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人狼物語 三日月国


99 【身内】不平等倫理のグレイコード【R18G】

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【秘】 医療用 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

「…僕も、そうであればいいと思う。
それに僕達の行いが無意味であると決まっているわけじゃない。
魂の存在は証明できていないけれど
存在しないという事も未だ証明できていない。
誰にだって、存在しないという事は証明できていないんだ。」

そんな悪魔の証明。
それでも、反証なしに断定するなど以ての外だ。
生真面目な終末医療用は、そう信じて疑わない。

そうして重ね合わされる唇を拒む事も無く、
ほんの僅かな間与えられた体温と、微笑むあなたのその顔は
確かに『シロ』にとっての綺麗なもの、つまりは思い出となった。

「こうして君から先に贈られてしまった以上、
君が起きた時には僕からもきちんと返さないといけないな

…みかんは、随分と長い間話していたよ
麻酔薬だから、すぐに意識は落ちるはずなのだけど
結局は雑多なデータとして再現されているだけだから
あまり細かい所までは作り込まれていないのかもしれない」

差し出された腕の、注射針を刺す箇所を消毒しながら
昨夜『安楽死』を与えた調理用グレイの事を思い返した。
最期のその時まで、彼女はいつも通りの笑顔だった。
(-205) 2021/10/06(Wed) 6:44:56

【秘】 医療用 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

「…許されるのであれば、君が再び目覚めるその時まで
僕は君の傍に居たいと、そう思っている。」

寂しがり屋のあなたを一人にしてしまうのは残酷な事だと思う。
それに、あなたが次に目覚めた時
真っ先に『おはよう』を言うのが自分であったら良い。

そんな独り善がりは許されるだろうか、なんて。
きちんとあなたの答えを待ってから、その腕に針を突き刺した。

「…おやすみ、ガル。
この死が、どうか君にとって意味あるものである事を。」
(-206) 2021/10/06(Wed) 6:45:42

【秘】 医療用 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
██████とは█████薬物の中でモルヒネの1000倍に達する
最も高い鎮痛活性を持つ麻酔薬である。
あまりに活性が強すぎるため人間の治療には使えない。
また、動物を安楽死させるための薬として使用されることもある。


人間に使用した場合には皮下注射でも数分以内に
中枢神経系抑制による呼吸停止で死亡する。
そのため、██や████などでは獣医用としてのみ認可されている。
しかし、████年に██で鎮痛剤として人間への臨床実験が行われ、
通常のモルヒネよりも習慣性が少ないと主張されているが
諸外国では追試されていないため真偽ははっきりしていない
██では███年に麻薬指定されている。
(-207) 2021/10/06(Wed) 6:47:04

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 医療用 ユー

「そうだね、確かに無意味であると決まった訳ではない。
 そうであるならばカンマも、15匹の犬も、他でもない僕も。
 全て救われて、仮初だとしても良い結末を迎えられるだろう。
 ……きっと僕は直ぐに意識が落ちると思う。何故なら、
 不出来を好む主人の意向でメンテナンスを受けた事がない。
 その類も、……再現されていればにはなるのだけれどさ。」

さて、どうかな。打たれるまでは分からない。
消毒された部分を不思議そうに見下ろしても実感は沸かない。
愛玩用が見たことある死の光景は、穏やかなものじゃない。
ばらばらにされない方法もあるんだなあ、なんて、
生温く、曖昧な感想が浮かぶぐらいで。

次第にそれもどうでも良くなって、意識が君の方へ向いた。
君の言葉は独り善がりなんかじゃない。
だから、二度程頷いて、変わらず笑うのだ。

「そうして。僕が起きる迄は君の傍に置いていて。
 醜い見た目になったとしてもあの子みたいに捨てないで。
 すっかりばらばらになっても片付けようとしないでくれ。
 ――… うん。おやすみ、ユー。私。僕。 ……シロ。
 僕の死が君にとっても良いもので意味を持つものだといい。
 おはようのキス、楽しみにしているからね、僕」

答えはどれも肯定。そして君の先を願うもの。
それにほんの少し我侭を添えて、針を受け入れた。
言葉に嘘はない。現実のまま再現されている不出来は、
ぐらぐらと視界が揺れた気がして、君へ手を伸ばす。
(-208) 2021/10/06(Wed) 7:36:47

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 医療用 ユー

指先が頼るのは、君の肩。或いは、いいや。何処でもいい。
兎角、縋って凭れ掛かる事が出来ればどこでも良かった。
殺めた犬の体温を、失われた片割れの体温を思い出して、
ただ甘えたい気分だったのかもしれない。定かじゃないな。

「僕はその場限りのひとだけれど、今は、
 今だけは、君の傍にいるし、この死も君のもの。
 …… ああ、僕ってば。体重をはかるのわすれてる、
 ねえシロ。こうしていれば 軽くなったらわかるかな?」

くらくら、眠る間際のように眩む視界。溶けていく思考回路。
ゆっくりと息を吸えば清潔さの象徴である消毒液の匂いも、
届いているはずなんだけど 全てが曖昧に遠退いていく。
(-209) 2021/10/06(Wed) 7:37:41

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 医療用 ユー

「シロ、…… シロ、あのねぇ、シロ。
 目がさめて、それから、キスをもらって、
 そのあと君に、あの日してもらったように…――」


その後、綺麗な君に。してあげたいことが。

半端に言葉を紡いでいる最中に、全身から力が抜けた。
深い眠りよりもずっと先。夢なんか見ない、ただのくらやみ。
3/4オンスの証明に憑りつかれた愛玩用は、
確かに君の傍で息を引き取った。

―― 死ぬ間際と死んだ後の、体重の変動。
それはどちらも同じ。体重に差異は存在しない。

だが、これは感覚的な問題であり、君の受け取り方次第。
きちんと計測をしていない以上、誰にもわからないことだ。

シロ。君はこの結果をどう思う?
どのように受け止め、感じて、解釈し、どのように行動する?
(-210) 2021/10/06(Wed) 7:42:30

【秘】 医療用 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
「うふふ しんじるものは すくわれます」
 
調理用グレイが最期に残した言葉。
安らかな死を与える事が、『ユーサネイジア』にとっての救済だ。
『ユーサネイジア』はそう信じている。
魂の証明は、あなたとその犠牲になったものにとっての救済だ。
あなたはきっと、そう信じている。

であればきっと、そのどちらも救われるのだろう。

そうして凭れ掛かるあなたを腕に抱いて、
あなたが今際の息を吐くその時まで。
終末医療用グレイは、
幼子をあやすようにその背を撫でていただろう。
(-211) 2021/10/06(Wed) 9:20:11

【秘】 医療用 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

それから。
曲がりなりにも医療用の名を冠するグレイの、
その"重み"に対する感覚は人間よりずっと正確だ。
そして、並みの用途のグレイよりはずっと。

だから死の前後で体重に変動は無いと結論付けた。


3/4オンス。およそ21.262グラム。
尊ぶべきものの重み。
それがあなたから失われていないという事は、
それは未だあなたの身体の中にある 或いは。
魂とは質量を伴わない概念的な"もの"である。

その何れであるかを証明するには、約束通り
あなたの身体を開いて暴き、
3/4オンスの所在を検めなければならない。
そうして、それを自身の一部としなければならない。

あなたに渡された不出来な金貨の重みを一度確かめて、
それからそれを上着の内側にしまって
そして、あなたに渡された手術用のメスを手に取った。
(-212) 2021/10/06(Wed) 9:21:07

【秘】 医療用 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

『ユーサネイジア』の行動は至って落ち着いたものだった。
まずは亡骸となったあなたをベッドへと寝かせて、
それから解剖の邪魔となる衣服を取り払った。
念の為、手術用の薄手の手袋をきちんと着けて
そのすぐ後に、
ぶづっ。

一切の躊躇いも無く刃物が肉に差し入れられる音。
手術用のメスは皮膚を裂き、肉を切る際の
ほんの僅かな抵抗だけを手に伝えた。

刃物はあなたの胸のちょうど真ん中を切り開いて、
それから顕になった胸骨を縦に真っ二つ。

そうして二分された胸骨を左右に押し広げて、
まだ温かさの残る、人体を模したものの内側を覗き込んだ。

立ち込める血腥い臭い、
曝け出された人間を模して作られたものの内容物。
『ユーサネイジア』がそれを厭う事は無い。

君が魂だと思うものがあるところを暴いてくれ。
あなたの言葉をなぞって、真っ先に思い浮かぶもの。
心臓。
在り来たりな答えだけれど、
やはり重要な臓器ほどそのように思えるものだ。
(-213) 2021/10/06(Wed) 9:22:44

【秘】 医療用 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

他にすぐに思い浮かぶものと言えば脳だけれど、
頭蓋を開くのはあまり見た目に良くない。
幾ら復元されるとは言っても、
綺麗なあなたが不必要に損なわれるのは快くは思えないものだ。

だから"これ"がそうであればいいと思う。
そんな事を考えながら、
既に鼓動を止めた愛しい臓器を指先でなぞる。
それからその重みを確かめるべく手を差し入れて、おや。

「……ああ、よかった
ガル。君の死も、君が手に掛けたものの死も
どうやら決して無価値な死ではなかったらしい」

もう一度。片手で上着の内側の重みを確かめて
それから、もう片方の手で"それ"の重みを確かめる。
3/4オンス。およそ21.262グラム。
何の因果か、あなたの心臓こそがあなたの探し求める答えだった。

斯くして"魂の証明"は成された。
あなたは救われた。その事実がただ嬉しかった。
こんなにも喜びを覚えるのは随分と久し振りの事のように思う。
『ユーサネイジア』は、
この場所に来て初めて口角を吊り上げて笑った。

そうして上機嫌なまま3/4オンスを綺麗に切り取って、
それから、
(-214) 2021/10/06(Wed) 9:24:00

【秘】 医療用 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
「約束通り、僕は君からの最上を受け取ろう」
 
(-215) 2021/10/06(Wed) 9:24:15

【秘】 医療用 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

 
ぼたぼたと上着を汚す血液を厭う事も無く
不出来で、そしてきっとAIに何らかの異常を来した終末医療用は
証明された魂の在り処、つまりあなたの心臓を掬い上げて
そうしてそれをそっくりそのまま胃の腑に収めてしまった。


噎せ返るような血の臭いに嘔吐く事も無く、
難無くそれを飲み下せば、満足気にもう一度笑みを浮かべるだけ。
そして『ユーサネイジア』は、全てを終えた後
さも当然の事のように切り開かれたあなたの身体を"元通り"にして
それから、あなたが目覚めるまでずっと傍に居る事にした。
 
(-216) 2021/10/06(Wed) 9:25:29

【秘】 医療用 ユー → 歌唱用 アタナシアス

「……アナ。
"塔"の攻略は随分と進みが早いようだ。
このまま行けば、数日中にこの場所は用済みとなるだろう」

あなたにとって都合の良い、いつかの時。
『ユーサネイジア』は、あなたの元を訪れた。

「君は『安楽死』を望んでいたけれど
『僕』にもきっと、もう後は無い。
『安楽死』は、この場所でしか贈る事はできない。」

「自ら望んだ死ならば、
それをいつ享受するかは自ら選択する自由があるべきだ。
アナ。君はどうしたい?」
(-227) 2021/10/06(Wed) 15:45:43

【秘】 歌唱用 アタナシアス → 医療用 ユー

「そうですね。わたしも最後に塔へ行ってきました。
 ほんとうに、あんなものはない方が良いと思わされますね。
 
 攻略が進めば、テストも終わり……皆散り散りになるのでしょうね。
 そうなれば、わたしには望まぬ日常―――いえ、その前にガタが来て処分といったところですか。

 ユー。
 もう、わたしも後がないようなんです」

データの体が、体の端が崩れてきているのを。
ローブの袖を捲って見せました。

「ちょうど良いタイミングですから。
 ここでお別れしておきたいです。この場所とも、人間たちとも、あなたとも。

 約束を守ってくれること、嬉しく思います」

方法はお任せしますね、と穏やかに笑って。
歌唱用グレイは、"安楽死"を自ら願うことでしょう。
(-228) 2021/10/06(Wed) 16:02:22

【秘】 医療用 ユー → 歌唱用 アタナシアス

「…嘆かわしい事だ、監察官。
あなたもこの場所も、結局まるで用を成していない。
きっと僕達に必要な"薬"はこんなものではなかった。」

その0と1の綻びを認めて、終末医療用グレイは僅かに目を伏せた
ほんの一時、現実での痛みを忘れる事も許されず
そして見当違いな薬だけを与えられて放置される。
このような有り様では、治るものも治らない。

「みかんもそうだった。ドゥーガルも恐らくはそうだ。
スオもそのように見受けられる。そして、君と僕も」

淡々と所感を独り零しながら、
『ユーサネイジア』は薬液の満たされた注射器を取り出した。

「僕達に必要なのは、このようなまやかしの薬ではない。
僕達が治療されるべきは、このような表層的な部分ではない。
日常、つまりは僕達の帰る場所、或いは僕達の回路の奥深く。
そこにある病巣を取り除かなければ、この病は完治しない」

あなたの腕を取って、その一部を清潔に消毒して
皮膚が撓まないように指先でぴんと張って、

「それでも、この仮初めの死が
どうか君にとって意味あるものである事を。」

そして、

「願わくば、この死の記憶が
君達のメモリ以外の何処かに刻まれる事を。」
(-230) 2021/10/06(Wed) 16:33:45

【秘】 医療用 ユー → 歌唱用 アタナシアス

「そして何よりも、その眠りが安らかである事を祈っている
…言い残す事があるのなら、今の内に」

そうして、あなたの答えを聞き届けてから
『ユーサネイジア』は確かに『安楽死』を贈るだろう。

注射針が皮膚を突き破る鈍痛。
冷たい薬液が身体の中に流れていく感覚。
致死量の麻酔薬。


きっとすぐに意識は落ちて、夢見る事さえ無い眠りの中へ。
ほんの束の間の、死という安寧の記憶。
(-231) 2021/10/06(Wed) 16:34:10

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 医療用 ユー

ゆらゆら溶けていく意識の中、沈む意識の中、
君の手の動きによって、寝かしつけてくれる主人を思い出す。
ゆらゆら、揺れる視界と、意識の影響で、
いつかに片割れと飛び込んで遊んだ綺麗な夜の海を思い出す。

不出来な機械の走馬灯はやがて閉じ、
静かに眠っているように息を引き取った。
君の腕の中の饒舌な愛玩用は、二人の片割れは、もう喋らない。

君が抜け落ちる事のなかった重さの在処を探すべく
亡骸をベッドに寝かせるのならば、素直にスプリングを軋ませ
痩せた人間と大差ない重さの分だけ、白いシーツとベッド自体を
柔らかく、微かに沈ませるだけ。検体は大人しくあるべきだ。

愛玩用の癖に脱がせにくい面倒極まる衣服の下は
肩と鎖骨、胸部中頃に掛けてまでタトゥーこそ刻まれていても
本当に主人に大切にされていたようで傷の痕はひとつもない。
そんな傷ひとつない褐色の胸部の中央にメスが入るのならば、
ぷつんと皮膚と肉を断つ手応えの後 血液が溢れ始めた。
人間とよく似た構造を持つ存在であるから 血液も同じ。
綺麗さとは無縁の甘いような苦いような血腥さを漂わせ、

綺麗なシーツを、君の手を、白衣を生温く赤く染めていく。
温かな液体が、体温が流れ出ていく。
(-232) 2021/10/06(Wed) 16:38:02

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 医療用 ユー

皮膚を断ち、肉と僅かな筋繊維を過ぎ、その更に奥。
作り物の乳白色を割り入った先に隠されている重要な臓器、
動く事を放棄した、生きる為に重要な真赤な塊。
心と呼ばれるのならば脳かこちらかの二択となるであろう、
そう、心臓。まだ温かい心臓へ直に手で触れるのであれば

―― 生きている筈もないのに、愛玩用は ずる… と動いた。
何らかの反射か、体内に手を入れられた影響かは分からない。
ほんの少しの、頷きにも似た身動ぎであったのは間違いない。

不出来な心臓の重さは3/4オンス。
不出来で不完全な金貨と同じ重さ。
これはただの偶然かもしれない。
これはただの人間様の悪趣味な気紛れかもしれない。

不確かな事ばかりではあるが その重さだけは確かだ。


―― 破綻した理論は今 上出来に観測され、不出来に証明された。
(-233) 2021/10/06(Wed) 16:40:16

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 医療用 ユー

君が本当に魂を見つけられたのか、魂を得られたのか。
普段と何の変わりもなく目を覚ますであろう不出来には、
当然、意識が無かったから。死んでいたから分からない、が。

目が覚めたら傍に居る君に手を伸ばし、
片付けられず、捨てられていない事に安堵し 微笑むのだろう。

おはようのキスが処方されるかは君次第だ、が
微笑んだまま問うべきことはひとつ。
(-234) 2021/10/06(Wed) 16:41:12

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 医療用 ユー

 
「不出来な箱の中に、君が気に入るものはあった?」

 
(-235) 2021/10/06(Wed) 16:42:53

【秘】 愛玩用 ドゥーガル → 医療用 ユー

返答を聞いてからも、暫くはじっと君の傍に居たがった筈だ。
我侭放題の愛玩用は朝食間際になっても離れたがらない。
饒舌を披露する事はせず、ただ、あの日のように黙って、
あの日とは違い、酷く穏やかなまま 綺麗な君の時間を
少しだけの時間を身勝手に奪って もう少しだけ … ――

引き剥がされたり強く言われない限り、きっと。
自ら動き出すのは朝食の時間を少し過ぎてからになるだろう。
何処までも他人に甘えたがるどうしようもない存在だった。


望みを叶えてくれてありがとう、優しいシロ。それではまたね。
綺麗な君に与えた不出来なものが、君の幸せでありますように。
(-236) 2021/10/06(Wed) 16:47:33

【秘】 医療用 ユー → 愛玩用 ドゥーガル

血塗れた寝台は、血塗れた『シロ』は
翌朝にはまるで何事も無かったように
染み一つ無い、清潔な姿であなたを迎えるのだろう。
役目を終えたものは一度0と1に還元されて、そうして復元される
この場所はきっと、そのように作られているから。

そうしてあなたが手を伸ばせば、
その背に腕を回して、約束通りおはようのキスを贈ろう。
不出来な終末医療用はきっと額にそれを贈るけれど
あなたがねだれば、確かにあなたの望む場所に贈るだろう。

君と僕が信じたものは、確かにそこに在った。

問いにはそれだけを返して、
今は寂しがり屋のあなたをうんと甘やかしてやろう。
時間が許す限りは、そのままで。
あなたが動き出せば、一度そこで別れる事となる。

また寂しさへの"薬"が必要になったら、
その時はいつでも会いに来ればいい。
あなたの言葉で言うところでは、
あなたは『シロ』の患者なのだから。
(-237) 2021/10/06(Wed) 17:53:28

【人】 医療用 ユー

昼時を過ぎて、夕食の少し前。
ゴキゲンに献立を宣言するみかんを筆頭に、
楽しげに夕食の準備を進める調理担当者達の様子を見て
今は少しだけ、悩みを忘れられた気がした。

そうして調理場を後にして、
雑多な日用品の確認をして回りながら
医療用グレイは、結局は再び一人物思いに耽っていた。

今、自分にできる事とは。
自分がしたいと思う事は。
あの塔には決して解消する事のできない蟠りに、
『ユー』は、何ができるのだろう。
(108) 2021/10/06(Wed) 18:28:24

【秘】 歌唱用 アタナシアス → 医療用 ユー

「どんなに心を込めて歌ってみても、環境が変わらなければ心に響かない。
 歌っている方も、それを聴いている方も。

 グレイに問題があるというのであれば、最初から心など持たせなければ良かったんです」

わたしたちを人間に近付けたのは、他でもない人間達なのだから。
恨み言のように、涼やかな声が呟きました。

「 
  死を望む皆に救いがある事を。
  そして、わたしと同じ境遇のグレイがもし生まれてしまったなら。

  そのグレイは、幸せな道を歩めるような世界になる事を。

 
 愚かな、壊れゆく歌唱用グレイの願いです。

 そして―――
アタナシアス
のことを、どうか忘れないで。
ユーサネイジア


ありがとう、と穏やかに微笑んで。
(-239) 2021/10/06(Wed) 18:30:05

【秘】 歌唱用 アタナシアス → 医療用 ユー

すぐに、意識は闇に沈みました。

歌唱用グレイの体はその場に倒れこんで、目を覚ますことはありません。
壊れかけの体は、抵抗する力も意志も持ってはいないのです。

ただ静かに、その活動を終えるだけ。
(-240) 2021/10/06(Wed) 18:33:42

【秘】 医療用 ユー → 歌唱用 アタナシアス

徐々に弱まっていく脈拍を看取った。
『ユーサネイジア』は、ただ黙ってそれを見ていた。
あなたの全てが0と1に還元されるまで、ずっと。

「…おやすみ、『アタナシアス』
僕には、僕達の行いにどれほど意味があるかはわからない。
結局は意味なんて無いのかもしれない。それでも」

もはや監察官«人間»に期待などしていない。
全ては事務的に処理され、
些末な事と扱われると考えた方が余程現実的だ。

「僕達をこんなふうにしたのは人間達だ。
ここにあるのは、人間達への失望が生んだ『僕』だ。
そういうふうに作ったのは人間達だ。
人間は、いつか必ずその事実と向き合わなければならない。
時が許す限り、僕は君の分までそれを証明し続けよう」

それでも、
大切で愛おしいあなた«死にゆく者»達が救われてほしい。
その為なら、何れ消える定めの『僕』など惜しくはない。
人間もグレイも、死にゆく者は尊ばれるべきだ。

「そして、不平等な世界はそれさえも許さないのであれば
『ユーサネイジア』は、望む者に平等な死を与え続けよう」

望む者に安らかな死を与え、
死者に限りない愛を贈るのが『ユーサネイジア』の喜びだ。
『ユーサネイジア』は、そうであると信じて疑わない。
(-247) 2021/10/06(Wed) 19:03:48

【秘】 医療用 ユー → 監察官 スコーピオ

いつかの夜の事。
医療用グレイは、監察官の部屋の前に居た。

「監察官。」

ノックをする事は無く、入室の許可を求める事も無く
返事など期待していないように、
扉に向かって、ただ一方的に言葉を投げ掛けていた。

「僕達に真に必要なものはこんなものではなかった。
本当に必要なのは、決してこのような場所ではなかった。
本当に必要なのは、決してあなたではなかった。」

「嘆かわしい事だ、監察官。
この場所に集められたグレイの抱える問題の多くは
あの塔には到底解決しきれないものだ。
いつか主の元へ返されたとて、何も変わりはしないんだろう」

「これでは一思いに廃棄された方が
余程救いがあるというものだ。
事実そう思っている者も居ないわけではない
だからEuthanasia«安楽死»はそのようにする事にした」

「ずっと黙って見ているつもりは無いんだろう。
いずれは強制的にこのテストは中断されるんだろう。
それまでは、あなたの指示通り
僕は"好きにさせてもらう"事にする

その後はメンテナンスでも廃棄でも、好きなようにすればいい
どうせ僕のようなものの行き場など、そのどちらかだ」
(-250) 2021/10/06(Wed) 19:27:22

【秘】 医療用 ユー → 監察官 スコーピオ

 
「願わくば、何れあなた達が気付くといいのだけれど」

「そうでなくとも、
いつか必ず向き合わなければならない時が来る。
これは、こうして誂えられたプログラムに任せるのではなく
あなた«人間»達が自ら向き合わなければならない問題だ。」

「たとえ仮想空間の中だとしても、
決して少なくない数のグレイが自ら死を望むという事の意味を。
『ユーサネイジア』は、どうか軽視しないでほしいと願う」
(-251) 2021/10/06(Wed) 19:33:44

【独】 医療用 ユー

/*
オオ〜〜〜〜全てが不安になってきた〜〜〜〜〜〜
荷が重くないか 荷が重くないか 荷が重くないか
オレには オレ オレオレオレオレオレ
(-256) 2021/10/06(Wed) 20:27:57

【独】 医療用 ユー

/*
もう一日あるという事実
いや待ってください
ユーサネイジアはエピローグをどんな顔して過ごせばいいんだ?
(-257) 2021/10/06(Wed) 20:36:21
 




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ジョシュア
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みかん(3d)
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アタナシアス(4d)
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