口にしたくなかった。 だから話せ、そう言っている。言わなければならない。 「上手くやれるから話さなくていい、それは違う。 だからこそ、話をしておくべきだって言ってるんだよ」 と、そこまで言って男は右手をぶん!と横に振る。 避けなければ君の頭にヒットする予定だ。 ついでに言うと痛み分け、男も自らの傷で顔を顰める。 その場合はかなりの間を置くのだが。 「………あぁ、そうか。それなら俺が彼らに話しかけるか。 今の俺は本当に無敵だよ、何せ肯定されまくってるからね。 A.C.Aだった俺を肯定する甘い人間が多いんだ」 困ったものだね。そう口にする男の口調は柔らかいものだ。 上手くいかないなと何度思ったことか。 「で、警察を辞めるかどうかだったか。 …もうとっくに辞めてるよ、有給届と叩き付けてきた」 真っ当に警察をやってきた男は、 去り際に真っ当ではない辞め方をしてきたらしい。 当然色々とあったがどうせ、この腕では暫く働けそうにもないのだ。 (-298) 2023/09/30(Sat) 10:32:51 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → リヴィオ「そりゃどういう… あだっ!? 」言葉を返す前に、頭に貴方の右手がヒットした。 思わず、という様子で頭を抑えるその表情は 何とも訝し気な様子だ。 この男は、頑張る、と前を向いたアリーチェしか知らない。 止めるなよ、と足を踏み出したテオドロしか知らない。 だから大丈夫だ、と思っている。 右手の薬指に、目線が落ちた。 ネイビーブルーはまだ、そこにある。 「ちょっと見ない間にそんなことになってるのか。 馬鹿だなぁ…首謀じゃないとはいえ 街中を混乱させた法に従った奴らだってのに。」 苦笑いが零れ落ちる。 「分かった、分かったよ。 後でちゃんと様子を見に行く。 けど、ままならねえな。」 「お前じゃないが、俺も消えるつもりで居たってのにさ。 そんな風に言われたら、おじゃんだ。」 貴方の前では、ただのニコロでも許されるだろうか。 (-302) 2023/09/30(Sat) 11:31:40 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「精神的な方だな、怪我もして余計に弱る。 お前に会うときも格好つけたがる、 それが上手くできないと落ち込む、完全に悪循環だ」 どうして自分たちの気にかける彼が落ち込むのか丁寧に説明をする。 理由なんて詳細にはしらないのだ、それでも表面で見えることだけでもある程度の推測はできて。 「破滅云々はしらんが、俺がそうだからよーくわかる。 こういうときは一人がいい。 だけど、……誰かに来てくれると救われる。 そして少しでも自分の事を好きなやつの声が聞けるだけで前を向ける。 お前が、絶対あいつを離さないってんなら。 早く怪我を直して引っ張れるぐらいになってやれ。 無理やりじゃないぞ、全部同意でな。 ……お前は俺の幼馴染になんとなく似てるからアドバイスだがー」 「簡単に幸せや生きがいを与えられると思わんことだ。 自分が幸せになって、迷わなくなってから、 ようやく他人に幸せを与える余裕ができる。 それができないなら背伸びせずに一緒に歩け、以上。行くぞ」 そういって貴方の痛むであろう体を無理やり持ち上げる。 薬のせいでおかしくなってるかはしらないが、運び出さなければ意味がない。 肩を貸すか、歩けもしないのなら背負って外に向かおうとするだろう。 (-303) 2023/09/30(Sat) 11:48:34 |
【秘】 リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロどういうも何も詳しい話はしてやらない。 何も出来なかったことを悔いる気持ちは知っているが、 その奥底、確かな思いまでは分かってやれない。 だけどそれは、そう思うのは君だけじゃないってこと。 最後に見た姿が確かさなのか。 それを言うなら、俺がA.C.Aでなければ君は "いつも通り"の俺に大丈夫だと言うんだろうな。 まぁこれは、持たざる者としての妬みだろう、きっと。 痛みに顔を顰める間、そんなことを考えていた。 「……人間っていうのは案外、そういうものなんだろう」 ふと、彼女と語った出来すぎた未来を思い出す。 形は違えど、これもまたその未来なんだろうな。 「それに、それなら俺に道を作らない方が良かったな。 そういう甘さが、未来に繋がっているんだよ。ニコ」 『兄』として、『巡査部長』として、 『いいおまわりさん』として、 そのどれかでいろと頼んだ覚えは一度だってないんだ。 後悔したくないのなら迷わずそれを選べ。 選ぶのは"君"で、"君"がどう在りたいかが答えだった。 …あぁ、勿論。"全部受け入れる"とは言わないけどね。 (-306) 2023/09/30(Sat) 13:40:20 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ「そっか。 ああいや、無理に会おうとは思ってねえよ。」 素直に貴方の言葉を聞いて。 頷いている。 「ハハ、手厳しいな。 無理矢理引っ張った覚えはないが、心に留めておくよ。 …幸せで満ち溢れた人間なんて居るのかね。」 自分の幸せなど長らく考えていなかったから そんな風に零す。 無理矢理体を持ち上げられると 痛みに呻くだろう。 肋骨と足が特に痛むが 肩を借りれば何とか気合いで動くことは出来そうだ。 (-315) 2023/09/30(Sat) 17:01:28 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「会うのは平気だ、どうせいつになっても変わらん。 ただお前が励ましてやればいいんだよ」 ただ知ってると知らないでは気遣い方は変わるだろう、と。 貴方が貴方らしくいるのが誰かの救いになることは自分が良く知っている。 現にこうして自分達も仲良く話せているのだから。 「……無理やり引っ張ってない、ねえ? 心中までしそうだったやつが言っても説得力はないな。 俺にも警戒心を見せてきてた奴が何を言ってるんだか。 相当な感じだったぞお前らは、今はぼこぼこにされて気が抜けてるのかもしれんが」 今は力が抜けたか? と笑いかけてやって。そのまま外に運び出す。 車に乗せれば病院に行くだけ。あとは自力でやれ俺は帰る、と言いながら。 「そんなの早々いるわけねえだろお。 だからなー、高望みするなってことだ。簡単にできやしない。 それでもいつかそんな日は来るって望むぐらいで丁度いい」 「お前も早くそうなって俺を安心させてくれえ」 (-340) 2023/09/30(Sat) 19:59:27 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → リヴィオ「そういうもんなんだろうな。」 良くも悪くも。 今回にあっては幸いとも言えよう。 「そうだなぁ。 俺の甘さが全部今になってる。 でも、後悔はしてねえよ。」 貴方の言葉に、頷いて笑う。 全くだ。甘く計画性もなく。だからふらつく。 けれど後悔はしていないのだ。 貴方が小突いてくれたから 目が覚めたような気がした。 「お前の手を引っ張らない方が良かったなんて そんなこと絶対言ってやらねえ。 リヴィは、俺にとって必要な、大事な奴だから。」 離さないと誓った。 「だからこれからも、一緒に居ても良いかな。 友達になるのか、俺もまだ良く分かんねえけどさ。」 (-349) 2023/09/30(Sat) 21:19:01 |
【秘】 リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ後悔はしていない。それは男もまた、君と同じ。 そうして甘さも同じだ。 目的は違えど確かに同じ道を歩いていたらしい。 「……はぁ、君ってやつは本当に」 「ひとつだけ、ひとつだけ明確にしておこう。 これは、俺の譲れないものだから」 そう、君が誓おうともこれは男の譲れないもの。 俺を大切にしようと思うのなら、果たせと願うもの。 絶対に、言っておかなければならないことだ。 「……俺は、 次 があれば君を連れて行きはしない。そして、君はそんな俺を追いかけてはならない」 友達になるのか、何になるのかは分からない。 だとして、これは男の提示する一緒にいるための条件だ。 頷かなければ、こちらも君に頷くことはない。 人を掴むなら、君自身が幸せになれ。 それが願いだ、それが望みだ。 俺に"希望"をくれた君に──叶えて欲しいことだ。 「約束、してくれるかな?」 (-351) 2023/09/30(Sat) 21:35:55 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ「 お前がマフィアだってこの間まで知らなかったんだぞ。 警戒もするだろそりゃ。法律が施行されてる只中だったしさ。」 マフィアというものを身に染みて知っているから 例え友人だろうと警戒したのは許されたい。 それをリークしたのは彼のアリソン女史なのだが。 「心中って、そんなにか…? 今は、まあ、そうだな。 そこまで思い詰めたりはしてねえけど。 いってえ。ちょ、ヤバイ、いてぇ…!」 あちこち骨折しているせいで ぎゃあぎゃあ喚きながらも車に押し込まれた。 全治するにはかなりの時間を要しそうだ。 「…頑張って探してみるさ。 アイツの手を引っ張ったんだからな。 そのくらいは、やらねえと。」 男としてダサいだろう、と思うし 引っ張った責任もある。 貴方の言葉に頷いて、最後に。 「今度カンターミネ…いや、先生と飯行くんだけどさ。 お前も来いよな。」 何処かの先生が巻き込んだお食事会。 貴方も来るだろう?と笑う。未来の約束だ。 (-358) 2023/09/30(Sat) 22:24:32 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → リヴィオ「……。分かった。 約束するよ。次があったら、お前の言葉に従う。」 言葉を飲み込んで、少しの間があって。 男はこくり、と頷いた。 貴方が譲れない事ならば、それは受け入れねばなるまい。 「ちゃんと、俺自身のことも考える。 アリーチェたちの事も、勿論。」 「でも、行く時は言ってくれよな。 じゃないと、多分、追いかけちまうから。」 急に居なくなられたらきっと。 主に置いて行かれた犬のように、探してしまいそうだから。 もしもそうなったら、と言うだろう。 尤も。 次なんて、来させないつもりで居るのだけれど。 (-361) 2023/09/30(Sat) 22:31:09 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ物が落ちるような気遣いのない音が足元で立った。 それはあなたが倒れ込む音で、遅れて絶叫が喉を震わせる。 対する男はそれを見下ろして、ことりと首を僅か傾げた。 「……はあ。」 ただひとつ、吐かれた息。 その吐息は一方的な暴行ではなく双方間での攻防に詰めていたものが解放されたようにも、やっと大人しくなったと言いたげな溜息にも聞こえた。 きっとどちらでもあるし、どちらでもない。それを男は自覚していない。 丸くなるさまが身を守ろうとするようで、頼りなさに男はまた口元を緩める。これだって無意識のことだった。 「手間のかかる……」 まるで人ではないものを扱うような言葉を貴方に投げつける。 随分苦労させられた。まるで手負いの獣だ。今日はもうひとつ予定があるのに、と思考が過る。 ────まあ、仕方ない。これも仕事だ。 口元に手をやって男は思考を始めた。貴方はもう抵抗できないだろう、そう信じ込んだ油断がある。試しに足で小突くくらいのことはしたかもしれない。死にかけの虫の、威勢のほどを確かめるような仕草だった。 仕事なのだから、遂行しなければならない。しかしこの状態ではもう、貴方からこれ以上話を引き出すのは難しいだろう。 痛みにあえぐ貴方は、話すどころか座ることすら困難そうだ。 ならば。 ならば、最善は。 ▽ (-365) 2023/09/30(Sat) 23:35:57 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ貴方が狂った狼であるなら、これはもっとたちの悪いものだ。 ひとつ思いついた男は、貴方を放置して何かを取りに棚に近寄る。 貴方は、最後の力を振り絞ってそれを止めたかもしれない。 それとも、もうそんな余裕すら残っていなかったかもしれない。 どうあれ男はそれを振り払ったろう。酷く単純な、顔面に向けて足を振る動き。 そうして手に取るのは 金槌 だ。ぱん、ぱんと手のひらに打ち付けて感触を確かめる。男がしようとしていることは、とても悪趣味で無意味なこと。 それでいて残酷な次への布石。 再びの尋問が楽なものになるように、 貴方が二度と抵抗できないように、 その意志も行動も削ぐように ────四肢の内もうひとつを、砕いてしまおう。 (-366) 2023/09/30(Sat) 23:36:13 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「あぐっ…う、ぐ…うぅ…はぁっ……」 肋骨を折られては 先程のように動くことはままならない。 身じろぎする度に、激痛が身に走る。 小突かれても、呻くばかりで。 貴方が離れて、拙い、と思ったのも束の間のこと。 何とか首をもたげて、金づちを持つ貴方を見た。 「げほっ…やっぱり、尋問なんかじゃ、ねえだろ… ただの、拷問、だ……」 避ける事は出来ないだろう。 だから、呻きながらも貴方に言葉を吐きかけて。 笑うのだ、愚かだな、と。 (-367) 2023/10/01(Sun) 0:14:04 |
【秘】 きみのとなり リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ「あぁ、…約束、してくれ」 君には、ちゃんと"幸せになって欲しい"。 そしてこれは、身勝手な願いなんだろうと思う。 しかし、だとして。願わずにはいられない。 これは、仕方のないことだった。 だから、それでいい、そういうように頷いて。 「……君、言っても言わなくても同じじゃないか? 約束してくれと言ったところだろう?」 「精々その時の俺に祈っててくれ。 その約束はあまり、したくない」 君と俺は"対等"で、主と犬じゃあない。 気まぐれに消えた友人か知人か。 それを想って探すなど、やめておいた方がいい。 一方的に、身勝手に。 狡い言葉を並べ続けて、君を縛り付けるやつなんだ。 だけどそれが俺で、この約束を後悔することは一生、ない。 それでもきっとその時、俺は君のことを 考えずにはいられないのだろうなと──そう思うのだ。 「………さて、そろそろ俺は行くよ。 伝えたいことは伝えられた」 (-373) 2023/10/01(Sun) 4:12:10 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → きみのとなり リヴィオ「…同じじゃねえよ。」 唇を少し尖らせて。 ほんのちょっぴり、拗ねた顔。 「分かってて見送るのと 知らないうちに居なくなってるんじゃ、全然違う。 好きな奴が急に居なくなったら、心配する。それだけだ。」 そもそも、貴方が気づいたら居なくなるなんて 考えたくも無いのが本音だ。 それくらいには貴方の事を好いている。 守りたくて、笑っていて欲しくて、自分は此処に居ていいと そう思って欲しいと願っている。 だからこれは、我が侭。 (-379) 2023/10/01(Sun) 10:59:18 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → きみのとなり リヴィオ「怪我が治ったら、酒でも飲もうぜ。 ルチアーノを誘っても良い。」 貴方が去るのならば 男は見送る。次の約束を取り付けながら。 「その時には、色々片付けておくからさ。」 警察は辞めないだろう。 まだやり残したことが多くあるし、何より―― そうしろと、背を押されたような気がしたから。 (-380) 2023/10/01(Sun) 11:07:39 |
【秘】 きみのとなり リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ"同じじゃない"。 男はそう口にする君の顔を見て、翠を瞬かせる。 「……そうか、違うのか」 腕が自由なら、その手は口元を覆い 考えるような仕草をとっていたはずだ。 「………あまり、期待はしないで欲しい、が。 ……メール一通くらいは送る、かもしれない」 約束は出来ない。約束にはしたくない。 その日がいつ来るかなんて、男にも分からないから。 くるりと身を反転させ、君に背を向ける。 そのまま扉まで歩いて、 来た時とは違い器用に扉を開いてから。 「………代わりに、その約束は叶えてもいい。 そのために精々ルチアーノを口説いてみてくれ」 「それじゃあ、ニコ── また ね」ひらひらと、君に向け振る手はない。 それでも確かに未来の約束を結んで、君にまたを告げよう。 好きも嫌いも、愛も恋も分からない。 だけど君の気持ちは嬉しいと感じられたから、暫くは君と、 その関係を楽しんでいくのも悪くはないだろう。 (-387) 2023/10/01(Sun) 12:33:54 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → きみのとなり リヴィオ「ん、分かった。 アイツのことだ、すぐ乗るだろ。」 不測の事態になったらそれはそれ 男も飲み込むんだろう。 そこまでは、貴方に強制するつもりは無いと頷いた。 「ああ、またな、リヴィ。」 手を振れない貴方と反対に 此方は無事な方の手を振るだろう。 この関係にまだ名前は付けられないけれど いつかきっと、素敵な未来につながると信じて 男は前を向いて歩くのを決めるのだった。 (-394) 2023/10/01(Sun) 15:36:21 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「貴方が悪いんですよ。」 ────なんて無責任な言葉! 厚顔無恥とはこのことだろう。男はあくまで正義を歌う。悪はそちらと貴方に押し付ける。 ぱん。ぱん、と小気味いい音が繰り返し立った。その間にも視線は貴方の下肢を這った。 品定めの視線。吊るされた肉を解体する肉屋の視線。作業ではなく、あくまで真剣に効率を求める目だった。 大腿骨は太い。肉も多いから難しい。 同様にふくらはぎも難しい。叩くなら脛か、足首か。ぱん。音が空気を裂く。 的は大きい方がいい。 穴から蛇を引きずり出すようにして、男は貴方の足を伸ばさせた。 抵抗するなら叩く。 叩く。 敬意も尊重もない。貴方は気遣いに値しない。男にはもうひとつ予定があり、貴方と過ごす時間は着々と終わりに近づいている。 腿の上に腰を下ろして固定した。 貴方の言葉も制止も聞く気はなかった。 一番手慣れた無骨な武器を男は振り下ろした。 ▽ (-395) 2023/10/01(Sun) 15:44:59 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロこんなもの、尋問どころか拷問ですらない。 繰り返される真っ直ぐな暴力。 男はそれを仕事だと思い込んでいる。 貴方が悲鳴をあげる度に口角を上げた。 貴方が床を叩いて逃れようとする度に喉を震わせた。 それでもこれは楽しみのためになされているものではない。 あくまで。 あくまで、真摯に。 これは次の仕事のための布石。 次貴方と話す時の為の準備。 そうして金属面への抵抗が変わった頃。 貴方の様子を気にすることもない。男は最寄りでバスを降りるような身軽さで、貴方の上から退いた。 (-397) 2023/10/01(Sun) 15:46:30 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「ッは、どの口が言って、やが、る。」 呼吸をする度に、胸が痛む。 けれどその口も、貴方の行動によって 苦痛の悲鳴で彩られるのだ。 足首か、脛か。 兎も角、金属の面が骨を殴打する感覚が伝わる。 ボキ、ゴキン、バキ、グチャ。 嫌な音が響いて、激痛で頭が真っ白になって。 男が離れた時にはもう 足の感覚なんて残っていなかった。 残るのは、足だったものだけだ。 「あ、ぐ、ぅう…はぁ、っ…」 骨が砕けて、筋が潰れて。 皮膚が裂ければ、熱が零れていくのも感じる。 先程のように抵抗する気力も無ければ 激痛のショックと、抵抗する際に殴られた為に 意識すらも朦朧としているだろう。 尋問を続けることが出来るのかも、怪しいだろうか。 (-407) 2023/10/01(Sun) 18:59:06 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ最後にもう一度だけ貴方の方を向いたかもしれない。 横柄に腰を折り、手を伸ばして前髪を掴んだ。 汗の浮いたかんばせ。涙は流れなかったかもしれないが、きっと滲んでいる。 濁る千草を目に映す。金が混じればまるで春のよう。色ばかりは明るく華やいで、それが酷く不似合いだった。 それで、男は満足したらしい。 最後にふっと息を吐いて笑う。次にはぱっと手を離した。貴方の頭部が床に落ちるごとんという音がしたかもしれない。 そのままやっぱり自然な仕草で────本当に、ただの仕事を終えて休憩に出る時のような自然さで────取調室の扉を開けて。 「救急車を。」 「少し暴れたので、手当が必要かと。」 やっぱり事も無げに、淡々と報告する声が聞こえた。 (-417) 2023/10/01(Sun) 20:12:21 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「カンターミネと食事か? 俺もする約束だ一緒に行ってやろう。 なんだそんなところと仲いいのか意外だな」 彼女も中々先生業を豊かにやっていたらしい。 いつもは破天荒な姿も、なんだかんだで誰かを率いるカリスマがあるのを知っている。 「ああ。頼んだぞニコロ。 ついでに……俺が間違ったときも止められるようになってくれ」 この騒動のように、脱獄した誰かのように。 自分はきっといつか貴方を脅かしてしまうだろうから。 その時は逃げるか戦って、また、心の内を話し合ってのみ会えたらと思っている。 まあ、負ける気はしないのだが。 精々幸せを掴んで何処かに行ってしまえ、どら猫に何かの盗まれてしまう前にな。 (-420) 2023/10/01(Sun) 20:14:29 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「う、っ……」 前髪が引かれて、頭が持ち上げられる。 痛みに歪んで、脂汗と涙を滲ませた表情は 貴方にとって満足のいくものだったろう。 貴方の事を認識出来ていたのかすら怪しい意識のまま 手が離されて、頭は重力に従って地面へと。 重たい、硬いものが落ちるような音と共に 男の身体は床に転がって…脳に走る痛みを感じながら 今度こそ、意識は暗闇の中へ溶け落ちていくのだった。 淡々と報告する声を聞かぬまま 貴方の声に反応した係員が慌てて動くのだろうが 普通に救急車を呼べば、目につくことは違いない。 今のこの状態で暴行が明るみに出るのも如何なものか。 そも、貴方に命じたのは過激派の集団だ。 一先ずは命に係わる事はないだろうとの判断のもと 取り調べの終わらぬ罪人は、応急手当を受けてから 牢の方へと戻されていくのだった。 その事を貴方が知るかは、今は分からぬままだっただろう―― (-421) 2023/10/01(Sun) 20:27:45 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 口に金貨を ルチアーノ「まあ、見回りとかでちょこちょこ会う程度の仲だよ。 ガキ共の面倒見てくれてたしな。」 彼女の持つ一面しか、この男は知らないから。 真っ当な付き合いだったろう事だけは分かるだろう。 「不吉な事言うなよな…全く。 もしそうなったら、何が何でも止めてやるさ。 俺に言った事を後悔しても知らないからな。」 なんて笑うのは冗談交じりで けれど、任された、と確かに頷いてみせた。 「ともあれ、助かったよ。歩き回るなら気を付けろよな。 また会おうぜ、ルチアーノ。」 次で会う時はきっと食事会で。 此処まで世話を焼いてくれた貴方に礼を述べながら 男は病院まで担ぎ込まれるのだろう。 (-426) 2023/10/01(Sun) 20:34:03 |
ニコロは、幸福の為に、これからも歩き続ける事を決めた。 (a54) 2023/10/01(Sun) 20:52:16 |
ニコロは、月桂樹の花を、ゴミ箱へと捨てた。 (a55) 2023/10/01(Sun) 20:52:59 |
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