【秘】 演者 アクタ → 共犯者 ツルギそうして、潜められた声には。 「……なんだそれ。」 君の言葉の真意を知らずに 無邪気に、 残酷に、 満面の笑みで答える。「当たり前だろ!」 真実は、人の数だけ存在する。 男の中では、君との出会い、過ごした時間、その全てが 喜劇に映って見えた。───ただ、それだけ。 やっぱり、君と、分かり合えなかった。 (-141) 2022/03/12(Sat) 19:00:08 |
アクタは、そうして、物音に気が付けば、裁判場から駆け出して行った。 (a38) 2022/03/12(Sat) 19:00:49 |
【人】 演者 アクタ>>薬局 メッセージを、見ていなかった訳じゃない。 清算すると決意した顔から、目を逸らした訳でもない。 見守る、と、決めたけど。 「……エノ、」 ──物音がする。 裁判場を飛び出した。 ──建物が崩れていく音がする。 耐えきれず、駆け出した。 「エノッ!!」 駆けて、駆けて、駆けて。 必死で駆けて、君が無事である事に賭けて。 ──辿り着く頃。 『何もかもが終わった跡』だけが、そこにあった。 ▽ (26) 2022/03/12(Sat) 20:10:01 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノいつかと同じように、君の姿を探して。 「………エノっ、」 重い瓦礫をも掻き分けて。 「エノ……!」 例え爪が割れても。 例え喉が枯れても。 ……奇跡を諦めない。 「エノッ!!」 この声は、君に届くだろうか。 君の姿を見つけることは、出来るだろうか。 (-149) 2022/03/12(Sat) 20:12:07 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ声が返ってくることはない。 瓦礫は重くて、敷地一面を埋めている。 奇跡なんて起きるはずもなく。 演劇のような美しい物語があるわけもなく。 絵に描いたような世界はそこにはなく。 あるのはただ重くて、君の指を傷つける現実だけで。 どかしてもどかしても、地面すら碌に見えてこない。 血のにじむ手はそのうち感覚がなくなるかもしれない。 未だに音一つ聞こえてはこない。 瓦礫をどかしきった頃、そこにあるのは、 最早形も分からない肉片かもしれない。 喉が枯れてしまっても、この光景を見ても。 君はまだ奇跡を信じるのだろうか。 諦めてしまった方が、きっと楽だ。 君はとってもいい子だから。 たとえここで一人になっても、きっと。 いずれは大切な人が出来て、その人と手を繋いで。 夢に描いたような未来を歩むことはできるはずで。 そんな未来を歩むためにも。 早めに、諦めてしまった方がいいはずで。 それでもまだ、奇跡を願い続けるのだろうか。 (-155) 2022/03/12(Sat) 21:13:52 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ>1度飲んだだけのレモンティーは、再現するのが大変で。 >随分無駄なデータ容量を使ってしまったけれど。 「……………ぅ………」 ほんのわずかな、音がした。 (-156) 2022/03/12(Sat) 21:21:24 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ「っ、ぅ、う………!」 嫌だ。 ばくばくと心臓が鳴る。 人の死を想像するのは、これで2度目。 それでもこの恐怖にはどうしても慣れない。 瓦礫を退ける。──が、散らばるのはその限りではない。 キャンパスの木片や窓のガラス片があれば容赦なく手指を裂くし、 鉄筋ならば動かす事も容易ではないだろう。 「ッ、痛……」 それでも、やめない。 この障害物を退けた先。 ───誰のものか判別も付かない肉があるのか。 ───大切な人の笑顔があるのか。 幸福でも、後悔でも、 目を逸らしたくはないから。 「……………エノっ!」 ▽ (-169) 2022/03/13(Sun) 1:35:25 |
アクタは、喜劇が好きだ。幸せな物語が好きだ。 (a52) 2022/03/13(Sun) 1:35:54 |
アクタは、何度でも名前を呼ぶ。 (a53) 2022/03/13(Sun) 1:36:14 |
アクタは、微かな声が聞こえた。 (a54) 2022/03/13(Sun) 1:37:07 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ──それからは、無中だった。 「エノ!エノっ……!!」 もうちょっと、筋トレとかしておくべきだったな、とか考えて。 こんなVR空間じゃ関係ないか、なんて考えて。 ペットボトルひとつ分の小さな隙間に腕を突っ込んで。 絞り出すような呻き声を頼りに、君を薬局の残骸から探していく。 手指の感覚なんて無い。 じくじくするけど、 これをW痛いWと認識するのは、もう少し先の話。 ──顔を見つければ。 ──胴を掻き分ければ。 ──手足を掘り起こせば。 「ば、ば………バカ! しっ、心配ばっかかけやがって……!」 砂埃を頬にくっ付けて、ぼとぼと涙を零しながら 宝物にそうするように、優しく君の体を抱きしめるだろう。 (-170) 2022/03/13(Sun) 1:38:26 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタきっと、それがオレンジジュースではダメだったのだ。 慣れ親しんだ、いつもの飲み物は。 作るのに慣れてるから、最小限のデータで作れるから。 レモンティーは、慣れてなかった。 だから作るのに、不必要なデータ量を使った。 その分削れた、瓦礫の隙間。 そこに、奇跡的に体が挟まってる。 それが、オレンジジュースではダメだった。 あの日、あの時、君がレモンティーを飲ませてくれたから。 それが、とても美味しく感じたから。 君があの時、ずっと傍に居たいと言ってくれたから。 最期の時は、君を思い出せる物を飲もうと思ったから。 君が。 青年を。 愛してくれたから。 だから、その体は、まだ暖かかった。 (-184) 2022/03/13(Sun) 6:59:59 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ「……アク、タくん…………」 抱きしめられる。 多少なりの怪我はしたけれど。 今は痛いと感じない。 また空が見えたことが、君の顔が見れたことが。 酷く現実感のないことに思えて。 もしかしたら、走馬灯なのかもしれないと思って。 でも、君が抱きしめてくれるなら。 その温かさが、それを現実だと教えてくれて。 「………………俺…………」 抱きしめ返す力もなくて、ただ身を預けて。 ぽろぽろと、涙だけがこぼれ落ちる。 怖かったんだ。 死にたくなかったんだ。 助けて欲しかったんだ。 生きたかったんだ。 ただそれらを、たどたどしく口に出して。 「…………生きてて……いいのかな……ぁ…………」 一緒に帰って、いいのかな。 震える体を君に押し付けながら、ただ、その許しを乞った。 (-186) 2022/03/13(Sun) 7:05:54 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ「良い、」 刹那。 間髪入れずに、声が出た。 「良いよ……ッ! わがままぐらい、言えよ! いくらでも、僕が聞いてやるからさ……、」 レモンティ一本分の奇跡。 君と積み重ねた時間が、それを掴み取らせてくれた。 君への想いが、正しく通じたような気がして───僅かな呼吸に、温度に、安堵を漏らす。 「……し、死んじゃっ、た、かと お、おもっ……た…… ………よかった、エノ……、」 ──怖いなら、隣に居て。 ──死にたくないなら、肯定して。 ──助けて欲しいなら、駆け付けるから。 ──生きる希望を、捨てないで。 ▽ (-192) 2022/03/13(Sun) 12:49:46 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ「し、し……死なないで、 生きてよ、隣に居てよっ、エノ……!」 君との距離が、少しでももどかしくて やっぱり君の傷なんてお構いなしに、 小動物みたいに鼓動を震わせる君を、強く抱きしめてやった。 「も、もう、やだよ、 こんな思い、もう、したくないよ……!」 3度目は、訪れないで欲しい。 大切な人を失いそうになる思いは、 身を裂かれるように悲しくて寂しいと、嫌なくらい知ったから。 「……一緒に、背負うから………。」 ぼと、ぼと。 君の生み出した瓦礫に、君と二人、涙を落として。 それを拭うこともせずに、ただ、距離を埋めていた。 (-193) 2022/03/13(Sun) 12:50:42 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタ「……っぅ……ぅぅ…………」 「……ぁぁぁ…………!ぅ、ぁぁぁぁ…………」 「うわぁぁぁぁぁ…………!ひぐっぅぅぅ…………ぁぁぁ……!」 君の肩で、ただ、泣き声を上げた。 いつまでも、いつまでも。 喉が枯れてしまうまで。 (-211) 2022/03/13(Sun) 15:50:02 |
【秘】 美術 エノ → 演者 アクタそうして、何もかもを涙で洗い流して。 自分で自分を縛り付けていた罪の鎖も。 体を押し潰してしまいそうだった大きな苗字も。 誰かに理解されたいという歪な願いも。 すべて、全てを洗い流して。 最後に残ったものは。 「…………帰りたい…………」 「……アクタくんと、一緒に…………」 「生きたいよ…………」 そんな、子供みたいな純粋な願いだけ。 それはただの自己満足な、殺された側の人の意見など 何ひとつも聞いていない、身勝手な精算だったけれど。 でも確かに、確実に。 君と二人で歩く未来に目を向ける、きっかけにはなって。 「…………帰ったら………………」 「……そっちに、いくからね……」 お願いだから、待っててね、と。 少し、顔をずらして。 その頬に、唇を軽く触れさせて。 そうして。 未来を得るために、帰り支度をするのだろう。 (-213) 2022/03/13(Sun) 15:58:53 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ君を抱きしめて、 腕中の君の、生まれ変わりに立ち会った。 「……うん……、」 涙の雨に、傘をさすことは出来ないけど 一緒に濡れてやることは出来るから。 「僕も、……エノと、生きたい。」 きっと遠くない未来で 君と寄り添って、ささやかな幸せを積み上げて 隣で笑い合って生きていけたら、 他に望むものなんて無い。 友達が出来て、大切な君が前を向いてくれたから 少しくらいは、ロッタリー制度も悪く無いな、なんて、今だから思えてしまった。 「うん、待っ───……」 自分はまだ高校生。経済的にも社会的にも自立しているとは言い難い立場。 だから、待っている、と答えかけて、 ▽ (-250) 2022/03/13(Sun) 19:57:28 |
アクタは、「…………」 (a76) 2022/03/13(Sun) 19:57:36 |
アクタは、「………………………」 (a77) 2022/03/13(Sun) 19:57:43 |
【秘】 演者 アクタ → 美術 エノ──これは所謂、口付け。 頬にだけど。 「ッ、あ、あ…………!?」 男は、経験に乏しかった。 だから、こんな場面でも、酷く動揺した。 君を抱きしめている腕から力が抜けて、 取り落とすまい、と、再び力の入ったその腕は なんだか頼りなく震えているし、手汗はびっしょり。 「ま、まっ、……ま、待って、る。」 ひとつ、深呼吸。 もうひとつ、深く吸って吐いて。 君の唇に、そっと口付けを落とす。 (-251) 2022/03/13(Sun) 19:58:30 |
アクタは、そうして、動揺しながら帰り支度をするのだろう。 (a78) 2022/03/13(Sun) 19:59:16 |
アクタは、エノの事が、好きだ。 (a91) 2022/03/13(Sun) 20:14:52 |
アクタは、「何でもやろう」 そのどれもに笑って頷いて。 (a92) 2022/03/13(Sun) 20:16:45 |
アクタは、君との未来へ向かって、帰って行く。 (a93) 2022/03/13(Sun) 20:17:17 |
【秘】 未来の脚本家 アクタ → モノノ怪 ユメスケログアウトする直前。 君の姿を見つければ、その背に。 「……待ってろよ!」 何を、とも。いつまで、とも。 言わないけれど、君には伝わっている筈だから。 「またな!」 どこにも確かなものがない、あやふやな約束。 それでも男は、馬鹿正直に、真っ直ぐに、君との再会を願っている。 だから、WまたW、その日まで。 ──舞台の幕が上がるその時まで、気長にお待ち下さい。 (-252) 2022/03/13(Sun) 20:18:49 |
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